「ん――っ!んんっ……んんっ……んぅ……っ……んふ……」
秋葉のくぐもった声が、次第に鼻に抜けた甘い音に変わるのを聞きながら、
俺はアルクェイドの中を往復し始めた。
「あっ…はぁ…はぁ…あぁ…し、き…はぁ…あぁ、あぁ、し、しきっ…」
ふと気づくと、聞こえるのはアルクェイドの喘ぎ声に変わっている。
秋葉は固く目を閉じて、紅潮した顔を横に向けている。
それだけではない。
俺とアルクェイドの動きとは違うテンポで、秋葉の身体が揺れている。
気になったので、ちょっと腰の動きを止めてみる。
「あ……」
なにかが、下からアルクェイドのお腹…よりも下に、ぶつかってきた。
考えるまでもなく、秋葉の腰だ。
ようするに、アルクェイド自身が気持ちよくなるにつれて、秋葉を愛撫する
余裕がなくなってしまい、秋葉はあと少しというところで放り出される格好に
なったわけだ。そこで、秋葉は身体をのけぞらせて腰を持ち上げ、下から俺と
アルクェイドの繋がっているところに腰を擦りつけていたらしい。
「あっ、あっ!しき、しき!もう、もうっ!」
アルクェイドが秋葉の首に腕を回し、肩のあたりに顔を埋めて叫んだ。
同時に、渾身の力をこめて、奥の奥まで突き入れた。
「んんんっ、あぁぁぁぁぁ――――!」
アルクェイドの背中が、びくん、と反りかえる。
どくん。
アルクェイドの中に射精した。
どくんどくんと、何度も何度も。
「あ…………は…………」
アルクェイドの身体から力が抜け、秋葉の上に横たわった。
しかし、アルクェイドの身体は、まだがくがくと揺れている。
下から、秋葉が不器用に腰を突き上げ続けているせいだ。
啜り泣きながら。
「仕方がないなぁ、秋葉は……」
呟いてから、まずは左足を床に下ろす。
そして、アルクェイドと繋がったまま、少しずつ左足に体重を移して行く。
「う……あぅっ!」
角度が変わって、普段と違うところが擦れたせいだろうか、アルクェイドが
大きな声を出した。
「ちょ、ちょっと、志貴、なにをする気なのよ?」
「向きを変えるんだ。アルクェイド、脚を上げてくれるか?………そうそう」
アルクェイドの両足を脇に抱え込み、繋がったまま手押し車みたいな格好で
ソファの前を回って肘掛のところまで移動して行く。
アルクェイドは、腕立て伏せの要領で上体を持ち上げて、秋葉の上で180°
向きを変える。
ちょうど、秋葉の顔の上にアルクェイドと俺の繋がっているところがあり、
秋葉の秘裂の真上にアルクェイドの顔がある。
いわゆる69の体勢だ。
そこで、アルクェイドの両足を床に下ろした。
アルクェイドは秋葉の上でソファのクッションに両肘を突いて上体を支え、
床に着いた両足を大きく広げて、お尻を高く持ち上げた格好になる。
移動中、両手を握り締めてこっちを見ている琥珀さんと、両手で顔を覆い、
でもしっかり指の間からこっちを見ている翡翠の姿がちらっと目に入った。
ちょっと身体をひねって、アルクェイドの腰の脇から秋葉の顔を覗き込む。
ぼたぼたと、秋葉の顔に、アルクェイドの愛液と俺の精液とが入り混じった
白濁液が滴り落ちているのが見えた。
「さっき、秋葉の上でセックスするなんて…って言ってたよな?
でも、さっきのは違うよ、秋葉。
秋葉の上でセックスするって言うのは、こういうことだよ」
「もうやめて、兄さんってば……」
目を閉じたまま、秋葉が力なく呟いた。
「秋葉、目を閉じるんじゃない。目を開けて、よく見るんだ」
そう言って、ぐっと腰を前に。
「あぁぁぁ……っ!」
ぐしゅうぅ。
隙間から、アルクェイドの愛液が噴き出す音。
「嫌………ぁ………っ」
今はアルクェイドの下になって見えなかったが、半透明のそれがぼたぼたと
滴って秋葉の顔を汚すさまは、容易にイメージ出来た。
奥まで突くと、今度は抜ける寸前まで腰を引く。
アルクェイドが爪先立ちになり、さらに腰がぐっと持ち上がる。
「あ、あ、あ、あ………」
絡みつくような感触。
再び、腰を前へ。
「んんっ!…んあぁぁぁっ!」
前に押されたアルクェイドは、もう肘に力が入らなくなったらしい。
甲高い声を上げながら秋葉の脚の間に突っ伏した。
「アルクェイド、今度は、秋葉に舌でしてやってくれ」
返事の代わりに、ぴちゃぴちゃと猫がミルクを舐めるような音が聞こえた。
そして――――秋葉の嬌声が。
「はぁ、あぁ……く……はぅ……っ!そ、そこ……は…っ!あ、あぁぁっ!」
パターンは、さっきまでと同じだった。
アルクェイドが逝きそうになるにつれて、舌がお留守になる。
そして、秋葉は中途半端な状態で放り出されてしまう。
秋葉は両手を後ろ手に拘束されているので、自分で慰めることも出来ない。
「あ、あぁ……兄さん、兄さん……んっ……んぅっ……」
アルクェイドの下から、秋葉の喘ぎ声が聞こえる。
焦らされに焦らされた秋葉が少しでも気を紛らそうとして、啜り泣きながら
俺とアルクェイドが繋がっているところを下から舐め上げてくる。
「あっ!あっ!妹、そこ、そこいい。そこ、もっと……して……!」
アルクェイドがクッションに爪を立てて叫んだ。
白いタートルネックの上からでも、アルクェイドが快感に背中をくねらせる
たびに、肩甲骨が艶めかしく動くのが見える。
それを見ながら、アルクェイドの中を突きまくる。
アルクェイドが顔を横に傾け、秋葉の太腿の内側に軽く歯を立てた。
「ひっ!…あぁっ!」
秋葉の両脚が、ぴん、と突っ張り、少し経って、ぐったりと力が抜ける。
逝ったのかもしれない。
「ん……ふっ……はぁっ……あ、あぁ……あ!」
アルクェイドの声が、だんだんと高くなって行く。
それに合わせて、腰の動きを加速させて行く。
「ん…んんっ……あは、あぁ……あぁ!
あ、し、しき……しき…わた、し……もっと……しきが……欲し…い…」
ぐったりと秋葉の脚の間に突っ伏して、それでもお尻だけは高く持ち上げて
アルクェイドが哀願してくる。
両手でアルクェイドの腰を抱えこみ、思い切り強く突いてやる。
「あ――――っ!はぁ、は……あ――――!」
アルクェイドが右肩越しに振り返り、こっちに右手を差し出した。
腰を抱えていた両手を放し、アルクェイドの右手首を掴む。
掌を、俺の胸、どくどくどくと早鐘を打っている心臓の真上に当てる。
肩越しにじっとこっちを見ているアルクェイドの赤い瞳を覗きこみながら、
全力で、アルクェイドを愛し続ける。
「ん……。し……き――――もっと……きて…………!」
「アル…ク…ェイド!」
アルクェイドの中に、これまで以上に熱い物が溢れてきた。
「あ――――しき、しき、し…あ、あぁぁぁぁぁ――――っ!」
浮き上がっていたアルクェイドの踵が、床に落ちた。
膝からも力が抜け、ソファの肘掛けに、どさりと腰が落ちる。
「あっ!あん!あん!……あはぁぁぁっ!」
びくん、びくん、と震えるアルクェイドの中。
もう限界だった。
「――――――く…………っ!」
さっきあれだけ出したのに、まだこんなに残っていたのか?と思うくらい。
今度も、どくん、どくん、と何度も繰り返し精液が迸った。
「く……う……」
ちょっとの間、目の前が暗くなったように感じた。
「――――ふう」
どうやら、大丈夫なようだった。
「……あ……あっ…………あ―――……」
アルクェイドは、まだぐったりとソファに突っ伏したままだ。
快感の余韻に浸っているのか、顔は緩み切っている。
アルクェイドから、ずるりと自分のモノを引き抜いた。
そのまま、ぺたんと床に座りこんだ。
爛れたように赤くなったアルクェイドの襞から、さっきよりも濃い白濁液が
どろどろと溢れ、それが秋葉の顔を汚して流れ落ちるさまを、呆然と眺める。
「う…っ……くっ…すん………ひっく……うっ…ううっ……」
アルクェイドの脚の間で、秋葉が啜り泣いている。
「あき……は……?」
そっと声をかけてみる。
返事はない。
もう一度。
「秋葉?」
秋葉は、固く目を閉じ、唇を噛んで答えない。
「秋葉!」
秋葉ではなく、アルクェイドがびっくりしたように跳ね起きた。
「どうしたの、志貴?」
「……いや。なんでもない」
アルクェイドは静かに秋葉を跨いでソファから下りる。
内腿を見下ろして困ったような表情を浮かべたアルクェイドに、琥珀さんが
いつの間に用意したのか、蒸しタオルを手渡した。
琥珀さんが、もう1枚の蒸しタオルを俺に差し出した。
翡翠の姿は見当たらない。
部屋の外に出て行ったのかな?
後始末をしながら応接間全体を見下ろすと、床にへたりこんだままこっちを
見ている翡翠と目が合った。
次の瞬間、翡翠は、ぼっと顔を赤くして下を向いた。
琥珀さんが秋葉の肩に腕を回して抱き起こし、普通に座った姿勢に戻した。
まずは蒸しタオルで、顔中にこびりついた白濁液を拭ってやっている。
続いて、両腕を後ろ手に拘束していた縄を解き始めた。
「さ、秋葉さま、次はドレスを直してさしあげ……」
縄を解き終えた琥珀さんが、一歩下がって言いかけた時――――
トウトツに、秋葉が動いた。
ソファから跳ね起き、床を蹴って――――俺に飛びついてきた。
床に座りこんで、蒸しタオルでまだ勃っているペニスにこびりついた体液を
拭っている最中の俺に。
飛びついてきた秋葉の勢いで床に押し倒された俺の首っ玉に、秋葉の左腕が
きつく巻きついた。
「あ、あぁっ!私…私、もう、もう……っ!」
啜り泣きながら、なにか口走りながら、秋葉は右手で俺のペニスを掴んだ。
「――――ごめんなさい、兄さん」
言い終わる間もあらばこそ、秋葉は自分の中に俺を引き入れようとした。
だが――――
「こらこら、妹。貴方、なにをしているの、なにを」
身繕いを終えていたアルクェイドが、秋葉の腰を掴んでぐいっと持ち上げ、
強引に俺から引き離した。
「妹と志貴は兄妹なんだよ?そういうことをするのはまずいんじゃないの?」
「人にあんな非常識なことをしておいて、今更そんなことを言うの!?
人を……私をこんなにしておいて……酷いじゃない……」
「それはそうなんだけど――――」
秋葉を床に下ろしながら、アルクェイドは微かに頬を膨らませた。
「でも、妹がつまらない意地を張るのが悪いのよ?
妹がわたしと志貴の付き合いに反対さえしなければ、こんなことをする必要
なかったわけだし、志貴だって、わたしと一緒にこの家にいられるわけだし。
そうすれば、妹、志貴は貴方とだって一緒にいられるのよ?」
「………………」
アルクェイドが手を離すと、秋葉はそのまま床にくずおれた。
アルクェイドは、前屈みになって秋葉に顔を寄せ、話を続ける。
「さ、妹、正直になりなさい。貴方はどうしたいの?どうして欲しいの?」
1時間後――――
俺は、応接間の真ん中に膝立ちして、腰高位で秋葉を貫いていた。
もちろん、秋葉にはドレスを着せたままだ。
「あ、あぁ!兄さん!兄さん!……兄……さ…んっ!」
秋葉は大きく頭をのけぞらせて長い黒髪をカーペットに広げ、白い長手袋を
はめた両手を頭の上に伸ばしてカーペットを掴んでいる。
ドレスの胸元は、相変わらず乳房の下までずり下ろされたままだ。
ちなみに、秋葉の薄い胸は、俺が動いても微かに揺れる程度だ。
それでも、乳首は固く勃ち上がって存在を主張している。
ドレスのお腹の上には点々と、精液と愛液の混じった白濁液が散っている。
ドレスの裾はお臍の上まで捲り上げられ、ガーターベルトとストッキングを
纏った両脚が剥き出しになっている。
秋葉は、もちろんショーツは着けていない。
腰のくびれを掴む俺の手のすぐそばに、愛液にじっとり湿った薄い翳りと、
今、俺のペニスが盛んに出入りを繰り返している、秋葉の秘裂。
秋葉の内腿には、破瓜の血が一筋垂れている。
それと、大量の精液の流れ落ちた跡。
ついでに言うと、秋葉に靴は履かせたままだ。
「あぅ…い、いた…痛いです……あぁ……兄さん……」
《続く》 |