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「んんぅぅぅぅぅ!」
「……ふふ、感じやすいんですね、心も体も……秋葉さん」


 先輩は、秋葉の秘部をつねったか何かをしたらしい。
 その証拠に秋葉の身体は強く震え、そして――ぐったりとする。両手を壁に
高く戒められているので、秋葉の身体は吊されたようにだらり、と下がる。

「……イったのか?秋葉?先輩に触られて」
「…………」

 唇を離した俺が尋ねると、項垂れた秋葉は僅かに首を上下させる。
 先輩にイカされた……そう思うと、なにか口惜しいような気もする。秋葉か
ら顔を離して傍らの先輩を見ると、先輩は濡れた指先を俺に見せて、せせら笑っ
ていた。

「遠野くん?秋葉さんはこんなにいやらしいことを考えながら、お出かけして
いたんですよ」

 先輩が笑いながら人差し指と中指を絡めると、つう、と粘液が糸を引く。
 俺が頷きながら秋葉を見ると、吊された姿勢の秋葉は、ミニスカートに僅か
に隠された股間を濡らして――項垂れ、震えていた。

 秋葉の唇の味を思い出し、俺は指を口元に触れる。
 指先に触れる唾液の濡れた感覚。俺は秋葉のむき出しの秘部を見てから、股
間を熱く持ち上げる欲望を感じていた。今もジーンズの中の俺の逸物は、内側
から布地を押し上げようとしている。

 この欲望を、どこかに晴らしたい。そして、その器は――
 これは、秋葉が望んだ事じゃないか。秋葉がショーツを付けずに来たのは、
こうなることを期待していたからじゃないのか?俺の中でそう、語りかける声
がある。
 
「……兄さん……」

 そんな俺の耳に、掠れる秋葉の声が響く。
 ぐったりとした秋葉の身体からは、いつのもオーラを感じない。ただ、今の
秋葉の拘束された姿には……嬲りたくなるような、翳った色気が漂っている。

 もしこの場に二人っきりであったら、秋葉に俺は襲いかかっていたかも知れない。
 ただ、俺の横に先輩が居ることを思い出して俺は唇から指を外して話しかける

「さて、先輩。秋葉をどうしよう?」
「……遠野くんはどうしたいんですか?」

 俺の問いに、鸚鵡返しに尋ね返してくる先輩。
 先輩は悪戯そうに笑って、眼鏡の奥の瞳で俺を見つめていた。その瞳はきっ
と、俺の仲の欲望を読みとっていたに違いない――先輩はぴっと指を振ると、
秋葉を眺める。

 戸惑う俺に、先輩は口笛でも吹きそうな調子で……

「私はすべき説明をしましたし……秋葉さんの破廉恥な行動にお仕置きすべき
立場じゃないですから」
「じゃぁ……俺が秋葉にお仕置きしなきゃいけないのか」

 俺が先輩の言葉に促されて口走ると、はい、と先輩は頷く。
 お仕置きしなければいけない……俺は秋葉に。ショーツを履かずに俺を誘う
ような行いをする秋葉に、お仕置きを……

 俺はそう口の中で呟きながら、ふらりと秋葉に歩を寄せる。
 もう一度指を秋葉の顎に添えて、くいと上げた。秋葉は脅えた目で俺を見つ
めていた――その目を見、秋葉の身体から立ち上る香水とそれよりも強い肌の
匂いを嗅ぎ、指先に秋葉の滑らかな肌を感じるだけで……

「兄さん……んむっ!」

 俺はそのまま、秋葉の唇をまた奪う。
 首の向きを変えて、秋葉の唇に舌を差し込む。そして舌の先を探り当てて嬲
り、口腔の中を貪った。顎を上に向けさせて、秋葉の口の中に俺の唾液を流し
込むかのように。

 俺は空いた手で、秋葉の胸を掴む。そこには豊かな乳房はなかったが、服越
しにも微かに膨らんだ秋葉の胸を感じた。指先を探ると、秋葉の胸の乳首は……
 指先に種のように触る、秋葉の胸の突起。

「ふぅん……ブラもしてないんだな、秋葉」
「ふぁ……はあ、は……ふぅん………ははぁぁ!」
「お仕置きか……どうされたい?秋葉?」

 俺は秋葉の唇を離して囁きかけるが……答えはない。
 唇から離れる舌を名残惜しそうにしていたが、秋葉は顎を引いて目線を伏せ
ていた。お仕置き、といってもこの場でするのは……俺は秋葉の胸を離して手
を下に進める。

 秋葉のミニスカートをめくると、俺はその中に手を入れた。

「はぁっ!兄さん……や……」
「本当に濡れてるな、秋葉……」

 俺の手に触ったのは、内股を濡らす秋葉の愛液の手触りだった。
 秋葉の内股を伝って、俺は指を秋葉の秘裂に進める。先ほど視姦され、先輩
に嬲られた女陰は愛液を滴らせながら熱く疼いている。俺が指を割れ目に割っ
て入れると、秋葉の身体がびくん、と震える。

「ああっ、ん……あああ……」
「そうだな、秋葉……お仕置き、か」

 俺は濡れた指先を抜くと、ぺろりと舐めた。
 微かに汗の味がする、むわっとした熱い淫液の味。俺はふと振り返ると、先
輩に尋ねる。

「先輩……これ、どうすれば外れるの?」

 俺は秋葉の手首の間に挟まったナイフを指さす。コンクリートの壁に深く突
き刺さったナイフは、尋常な手段で刺さっているとは思えなかった。先輩は少
し離れて俺達のことを見ていたが、俺の問いで物思いから覚まされるように顔
を上げてはい、と応える。

「そのまま抜けば外れますよ。秋葉さんは外せなくても、他の人にとっては何
でもありませんから」
「そう……じゃぁ」
「で、どうするんですか?遠野くん?」

 俺は銀のナイフの柄に指を掛けると、そのまま肉に刺さった刃を引き抜くよ
うにずぶり、と引き抜く。刃こぼれ一つない銀のナイフが俺の手の中に残り、
秋葉の両腕は拘束を放たれて――
 崩れ落ちる秋葉の身体を、俺は受け止めた。

「はい、先輩これ……で、なにがどうするって?」
「秋葉さんへのお仕置きですよ。妹さんだから、このまま放免ですかね」

 先輩は俺からナイフを受け取り、そう答える。
 俺は秋葉の身体を抱き直し、ふらつく足で断たせながらうーん、と唸る。そ
れでもいいんだけど……納得できない。
 なによりも、俺の身体が秋葉を求めているんだから。こうして抱きしめなが
らも、先輩の目を憚らずに剥いてしまいたい欲望も感じる。だが――

「……まさか。秋葉のお仕置きはね……このまま、約束通りにデートしようかと」
「はぁ……それはまた」

 俺の提案に、先輩は笑って頷く。ただ、遠野くんも悪い人ですね、と言い出
しそうな腹に一物ある笑いであった。
 え?と秋葉は俺の腕の中で身震いし、俺を見上げる。そんな秋葉を俺は見下
ろして……

「秋葉……このままデートしよう。ショッピングでも良いし、食事でもいいし、
映画を見るのもいい」
「……や……」
「もちろんお前はショーツを履かないままで、内股をこんなにべっとり濡らし
ながら……こんな恰好で出歩いたら、また人目を集めるかもな」

 俺がくすくすと陰に籠もって笑うと、解放されて安堵に浸っていた秋葉の顔
色がさーっと、青くなる。
 そんな秋葉の、気分が悪くすら見える動揺に俺はさらに追い打ちを掛ける。

「もともとそうしたかったのは秋葉なんだし……見られてまた秋葉は興奮して
濡らすかもな?もしかして触られもしなくても、町中でイっちゃうかもしれない」
「や……やめて、兄さん、それだけは……」
「……そう言うお仕置きがいやだったら、秋葉……何をすればいいのかわかるね?」

 俺は、腕の中の秋葉に諭すように語りかける。
 秋葉は脅え、泣きそうな顔で俺を見上げていた。だが、なにをすればいいの
か……の言葉を俺が口にすると、ぐっと握った手を俺の胸に押し当て、その目
を伏せた。

 しばしの沈黙。俺は秋葉の答えを――待った。

 唇を噛んで秋葉は震え、そして、答えを口に乗せ始める。

「……兄さん……ごめんなさい……だから……」

 秋葉は俺の腕から離れ、ふらふらと後ろずさる。
 数歩も歩かない内に、路地裏の壁に秋葉の背中がぶつかった。秋葉は壁に手
を触れると、くるりと俺に背を向ける。

 秋葉は壁に手を突き、そして――足を開き、身体を倒して俺にそのお尻を向
けてくる。
 ミニスカートで被われたお尻は、肉付きが薄いながらも魅惑的に俺の目の中
で動いていた。秋葉は片手で壁に手を突くと、もう片腕を背中越しに伸ばして……

「秋葉の……秋葉のいやらしいあそこに……兄さんのペニスでお仕置きして下さい」

 秋葉はそう切なく呻きながら、スカートをまくり上げる。
 俺の目の前に広げられる、秋葉のお尻と秘部。肩幅ほどに開かれたニーソッ
クスの細い脚線からその付け根の濡れた陰毛と秘唇、お尻の奥にある肛門の窄
まりまでみんな一目瞭然に……

 秋葉が片腕でお尻に手を当ててその肉を開く。
 くぱぁ、と淫液を垂らしながら、秋葉の女陰の襞が開かれて……

「…………」

 先輩はそんな秋葉の痴態を見つめると、さっと身体を翻して背を向けた。
 それが何を意味するのか、俺には分かった。先輩は、見ないでいてくれると
いうことだ。
 俺は秋葉のむき出しの秘部を眺めながら、黙ってズボンのチャックを下ろす。

「兄さんのをここに……秋葉のあそこにお仕置きして下さい……だから、兄さ
ん以外の人に辱めさせるのだけは……許して……」

 俺は秋葉の懇願を聞いた。
 その答えの代わりに、秋葉の腰を両手で抱く。股間の一物は解放されて硬く
天を差す程に突き上がり、秋葉の白い臀部にぺたぺたと触れる。

「あぁ……兄さん!」
「……お仕置きだよ、秋葉」

 俺は指を肉棒に添えて秋葉の秘唇の窪みに当てると、そのまま――
 ぬぶり、と秋葉の膣肉の中を俺の亀頭が進む。奥の方までぬめった、きつい
陰肉の感触。

「はぁぁぁ!ふぁぁぁ!ああ!」
「ほら……どうだ?秋葉……はっ、はっ!」

 俺は秋葉の身体を後ろから激しく突く。
 秋葉は両手を壁に付け、背を波打たせて俺のピストン運動に身悶えしていた。
秋葉の爪がかすかにコンクリートの上に傷を付ける。俺は秋葉の中深くまで肉
棒を突き入れ、引き抜かんがばかりにグラインドさせる。秋葉の秘肉、それも
入り口の括約筋が一際ぎゅうと、俺の肉棒を締め付ける。

「ひゃぁうああ!兄さんっっっ!」

 秋葉の背中が仰け反るほど深く打ち込むと、膣の奥のぬるりとしているが硬
い子宮口まで突き上げるのを感じる。亀頭の先に子宮口の堅い感触を確かめな
がらも、なおも奥へ奥へと俺は突き入れる。秋葉の足が、俺に突き上げられて
つま先立ちになる。

 そしえ腰をグラインドさせ、秋葉に一息を着かせる――間もなく深く突く。
 それはセックスというよりも、肉棒で秋葉の身体を責めさいなんでいるかの
ような。
 そう、これははしたない真似をした秋葉へのお仕置きなんだから……

「秋葉……俺にお仕置きされながらも、ぎゅうぎゅうと締め付けてるぞ?」
「や……兄さんが、兄さんが凄いから……そんなっ、はあっ、ううぁ!」
「じゃぁ、秋葉にはこれからこうしてお仕置きしないとな……それっ!」
「ははぁあん、ああんっ、ああああんっ!」

 ごつごつと腰の骨に鈍い音がするぐらい、俺は秋葉を責め上げる。
 腰を抱きしめて、時には秋葉の足が地面がら浮くほどに激しく――
 何度目かの、何十度目かのグラインドでとうとう俺は、股間の奥が痙攣する
かのような強い社性欲を止められずに、沸き上がるままに……

「秋葉……秋葉ぁぁ!」
「兄さんっ、はぁぁぁううん!あああああああ!」

 秋葉の奥底に、俺はどっぷりと白濁した精液を吐き出す。
 ぶくんぶくんを脈打ちながら、俺は秋葉の中に射精をしていた。秋葉の腰は
俺の腕で抱き上げられ、腕はすでに壁から外れていた。
 秋葉は背筋を反らせながら、俺の吐き出される欲望を受け止めている。

「兄さんの……中に……沢山……あああん……」

 俺は秋葉の身体を腰だけで宙に浮かせ、腰を振るわせながら……
 だが、興奮しすぎて頑張りすぎたせいか、くらり、と立ちくらみを憶える。
あ、と俺が呻くと誰かが俺の背中に触るが、膝が砕けてしまって。

 不意に、俺の目の前が暗くなる。
 こんなところでなんだって………こんな恰好のままで――


                                      《つづく》