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「あぁぁぁぁ……っ!」

 晶が甲高い声とともに全身を震わせた。
 唇と唇が離れ、その間を唾液の糸が繋ぐ。
 秋葉がもう一度晶に唇を重ね、唾液を口移しする。

 それから数秒。
 こくん、と喉を鳴らして、晶は秋葉の唾液を受け容れた。
 もはや抵抗はなかった。


 ちゅっ…という音を立てて、秋葉が晶の唇を解放した。

「瀬尾?」
「はぁ……はぁ……はぁ……な、何です、か……?」

 晶が、ぐったりとドアにもたれ、床に手足を投げ出したまま尋ねた。

 秋葉自身も、かなり息が荒い。
 細い両肩を大きく上下させて息をつきながら、秋葉が左手を晶の腰に回し、
右手で制服の上から晶の胸に触れた。
 右手で制服越しに晶の胸を撫でさすりながら、左手を制服の裾に差し込み、
少しずつ捲り上げ始める。

「はん……っ」

 秋葉の手が触れただけで、晶が悦に言った声を漏らした。
 胸はないが、それなりに感じるらしい。
 長いディープキスで、既に晶の身体にスイッチが入っていたせいもある。
 そして。
 志貴とは違う、秋葉の繊細なタッチ。

「あ、あ、あ……胸、気持ちいいです。遠野先輩……っ!」

 晶が、自分から胸を突きだすようにして秋葉の手を迎えに行く。
 しかし、秋葉は晶の胸から手を放し、両手で制服の裾を掴んだ。

 晶の制服を、ブラジャーの下半分が覗けるところまで捲り上げると、秋葉は
ブラのホックを外しもせず、制服もろとも一気に胸の上に押し上げた。

「痛っ!」

 ブラジャーのカップの縁に乳首を擦られ、晶が悲鳴を上げた。

「あら、ごめんなさい」

 秋葉は全く気にする風もなく応じた。
 晶が涙の滲む目で胸を見下ろして、少しばかり恨めしげに呟く。

「……志貴さんにもやられましたけど」

 悪気なく余計なことを口走るあたり、晶がまだ子供という証拠だ。

「なんか、ホックの外し方がよくわからなかったみたいで」
「そう」

 秋葉は軽く流したが、こめかみに血管が浮き上っている。

「まったく、兄さんと来たら――」

 秋葉は言葉を切り、下睫毛越しに晶の平らな胸と、その中心でぽっちりと、
小さいながらもしっかり自己主張しているピンクの乳首を見下ろした。

「こんな胸もない子供相手に、何をしているのかしら」

 秋葉の冷やかな言葉に、晶は反射的に両手で胸を隠そうとする。
 その手首を、秋葉ががっちりと掴んだ。
 そして秋葉は晶の耳元で、優しく、しかし容赦のない口調で命じる。

「瀬尾、自分の手で触ってごらんなさい。
 兄さんが触ってくれたところを、兄さんが触ってくれたように」
「う……は、はいぃ……」

 晶は半べそでうなずいた。
 秋葉に手首を掴まれたままの両手で、おずおずと自分の胸を弄り始める。

「……加減がわかり難いわね」

 ぽつりと秋葉が呟いた。

「瀬尾、触りながら口で説明しなさい」
「え゛……っ!」

 はわわ、という表情になった晶に、秋葉はにっこりと笑ってみせる。

「聞こえなかったのかしら、瀬尾?」
「わかりましたぁ……」

 脅されるより、笑顔の方が怖かった。

「わかったなら始めなさい」
「はいぃぃぃ……」

 小動物ちっくにがくがくぶるぶる震えながら、晶は胸に掌をあてがった。
 くすん、くすんと鼻を鳴らしながら、説明を始める。

「わ、私は胸がちっちゃいですから、指じゃなくて掌で撫でるみたいに」

 晶の掌が、円を描くように動きだす。

「それから――」

 今度はパンの生地でもこねるように。

「こう、こねるみたいにして……」

 焦れたのか、秋葉が晶の手首を放し、じかに晶の胸に触れた。

「きゃんっ!」

 晶が悲鳴を上げた。
 恐怖ではなく、くすぐったさに。

「せ、先輩、く、くすぐったいですぅ……」

 未成熟な晶の身体は、まだ快感よりもくすぐったさが先に立つようだ。

「やはり、まだ子供ね」

 秋葉は独り言のように呟いて晶に精神的なダメージを与えつつ、さっきより
少しだけ掌に力を加え、晶の胸を撫で、そしてこね始める。

「こうかしら?」
「は、はい……」

 晶がこくこくうなずくと、秋葉は手を休めずに先を促す。

「それから?」
「えと、あの……」

 晶は躊躇いがちに手を伸ばし、秋葉の手に自分の手を添えた。

「こ、こうやって……あの……」

 微妙に秋葉の手の位置を修正している。

「ゆ、指の付け根で、その……ち、ちく……乳首を、挟んで……」
「そうしておいて、こねるように動かすのね?」

 秋葉が愛撫を再開した。

「は……あ、あぅ……そ、そう……で、です……んん……」

 晶が、がくがくとうなずいた。
 ただし、さっきまでとは震えの種類が変わって来ている。
 そんな晶を、秋葉は淡々とした口調で追い詰めて行く。

「それから?」
「お、親指……親指で……ひぅっ!」

 皆まで言わせず、秋葉が親指で晶の乳首を圧迫した。
 小さな乳首が陥没し、すぐまた勃ち上がる。
 そこを、爪を使ってぴんと弾く。

「せ、先輩……ちょっと、痛い……」
「あら。兄さんはもっと強くしないかしら?」

 秋葉がからかうように尋ねた。

「う……それはそうなんです、けど。そこ、さっき、ブラで……」

 だんだん声が小さくなり、ごにょごにょとしか聞こえなくなった。
 というのも――
 秋葉が晶の胸に唇を寄せ、舌先で乳首を転がし始めたからだ。
 さらに、ちゅぴ、とか音を立てて、乳首を唇で挟み、吸う。
 くすぐるように、軽く。

「は……せ、せんぱ……い、いぃ……っ」

 そして、ちゅうううう、と音がするほど、強く。
 もちろん、そうしながらも晶の胸をこねる手は止めない。
 晶が秋葉の頭を抱え込み、背中を弓なりに反らして喘ぐ。

「あ、あ、あ、あ……あっ!」

 ふ……っと唇を浮かせ、また、軽く吸う。

「う……」

 晶が秋葉の頭を抱える腕に力を入れ、秋葉の唇を胸に押し付けようとする。
 だが、秋葉は焦らすような軽い愛撫を続ける。

「………………あぅ」

 晶が、もじもじと腰のあたりを気にするような動きをし始めた。
 秋葉は顔も上げず、しかも乳首を含んだまま、からかうように訊く。

「瀬尾、どうしたのかしら?」
「何でも……何でもありません……」
「そう?」

 秋葉が目だけを上げて、必死に平静な顔を取り繕う晶を見た。

「そう言うわりには、このあたりを気にしていなかったかしら」

 言いながら、秋葉は右手を晶のお腹の中心に沿って下へ、制服のスカートの
裾に向かって滑らせる。

「あ!ダメですっ!」

 晶が、秋葉の頭を抱え込んでいた両手をぱっと離し、引き攣るような動きで
スカートの前を押さえた。

 秋葉は、ゆっくりと晶の胸から身を起こす。

「何がどうダメだと言うのかしら。瀬尾、説明しなさい」
「う……」

 たちまち、晶が顔を熟柿のように赤くして俯いた。

「さ、言いなさい。瀬尾」

 ふるふる…と、晶が無言で首を振った。
 秋葉は、仕方ないわね、と言いたげに息を吐く。

「……そう」

 ひとつうなずくと、秋葉はやおら晶の両足首を掴んだ。
 そのまま、晶の脚を開こうとする。

「や……っ!」

 晶は両手でスカートの前を押さえたまま、膝をぴったり合わせて抵抗した。
「…………」

 秋葉は方針を変え、揃えられた晶の両脚を頭上に押し上げた。
 晶が反射的に膝を折曲げ、足でお尻の方を隠そうとする。

 秋葉は、晶右手で晶の足首を掴んだまま、左手で晶の靴を脱がせにかかる。
 右足、そして左足の順で靴を抜き取ると、続いて今度は左、右の順で、晶の
足から靴下を脱がせる。
 晶を素足にしておいて、秋葉は指先でこちょこちょと足の裏をくすぐる。

「きゃ!……きゃあっ!く、く……や…やっ!……きゃはははは!」

 たちまち、晶がくすぐったさに負け、閉じていた足をじたばたさせ始める。
 秋葉は、晶の左足を両手でしっかりと捕まえた。

 爪の背で、足の甲をつつっと撫でながら尋ねる。

「兄さんのことだから、貴方の足にも色々としたわね?」

 秋葉が爪を滑らせるたびに、晶の背中がぶるっと細かく震える。
 くすぐったさが勝ってはいるが、かなり快感も混じっているようだ。

「……………」
「どんなことをしたのかしら?」

 もう一度訊きながら、秋葉が晶の足の裏をくすぐり始めた。
 今度は指ではなく、摘んだ長い髪の先を刷毛のように使ってだ。
 これにはたまらない。

「し、舌で、舌で……指の、間を……」
「……そう」

 秋葉が晶の左足を引き寄せ、第一指と第二指の間に舌を這わせた。
 ねろりと蠢く秋葉の舌の、熱く湿った感触。

「少し汗臭いわよ、瀬尾」

 言われて、晶がびく、と身を縮める。

 秋葉の指が、唇が、舌が、晶の肌の上を滑って行く。
 指の間から、足の甲へ。

 足の甲から足首へ。


 晶は左足を秋葉に差し出してはいるが、まだ膝をぴったり合わせていた。
 胸を愛撫されてた時とは違い、晶はくすぐったそうな表情で黙っている。
 だが。
 下に折れた晶の右足が、時折ぴくんと小さく跳ね上がる。


 秋葉は休むことなく、かつて志貴が触った場所をなぞって行く。
 足首をほぼ一回りして、ふくらはぎへ。

 ふくらはぎから、脚の裏側に沿って、膝へと登って行く。

「う……」

 晶の手が――スカートの前を押さえていたはずの晶の両手が、いつの間にか
晶の口元に移動していた。
 晶は、固く握り合わせた両手に歯を立て、声を殺していた。
 先程までぴたりと合わされていた膝も、少しずつだが緩み始めている。
 そして――
 秋葉の唇が、晶の膝の裏側に触れた時。

「あ、あぁぁ……ぅ……」

 耐え切れなくなったのか、晶が声を漏らした。
 太腿が震え、膝の隙間が開いて行く。
 秋葉が両手で晶の膝を掴み、ぐいと左右に開かせた。

「だめ……です……」


                                      《つづく》