「だめ……です……」
晶は口ではそう言ったが、膝を閉じようとはしなかった。
単に力が入らなかっただけかもしれないが。
秋葉が晶の脚の間に屈み込んだ。
晶の太腿の内側を指で撫で、唇で吸い、舌を這わせ始める。
「あ、あ、あぁ……あっ……くぅ……んッ!」
晶が、嫌々をするように頭を振る。
「だ、だめです。遠野先輩。……その、私……」
晶が秋葉の頭に両手を置いて押し留めようとしながら言う。
それには構わず、秋葉はさらに唇を上に滑らせて行く。
脚の付け根に辿り着き、秋葉が両手で晶のスカートを捲り上げた。
白いショーツの縁に沿って指を這わせ、同じところを唇でなぞる。
次第次第に、ショーツの縁から中央に向かって移動して行く。
「せ、先輩。私……あ、汗、かいて……ます、から。
そん…ふっ…な…とこ……舐め、たら…ぁ…だ、だめ…ぇ……です……っ」
「汗、ね」
秋葉が晶のショーツの股の部分を指で軽く引っ掻いて、くすりと笑う。
「貴方の言う汗で、ショーツが透けるくらいに濡れているわよ、瀬尾」
秋葉がショーツの上から右の親指でクリトリスを探り当てた。
瞬間。
「ひゃう……っ!」
びくぅっ!と、晶の全身が跳ね上がった。
脚がぴんと伸び、背中が弓なりに反り返る。
その拍子に、晶の後頭部がドアに、ごんっ、と凄い音を立ててぶつかった。
しかしその時、晶には痛みを感じる余裕もなかったようだ。
後頭部をごりごりとドアに擦り付けながら声を上げる。
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁ……っ!」
不意に晶がぐったりとなった。
軽く逝ってしまったらしい。
秋葉はゆっくりと身を起こし、床の上に膝立ちになった。
ちなみに――
腰の引けた、不自然な前屈みの姿勢でだ。
そんな格好で、秋葉は両手を背中に回し、ブラジャーを外しにかかる。
ブラを床に落とした秋葉は、ショーツを脱ぐために立ち上がろうとした。
そのとたん。
「痛い……」
ショーツの前をもっこりさせていた物は、今やショーツの上から赤黒く光る
禍々しい形の頭を、にょっきりと突き出していた。
その頭の下に、つまり亀頭の下のくびれに、ショーツが食い込んだのだ。
未経験の痛みに顔を歪めつつ、秋葉は不自然な前屈みの格好で苦労しいしい
ぱつぱつに張ったショーツを膝の上まで引き下ろした。
その時。
ぼうっとしていた晶が我に返り、秋葉の股間にそそり立つ物に気付いた。
「ひ………っ!」
晶が、思わず息を呑んだ。
ショックのあまり、言わなくてもいいことを、つい口走ってしまう。
「し、志貴さんのよりおっきい……っ!」
「あら。聞き捨てならないわね」
晶はまたしても自ら墓穴を掘ったことに気付いたが、後の祭りだ。
「瀬尾。貴方、さっき『まだ』とか言っていたわね?」
詰問口調で言いながら、秋葉は片足を持ち上げ、ショーツを引き抜いた。
小さく丸めたショーツを床にそっと置き、秋葉が晶の脚の間に戻る。
秋葉が晶の両足首を掴み、両脚を揃えて左肩に担ぎ上げた。
晶のショーツに手をかける。
お尻が持ち上がっているので、ショーツは特に抵抗もなく抜き取れた。
秋葉はそのまま揃えた脚に沿ってショーツを持ち上げ、頭の高さに来ている
足首から引き抜き、無造作に脇へ放る。
そして――
秋葉が、再び晶の膝を割り、脚を完全に開かせた。
背中を丸めて、まだぽやぽやと薄い陰毛に覆われたあたりを観察する。
「あら驚いた。瀬尾、貴方もう生えていたの?」
「そ、そんなところ、まじまじと見ないで下さいぃぃ……」
晶が両手で顔を覆って哀願した。
もちろん、秋葉は観察を続ける。
「兄さんも驚いていたでしょう?」
「は……い、いえっ!いえっ!そ、そんなことは……っ!」
「……瀬尾。貴方、つくづく嘘の吐けない体質のようね」
あまりのわかり易さに、秋葉もさすがに呆れたようだ。
「う、うぅぅぅぅ。済みませぇん……」
「嘘を吐いても無駄とわかったところで、答えなさい。
瀬尾、兄さんにも見てもらったのね?」
「………………」
消え入るような声で、はい、と返事があった。
秋葉はうなずくと、晶の股間に顔を埋めた。
たっぷり時間をかけて愛撫して来ただけあって、淡い色の裂け目はもちろん
その周囲一帯までがびしょびしょに濡れている。
秋葉は右手の指先にたっぷり愛液を掬い取り、晶の襞に沿って撫でて行く。
「あ……う……」
舌先を尖らせてクリトリスの包皮を剥き、露出した一番敏感なところを舌で
転がすように愛撫する。
「ひ……っ!あ、あぁぁ……」
晶は両手で秋葉の頭を押しのけようとするが、力が入らないようだ。
くちゅ。
秋葉の指先が晶の膣に沈む、湿った音。
秋葉が、唇を晶のクリトリスに触れたまま訊く。
「瀬尾。もう一度だけ聞くわ」
「ちょ、ちょ……っ!そんなところに息吹きかけないで……っ!」
晶が嬌声を上げた。
秋葉の声に威嚇が篭もる。
「瀬尾」
「は、はいぃっ!」
強い調子で呼ばれただけで、晶は背中に電流でも通されたように反応した。
秋葉は、指先で晶の膣口をちゅくちゅく掻き回しながら言葉を継ぐ。
「触っているだけで指が吸い込まれそうになるのだけれど。
貴方、本当に『まだ』なのかしら?」
「う…………」
晶は唇を噛んで答えない。
「答えなさい」
感情の篭もらない声。
温度の感じられない声。
言いながら、秋葉は晶の露出したクリトリスに、軽く歯を当てた。
女性の身体で最も敏感なところだ。
それだけで、晶は激痛に身を捩った。
「ひぎぃ……っ!あ、あぁぁぁ……っ!」
「答えなさい、瀬尾」
一転して、舌先で優しく愛撫しながら、秋葉が繰り返した。
「あ、う……」
「………………」
沈黙。
そして――
歯。
「ひ……っ!い、言います!言いますから!噛まないで下さい先輩っ!」
まだ噛まれてはいなかったが、晶は先程の痛みの記憶に屈服した。
「私……っ!私、志貴さんに抱いてもらいました……っ!」
晶はありったけの声を搾り出した。
「そ、その後も、お会いするたびに抱いてもらってますっ!」
「そう」
秋葉は、眉ひとつ動かすこともなく、晶の言葉を受け流した。
知っていた。
兄は、遠野志貴は、嘘の吐ける体質ではない。
隠していることがあればわかる。
妹である自分にはわかる。
たとえ血は繋がっていなくとも、志貴のことはわかる。
だから――
知っていた。
兄が、自分ではなく晶を選んだということを。
知っていた。
だからこそ――
「許せない」
言うや、秋葉が動いた。
晶の膝を掴んで力任せに脚を開かせ、その間に膝を割り入れる。
晶の腰のくびれを掴んで持ち上げ、いきり立った自分の物に引き寄せる。
腰を突き出したが、亀頭が晶のぬめりで上滑りした。
怯えた表情の晶が何事かを叫んだが、秋葉の耳には入らなかった。
わずかに高さと角度を調整し、思い切り身体をぶつける。
遠野志貴の1.5倍(当社比)のペニスを、晶に挿入する。
無理矢理。
力任せに。
強引に。
乱暴に。
ず……り……っ
めりめりと、めりめりと、狭い肉襞を引き裂くようにして、秋葉のペニスが
晶の中へと一寸刻みに潜り込んで行く。
「う、ぁ…は……い、痛……痛いです……ぅっ!」
晶が嫌々をするように頭を振って泣きじゃくる。
晶は小柄なだけに、もとより膣は狭い。
いくら濡らしてあっても、通り道が広くなるわけではない。
そこへ、遠野志貴の1.5倍(当社比)を入れようとすれば。
抵抗が凄いのは当然だ。
晶が苦しむのは当然だ。
痛いだろう。
苦しいだろう。
裂けてしまいそうだろう。
壊れてしまいそうだろう。
だが。
肉体の苦しみが何だというのだ。
心の苦しみに比べたら、肉体の苦しみなど、何程のこともない。
晶は自分から兄を奪ったのだ。
兄を奪われて、自分がどれだけ心を痛めたか。
思い知るがいいのだ。
苦しんで、思い知るがいいのだ。
秋葉はがむしゃらに腰を前へ、晶の奥へと突き込んで行く。
「くぅ……ん……かっ……ふぅっ……ふぅ、うくっ……」
晶は固く目を閉じ歯を食い縛り、苦痛に耐えている。
激痛にずり上がろうとする晶の身体を、秋葉は腰のくびれを掴んだ両手で、
強引に引き戻す。
――いいザマね、瀬尾。
《つづく》
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