――さんざん待たせた兄さんに、お仕置きしなくては。と
その時、秋葉は正気を失っていたかも知れない。
だが、秋葉はそれを何ら疑問無く受け入れていた。。
秋葉は離していた手を決意を秘めたかのように握ると再び志貴の足の付け根
に下ろす。
縛られ脅える志貴の救いを求めるような視線に、秋葉は妖しい笑みを以て返
した。
隠しきれない興奮に震えながら、秋葉はからかう様に口を開く。
「兄さん……兄さんったらイヤらしい……」
「な、なにを言い出すんだ秋葉……あぅぁあ!」
急変した秋葉の様子に慌てる志貴であったが、スカートの上から手荒くペニ
スを握られて悲鳴を上げる。秋葉は掌に収まってしまいそうな志貴のペニスを
押さえつけ、布地越しに擦り始める。触り馴れぬ秋葉の指は男性の性感をそそ
るよりも、むしろ敏感な部分に荒々しい痛みをもたらすばかりであった。
だが、拘束された志貴には巧緻きわまる愛撫よりも、秋葉の不器用な指の方
が刺激的であった。スカートに包んでしごかれるたびに志貴は快感に身を捩る。
「兄さんったら興奮してるんですね……女の子の恰好をさせられて、寄宿舎の
中で押し倒されてることに」
「な……そんなことは……だってこれは秋葉が……あああっ!」
「そんな言い訳は聞きたく有りません、兄さん」
秋葉は上からなでつけるようにしていた手を外し、おもむろにスカートの中
に手を入れる。
そして、志貴の腰にまとわりついていたパンツをそのままするすると太股か
ら膝まで押し下げる。その結果、志貴の股間の肉棒はプリーツスカートを下か
ら持ち上げるようにそそり立ってしまう。
秋葉はぐっとペニスを亀頭の下辺りで握る。スカートに包まれた肉の塔を、
秋葉は親指を尿道口に当てるようにしてその手応えを確かめる。この肉棒は間
違いなく男性の物であった。
志貴は首をのけぞらせて股間を掌握された痛みと快感に堪える。
「ほら……兄さんは浅上のスカートに包まれてこんなに硬くして……この服を
着てこんな事をされたいって考えていたんですね……変態……」
「それは……秋葉、誤解だ、あああああ……」
問答無用、とばかりに秋葉は右手を動かし初める。
しゅっしゅっしゅ、と音を立てて布地に包まれた志貴のペニスはしごき立て
られる。秋葉は志貴の腰元にうずくまりながら、興奮を湛えた熱い瞳で志貴の
股間と僅かにのぞいたおへそを見つめていた。
秋葉は空いていた左指を、そっと自分のスカートの中に差し込む。ショーツ
の上から股間の窪みを撫でると、汗と僅かに女性の蜜で湿り気を帯びているの
が分かった。
――イヤらしいのは私も同じ。兄さんを女装させて嬲っているだなんて
今の秋葉の理性を薄め肉欲に駆り立てるもの……それは狂おしい興奮であった。
生のアルコールの如く己を酔わせるそれに秋葉は身をゆだねていた。そうし
ないと自分がどうにかなってしまいそうな不安に駆られていたから。
志貴の股間の膨らみは硬さを増し、手を上下に擦るたびに志貴の身体は踊る。
口からは甲高く甘い悲鳴が漏れ、秋葉の耳朶を打って興奮させる。
「ひぃぁっ、秋葉……やめて……こんな事は……ぅああっああっ!」
「嘘、兄さんは嬉しい癖に。ここをこんな風にしているのでは説得力が有りま
せん……ほら、兄さんの先走り汁が、スカートをにじませて」
秋葉は手を止めて、志貴のペニスに目を注ぐ。腕を高く掲げた恰好の志貴は、
ただ股間の肉棒だけを佇立させて身体全体であえいでいた。スカートに直に触
れる志貴のペニスはぽっちりとした液の染みをスカートに浮かび上がらせていた。
「兄さん……出そうなんですね?こんなに小さくなっても兄さんのおちんちんだ
けは一人前で……言わなくても分かりますわ。この女の子の制服に兄さんの真っ
白な精液を掛けて汚したいって」
「あき……は……」
志貴は涙目で秋葉の顔を首を上げて、救いを乞う眼で眺める。秋葉はグライン
ドする手を止めて、首を傾げて志貴を見下ろしていた。
ぎゅ、と手の平に力を込めて秋葉は尋ねた。まるで鼠を前脚で押さえ込んだ
猫のような細い瞳で。
「兄さん……出したいんですか?こんな身体になっても出せるのかしら?ふふ
ふ……興味があるわ」
「秋葉……もうやめ……ぁ……お願いだ……ああああああ!」
秋葉は嗤いながら、手の平で志貴の亀頭を包むように触る。そして両手で志
貴の肉棒を、擦り上げ、しごき上げた。二つの異なった動きが志貴のペニスを
愛撫すると、腕を縛られた志貴は身体を波打たせて喘ぐ。
「ほぉら……兄さん……気持ちいいんでしょう……ほら!」
「秋葉……あああ、うぁっ、ああああああ!」
ペニスの軸と先を擦られて、志貴は一際高い叫びを放つ。秋葉は笑いながら、
興奮のもたらす周囲の見えない狂気に浮かされ、一心に志貴の腰元で手を動か
し続ける。
スカートの布地をくしゃくしゃにしながら、志貴の小振りだが逞しいペニス
は何度も脈打つ。志貴は息を詰めて耐えようとするが、歯を食いしばっても快
楽の波濤は止まることを知らない。
セーラー服で女装させられ、腕を緊縛され、妹である秋葉に手でしごかれる。
信じられないほどの倒錯したシュチュエーションの中で、志貴は脳髄が痺れた。
そして、身体を弓なりに反らせて――
「ああっ!ぅあ!」
「きゃ……あああ……兄さん……」
びゅくるびゅくると、志貴のペニスは脈動しながら白濁した精液を吐き出した。
秋葉は自分の手の中で志貴が腰をつっぱり、股間の肉棒を震えさせて精液を放
出するのを手の平に感じる。志貴の精液は吹き出して秋葉の手を汚すことはなく
、スカートの中でどろどろと垂れていく。だがスカートにもじわりと液体の染み
が広がり、秋葉の手に湿り気が伝わる。
「ふふふ……兄さんは……気持ちよさそうに……こんなに……」
秋葉はぐちゅぐちゅとスカートの下の精液にまみれた志貴のペニスを揉みしごく。
そしてぐったりした志貴の身体から手を離すと、志貴を絶頂に導いた己の手
の平を見つめる。その手の平の香りを嗅ぐと――むわっと鼻につく男性の香り
を感じる。
「はぁ……秋葉……うぁ……」
「兄さん……うふふふ」
――兄さんのが欲しい……あの日みたいに。我慢できない……
秋葉はゆっくりと志貴の上に被さり、志貴の腕を戒めているスカーフをベッ
ドの枠から解く。志貴は突っ張った腕を胸元に引き寄せ、荒い息で射精後の高
まりに寄っていた。だが、倒錯した被虐に痺れる身体は、まだ快感を欲してい
る。スカートの中に撒き散らせてしまった精液が気持ち悪いが、その中でまだ
志貴自身は固さを保っている。
まだ熱い――志貴が呻く様に息を吐く中で秋葉はつと身体を離し、ベッドの
支柱に背を預ける。
志貴に脚を向けるように腰掛ける秋葉は、興奮さめやらぬ上気した顔で囁く。
「兄さん……兄さんもスカートの下をどろどろにしちゃったんですね……ふふふ」
「ぅ……ぁあああ……」
秋葉はベッド上に足を投げ出して座っていたが、やおら両手をスカートの脇
から差し込み腰を浮かせてショーツを脱ぐ。濡れて股間に張り付くようなショーツ
を下ろしていき、膝辺りで足から抜いて手に持つ。
体温のぬくもりと湿り気を帯びたショーツを秋葉はぽい、とベッドの上に投げた。
まだ両腕をスカーフに縛られたままの志貴が体を起こすと、秋葉は潤んだ瞳
で少女のような少年の姿の志貴を見つめる。志貴はベッドの上に膝立ちになっ
て秋葉に向かう。
「兄さん……兄さんのスカートの中を、見せて下さい」
「秋葉……はぁ……」
「兄さんは精液でどろどろでしょうけど……私も……兄さんと同じくらい……」
秋葉はそっとスカートの中程をつまみ、膝を志貴に向かって立てる。
するすると上がるスカートの裾を、志貴は魅入られたように見つめていた。
秋葉の白いストッキングの上を裾は走り、絹のような太股の素肌が目に飛び込む。
「秋葉……ぁあ……」
膝をくつろげた秋葉のスカートの奥に、秋葉の恥丘があった。縮れた恥毛は
濡れた光を帯びて、持ち上げられたスカートの裾から顔を表す。肉付きの浅い
秋葉の肉の秘唇から恥裂の粘膜が覗いている。
志貴はごくりと唾を飲むと、欲望によって麻痺し掛けた脳髄を絞って最後に
尋ねた。
そしてそれに秋葉は、悲しく笑って答える。
今まで張りつめていた何か、憑き物を落とすかのように。
「なぜ……こんなことを……」
「兄さん……聞かないで下さい。ただに兄さんと出会えたことだけを想っても
胸が張り裂けて、頭がどうにかなってしまいそうなのに……私が私でいられる
ために、だから今だけは、欲望に狂わせください」
「……」
「だから、兄さんのも……同じ様にしてみせてください……」
――わからない……
志貴の頭は甘く苦しい秋葉の言葉で真っ白になった。
潤んだ瞳で恥部を晒しながら囁く秋葉に、志貴は言葉もなく頷く。
そして頷きながらうつむき、膝立ちになった恰好で、染みになったスカート
を摘む。
するりとスカートは上がり、そして秋葉の目の前に露わになったのは……
「ああ……兄さんの……まだ勃起してて、精液に濡れて……」
「秋葉のも濡れてるよ……そんなに一人でとろとろにして……」
秋葉と志貴、二人はベッドの上でお互いの秘部を晒しあい、お互いの視線を
液体にまみれた秘裂に、肉棒に注ぐ。そして口に上るのは陶然としたお互いの
様子を表す台詞。
二人の間は自然と吸い寄せられるように近付いていく。志貴は膝でベッドの
上をにじり寄り、秋葉は脚を広げて志貴を迎える。
「兄さん……兄さんのを私の中に……入れて下さい……」
「秋葉……秋葉の中に入れたい……」
志貴はその細い身体を足を開いて迎え入れる、秋葉の身体に進める。
スカートを掴んで股間をむき出しにした志貴を、秋葉は腕を伸ばして抱きし
めようとした。再び志貴の肩を掴んだ秋葉の指は柔らかく、いとおしむ指使い
であった。
志貴のペニスは秋葉の太股に触れ、こびり付いた精液で白い肌を汚しながら
その付け根へと進んだ。自分を抱きしめて満たしてくれた兄の広い身体はもは
や失われ、今ここにあるのは抱きしめれば折れそうに細い少年の身体であった。
だが秋葉はこの小さな身体に、兄の体温の熱さを感じていた。
「兄さん……大丈夫ですか……ここに……ぁっ」
秋葉は腰を浮かせて志貴の股間に自分の腰の高さを合わせる。志貴はようや
く手首に絡みついたスカーフを外し、秋葉の腰に手を回す。
その先から粘膜の亀頭を覗かせた志貴のペニスと、柔らかく濡れた恥毛に彩
られた秋葉の秘唇が触れ合う。
「あっ……兄さん、もう少し下に……はぁあ……」
「秋葉のあそこもこんなに熱くて……融けてしまいそう……」
志貴はくちゅくちゅと秋葉の秘裂をペニスでかき回す。二人の恥汁は混ざり
合い、ぬるりと粘り気を増してくるようにすら思えた。そして志貴の肉棒は、
秋葉の腰の奥にある窪みに宛われる。
「あぁ……兄さん……」
ぬるり、と秋葉の膣口は亀頭をゴムの輪のように締め付けるが、抵抗も僅か
に志貴のペニスは秋葉の中を進んでいく。
暖かい秋葉の中を進みながら、志貴は――知らず涙を流していた。涙を流す
のを隠すかのように、秋葉の胸元に顔を押しつける。
かつてほどの内側を押し広げられ、裂かれるかの様な感覚は望むべくもない
が、秋葉は内側を進む志貴の肉棒を感じて吐息を上げる。そして、胸元にのめ
り込むような恰好の志貴をその身体で受け止める。
「秋葉……秋葉。御免……」
「兄さん……何を……謝る事なんてもう何もないのに……」
「御免……言うのが遅れた。やっと帰ってきたよ……秋葉のこの身体に」
志貴の腰が動きだす。
秋葉もまた涙を流し、ぎゅっと志貴の身体を抱きしめた。そしてストッキン
グの白い脚を志貴の身体に絡ませる。動き始めた志貴の身体の脈動を逃すまい
とするかのように。
二人の身体を融かし、一つにしたいと思うかのように。
「私こそ……兄さんに謝らなくてはいけません……」
「秋葉……ぁああ……秋葉……うっ、うっ」
「……お帰りなさい、兄さん。私の身体に――」
もう二人の間に交わされる言葉はなかった。
志貴はただひたすらに秋葉の体の中に、己の熱い肉棒を打ち込む。
秋葉は腕と脚を絡め、志貴のその身体の全てを受け止める。
「秋葉……ぁあ、秋葉……」
「……兄さん……兄さぁん……」
セーラー服姿で抱きしめられる志貴。ベッドの上で腰まで露わにして抱きし
める秋葉。
ベッドはギシギシとなり、窓から差し込む白い夏の光も嘘のような――
「あああっ!」
「兄さん……ぁあ……中に、中に兄さんのが……はぁ……」
二人の動きが止まる。志貴は迸る白い己の全てを秋葉の中に注ぎ込む。
秋葉は腕を緩め、志貴の身体を起こす。そして精魂尽き果てた志貴の顔を持
ち上げると、涙ぐんだ瞳を閉じて唇を寄せる。
――二人の唇が触れ、そして……
(To Be Continued....)
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