[an error occurred while processing this directive]


「はぁ……はぁ……に、兄さん、は……兄さん……はあぅ……」

 秋葉が愛撫しているのは、性感帯を知り尽くした自分の身体。
 そして、秋葉を愛撫しているのは、愛してやまない兄、遠野志貴の指。

 と、なれば。
 一時中断があってもなお、たちまち登りつめられる。

「あ、あぁ……ん……くはっ!……はぁ、はぁ……は、あぁぁぁぁぁぁっ!」
 秋葉が頭をのけぞらせ、白い喉を晒して絶頂に達した。
 ぶるぶるっと、秋葉の手に包まれた俺の右手に細かい震えが伝わる。
 そして、秋葉の手からふっと力が抜ける。

「はぁ……はぁ……ん……はぁ……は……あ……」

 秋葉は壁にもたれたまま、快感の余韻に耽っている。
 俺としては、秋葉に勝手に盛り上がられてしまって、あまり面白くない。

「に、兄……さん」

 ゆっくりと、秋葉が顔を上げた。
 両手をこっちに差し伸べて来る。
 俺を、誘うように。

「来て、下さい」
「ちょっと待って」

 軽く手を上げて応じると、俺は手っ取り早く学生服を脱ぎ捨てる。
 振り向くと、秋葉が脱いだ制服のスカートを畳んでいるところだったので、
制服の上を脱ぐ前に急いで止める。

「秋葉はそのままでいいよ。俺が脱がせてあげるから」
「は、はい」

 素直に答えた秋葉は顔を真っ赤にして俯いたまま、きちんと畳まれた制服の
スカートを上がり框に置いた。

 再び秋葉の側に歩み寄る。

 秋葉の肩を両手で引き寄せ、軽くキス。
 いったん顔を離し、それから、呼吸も出来なくなるくらいに深くキス。

「………あむっ……んふ………ぁっ……ふ、ふぅっ!…………んんぅっ!」

 息が苦しくなったのか、秋葉が自分から唇を放した。
 上気した顔でぽーっと俺を見つめ、ややあって俺の肩に顔を埋める。

「はぁ……はぁ……兄さん…………」

 まだ息を弾ませながら、秋葉がしがみ付いて来る。

「向こうを向いて」

 そっと秋葉の肩を押して、壁の方を向かせながら声をかける。
 秋葉が、肩越しに俺を振り返った。

「あ、あの、兄さん?」
「どうした?……俺にこうされるの、嫌なのか?」

 俺にそう聞かれたら、秋葉としては―――

「い、嫌じゃありません……けど……」

 そう答えるしかないよね、やっぱり。

「けど?」

 聞き返しながら、左手で後ろから秋葉の薄い胸を愛撫し、右手でパンティの
上から襞に沿って撫で上げて行く。

「せ、制服を着たままなのはともかく、た、た、立ったまま……なんて……」
「嫌なのか?」

 秋葉の耳たぶを甘噛みし、左手で乳首、右手でクリトリスを愛撫しながら、
尋ねた。

「う…………」

 ぴくっと、秋葉が全身を小さく震わせた。

「秋葉、いいだろう?」
「は、はい……」

 もう一度尋ねたら、秋葉は首筋まで真っ赤に染めてうなずいた。
 俺にああ言われたら、もう秋葉は逆らえない。
 もちろん、そうと知ってやってるんだけど。

 ぐっしょり濡れたパンティの中心を指でなぞりながら、耳元で声をかける。
「脚、もう少し開いてくれるかな?」
「………………」

 返事はなかったが、秋葉の両脚がじりじりと開いて行く。

 さてと。
 さっきは中途半端だったから、その分もいじめさせてもらおうかな。
 慎重に右手中指の位置を決めて、と。
 さっきまでとは違うポイントをくりくりと突く。
 ここは、あくまでも軽くだ。

「ふわあっ!……そ、そこっ……ち、違う……違いますっ!」

 秋葉が腰をよじりながら叫んだ。

「違わないよ?」

 言いながら、さらに中指の先で微妙な振動を加える。

「ち、違います。そこは……そこは……(ごにょごにょ)………」

 秋葉の声がだんだん小さくなり、途中で聞こえなくなった。

「聞こえないけど、間違ってないよ、俺」
「に、兄さん……違います。そこは……(ごにょごにょ)……じゃありません。
 そこは……(ごにょごにょ)……で、です」
「だから、聞こえないんだけど?」
「で、ですからっ!」

 秋葉は、俺の指から逃れようとしながら叫んだ。
 それを、秋葉の腰に回した左腕で引き戻す。
 そして、右手中指で執拗にポイントに微妙な振動を与え続ける。
 強く、そして弱く、じっくりと、執拗に。

「そ、そこは……そこはっ!に、に、にょ……にょ……」

 秋葉はまたしても途中で口ごもった。

「『そこはにょ』…って、なぁ秋葉、おまえ、いつからそういう変な言葉遣い
するようになったんだ?」
「も、もうっ!ですから!違うと言ってるじゃありませんかっ!」

 秋葉は、両手で俺の右手を掴んで股間から引き離そうとした。
 そうはさせない。
 俺は左腕で秋葉の腰を思い切り持ち上げた。
 爪先が土間から浮き、秋葉はバランスを崩して大きく前につんのめる。

「きゃっ!」

 秋葉が、慌てて両手を壁に突いて身体を支えた。
 その隙に、さらに右手による刺激を強める。

「や、やっ!だ、だめ……っ!そ、そこはっ!」
「感じるんでしょ?」
「そ、そうじゃありませんっ!」

 秋葉は頭を激しく頭を振って叫んだ。

「そこはっ!尿道口ですっ!」

 叫んでしまってから、秋葉の顔にぼっと血が上った。
 よほど恥ずかしかったんだろう。

「知ってるけど?」
「で、ですから……えっ?」

 俺があんまりあっさりうなずいたもんだから、秋葉の反応が少し遅れた。
 少し遅れて、ぎく、と秋葉が身を固くした。

「に、兄……さん……?」
「ん?さっき秋葉が勝手に気持ちよくなっちゃったからね。
 はしたない妹にはお仕置きが必要だと思ってさ」

 にこにこ笑いながら続ける。

「だから秋葉に、ここで立ったまましてもらおうかなって、ね」
「ま、まさか……!」
「うん。おもらしを、ね」

 さらりと言ってしまうと、俺はさらに秋葉の尿道口を突っつき続ける。

「やめて……やめて下さい。……兄さんっ!……あ、あぁ、そんな……」

 秋葉は左手とおでこで身体を支えるようにして、ようやく自由にした右手で
執拗に尿道口を刺激する俺の手を引き剥がそうとする。
 だが、中指で尿道口を突っつきながら、ちょいと親指でクリトリスを転がす
ようにしてやると、秋葉の手が止まった。

「ひっ……あ、あぁ…ふぅ……ん……はぁ、は、は…ぁ……ふ…ぅん……」

 時折、秋葉がびくうっと大きく腰を引く。
 もしかしたら、そろそろかもしれない。
 なおも刺激を続けつつ、秋葉の耳元でそっと尋ねてみる。

「秋葉、どうだ?」
「…………」

 秋葉は唇を噛んで答えなかった。
 ぐ、と親指でクリトリスを圧迫する。

「あふぅぅぅぅ……ぅんっ!」

 秋葉が鼻に抜けた甘い声を上げた。
 もう一度尋ねてみる。

「秋葉?」
「も、もう……許し……て、許して下……さい……う……」
「ダメ」
「ひ、ひっ……そ、そんな……私……も、もう……」

 さんざん尿道口を刺激され続けて、そろそろ我慢の限界に達したらしい。
 秋葉が必死に両膝を合わせようとする。
 そうとはさせじと、俺は左脚を秋葉の脚の間に差し込み、強引に開かせる。
「あ、あぁ……い、やぁ……嫌ぁぁぁっ!」

 ぷしゃ!

 俺の中指の下から、生温い液体が噴き出した。

 秋葉が、耐え切れずにおもらししたんだ。
 本当なら凄い勢いで迸るところだが、パンティを穿いたままなので、布地に
勢いを殺されて周囲に広がり、秋葉の内腿を伝ってボタボタと落ちる。

 ボタボタ、ボタボタ。

 乾いた土の上に水滴の滴る音。
 秋葉の足元の土間に、みるみるうちに水溜りが出来る。

「嫌、嫌ぁ!見ないでっ!兄さん見ないで!見ないで……っ!」
「秋葉、凄い量じゃないか。相当長いこと我慢してたみたいだな」
「言わないで!……あ、あぁぁ……止まらないぃ……う、うぅぅ……」

 秋葉が羞恥に身をよじりながら泣き叫ぶ。
 その間にも、足元の水溜りは広がって行く。
 秋葉のおもらしは、まだまだ続く。





「う……はぁ……はぁ……はぁ……」

 がっくり頭をうなだれた秋葉は、背中を震わせながら荒い息をついている。
 俺は、その背中に掌を置いた。

「……秋葉?」

 そっと声をかけてみた。
 しかし秋葉は答えなかった。顔も上げなかった。

「…………」

 仕方ない。
 俺は重く湿った秋葉のパンティに両手をかけた。

「に、兄さん、やめ……!」

 秋葉が抵抗する前に、一気に膝のあたりまで引き下ろす。
 そして。
 背後から両手で秋葉のお尻をしっかりと掴み、濡れた裂け目に顔を寄せた。
 汗の匂い、甘酸っぱい愛液の匂い、そして、つんと来るおしっこの匂い。

「なっ!……に、兄さん、そんな……汚い……です。やめて下さい」
「大丈夫。秋葉に汚いところなんてないよ」

 涙声で哀願する秋葉に構わず、俺は秋葉のあわいに舌を伸ばした。

「あっ!だめです!やめ……て……」
「大丈夫」

 右掌で宥めるように軽く秋葉のお尻を叩き、俺はもう一度言った。

「秋葉だったら啜るね!」
「やめて……あ、あぁ……」

 秋葉は微かに腰を震わせたが、逃げようとはしなかった。

 ぺちゃ、ぺちゃ、ぺちゃ。ちゅう、ちゅう。ず、ずちゅうぅぅ。

「恥ずかしい……音、立てないで下さい……」

 わざとらしく大きな音を立てながら、秋葉の汗を、秋葉の愛液を、そして、
秋葉のおしっこを舐め取り、吸い取る。


「なぁ、秋葉?」

 しばらくして、俺は顔を上げ、秋葉に声をかけた。

「せっかく舐めて綺麗にしても、すぐまた濡れて来るんだけど」
「それは……っ!」

 秋葉の答えが途中で途切れた。
 俺が秋葉のクリトリスを摘んだせいだ。もちろん。

「今、何か言った?」

 聞き返しながら、敏感なところを指の間で転がす。

「兄さん……だから」

 ぽつりと、秋葉が震える声で呟いた。

「兄さんに、されてる、から」
「秋葉………」
「に、兄さん……お願いです。は、早く…………」

 秋葉が身体をよじり、腕の横からこっちを振り返った。
 その動きにつれて、秋葉の小さめなお尻がふるふると揺れる。
 それをみつめているうちに、俺もたまらなくなって来る。

「……あ、き、は」

 いつの間にか、喉が、カラカラに渇いて、いた。

「あきはっ!」

 もう一度叫んで、俺は秋葉の腰のくびれを掴んで引き寄せた。
 右手で角度を合わせるまでもなく、吸い込まれるように入った。
 いきなり、思い切り動いた。
 秋葉が、そう望んでいたから。
 俺も、そうしたかったから。

「あ、あぁ!兄さん!兄さん……っ!」

 思い切り突き入れると、秋葉の膣壁が蠕動して俺を吸い込む。

「に、兄さん……はぁ、はぁ……奥に、奥に、届いて……はぁ、はぁ……」

 引き抜こうとすると、熱い肉が雁のくびれに絡み付くように蠢く。

「ぐっ!秋葉の、なかっ……す、凄……っ!」

 突き入れるたび、引き抜くたび、秋葉の中に熱い物が溢れて来る。
 ペニスが灼けそうに熱い。
 頭の中まで灼けてしまい、そうだ。
 それでも、身体の方は止まらない。
 我ながら無茶な勢いで、秋葉の中で抽送を繰り返す。秋葉の上を泳ぐ。

「あ、あ、あ、あ、あ!あはぁっ!……はぁっ!あ、あぁぁぁぁぁっ!」

 快感を通り越して苦痛の領域に来てしまったのか、秋葉が苦しげに喘ぐ。

 これじゃあ、いくらなんでもはげしすぎだ。
 これじゃあ、いくらなんでも、やりすぎだ。

 そう思っても、遠野志貴は止まらない。
 どうにも止まらない。

「秋葉、あきは……あき…は…っ!」
「にい……さん……もっと……もっと、もっと!して、下さい……っ!」

 秋葉が限界まで背中をのけぞらせて叫んだ。
 背後からでも、秋葉が涙をぼろぼろ零しているのが、見えた。
 それでも、秋葉は兄を、遠野志貴を、俺を、求めて、いた。

「………………っ!」

 秋葉の背中に覆い被さるようにして、さらに腰を密着させ、深く深く入る。
 右手を秋葉の頬に当てて顔を横に向け、俺も顔を横に向け、唇を触れる。
 その瞬間。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

 秋葉が大きく口を開けて、俺の口に絶叫を吹き込んだ。
 同時に、秋葉の中が激しく収縮した。

「くっ!で、出るっ!」
「…………!」

 秋葉が頭をがくがく振った。そのまま来て下さい、と。
 秋葉に、言葉を返す余裕はもうなかったみたいだ。
 そして俺も―――

 それ以上何か言う前に、秋葉の中に精液を迸らせていた。

「あ、あぁ……熱い……兄さんの……」

 秋葉が、壁にしがみ付くような格好のまま、うっとりと呟いた。





 俺が目を覚ました時、既に日が沈んだ後だった。
 離れの中は、ほぼ真っ暗だった。
 間近から、ゆっくりとした寝息が聞こえて来る。
 だんだん目が慣れて来るにつれて、あたりの様子が見えて来る。
 障子からの微かな青い光に、秋葉のシルエットが浮かび上がっている。

 あれから―――

 土間で立ったまま一回した後、まだ繋がったまま離れに上がり込み、布団を
敷くのももどかしく二回目に突入した。
 少し落ち着いたところで、ようやく秋葉の服を全部脱がせて三回目。
 その後、秋葉に口でしてもらって四回目。
 それからそれから―――

 結局、俺も秋葉も疲れ切って眠り込んでしまったらしい。


 畳の上で、俺はゆっくりと上体を起こした。
 確か布団の上にいたはずなんだけど……俺が蹴飛ばしちまったんだっけ。

「秋葉」

 そっと声をかけると、秋葉がぴくりと頭を動かした。
 どうやら、目を覚ましたらしい。

「ん……」

 まだ眠そうな秋葉の声。
 それに続いて、薄闇の中で緑色の蛍光がすっと流れた。
 秋葉の腕時計だ。

「いけない、もうこんな時間?」

 時計を覗き込んだ秋葉が悲鳴に近い声を上げた。

「兄さん、もう夕食の時間です。琥珀が呼びに来る前に戻らないと……!」
「わかった」

 俺は秋葉の手を取って起き上がらせた。
 それから、畳の上を手探りして、脱ぎ散らかした制服と下着を探し始めた。
 まず、秋葉のブラジャーが手に引っかかった。

「あった。秋葉のブラ……」
「……っ!」

 手渡す前に、秋葉に引ったくられた。
 それから、これまた秋葉の制服の上。これは普通に手渡した。
 次に、俺のぱんつとシャツ。
 そして、学生服のズボン。学生服の上着。秋葉の靴下。俺の靴下かたっぽ。
 敷布団を持ち上げたところに、俺の靴下のもうかたっぽがノシイカみたい
にプレスされて落ちていた。
 最後に、上がり框にきちんと畳んで置いてあった秋葉のスカート。

 OK。
 さっさと服を着て、布団を片付けよう。
 いや待て。

 まだ見付かっていない物が、もうひとつだけ残っていた。

「あれ?」
「…………兄さん?どうかしましたか?」
「ない」
「はい?」
「ぱんつ」

 俺はなおも離れの畳の上を手探りしながら繰り返した。

「ぱんつ。ぱんつがない。秋葉のぱんつが、ない」
「な、何度も言わなくてもわかりますっ!」

 こんな暗い中でも、秋葉が顔を真っ赤にしたのがわかった。

 それはともかく。
 離れには電気が来ていない。
 そして、俺も秋葉も、灯りに使えるような物は持ち歩いていない。
 闇の中では、ぱんつがどこにあるにせよ、探すには時間がかかりそうだ。
 だが、今は時間がない。

「仕方ない。今日のところは諦めよう」

 俺は、お手上げ、というジェスチャーをしながら言った。

「明日探そう。明るければ、すぐに見付けられるさ」
「……え、ええ。仕方ありませんね」

 秋葉も、ため息混じりに同意した。

                                      《つづく》