秋葉が恥ずかしそうに呟く。
それでも。
俺は、秋葉の左脚を右肩に担ぎ上げた。
秋葉が倒れないように、手近にあった太い木の幹に寄りかからせる。
そうしておいて、右手で秋葉の秘裂を指で探ってみる。
限界まで開かれた秋葉の細く長い脚、その付け根一帯は、溢れ出した愛液で
バターでも溶かしたみたいになっていた。
もう、これ以上の愛撫なんて必要ない。
それに、俺だって、これ以上待つ余裕なんてなかった。
秋葉をお姫様抱っこして歩いている時からもうがっちがっちに怒張していた
ペニスに右手を添え、左手で秋葉のお尻を掴んで角度を調整する。
ぐっ……と、腰を突き上げる。
するっと、ほとんど抵抗もなく、俺の物が秋葉の熱い膣内に滑り込んだ。
秋葉が、両腕を俺の背中に回して抱き付いて来る。
その動きで、俺のペニスがさらに奥へと呑み込まれる。
亀頭が、子宮の入り口を突き上げる手応え。
同時に、秋葉の膣壁が熱い蜜を噴き出しながら急激に収縮した。
「うあ……っ!」
思わず、声が漏れた。
「あぁぁぁぁぁっ!」
同時に、串刺しにされた格好の秋葉が、背中をのけぞらせて絶叫した。
「ごめんなさい。ごめんなさい、兄さん……」
秋葉が唇を震わせながら繰り返す。
「え?どうしたんだ、秋葉?謝ることなんて―――」
「私、わたしっ!もう、もう逝って……しまって……!」
秋葉は啜り泣いていた。
「兄さんに奥まで入れられたら、それだけで、もう……」
「泣くなよ、そんなことで」
「だって、だって…………!」
俺は、腰のくびれを掴んで秋葉の身体を引き寄せた。
これ以上密着出来ない、というところまで腰を密着させる。
そして、俺は本格的に動き出した。
この体勢ではペニスを抜き差しするのは難しいので、一番奥まで入れたまま
ずんずん腰をぶつけるようにして、秋葉を突き上げる。
「あ、ああ!兄さん!兄さん……っ!私、また……逝っ………く………!」
容赦なく、秋葉を二回目の絶叫に向かって、押し上げて行く。
「…………っ!」
トツゼン、秋葉が俺の首筋あたりに噛み付いた。
興奮しているせいか、特に痛みは感じなかった。
「んうぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜っ!」
俺の首筋に噛み付いたまま秋葉が絶頂に達し、くぐもった絶叫を上げた。
「うっ!……ぅうっ!……は………うぁあああ…………」
ぶるぶるっと、秋葉に歯を立てられたところから振動が伝わって来る。
それから数秒。
秋葉が俺に抱き付いたまま、俺の首筋に噛み付いたまま、動きを止めた。
それでも、秋葉の膣壁だけは相変わらず蠕動を繰り返している。
腰の動きを止め、じっくりと秋葉の膣壁の感触を味わう。
「あ……、ま、また……」
俺は動いてもいないのに、秋葉の身体が勝手に上り詰めて行く。
そんな感じだった。
「に、兄さん、一緒に、一緒に、来て…………兄さん!兄さんッ!」
秋葉の、十何回目かの絶頂。
秋葉が溺れまいとするように、俺の首にしがみ付いた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!」
「うぅぅぅぅぅぅぅ……っ!」
秋葉の中が、痙攣するように締まる。締め上げられ、吸い込まれる。
ついに我慢し切れなくなって、俺は秋葉の中に大量の精液をぶちまけた。
ペニスがずきずき痛むくらいの量と勢いで、射精が繰り返される。
す―――っと、目の前が暗くなりかける。
なんだか、血の流れが全部ペニスに集中してしまった、みたいだ。
秋葉の全身から力が抜け、俺の腕にずっしりと重みがかかった。
そして。
一呼吸置いて、不意に俺の下腹に―――熱い液体が降りかかった。
「え?」
「あ……う……」
秋葉が、おもらしした。
夕食後、俺が秋葉に紅茶を何杯も何杯も飲ませたせいだ。
「嫌…………ぁ…………」
秋葉が俺にしがみ付いたまま力なく頭を振る。
しかし。
逝ったばかりの弛緩し切った身体では、止めたくても止められない。
「う……う……ぐすっ。ごめんなさい、ごめんなさい……兄さん……」
あれからずっと、秋葉は泣きながら何度も何度も謝り続けていた。
俺は、そっと秋葉の頭を抱き寄せ、髪を撫でてやる。
「ほら秋葉、俺は怒ってなんかないから、さ。もう泣かなくていいって」
「でも…………兄さん…………」
秋葉が怯えたように俺の顔を見上げて来る。
その表情を見て、俺は、不覚にも、また、勃ってしまった。
「大丈夫だよ、秋葉。そんなことで―――お前がおもらししたくらいのことで
嫌いになったりなんかしないから」
俺は、秋葉に笑いかけながら続ける。
「でも、お仕置きは必要……かな?」
「は、はい兄さん。一杯、して下さい」
翌朝―――
いつもの通り慌しく朝食を済ませ、とっくに支度を終えて待っていた秋葉と
連れ立って、俺のカバンを抱えて待つ翡翠のいるロビーに向かう。
「翡翠、急ぐから今日の見送りはここまででいいよ。―――行って来る」
「はい。行ってらっしゃいませ」
深々と頭を下げる翡翠に軽く手を振り、玄関から外に出る。
玄関の扉を閉めると、俺と秋葉は小走りに離れに向かった。
そう。行方不明の秋葉のぱんつを探さなきゃならない。
離れの前まで来た。
俺が扉に手をかけたのと同時に、不意に中から扉が開かれた。
「わっ!」
「えっ?」
籠を抱えて出て来た琥珀さんと、危うく上面衝突しそうになった。
「こ、琥珀さんか……びっくりした……」
「もう、志貴さんってば。それは私の台詞ですよー」
ああ驚いた、と呟きながら、琥珀さんは割烹着の胸を撫で下ろしている。
「それより志貴さん……秋葉さまも、朝から離れに何の御用ですか?」
「え……」
言えない。秋葉のぱんつを探しに来たなんて、言えない。
そんなことを言えば、思い切り殴られる。―――秋葉に。
「琥珀、あなたも仕事があるのでしょう?」
躊躇う俺をよそに、秋葉は琥珀さんの問いを跳ね付けた。
「無用な詮索はやめて、仕事に戻りなさい」
「申し訳ありません、秋葉さま」
琥珀さんは素直に引き下がった。
俺は何気なしに、琥珀さんの抱えている籠を覗き込んだ。
籠の中には―――
くしゃくしゃになった上に、そこかしこに点々と黄色く変色した染み―――
汗と精液と愛液の染みが付いた、シーツや枕カバーが入っていた。
反射的に秋葉の方を振り返る。
蒼ざめている秋葉と視線がぶつかった。
秋葉も事態を察したらしい。
まさか。
まさか。
まさか!
「あ、そうそう。いいですか志貴さん?」
琥珀さんが、妙に浮き浮きした口調で話しかけて来た。
「秋葉さまのぱんつでしたら、枕と枕カバーの間に入ってましたよー?」
「え……」
「う……」
俺と秋葉は、それを聞いて同時に、ぎく、と固まってしまった。
枕と、枕カバーの、間?
どうして、そんな器用なところに?
わからない。
いや待て。
そういえば、昨日……
秋葉と繋がったままで体位を入れ替えようとした拍子に、枕を跳ね飛ばして
しまったんだっけ。
その際、転がった枕が、途中で秋葉のぱんつを巻き込んだに違いない。
「電気の点かない離れは、夜になれば野外と同じですから、気を付けないと」
琥珀さんは俺に向かって、たしなめるように人差し指を立てて続ける。
「そういう場所でえっちする時にはですねー、ぱんつを脱がせたら片方の脚に
通し直して、太腿のあたりに引っ掛けておくといいですよー?」
「………覚えときます」
俺は半ば呆然としたまま、うなずいた。
琥珀さんが、くすくす笑い出した。
「私だったら、そういう問題はなかったんですけどねー」
「はい?」
「だってほら、私、和服ですから」
琥珀さんは、ふっと薄く笑うと、俺の耳元に顔を寄せた。
「私、ぱんつ穿いてませんからー」
おしまい
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