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「ふふふふー、えい!」

 都古は眼を閉じると、その粘膜のむき出しになった亀頭に唇を寄せた。
 ちゅ、と志貴の亀頭に都古のキスが触れた瞬間に――

 ちゅ

 志貴は柔らかい、未知の感覚におののいた。

「ぅぅああああああああ!」

 制御不可能になった欲望に、志貴は困惑と驚愕の混じった叫びを上げる。た
ちまちに志貴の下半身はひきつり、尾てい骨の奥から熱い固まりがこみ上げ、
都古の手に握られた肉棒の細い管を駆け上がる。

 そして、その出口には当然都古の顔がある――

「きゃっ!」
「ぉぉああああ……あああ!」

 びゅっ、と志貴の亀頭が震え、鈴口から先走りの透明の汁が溢れる。
 そしてたちまち、勢いよく白い精液が都古の顔めがけて、志貴の思いと裏腹
に浴びせかけられ――

「ぅぁあ……志貴お兄ちゃん……出しちゃったね」
「……はぁはぁはぁ……」
「これが男の人の……せーえき……うぁぁ……」

 顔に飛び散った白い粘液は、顔を伝って細い都古の顎に、首筋に伝う。
 図らずも小学生の都古に顔射をしてしまった志貴は、情けないような恥ずか
しいような、云いようのない後悔に襲われていた。都古に悪戯されたから、と
いうのは不可抗力にはなり得ない。
 最初に都古に悪戯したのは自分自身なのだから……

「すっごい……初めて見たぁ……凄い匂い……」

 都古は顔に伝う精液を、おそるおそる指で拭う。
 志貴は陰鬱たる顔を何とか上げ、都古の姿を見ようとする。そして顔を上げ
て見た瞬間に、志貴の中の何かが首を擡げた。

 都古は呆然とした顔で、精液を拭っている。
 自分の分泌物で汚された、妹のような童女の顔。
 その目に宿る興奮の光を見出したとき……

 わからない
 その言葉と共に、志貴の中の歯車が動き出す。

「都古ちゃん……」
「なに……志貴お兄ちゃん?」

 都古は志貴を見返すと、そこには身体を起こした志貴があった。
 下半身はむき出しであり、首を曲げてうつむきになっているが、されるがま
まの志貴とは違う何かを感じていた。都古が覗き込むのと、志貴が顔を上げる
のはほとんど同時。

 都古は青い志貴の瞳を見て、背筋が震えるのが分かった。
 志貴は都古のすらりとした胸を見つめ、背筋が震えるのが分かる。

 ――あるいはそれは未知の体験への恐怖であり
 ――あるいはそれは欲望に打ち震える歓喜であった。

「悪い娘だ、都古ちゃんは……エッチなことをされたいといったねぇ……」

 志貴はのっそりとベッドの上をすすむ。都古は先ほどの威勢もどこにいった
ものか、及び腰でベッドに腕を付いて身を引く。

「……してあげるよ、都古ちゃん……覚悟は良いね」
「う、うん……でも……でも……」

 都古は男と女の間に何があるのかは、話には聞いて分かっていたつもりだった。
 そしてそれを、特別な関係になるために志貴に望んだ。
 だが……実際にその時を目の前にすると、未知の体験への恐怖に震える。

 都古は自分の身体を掻き抱くようにして、ぽす、とベッドの上に倒れ込む。
 そして、その上に被さる志貴。志貴は笑っていたが、その奥にある男性自身
の顔を隠し切れていない。
 震えながら都古は囁いた。

「……優しくして……志貴お兄ちゃん」
「……安心して良いよ……都古ちゃん」

 志貴は腕を緩め、都古に口づけする。
 志貴が精液で汚した顔にくっついてしまい、ぬるっとした感触が頬を走るが
志貴は構わずに甘く柔らかい唇を貪った。

「んむ……はぁぁ……」

 都古が甘い声を出すと、志貴は腕を進めてむき出しになった都古の胸をまさぐる。
 まだ女性の豊満な胸を得ていない都古の胸は、肋骨すら薄く浮き出て痛々し
くもあった。志貴はふにふにと、起伏の薄い胸の乳首の突起を指で弄る。

「やん……志貴お兄ちゃん……くすぐったい……」

 志貴は無言で都古の胸を愛撫していたが、性感が未成熟なために効果が薄い
事を知るとあきらめて手と唇を都古のすべやかな肌にはわせる。
 揉み、さすり、唇をつたわせて傷一つない絹の肌に、志貴は愛欲を印していく。

「変な気分……むずむずして……」
「じゃぁ……いくよ?都古ちゃん」

 志貴が目的語を云わずに呼びかけると、きょとんとした都古が頷く。
 志貴はおもむろにパジャマの下半身に手を掛けると、腰を片手で浮かせて脱
がせる。
 緩いパジャマはたちまち脱げ、志貴の前に露わになる小さなショーツ。

「あ……恥ずかしい……ひゃん!」

 志貴は腰を抱えたまま、ショーツの布地の上から柔らかい恥丘を撫でる。
 ぷに、と柔らかい肉の感触が志貴には感じ、腕の中の都古が跳ね上がるよう
な反応を示すのを感じる。
 そして志貴は我が意を得たりとばかりに、指を股間の間に差し込み、下から
敏感な都古の秘所をなで上げる。

「やっ……やぁん……お兄ちゃん、そんなところで遊ばないでぇ」
「どうして?ちゃんとしておかないとダメだよ?それに都古ちゃんも気持ちよ
さそう」
「気持ちいい……ぅん……ぁあああ!」

 小さな都古の膨らみを、志貴は指一本でまさぐり続ける。
 都古の秘部をショーツ越しに刺激を与えていくと、だんだん都古の身体が悩
ましく脈打ち始めるのが志貴には分かった。ぐっと指に力を入れて押すと、面
白いように都古の身体は敏感に反応した。

 初めて秘華を撫で上げられる都古は、その度に喘ぐ。

「ああん……ああ………ふぁああん……ぁあん!」
「都古ちゃん、濡れてきたねぇ……」
「濡れる……?……そんなことないもん……ぁぁ……」

 くにくにと秘部を弄ばれる都古は、志貴の指摘にふるふると首を振って否定
する。
 だが、そんな素振りは志貴を喜ばせるだけで――

「じゃあ、確かめて上げる」
「お兄ちゃん……はぁぁぁん!」

 志貴の手はするり、と都古のショーツを脱がせていた。

 志貴の目の前に露わになるのは、まだ秘毛に被われる前の、一本筋の割れ目
であった。
 年相応に可愛らしくもある都古の女性器は、さんざん愛撫されて透明な液に
濡れている。志貴は直に都古の割れ目に指を沿わせる。

 布越しではないリアルな触感に、都古は背筋を引きつらせる。

「はあああん!」
「ほら、濡れてるよ……こんなにちいちゃくても、ちゃんと女の子なんだね」

 ぴちょり、と体温で暖まった温い水気が志貴の指に伝う。
 志貴はその指を暗闇越しにしげしげと眺めると、やおら都古の両膝の下に手
を差し込む。

 そしてそのまま、都古の恥ずかしいところが丸見えになるように、脚を持ち
上げて開脚の姿勢に持っていく。脚を開かされる都古は声を上げずには居られ
なかった。

「や、やだ、はずかしいよ……ひゃぁぁぁぁ!」

 そして志貴の顔が都古の股間を多い、唇が下の唇と触れると、堪らない都古
の声が上がる。志貴は舌をさしのべて、まだ襞の発達していないシンプルな都
古の女性器の中をこそぐように弄び始める。

「やぁん……は……ふぅん……あああ、ああん、あああぅ……」

 ちゅぱちゅぱと音を立てながら、志貴の舌は文字通りの割れ目を舐め上げる。
 都古は身体を突っ張って、快感の波濤に耐えようとする。だが初めてのクン
ニリングスの感触は都古の身体を押し流して――

「ぁははん……お兄ちゃん、志貴お兄ちゃん……ぅぅあああ、ああん!」

 志貴の舌が皮を被った陰核の上から押し込むように舐めると、一際高い声上がる。
 志貴は秘所に指を添えると、確かめるように人差し指で膣口を探る。襞の中
に奥まったくぼみを確かめると、そこに指を添えてゆっくりと差し込もうとする。

「お兄ちゃん……そこは……やぁぁぁん!」

 志貴の指は第一関節まで都古の秘所に入ったが、それが限度であった。
 浅く入れただけでも、都古の内側は限界だった。処女膜のせいもあるのだが、
まだ未成熟な女性器は志貴の指を受け付けることも敵わない。

「痛い……やめてぇ……」

 都古が苦痛の声を漏らすと、志貴ははっとして指を引く。
 都古は脚をしどけなく開いて、志貴の目の前で汗を掻いた熱い体で横たわっていた。

「痛いの?都古ちゃん」
「いままで入れたことないから……でも、お兄ちゃんのおちんちん、入れるんでしょ?」

 顔を腕で覆って、都古は消え入りそうなほど小さく呟く。
 志貴は頷くでも否定する出もなく、黙って考え込んでしまう。この少女を傷
つけてはいけないと――だが己の中に高まった欲望は、うねりとなって志貴の
中を駆けめぐりともすれば凶行に駆り立てない。

 ――どうすればいいのか?
 分からない

 志貴が思い悩む最中に、身体全体で息をする都古がそっと呟く。

「お兄ちゃん……大丈夫だよ、最後まで……して……」




                                      《つづく》