回路4>>>琥珀に接続
ギリギリギリギリギリギリ
縄が締め付けられていく音。
静かなこの場所では、そんな音ですら良く響く。
ひんやりとした空気の漂う地下室、石畳の床から素足に向けて痛いほどの冷
たさが襲う。
しかし今のわたしはそれから逃れることはできない。
両の脚は限界まで左右に広げられ、腕は頭上にかかげさせられている。それ
らの四肢は縄で縛られ、壁や天井に固定されている。
更にはわたしの身体にも縄が廻らされ、ぎりぎりと肌に食い込み、締め付け
てくる。
「んんむ、くはぁ」
気を抜いて体の力を緩めると、股間に張られた縄が秘部に食い込み、そこか
ら得られる快感に私は身を捩る。それが別の場所を締め付けることになり、新
たな快感を生み出す。
そんなことの繰り返しをすでに30分は続けているのだろうか?
時計もなく、日の移り変わりを見ることもできないこの場所では、正確な時
間を知ることはできない。
「くふううううううううーーーーー、ああん」
ようやく快楽の波から逃れられる場所を見つけたというのに、そんなわたし
の努力をあざ笑うかのようにお尻の穴に挿れられたバイブが振動し、わたしは
再び快楽の波に押し返される。
ブブブブブブブ
今回はなかなかバイブを止めてくれない。わたしはお尻に与えられる快楽に
身を捩っている間に、前の穴が開いていることに物足りなくなってきてしまう。
いけないと分かっていながらも縄を秘裂の上に移動させ、こするように動かす。
「ああああ・・・うんん」
しかし長時間にわたる攻めに晒された今の身体ではその程度の自慰行為では
物足りなくなってしまう。もっともっと大きな快楽を与えてくれるものを求め
てしまう。
「どうしたんだい、琥珀さん」
先回りして志貴さんのいじわるな声が響く。
「ぬぅ、ううああああーーーーー」
お尻の中のバイブがより一層激しく暴れ始める。わたしは目の前に座る志貴
さんの手の上に乗るリモコンを恨みがましく見つめながら喘ぎ、身を捩らせた。
「どうして欲しいのかちゃんと言ってくれないと分からないよ」
「ひぐぅっ」
立ち上がって唇を寄せてくれた志貴さんに答えようとしたわたしは突然走っ
た激痛に身を反らした。何が起こったのか確認する前に更に新たな激痛が走っ
た。
「あああああ・・・」
いつのまにか乳首の先が洗濯バサミで挟まれており、志貴さんはさらにそれ
を指ではじく。
「あ、ああああぁあぃ」
新たな痛みと快感が電流のように身体を襲う。痛みから逃れようとしながら
も、わたしはより激しく秘裂を縄にこすりつける。でも、駄目だ、こんなもの
では全然足らない。
「早く、正直にならないと」
耳元で囁かれる甘い声。これ以上何かされたらわたしはどうなってしまうか
分からない。
恐れがわたしを叫ばせていた。
「下さい、下さい、志貴さんのおちんぽをわたしのま〇こに突っ込んでくださ
い」
間断なく、わたしの膣内に望んでいたものが荒々しく突っ込まれた。最奥ま
で一気に貫かれる。
「ふぐぅ」
串刺しにされたような感覚にわたしはぱくぱくと空に向かい空気を求めるが、
休む間もなく抽挿が始める。吊るされているわたしは子宮口を下から突き上げ
られ続ける。お尻に回された手がバイブを使ってお尻の中をこねくり回す。
「琥珀さんの中・・・、バイブとこすれて・・・」
志貴さんのうめき声に彼の終わりが近づいてきていることを知る。
「かけて、かけて下さい。志貴さんの熱いのをいっぱいかけてっ」
わたしの絶叫に合わせて志貴さんの動きはより速くなり、そしてわたしを貫
いていたものが一気に引き抜かれた。
水道の蛇口を一気に全開近くまで捻ったときのような音がして、わたしの身
体に熱い迸りがぶちまけられた。下腹部から胸、顔にまで飛んでくる。わたし
はその暖かさに満足しながら、悦びにどろどろの身体を振るわせた。
「こういうプレイって、終わった後に後片付けをしなくちゃいけないところが
マヌケだよな」
志貴さんが複雑な顔をしながらわたしの身体に絡まった縄をほどいてくれて
いる。本当は縄抜けの術を使えば志貴さんの縛りぐらいあっさりと抜け出せる
けど、今はもう少し彼を独り占めさせてもらおう。
「志貴さんはSMプレイはお気に召しませんでしたか?」
「うーん、今回は琥珀さんのシナリオどおり動くので精一杯だったしなー。で
もやっぱり、女の人を縛ったり、痛めつけたりするのは好きになれそうにない。
できればもう勘弁、って感じかな」
「そうですか、残念ですねー。でも、わたしにこんな事をしたことを秋葉さま
にばらされたくなかったら、また付き合ってくださいね」
「こんなことをしたってっ!琥珀さんが言ってきたんじゃないか!」
「でものってきたのは志貴さんですし、ということは興味があったってことで
すよね。志貴さんがどう弁解されるか知りませんが、秋葉さまがどう取るか・・・」
「勘弁してよ、それってSMプレイどころじゃすまなくなる」
志貴さんの本気で青くなった顔に背中を向けながらぺろりと舌を出して笑う。
本当に、この兄妹をからかうのは止められない。
《つづく》
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