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回路2>>>代行者に接続

「ほら、先輩、見てごらん」
 耳をくすぐる遠野くんの声にわたしは視線を下にうつす。下腹部の、更にそ
の下。
 そこでは、わたしが遠野くんをしっかりとくわえこんでいた。限界まで広が
った口からお互いの体液が絡み合ったものが噴き出している。
 その光景にともなういやらしい音も、わたしの意識をより一層みだらなもの
に変えていく。
 背後から回された遠野くんの手が、その存在を精一杯に示しているクリトリ
スに伸ばされる。抗議の声をあげる前にその敏感な器官は強く弾かれ、わたし
はそれに伴う快感に背を二つ名の弓のように反らしてしまい、その光景を見て
いることができなくなってしまう。
「ん、んん、あん あん あん」
 遠野くんの動きが激しくなり、わたしもそれを受け入れる以外のことに意識
を向ける余裕がなくなる。どくんどくんと遠野くんがわたしの中で脈打ち、終
着が近づいていることを教えてくれる。
「シエル、口に出したい。呑んでくれる?」
 魅惑的な申し出にわたしは即座に首を縦に振る。
「はい、・・・いっぱい下さい」
「たっぷり飲ませてあげる」
 いたずらっ子っぽい笑い声と共に動きは更に激しくなり、わたしの身体もそ
れにあわせて跳ねる。
「あ、あ、うん、あああっ・・・」
 絶頂に上がりかけた瞬間、膣内から遠野くんは抜け出し、わたしは前に押し
倒された。快楽に全てを委ねていた身体は、逆らうことも出来ずにそのままベ
ッドの上に倒れこんだ。二人の刻んだ皺だらけのシーツに顔を埋め、つかの間
の休憩を得ようと喘ぐわたしの目の前に遠野くんのおちんちんが差し出される。
 それをはっきりと認識する前に、その先端は爆ぜ、わたしの視界は白に染ま
る。そのまま酸素を得ようとだらしなく開いていた口に突っ込まれた。なんの
躊躇いもなく喉の奥まで突っ込まれたそれの臭いにむせ、喉の奥の更にその奥
をうつ熱い脈動にまたむせる。
 しかし後頭部をがっちりと押さえた腕は熱い肉棒を吐き出すことを許してく
れない。
「ううぇっぷ」
 下品なゲップを吐き出しながらわたしは必死で精子を飲み下す。いつまで続
くのかと気が遠くなるほど遠野くんはわたしの口の中で暴れ、大量の体液を吐
き出した。
 ようやく後頭部を押さえていた腕の力が弱まり、おちんちんが抜き出されて
いく。わたしはそれを追いかけ、残渣を漁った。歯と舌で先端の割れ目をこじ
開け、強く吸い上げる。
「くっ・・・、あく、シエル」
 遠野くんの叫び声が聞こえるが許してはあげない。
 ずず、ずるずるじゅる。
 いやらしい音を立てて最後の一滴まで絞りとると、遠野くんはゆっくりとベ
ッドの上に倒れこんでいった。
「ふふふ」
 わたしは勝利の笑みを浮かべながら、視界がいつまでたっても白いままなの
に気づいた。犯人はメガネに付着した精子だった。ペロペロとそれを舐めとっ
ていると、遠野くんの呆れた声がする。
「本当にシエルは底なしだな。まだ呑み足りないの?」
 さっきあれだけ出しておいて人を底なし呼ばわりとはひどい話です。
「仕方ないな・・・」
 嬉しそうにもぞもぞと動いている遠野くんに気がついていないふりをしなが
らかのように、わたしは一心にメガネを掃除している振りを続けた。
 突然ぱちんと乾いた音が響き、お尻に衝撃が走った。
 痛みではなく、快感と期待が身体を疾る。
「ここに欲しいんだろう?ほら、欲しいならちゃんとおねだりしないと」
 お尻の穴に乱暴に指が突っ込まれ、荒々しくかき回される。メガネは手から
こぼれ、床の上で乾いた音を鳴らす。わたしはがくがくと身体を震わせながら
首を振った。
「そんなとこ・・・、嫌です」
「本当に?」
 なんだかとんでもなく凄まじい音がしたかと思うと、お尻に激痛が走る。
「あ、がぁあ」
 意識が暗く沈んでいきそうになるのを必死で繋ぎとめる。お腹の中が文字通
りかき回される激痛に必死に耐える。見なくても分かる。
 わたしのお腹の中には遠野くんの右手がすっぽりと入り、まさぐっている。
 開いたり閉じたり、右に回したり左に回したり、腸襞をつまんだり・・・
 すでに意識は細切れにしかたもてなくなっているわたしは、自分の口から出
た言葉に耳を疑う。
「き、気持ちいいですぅ」
 わたしがこんな拷問じみた行為に快感を感じるはずがない。しかし、右手が
引き抜かれるとせつない溜め息を漏らし、代わりにパンパンに張り詰めた肉棒
が菊門に押し当てられると、お尻を高くささげる自分をどうすることもできな
かった。
 わたしは残っていた理性を捨て去り、叫んだ。
「早くっ、早く入れてくださいっ・・・」
 最後まで言い終わることなく、わたしは絶頂へと駆け上がっていった。


                                      《つづく》