言いながら、琥珀さんは秋葉の右膝に手を置いた。
反対側から、アルクェイドが秋葉の左膝を掴む。
ふたりが秋葉の膝を持ち上げ、ソファのクッションに踵を乗せた。
ふたりはさらに、秋葉の膝を左右にぐっと引く。
膝を立てているので、M字型に脚を開いた格好になる。
当然、脚の間の薄い翳りと、その下の、ピンクの襞も丸見えになる。
「い、嫌っ!」
秋葉が脚を閉じようとしたが、ふたりに左右から膝を強引に引き戻される。
「さ、秋葉さま。志貴さまにもっと可愛いところを見せてあげましょうねー」
琥珀さんが、秋葉の秘裂を右掌で覆いながら声をかけた。
くっと中指が曲がり、秋葉の身体の中に、ちゅっ、と音を立てて滑り込む。
「ん……っ」
秋葉が微かに眉根を寄せる。
でも、さっきから相当に濡らしているので、さほどの苦痛はないようだ。
「自分ばっかり美味しいところを持って行かないでよ、琥珀」
「ふふ。早い者勝ちですよー」
「あぁぁぁ……」
指を律動させて秋葉に喘ぎ声を上げさせながら、琥珀さんはアルクェイドに
嫣然と笑い返した。
「むっ。それなら――――」
ひとりごちると、アルクェイドも秋葉の脚の間に左手を伸ばした。
琥珀さんの手よりも、下へ。
「ひっ!」
秋葉の踵がびくっと跳ね上がった。
アルクェイドの指が、秋葉のお尻の穴に触れたせいだ。
「ほらほら、妹、力を抜いてね。行くよー?」
「秋葉さまー?お口で息をするといいですよー」
琥珀さんが横から秋葉に言い沿えた。
アルクェイドの指がどこに入ろうとしているかに気づいたのか、秋葉の顔が
改めて恐怖に歪む。
「やめなさい!やめて!そこは、そこは……ひぎぃっ!」
アルクェイドが、愉しげに笑いながら、秋葉のアナルに指をねじこんだ。
秋葉の顔が激痛に歪む。
「い…いた…痛い、痛い!痛ぁいっ!」
秋葉が泣き叫びながら、指から逃れようとクッションの上でずり上がる。
左右から、アルクェイドと琥珀さんが空いた手で肩を押さえて引き戻す。
そうしておいて、アルクェイドは秋葉のアナルに浅く指を抜き差しし始め、
琥珀さんは秋葉のクリトリスを親指で圧迫するように刺激し始めた。
「いや、嫌、嫌!いやぁぁぁっ!」
長い黒髪を振り乱して、秋葉が絶叫した。
だが、前半と後半で、声のトーンが全く違っていた。
前半は、アルクェイドの指にアナルを抉られての悲鳴。
後半は、琥珀さんの指にクリトリスを弄られての喜悦。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ………」
秋葉が、がっくりと肩を落とし、喘ぎながら息をついている。
顔は脂汗にまみれ、頬には涙とよだれの垂れた跡が光っている。
それでも、アルクェイドも琥珀さんも、指の動きを止めようとはしない。
秋葉の呼吸がどんどん乱れてくる。
「は、はぁっ…はぁっ…あぅっ…あぁぁっ!…はあぁ……あ………」
「あれ、妹、腰が動いてるよ?」
「秋葉さま、気持ちよくなってきました?」
「違う……そんな、こと、ありま、せん……んっ!」
「そう?じゃ、これは?」
あくまで否定する秋葉に、アルクェイドは鉤状に曲げた指で応じた。
琥珀さんも、軽く曲げた指先で入り口のあたりを軽く引っ掻くようにする。
「ひいっ!あ、あぁっ!」
アルクェイドの指から腰を引こうとした秋葉だったが、身体の方は、秋葉の
意思に反して琥珀さんの指を迎えに行った。
琥珀さんの中指の付け根までが、秋葉の膣の中に沈む。
もちろん、アルクェイドの指も。
「んくぅぅ………んん……っ!」
初めて、秋葉が鼻に抜けた甘い声を漏らした。
「そろそろかな、琥珀?」
「はい。そろそろよさそうですねー」
アルクェイドと琥珀さんが、秋葉の薄い胸越しにうなずき合い、指の動きを
これまで以上に加速させた。
「ひっ!あぁっ!あぁっ!あぁぁっ!…ひぅっ!…あ、あぁぁぁ……っ!」
秋葉が全身を震わせた。
「あっ!あっ!だ…だめっ!も、もうっ!に、兄さんっ!」
秋葉の両脚が、まるで足踏みでもするみたいに、右、左の順でぴんと伸び、
宙を蹴った。
「あ、あ、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁ……っ!」
秋葉のお腹から腰にかけてが、細かく震えるのが見えた。
もうすぐ逝きそうなんだろう。
だが――――
アルクェイドと琥珀さんは、まさに秋葉が絶頂に登り詰めようとした時に、
指をそれぞれ秋葉のアナルと膣から引き抜いた。
「あ……あっ?………あぁっ!?」
「へへー」
「ふふふふ」
驚愕の表情を浮かべた秋葉に、アルクェイドと琥珀さんは、してやったりの
笑顔を交わした。
「あ、あぁ……くっ!」
唇を噛んで声をこらえ、必死に平静を装おうとする秋葉に、アルクェイドが
にこにこ笑いながら声をかける。
「どう、妹?妹がわたしと志貴の邪魔しないって誓うなら、逝かせてあげる」
脂汗と涙とよだれでぐしゃぐしゃ、さらに乱れた髪が額といわず頬といわず
汗でぺったり貼りついた凄い顔で、秋葉は気丈にアルクェイドを睨み返した。
「私にこんな真似をしておきながら…いけしゃあしゃあと、この泥棒猫……
そんなこと、私の目の黒いうちは、許してたまるもんですか!」
そんな秋葉の最後通牒にも、アルクェイドは全く堪えた様子はなかった。
「わたしは別に構わないよ、志貴はわたしのパートナーなんだから。
妹がそう言うなら、勝手にさせてもらうまでのことよ。
――――なんなら、止めてみる、妹?」
アルクェイドはにやりと笑うと、くるりと俺に顔を向けた。
「さ、志貴、こっちにきて」
「あ、ああ」
喉がカラカラで、うまく声が出なかった。
それに、どうにも歩き難かった。
つまり、その……見ているうちに勃っちゃったせいで、前屈みにならないと
歩けなかったから。
「うっわ。志貴ってばそんなにおっきくして。ズボンの上からでもわかるよ」
アルクェイドが目を丸くして言った。
琥珀さんがさっと席を立ち、笑顔で俺の肩を小突く。
「おふたりの邪魔なんて野暮なことはしませんから、ごゆっくりどうぞー」
「ねぇ、早く、志貴」
ソファから立ち上がりながら、アルクェイドが両手を広げた。
よく見ると、アルクェイドのロングスカートに染みが出来ている。
秋葉を愛撫しているうちに、濡れてしまったんだろう。
俺も、早くどこかに収めないことには、収まりがつかなくなりつつあった。
ソファの前で、ほとんどぶつかるような勢いで抱き合って、キスする。
「んんっ……はむっ…んぅっ……」
熱い。
アルクェイドの身体が。
吐息が。
「ん………」
アルクェイドの膝から、かくんと力が抜ける。
もちろん、俺の腕に巻きつけられたアルクェイドの腕から力が抜けるなんて
ことはなかった。
それどころか、一層強くしがみついてくる。
キスを続けながら、アルクェイドをソファに腰掛けさせる。
「あ……志貴……」
唇を離した瞬間。
アルクェイドが、怯えたような表情を浮かべて俺を見た。
さっきの秋葉と同じ、縋るような、物凄く不安そうな目
「安心しろよ。約束しただろ、ずっと一緒にいるって」
たった一言で、にぱっと笑顔を取り戻すアルクェイド。
その笑顔を見ているだけで、たまらない気持ちになる。
その、たまらない気持ちが、遠野志貴の配線だかなんだかをぶち切った。
「………………っ!」
なにかを叫んだような気がする。
なんと言ったか、記憶はないけど。
次の瞬間、アルクェイドの肩を鷲掴みして後ろを向かせていた。
そのまま、アルクェイドの肩を乱暴に前へ押しやる。
アルクェイドの身体に押されて、秋葉がソファに仰向けに倒れる。
アルクェイドは、秋葉を押し倒す格好で、うつぶせに倒れこんだ。
そのまま、クッションに片膝を突いて、アルクェイドの背中に覆い被さる。
背後から両手をアルクェイドの胸に回し、タートルネック越しに大きな胸を
揉み立てる。
「あっ…し、志貴、ちょっと、痛いよ。もう少し優しくして……」
「………………」
返事をする余裕はなかったけど、少しだけ指の力を緩めた。
そうしておいて、アルクェイドの胸の量感と、指を押し返す弾力を味わう。
「はぁ…はぁ…はぁ…志貴………志貴……あ……」
アルクェイドの胸を放し、クッションの上に膝立ちする。
そして、両手でアルクェイドのロングスカートの裾を掴んだ。
一気に、スカートの裾をお尻の上まで捲り上げる。
再びアルクェイドの背中に覆い被さると、右手で、アルクェイドのタイツと
ショーツの上からお尻を撫でる。
後ろから前へ滑らせて行くと、指先が濡れた布地に引っかかった。
これだけびしょびしょに濡れていれば、スカートにまで染みるのも納得だ。
これなら、もう愛撫もなにも関係ないだろう。
後ろから、アルクェイドのタイツとショーツを一纏めに引き下ろした。
琥珀さんの言っていた通り、後ろから脱がせる方が簡単だ。
もちろん、アルクェイドが膝を立てて協力してくれたお陰でもあるけど。
タイツとショーツを膝のすぐ上まで下げておき、ズボンのベルトを解く。
ぱんつごとズボンを引きずり下ろして、とっくに準備完了しているペニス
を外に出したとたん――――
「わぁ、志貴さんの凄いですー」
声のした方を見る。
わくわく顔の琥珀さんが、胸の前で掌を合わせながら壁際に立っていた。
その隣に、顔を真っ赤にして俯いている翡翠の姿もあった。
「こ、琥珀さん!さっき、邪魔しないって……!」
「はい。ですから、こうして邪魔にならないように見学させて頂いてますー」
琥珀さんはニコニコと元気一杯に答えた。
熟柿のような顔のまま、翡翠が琥珀さんの着物の袖を、ちょい、と引く。
「ね、姉さん……やっぱり、私たちは外に出た方が……」
「大丈夫よー。もう、翡翠ちゃんったら心配性なんだからー。
ささ、志貴さまー?使用人風情のことなどお気になさらずにどーぞー」
「そ、そんなこと出来るわけ――――
「――――志貴」
「な、ないだろ……」
後半で失速したのは、アルクェイドがよつんばいの姿勢のまま身体を捩って
右腕を背後に伸ばし、俺のシャフトを握ったせいだ。
そんな風にされていては、誰だってわめき続けることなんて出来ない。
「う…………」
「ね、志貴」
アルクェイドが、右肩越しに俺を振り返った。
「お願い」
ごくり。
思わず、生唾を飲んでいた。
また一本、遠野志貴の頭の中で、配線が切れた。
両手でアルクェイドの腰のくびれを掴み、ぐっと腰を突き出す。
アルクェイドの手が添えられているので、スムースに入った。
両手をずらして、指先を腰椎の上で重ね、ゆっくりと奥まで突いて行く。
「あ……志貴の…あたってるよ。奥に、あたってるの……」
少しの間、じっと動きを止め、アルクェイドの熱い襞々の感触を味わう。
焦れたように、アルクェイドが腰をもじもじと動かした。
「し、志貴?動いて…くれないの?」
「やめて!やめて!やめて!兄さん、もうやめて!もう…やめて下さい……」
トツゼン、アルクェイドの下で、秋葉が全身を震わせて泣き叫んだ。
「……兄さん、酷いです。酷い、です。
いくら私が兄さんとアルクェイドさんの…関係に反対したからって……
そのことに対する当てつけにしても……こんなの、こんなのってないです!
私に見せつけるどころか、私の上で…セックスするなんてあんまりです!」
泣きじゃくる秋葉は、まるで子供みたいだった。
いつもの、毅然とした秋葉の姿は、どこにもなかった。
もしかしたら――――
いつもの毅然とした態度は『遠野家の当主』としての立場が演じさせる物で
本当の秋葉は、こっちの、子供の頃と同じく、俺が守ってやらないといけない
秋葉だったのかもしれない。
気づいてやれなくて、ゴメン。秋葉、俺は、悪い兄ちゃんだった――――
「気づいてやれなくて、ゴメン。秋葉、俺は、悪い兄ちゃんだった――――」
俺がそう言うと、秋葉は薄っすらと目を開いた。
「え………?」
ゆっくりと身体を前に倒し、改めてアルクェイドの背中に覆い被さる。
左手でアルクェイドの乳首を、右手でアルクェイドのクリトリスを探る。
「あんっ!」
敏感なところを擦られて、アルクェイドが小さく声を上げた。
背後からその耳たぶを甘噛みしながら、耳に声を吹きこむ。
「アルクェイド。秋葉に、おまえがされてるのと同じことをしてやってくれ」
「う、うん」
「ちっ、違います兄さん、私が言っているのは、そういう……んむっ」
まだなにか抗議しようとした秋葉の口を、アルクェイドの唇が塞いだ。
そして、アルクェイドの手が、秋葉の薄い胸を覆い、股間に滑り込む。
《続く》 |