頬が微かに赤く染まる。
うわ、本当に可愛い。
「まあ、俺ばっか気持ち良くなっても申し訳ないし、今度は一子さんの番」
「あたしの番?」
「はい。何でもしますよ」
「何でも……」
何やら考えている。
とてつもない凄いプレイを要求されるのだろうか、と少しどきどきする。
「有間にまかせる」
「俺に?」
「うん、有間が好きな様にして、何でも。気持ち良くして」
「はい」
ずりずりと動いて一子さんは仰向けに横たわる。
お好きなようにどうぞという事かな。
そういうつもりなら出来る事をやるだけだ。
どこか存在を確かめる様に一子さんの隅々にまで手を伸ばす。
ふくよかな胸も、引き締まったお腹と可愛いお臍も。
すらりとした脚も、滑らかな背中も。
丸い曲線のお尻も、潤いに満ちた谷間も。
物足りないと不満を洩らされないかなと少しビクビクしていたが、一子さん
は俺の愛撫を受け入れてくれている。
ピクリと体が反応し、吐息や押し殺した声を洩らすのが興奮を誘う。
もしかして、一子さんそんなに経験ないのかな、そんな風に思うほど、どこ
か初々しい感じを受ける。
まあ相手が小さい頃から知っている俺だから一子さんもいつもと違うのだろ
う。
それにしても、あの一子さんがこちらの稚拙な行為でこうも反応してくれる
なんて。
肉体的に快楽の他に禁忌を犯しているような背徳感が身を貫く。
もちろん一子さんは血の繋がりがある訳でもないし、立場上こうした行為を
したとしても互いに道義上まずい事は無い。
でも長い間、家族以上に近しかった存在。
関係を四捨五入すれば姉さんと言っても間違いじゃないような存在にこんな
真似をしているという事実が脳の何処かをちりちりと焦がしている。
一子さんの一番大切な場所に攻め所を移す。
下半身に顔を近づけ、脚を開いて貰う。
これまでの行為で少し濡れ光る花弁が目の前に見える。
「一子さん、意外と薄いんだね、ここ」
引っ張ると千切れそうな恥毛。
イメージ的にもっと毛深いのかなあと思っていたが、かなり控えめ。
そよそよと手で覆って撫でる。
「こっちは……」
指をまだ閉じている柔肉の唇に当て、そうっと左右に押し開く。
ピンク色のつやつやと光る粘膜が露わになる。
とろりと露を含んでいる。
大人の一子さんに言うと逆に怒られそうだけど、薄い恥毛といい、形が全然
崩れていない薄紅色の花弁といい、もっと未成熟で未経験な女の子の秘処だと
言っても通用しそうだった。
「凄く……、綺麗だ。全然使ってないみたい」
思わず感嘆が声になって出てしまう。
そう言われて一子さんは何とも言えない不思議な表情をする。
何か言いたげに口を開き、言葉を発せずに閉じてしまう。
それにしても俺の顔が正視出来ない様で決して眼を会わせようとしない。
こうして見られているのが凄く恥かしそうだ。
あまりこうやって間近でまじまじと見られた事ないのかもしれないな。
ペロと舌を伸ばして、縦の秘裂の線にそって舐め上げる。
「ひうっ」
一子さんは俺の頭を押すようにして拒むが、構わずぺろぺろと舐め続ける。
「やだ、こんな処、恥ずかしい……」
「ふうん、恥ずかしいんだ」
ちょっと意地悪な気持ちになって、わざとピチャピチャと音を立てる。
実際とろとろと分泌される量が増えて意識しなくても水音は大きくなる。
舌の感覚がおかしくなるまでそうして、指に替える。
奥深く挿入して一子さんの奥の感触を確かめたかったが、どうせならその役
割は肉棒に任せようと思い、入り口でうろうろするに留める。
けっこう凄い状態だな。
一面濡れ光って、シーツにまで染みを作っている。
こうなっていれば、大丈夫かな。
「一子さん、挿入れますよ」
「うん……」
そう告げると肯定の返事と裏腹に、放心して開いていた一子さんの足が閉じ
られる。
ええと……。
「あの、一子さん?」
足を開かせようとするも、ぎゅっと力を入れていてままならない。
拒まれている訳じゃないよな……。
そっと太股を撫でさする。
全体的に細身だけど、さすがにこの辺りはすこしむっちりとした肉感がある。
胸とかお尻とかに比べると面白みがなさそうに思われがちだけど、この外か
ら内への肌触りの違いとか、手にしっとりとくる感触がたまらない。
あそこに近いだけに膝辺りからつーっと手を上らせるとぴくりと警戒して反
応するのとかも、良い感じだった。
そうやって宥める様に太股の気持よさを味わっていると、幾分一子さんの緊
張が解けたのか、多少足と足との間に隙間が生まれる。
「そのまま力を抜いていて、一子さん」
こくりと一子さんは無言で頷く。
足を広げてその隙間に入り込む。
さっきまで指でしていた動きを、硬く大きくなった切っ先で行う。
縦の割れ目に沿ってゆっくりと上下させる。
この僅かに先端のみが女性に触れている感触といよいよこれからという期待
感がたまらない。
実際に挿入した時の快楽と満足感も素晴らしいけど、この直前の味わいがま
た。
わくわくどきどきと胸高鳴らせながら、覚悟を決める。
体を傾け、一子さんによりかぶさる。
手で角度を調整して肉棒をあてがい、少しだけ潜り込ませる。
ごくりと唾を飲み込む。
いよいよ、いよいよだ。
一子さんの中に……。
「ちょっと待て、有間」
止められた。
さすがに直前でのお預けに文句を言いたくなったが、一子さんの顔を見て息
を呑む。
さっきまでの紅潮から蒼褪めたと言っていいほどに血の気が引いている。
微かに体が震えている。
「どうしたんですか、一子さん?
体の調子がおかしいんなら……」
「いや、大丈夫だ。体は何ともない」
「なら……、やっぱり嫌だと言うならなら止めますよ。ここまで来てちょっと
辛いけど、一子さんに嫌われたくないし」
「いや、嫌じゃない。思い切りがつかないだけで……。
ちょっとだけ待って」
「珍しいですね、即決主義の一子さんがこんなに躊躇うなんて」
「……。いいよ、ごめんな、有間」
いえいえと首を振って、行動を再開する。
気を取り直して一子さんの中心にあてがって……。
その時、一子さんがそっぽを向きながらぽつりと呟いた。
「初めてだから、優しくしてくれないかな」
へっ?
初めてって何が?
何を言っているのかわからなかった。
ただ、それを口にした時の一子さんの声、いやその響きの何事かに反応して
動きが自然に止まる。
「え、と。あの一子さん、いったい何を?」
「初めてで怖いから、乱暴にしないで優しくして欲しいってお願いしたんだ。
……恥ずかしいから何度も言わせるな」
怒られた。
初めてで怖いから、乱暴にしないで?
ええと。
「初めてって。………………………………ええっ?」
やっと言葉が脳に届いた。
体が驚愕に凍りつく。
「処女なんですか、一子さん?」
「…………そうだよ」
依然として顔をそむけたままで一子さんは答える。
「え、なんで、嘘、でも、どうしてですか」
「そんなの人の勝手だろう。
生殖活動にも恋愛事にも興味が起きなかっただけだ」
わかった。
さっきまでのぎこちない動きも、妙な物言いも、態度も。
全部これは一子さんの緊張感の表れだったんだ。
「なんで経験ある振りをしてたんです」
「この年で初めてなんて言えるか。
それもずっと年下の弟の同級生に処女を貰って下さいなんて言ったら、絶対
に退かれるだろう。
それに嘘なんかついてない。あたしは黙ってただけだ」
「それは、勝手に思い込んでたのは俺の方だけど。こんな誘惑してくるような
事してまだ未経験だなんて思わないでしょう、普通」
「そんなの知らない。
で、どうするんだ?」
「え、どうって」
「処女だと知ったら嫌か。止めるか?
いいんだぞ、止めたって。有間の事騙してたんだから」
そんな泣きそうな顔されて断れないよ、一子さん。
凄く悪い事をしたような気分になる。
この償いの方法は一つだ。
でも、いいのか。
俺なんかが一子さんの初めてで……。
「嫌じゃないです。
でも一子さん、いいんですか、俺で」
「有間じゃなきゃ嫌だ……」
「わかりました。一子さんの初めて、俺に下さい」
ここまで言われたら断る事なんかできない。
覚悟を決めた。
ちゅっと口づけする。
一子さんもそれに答える。
しばらく互いの吐息を交換し、触れあった肌の暖かさを同じくする。
「挿入るよ……、一子さん」
「うん」
再び一子さんに俺のを当てる。
緊張する。
先に進もうとしてどうしても躊躇ってしまう。
「有間、来て」
ぎゅっと背に回された手に力か入る。
一子さんが俺を引き寄せている。
それに力づけられて力を入れる。
先の方がすっぽりと一子さんに包まれる。
きつい。
そしてそれが物凄く気持ち良い。
これだけでも一子さんの中のぬくもりが染み出てくる。
ぎゅっと周りの肉襞が締め付けてくる。
さらに強い刺激を、もっと深い快感を、と体が勝手に求める。
ぐっと腰が突き出されてずぼりと肉棒が埋まっていく。
「あっ、あああっ!」
一子さんが眉に皺を寄せて唇を噛み締めている。
背中に痛いほど一子さんの指が食い込んでいる。
「痛い? 大丈夫、一子さん?」
「んんん、痛い。痛い……。でも、大丈夫だから、このまま……」
頷いて一気に進める。
この痛いほどきつく締め付けてくる快楽がそのまま一子さんの苦痛に転じて
いるのかと思うとすまないと思う。
でもやめられない。
ならせめて一番苦痛を与える部分を通り越して……。
何かが肉棒の先端に触れた気がした。
これかな?
一子さんの初めての証は。
止まらずその障壁ごと突き抜ける。
それを越えるときついはきついけれど一気に奥まで一子さんが侵入を許して
くれた。
「ああああぁぁぁぁっ!!」
一子さんが苦痛に身を仰け反らせる。
「一子さんーーーっ!」
叫びと共に完全に根元まですっぽりと肉棒が一子さんの中に埋まった。
そのまま少し動きを止める。
「全部、入ったの?」
「うん。全部一子さんの中」
「嬉しい……」
「こうしてじっとしているだけでも気持ちいいよ、一子さん」
熱い。
肉棒から全身に熱が伝わっていくみたいだ。
何もしていないのに、中が動いて粘膜が次々に新たな刺激を送り込んでくる。
一子さんが俺の顔を見て微かに笑みを浮かべる。
「気持ちいいの?」
「うん。凄い締め付け。一子さんの中、温かくて気持ちいいよ」
「良かった……。じゃあ、もっと気持ち良くなって」
これは動いていいと言う事なんだろうな。
でも今も断続的に痛みがあるのか、一子さんの顔は強張っている。
動いて新たに痛みを起こすのは、正直躊躇われる。
「大丈夫だから、動いて。じっとしているだけじゃ駄目なんだろう?」
「じゃあ、動くよ」
一子さんに気を遣わせてどうする。
素直に従おう。
ゆっくりと肉棒を引き抜き、抜ける寸前まで戻ってまた奥深く突き込む。
気持ちいい。
単純な動きだというのに、それだけで何倍もの快感が生まれる。
何度も何度もその反復運動を続ける。
少しずつ動きを早くしながら。
入れる時にはあれほど拒み抵抗しているのに、抜く時にはもう放さないと言
う様にぎゅっと握り締めている。
一子さんの意思に関わらず、媚肉がうねり、奥の肉襞までが蠢いている。
さっき一子さんの口の中に大量に放ったばかりだというのに、もうこみあげ
てきている。
抜かなくちゃ。
早くしないと間に合わなくなる。
何もつけてないし、このまま出しちゃいけない。
理性がそう囁く。
でも身を離したくない。
最後の瞬間まで一子さんの中にいたい。
このまま最後まで、そして一子さんの中で果てたい。
肉体が拒否していた。
「有間……?」
「一子さん、もう出そうだ」
「いいよ、そのまま、中に出して」
《つづく》
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