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「ふふっ、アキラちゃん、可愛いよ……」
 そう言うと、私のパジャマのボタンを1つづつ外していった。
 私は抵抗しようともがいた。でも体がないように全く動かず、ただされるま
まになっていた。やがてブラが、おへそが露わにされ、前がはだかれた。

「ん……!」

 消えてしまいたいほど恥ずかしかった。志貴さんにこんな姿を晒して、体中
の血液が沸騰しそうだった。

「……たまらないね、我慢できるかなぁ」

 そう志貴さんは呟くと、そのブラにも手をかけ、一気に外してしまった。

「……綺麗だよ」

 露わにされた先端。僅かに外気に晒されて先が敏感になってしまう。

「ほら、アキラちゃんの乳首、こんなになってる」

 そう言うと、その先を指で弾かれる。

「ああっ!」

 その瞬間、不思議な感覚が私を襲った。今までにない、甘美な刺激。自分で
触っても決して得られなかったそれが、私から考える力を奪った。
 志貴さんはしばらく指の腹でくりくりといじっていたが、やがて耐えられな
いようにそれを口に含んだ。
 その瞬間、志貴さんの唾液と舌の生暖かい、柔らかい感触が新たに脳に響く。

「!!」

 それだけで、ふっと気が遠くなった。

「アキラちゃん、感じやすいんだね」

 それに気をよくした志貴さんは、交互に私の乳首を吸い、愛撫した。

「あっ……ああんっ……」

 気付けば、自分でも信じられないような声を上げていた。
 私、喘いでいるの……?
 僅かに残る理性が、それを自覚して、更に深くに落とされる。

 やがて、志貴さんの手はするりとパジャマのズボンにかかると、それを下ろ
してしまった。
 パンティが露わにされて、理性が呼び戻される。

「いやっ……」
「どうして?」

 私は、脚を閉じようとするのに、それは敵わない。

「アキラちゃんのここ、もうこんなになってるよ」

 そう言うと、志貴さんは私のその小さな布で隠された中心に、人差し指を当
てた。

「あんっ……!」

 それは、先程とは比べられないほど凄かった。
 自分でも気付かぬ内にそこは湿り気を帯び、志貴さんの手の動きに合わせて
更に蜜を滴らせていた。
「いやぁ……」
「アキラちゃんは、俺達がしてるのを見て、乳首をいじられただけでこんななっ
ちゃったんだね?」

 志貴さんが、意地悪く言う。

「ち、ちがいます……」

 そうとは分かっているのに、認めたら何かが崩れそうで出来なかった。


「しょうがないなぁ……じゃぁ、そんなエッチな娘にはお仕置きだよ」

 そう言うと志貴さんは、そのパンティも抜き去ってしまった。

「ああっ……」

 見られてしまった。
 私の大事な全てを。
 
 私の秘部を見ながら、志貴さんは呟く

「アキラちゃんのここ、可愛いよ」

 志貴さんは、そう言って私のそこに顔を近づける。

「いやっ……!汚いです……!!」

 私はイヤイヤをするように拒むが、志貴さんはそれを許さない。

「汚くないよ。寧ろ神聖なくらいだ」

 そういうと、私の息づくその頂点に、軽くキスをした。
 その瞬間、私の目の前はフラッシュをたかれたようになり、腰が浮かび上が
るような感覚が襲いかかってきた。

「あっ!」

 志貴さんはなおも私の中心を愛撫する。優しく唇で舐め、指でくつろげなが
らその中を探索する。
 
 苦しかった。
 これは拷問だった。
 何とか、して欲しかった。
 
「志貴さん……私……ダメです……」

 私は、助けを求めた。

「ん?どうして欲しいの?」

 志貴さんは笑いながら私の顔を覗き込む。
 汗と、涙と涎でぐしゃぐしゃになってしまった顔。

「……」

 私は、それが言えなかった。それは分かっているのに、志貴さんは私から聞
き出そうとしている。

「アキラちゃんの口から言わないとダメ」

 志貴さんは諭すように言う。

「言葉、正格には言語は欲望を表現するものなんだ。そして言葉にする事でそ
の欲望を満たす。だから……アキラちゃんが言う事で、自分の欲望を伝えてく
れなきゃ」

 志貴さんは、期待するように私の言葉を待ち続ける。


 私は……それを口にする事は躊躇われる。それは自分の中のモラルとか、そ
ういうもの。でも、夢にはそれが希薄だ。私の欲望は、いとも簡単に口を衝い
てしまう。

「……して、下さい」

 私はそれだけ言うと、言ってしまった事の恥ずかしさに目を背けてしまう。
 が、なぜだか満たされた気分。
 これが充足なのだろうか。心のつかえが一気に取れたような、開放感に襲わ
れてしまった。

「うーん」

 志貴さんはやおら考え込んだが

「うん。じゃあ、してあげる」

 と、先程から大きさを保ったままのそれを私の入り口にあてがった。
 そのまま、ぐっと来ると思って耐えようとするが、志貴さんの動きが一瞬止
まった。

「やっぱ……まだ意地悪しちゃうよ」

 そう言うと、入り口に入らずにその回りの襞にこすりつけるように腰を動か
し始めた。
 開いた花びらの、そこを上下する志貴さんの幹が、しゅ、しゅっと音を立てる。

「あっ……あっ……!」

 気持ちよかった。でも……苦しかった。
 完全には満たされない欲望。
 私は願ったのに……志貴さんに抱かれる事を。
 でもそれは、中途半端に私を登り詰めさせていた。

「あっ……なんか……きますっ……!」

 私は、体の奥底から来るものを感じ、それに身をゆだねようとした。
 
 が……そこで動きは止まってしまった。
 
「あ……」

 快感を得ようと自ら腰を動かすのに、それは離れてしまった志貴さんのペニ
スに届かなくて、空しく空を切っている。

「アキラちゃん……エッチだね。自分から腰を動かすだなんて」
「あ……」

 麻痺していた。恥ずかしさが。
 それを取り戻し、急激に意識が戻ってくる。

「でも、エッチなのは悪くないよ」

 そう言うと、志貴さんは私の体を自分の前に後ろ向きに持ってくる。そのま
ま脚を開かされ、恥ずかしいポーズを取らされる。

「やっ……」

 下を向くと自分のそこがはっきりと見えた。そして、その表面を擦って往復
する志貴さんのそれが、生々しい映像となって飛び込んできた。
 その姿に嫌悪を覚えるでなく、快感の対象となるものとして求める気持ちが
そこにあった。
 先程と同じように志貴さんのそれが前後する。快感はすぐに押し寄せて、私
はまたおかしくなる。
 なのに、直前になると志貴さんは動きを止めてしまう。自ら動かそうにも、
腰を持ち上げられそれは届かない。

 おかしくなりそうだった。
 いや、もう既に十分おかしくなっていた。

 私はイキたいのに、私はイク事を許されない。

「だめ……志貴さん……イカせてくださいっ……!」

 遂に、そう懇願していた。なのに

「ううん。それは夢の中じゃダメだよ」

 と、許してくれない。

「レン、おいで……」

 そう言って志貴さんはレンちゃんを呼ぶと、私の前に座らせ、その秘部の先
端、まだピンクの淫核を舐めさせた。

「ひぃあうっ……!!」

 レンちゃんの舌が、前から私を玩ぶ。私を見上げる目は、自分のそれに似て
いるような艶の目。
 そして、後ろからは志貴さんが私を同じように。体を反らし背中を密着させ、
私は二つの感触にただただ満ち引きを強制的に繰り返されるのみ。
 
 ……その拷問が、どれくらい続いてしまっているのか、分からなくなった。
 私は気もそぞろで、ただ喘ぐだけ。
 なのに、一度もイカせてくれない。

 ああ、夢なら覚めてください……
 そんな思いが、私を絶望的に支配していった……


「アキラちゃん……」

 私を呼ぶ声がする。

「……あっ」

 目を覚ますと、抱きしめてくれたままの志貴さんが目の前にいた。
 気付くと、目に熱いものが流れていた。

「……ゴメンね、ちょっと調子に乗りすぎたかも……」

 志貴さんは私の涙を見て、ばつの悪そうに答える。

「でも、初めては夢の中じゃなくって、ちゃんと現実の中での方がいいと思っ
たから……ゴメン」
 志貴さんは、指で流れる雫をすくった後、ぎゅっと強く私の体を抱いてくれた。
 暖かい感触に、先程の気持ちが蘇ってくる。
 私は志貴さんの胸に顔を埋め、想いを1つに決めた。

「……いいんです」

 私は顔を離すと、にっこりと笑いかけた。

「アキラちゃん……」
「私の未来視、見てくれましたよね?」

 志貴さんはこっくりと頷く。

「それじゃ今度こそ、その通りにしてください」

 私は、意を決して言った。

「……あんな事しておいて、いいの?」

 志貴さんはまだ迷っているようだった。

「志貴さんにしか、して欲しくないです……」

 その志貴さんの迷いを、そして、自分の今までの迷いもうち切るように……

「……志貴さん、大好きです」

 私は抱きしめられながら、その秘めた想いを遂に告白した。

「……俺も、大好きだよ。アキラちゃん」

 志貴さんはそう優しく微笑みかけ、ゆっくりとキスしてくれた。

 唇が触れた瞬間、胸が張り裂けそうだった。
 そして、離れた時……

「あ……れ」

 また、涙が溢れてきた。

「なんだか、嬉しくって……どうしたんだろう?」

 ぐずぐずと目をこするが、涙が止まらなかった。

「アキラちゃん……」

 志貴さんはそんな私の目元に唇を寄せて、その涙を舐め取ってくれた。

「さっきの分まで一杯優しくしてあげるからね」

 そう言うと、私の顔中にキスをしてくれた。優しくて甘い、その感触が心地
よかった。
 静かに上を脱がされる時も、私は抵抗しなかった。1つ1つのボタンを嬉し
そうに外す志貴さんがそこにいる。
 ぎゅーっと抱きしめて、私からキスをする。積極的になろうと舌を差し入れ
た。志貴さんは始め驚いたけど、すぐにそれに答えるように絡ませてくる。志
貴さんのキスがあまりに上手で、私はすぐにされるがままになってしまった。

「どう、大人のキスの味は?」

 ぽーっとしちゃって、とにかく夢心地だった。
 志貴さんが私の胸を露わにする。夢の中でも見られてたけど、やはり恥ずかしい。

「わたし……胸、大きくないから」
「大丈夫、これから大きくなるって」

 志貴さんは優しく私の胸をこね、その先端に舌を這わせてくる。

「あっ……」

 くすぐったいような感触が気持ちいい。両の胸を舌と指でいじられ、何だか
切なくなってくる。

「志貴さん、っ……」

 もじもじとなってしまう、その下の方から沸き上がるものがある。志貴さん
はその仕草を見て、ゆっくり体をスライドさせる。
そして、ズボンを脱がし、その下着の大事な部分を指で軽く引っ掻く。

「ひゃ……」

 布の上から、その大事な部分に触られて、思わず腰が引けてしまう。
 でも、志貴さんはそれを追うようにして手を伸ばしてくる。やがて、その痺
れるような感覚にただ腰を擦りつけるようになってしまっていた。

「感じてる?」

 志貴さんは意地悪くそう言ってくる。

「はい……」

 私はそう答えるのがやっとだ。
 満足した様子で、志貴さんは私のパンティの腰の部分に手をかけて、ゆっく
り引き下ろしていった。
 それがあまりにゆっくりで、見せられているこちらが恥ずかしさで目を覆っ
てしまう。

「アキラちゃん、綺麗だよ」

 そう言って、そこに軽く口づけをする。

「あっ……」

 ビリビリっと、電気が走るような感覚に身悶える。
 夢の中と同じように、志貴さんはいやらしく口を動かす。でも先程とは違う
のはこれが現実で、更に志貴さんはいっそう優しくそうしてくれている事だった。
 また、涙が出てくる。

「志……貴さん」

 私がまた涙声になってるのを聞いて、志貴さんが顔を上げてくる。

「イヤだった?」

 志貴さんが不安そうに聞いてくる。

「いいえ……志貴さんにして貰えるなんて、夢みたいだって思ってたんです」

 夢。
 その言葉に二人ともが優しく笑えた。

「でも、これは現実にしないとね」

 そう言って、もう一度優しいキスをしてくれた。

「……志貴さん」

 その唇を味わって、私は呟く。

「……最後まで、してください」
「うん……」


 志貴さんははっきりと頷くと、自分の服を脱ぎ、大きくそそり立つそれを私
の中心にあてがった。

「あっ……」

 その瞬間、やはりこれから訪れるであろう現実が少しだけ恐くなる。体が強
ばり、変に力が入ってしまう。私の中への入り口も深く閉ざしそうになる。

「本当に、俺でいいんだね?やっぱり恐い?」

 志貴さんが確認するようにそう聞いてきてくれるが、私は強い気持ちで首を振ると

「はい。志貴さんのものにしてください」

 そう言って、志貴さんの首に抱きつく。

「……分かったよ。優しくするから、痛かったら言うんだよ?」

 私は無言で頷いた。これからそうしてくれるのなら、泣き言は絶対に言わな
いで最後までして貰おうと決めた。

「じゃ、力を抜いて……」

 私をベッドに深く沈ませ、その腰に志貴さんがゆっくりとモノをあてがう。
 そして、入り口に触れると、今度は奧まで進んできてくれた。

「……っ!」

 その先端が入るだけで、強い圧迫感を感じる。志貴さんは少しずつ気遣いな
がら挿入てくれている。
 ぎち……ぎちと、まるで音を立てるかのような挿入感。私はそれにぐっと堪
えるようにして、思わず力が入ってしまっていた。

「アキラちゃん……」

 志貴さんが、ふと進入を止める。まだ少しも進んでない様子で、それでも私
は辛く感じてしまった。
 でも、志貴さんが止まってくれたお陰で、少しだけ余裕ができ、力が抜ける。

「いくよ……」

 志貴さんが改めてそう言うと、今度はぐっと先程とは違う強さで一気に入り
込んできた。弛緩していたせいもあって、それは先程よりも早く入っていった。
そして、私の純潔の証のその手前まで来て、止まった。

「……」

 志貴さんが、感慨深そうにする。

「幸せだな、アキラちゃんの初めての人になれるなんて」

 そう言うと、愛おしげに私を見つめる。

「志貴さん。私の初めて、貰ってください……」

 そうして、志貴さんは奧に進めてきた。

 
 強く、それを拒んでしまう私の体。
 だがやがて、それも敵わなくなった。
 ぷつりと、そこを破られる感覚。そして最奧まで志貴さんのモノに貫かれて、
痛みと、達成感と、嬉しさとの混じった涙。

「ん……志貴さん……!」

 私はその破瓜の痛みが収まらない。でもそんなに死んでしまうほどではなく
て、裂傷のようなそんな感触。
 志貴さんはそんな私の中で、動かないでじっとしていた。多分私を痛めない
ために、そうしてくれていたんだろう。その気遣いがたまらなく嬉しい反面、
体に余裕が出来る頃、志貴さんにも気持ちよくなって欲しいと思うようになった。

「志貴さん……動いてください」

 私はにっこりと笑って志貴さんに呼びかけた。

「痛み、大丈夫かい?」

 志貴さんが心配そうにするが、この人にもっと気持ちよくなって貰いたかっ
た。首をふるふると振る。

「志貴さんが、気持ちいいようにしてください。私は大丈夫です」

 私は強がりに見えたかも知れないけど、自分の気持ちを伝えた。

「……分かったよ。でもなるべく痛くないようにしたいから……」

 志貴さんは噛み締めるようにそう呟くと、私の体を抱きしめ、腰をすくって
起きあがった。

「ああっ!」

 違うところに先端が当たり、僅かに顔をしかめてしまうが、志貴さんに笑い
かけ平気だと言う。

「この方が、動かないから」

 と、あぐらで座る格好の志貴さんに座り込む形、対面座位になる。

「じゃ、動くよ。最初はゆっくりだから……」

 そう言うと、志貴さんは私の腰を掴んだまま、ゆっくりと円を描くように運
動を始めた。

「あっ……」

 少しまだ痛いけど、それほどでもない。私の膣で志貴さんのペニスが動いて
るのがはっきりと分かった。

「志貴さんの……動いてる」

 それを目を閉じて感じ、私は痛みを忘れようとする。

「ん……アキラちゃんの膣、気持ちいいよ」

 志貴さんがそう言ってくれる。嬉しくて志貴さんにしがみつく。乳首が志貴
さんの厚い胸に当たって、コロコロと頃がされる形になる。

「あっ……ん」

 それが気持ちよく、自然に声が出てくるようになる。志貴さんも私のそれを
感じ取ってか、少しずつ大きく動いてくれる。が、

「ゴメン……そろそろ、ダメかも」

 志貴さんが、奥歯を噛みながら、そう言ってくる。

「はい。来て、ください……」

 私は志貴さんをぎゅっと抱き、更に脚をその腰に絡め付けた。

「初めてだから、膣に……」

 私がそうお願いすると、志貴さんが少し大きく動き出す。

「くっ……あはん……ああっ」

 少し乱暴になる。それは志貴さんが昇っている証拠だった。

「アキラちゃん……いくよ……っ!」

 志貴さんが一際強く、その奧に打ち付けるように腰を突き上げた時だった。
 ドク……
 私の中で、何かがはじけるような感覚が訪れた。

「あっ……」

 それは、志貴さんの精。それが私の奧に打ち付けられている。

「膣で出てる……感じます……」

 私はそれを、目をつぶって感じる。びくん、びくんと寄せては返す波のよう
に私の中に注がれていた。

「アキラちゃん……」
「志貴さん……」

 私は、ただぎゅっと抱き締め、抱きしめられ、涙が知らず内にまた流れていた。


 やがて、永遠とも思えるその放出は収まり、私の中から志貴さんがペニスを
抜く。まだ全然大きいままのそれは、私の膣から抜け落ちた。瞬間、蓋が外れ
たように大量の精液と、愛液と少しの血が混じった液体が私の膣から滴り落ちる。

「あっ……」

 とろりと、それを見つめながら抱かれた事を確認してしまう。

「はぁ……」

 志貴さんは私を横たえると、そこでようやく笑顔に戻った。

「ゴメンね、俺ばっかり気持ちよくなって」
「いいんです。最初が痛いのは分かってましたから」

 私は首を振って答える。
 痛みも、心地よい痛みとなって、志貴さんと結ばれた証のように思えると、
なんだか感慨深かった。

「でも、幸せです。志貴さんに気持ちよくなって貰えたから」
「うん……凄く、気持ちよかったよ……」

 志貴さんが少し恥ずかしそうにぽりぽりと頭をかく。その姿が可愛らしくて、
もっとして貰いたかった。

「志貴さん……今度は……」

 私も、気持ちよくしてください。
 女であることの悦びを教えてください。


 そう言おうとした時だった。

「ちょっと待ってね……」

 志貴さんが、何故か私を止めた。

「……?」

 私は、その意味が分からなかった。
 志貴さんはひとつ苦笑すると、廊下に続くドアの方に顔を向けた。

「……そこにいるんだろ、秋葉」


                                      《つづく》