シエルが答えないと見ると、志貴はさらに指を蠢かす。
濡れたショーツの脇から指を潜り込ませる。
指が熱湯のような潤みに触れる。
ねっとりと濡らしながら志貴はそこを探った。
細いビニール皮膜の細線。
それを摘むと志貴は引っ張った。
ぴんと線は延び、そしてそれ以上志貴の意に従う事を拒む。
しかし、志貴はそれに痛痒を感じる事無く、ブルマーの中でさらに強引に力
を入れる。
「ふあぁ、ひぃ……、やめて、遠野くん」
シエルの悲鳴にも構わず志貴は線を引っ張る。
何処で均衡が破れたのか、数ミリほどだが線が手前に引き寄せられた。
そして抵抗感が急に減じる。
抜けた。
そして一気にブルマーから志貴の手が飛び出す。
人差し指と親指とがきつく細線を掴んでいる。
「ほら、出たよ、先輩。ふうん、体育の授業中にずっと咥え込んでいただけあ
ってほかほかで湯気まで上がりそうだよ」
志貴は細線を摘んでシエルの目の前に差し出す。
線の先には樹脂の球体が取り付けてある。
子供の握り拳くらいはあるだろうか。
それが振り子のようにぶらぶらと揺れている。
いや、それ自体が自ら振動している。
中からブーンという駆動音が聞こえていた。
ローター。
カプセル型のものがコードで電源部と別体になっているものとは違う。
球体をしていて、細線はついているがそれは通電のものではなく、引っ張っ
て取り出す為のもの。電池自体がローターに内蔵になっていて、入れてしまえ
ば外観からはほとんどわからなくなる、そういうタイプのものだった。
「先輩の匂いが染み付いちゃって凄いや」
羞恥に真っ赤になって目を背けるシエルに構わず、志貴は鼻を鳴らし、そし
て舌でペロリと舐めた。
「ほら、先輩、見てよ」
シエルの目の前にローターを突きつける。
揺れるローターはシエルの頬に触れ、鼻をかすめた。
振った拍子に、粘性のある液が数滴、シエルの眼鏡を汚す。
「こんなにドロドロにして、体育の間中凄かったみたいだね」
「そんなの入れていれば……、嫌でもそうなります」
「でも、普通の人なら授業中に抜け出して、校庭の隅でこんなの入れる真似は
しないよね?」
「……」
「嫌がる振りはしたけど、結局先輩は入れるの拒まなかったんだから」
「遠野くんが……」
弱々しく反論しようとするが、シエルの言葉をまったく志貴は歯牙にもかけ
ない。
「俺は、お願いしただけだよ。無理やりやったり、脅したりはしてないよね」
「それはそうですけど……」
「そんなの入れたまま体育の授業受けるのはOKした癖に、上は下着をつける
なって言いつけは守らなかったんだね」
志貴は咎めるように言うと、体操服の上から豊満な胸をゆっくりと揉んだ。
シエルは喘ぎ、体を丸めようとする。
「おっと……」
「んん、んふッ」
志貴はそれを逃さず、さらに強い力で胸を揉み上げ、ブラジャーの線を指で
なぞった。
それで高ぶったのか、シエルの唇を強引に奪った。
しばらく舌を絡ませあい、唾液を唇からこぼしながら離れる。
「だって、いくらなんでもブラジャー無しなんて、目立っちゃう」
「まあ、そうだな、こんなに先輩の胸大きいし、おまけにすぐにここが感じち
ゃうものね」
「……」
「ほら、今だってちょっと弄ったら、こんなにつんと尖らせて硬くして」
遠慮なく両胸を押し潰してその弾力を楽しみ、やわやわと形を変える度にシ
エルが洩らす声を志貴は心地よげに味わう。
そうしながら、ブラジャーのホックを慣れた手付きで外してしまう。
体操服の中に手を突っ込み、暖かい下着を抜き取る。
ちょっと物言いたげにその大きなカップのスポーツブラを見つめ、ぽんと横
に放り、再び胸の愛撫。
体操服の布の上から胸の先を探り当て、摘み上げる。
「たしかに、ブラ無しだと凄く目立つね。
ただでさえ先輩がこんな姿で運動しているといやらしく揺れるのに、乳首を
勃たせてぶるぶる言わせていたら、注目の的だったろうなあ」
残念そうな響き。
「それにしても、そんなに欲情しちゃって、ちゃんと言いつけどおり大人しく
待っていたのかな?」
「はい」
「まさか、俺の事待ちきれずに、自分でしたりしていないよね」
「していません」
「ふうん?」
志貴は疑わしいなという顔をしてシエルの手を取った。
顔先に近づけて鼻を動かす。
「わからないなあ、先輩のいやらしい処の匂いがするかどうか」
そして、シエルのほっそりと長い指を口に含んだ。
頬を歪めてしゃぶり、舌を絡ませる。
「遠野くん……」
体の窪みにあたる部分を舐めるのに比べると、突き出した部分の先端を舐め
しゃぶる行為はどこかフェチシズムの香りが漂う。
耳や胸の先、触れられるのを待つ谷間のクリットなど、手や足の指もそうだ
った。しゃぶっている志貴も、しゃぶられているシエルもまた、妖しく愉悦の
色を見せている。
「言いつけは守ったみたいだね」
口からちゅぷとシエルの指が濡れて現れる。
志貴はシエルの指を掴んだまま、シエルの体操服で唾液を拭った。
ふと、何かに気づいたという顔で志貴はシエルに話し掛けた。
「もしかして、誰かに見られたかもしれないよ。先輩か俺がこんな処に入った
のをさ。
なんだか、誰かに見られているような視線を感じるような……」
まんざら脅かしばかりでも無い顔で志貴はシエルに囁いた。
シエルの体がその言葉にぴくりと動く。
「そうしたら見せてやろうか。
先輩がどんな変態じみた真似を平気でするのかを、ね」
シエルは否定しなかった。
恐らくは志貴の言葉の後半部分について是と認識しているが故に。
「じゃ、脱いで」
志貴の言葉にシエルは抵抗せず、座ったまま少し腰を浮かせてショーツごと
ブルマーを下ろしてしまう。
蒸れて濡れたブルマーを脱ぐ事はむしろ快感そうだった。
「ふうん」
志貴が感心したように呟き、無造作にシエルの谷間を指で突付いた。
「もう、閉じちゃってる。びちゃびゃに濡らしているけど、こうしていると小
さくて可愛いし、とてもあんなのを咥え込んでたとは思えないな。
ずるいな、先輩は。それで何にも知らない女の子です、みたいにして男を騙
して喜んでいるんだから」
爪が隠れる程度に指を秘裂に潜らせ、媚肉をめくるように動かす。
たらりと、中に溜まっていた愛液が滴る。
「あーあ、こんなにして。焦らすつもりはなかったんだけど、お楽しみのを取
り上げられて物足りなかったか」
そう言いつつ、志貴はシエルの手提げ袋を勝手に開ける。
中からは、畳んだ制服、別の教科書等が詰まった鞄とは異質のものが出てき
た。
バイブ、ローター、アナルビーズ、等。
無機質なモノでありながら、どこか淫猥な印象を与える性具の数々。
一つでも目を疑う類いのモノである。そして、そんな普通ではそうはお目に
かかれない性具が次々と女の子らしい手提げ袋から現れるのは、何かいけない
ものを見てしまったように目を背けたくなる。
しかし、志貴はさして驚いた様子は無く、それらを傍らの跳び箱の上に並べ
始めた。先ほどのボールローターも汁に塗れたまま少し離して置き場所を作っ
た。
「最初に先輩がこんなの隠し持ってるの見つけた時にはびっくりしたっけ」
しみじみと志貴は呟く。
シエルの痴態を知る志貴から見ても、普段のシエルは真面目で清潔感を感じ
させる。こんな淫具とは結びつかなくて当然だった。
「先輩がこんなので自分を慰めていたとはね。そりゃ女の人だって自慰くらい
するだろうけど、こんなに色々道具揃えるなんて、普通じゃないよね。
正直、幻滅したけど、これはこれで先輩の可愛い処が見られるからOKかな」
言いながら、志貴はオーソドックスなローターを幾つか手に取った。
コードを手に、ぶらぶらと揺らして見せて、シエルに微笑みかける。
「シエル先輩、立って少し足を広げてよ」
シエルは志貴の手を、手に取られた性具を見つめて、わななくような顔にな
る。しかし、素直に指示に従い、濡れた性器を志貴の目に晒した。
「まずは前にね。ちょっとじっとしてて」
無造作に、つぷりとローターを秘裂の奥へと挿入させてしまう。
指と無機物の感触にシエルはぴくりと反応するものの、まったく抵抗無く小
さなカプセルは呑み込まれた。
「後ろもほぐしておこうか」
やや潤みを持った肛門に指を滑らせ、志貴は少し指先で弄った。そして、そ
こにもローターを押し当てる。
さすがに、さっきとは抵抗感が比べ物にならないが、軽く力を加えると、こ
ちらも前の穴と同じように姿を消してしまった。
「後は……、クリトリスにも貼り付けておいてあげようか?」
「そんな処にされたら、遠野くん……」
表立っては拒否の言葉を出さない。
嫌がって見せて却って志貴のやる気を引き出すのを怖れてだろうか。
迷った挙句、志貴は既に一つ挿入済みの膣穴に、もう一つ押し込んだ。
「こんなものかな。これくらいなら先輩が感じすぎちゃって、前やった時みたいにはな
らないだろう。
さてと、こうして前も後ろも塞がっているとなると、どうしたものかな……、ね、シ
エル先輩?」
重ねてある椅子を一つ取ると、志貴は腰を下ろし、シエルに問い掛ける。
シエルに誇示するように、浅く座って脚を大きく広げ、股間を前に突き出している。
そこにシエルの視線が絡まる。
志貴の強張りが制服の上からも見て取れた。
シエルは志貴の前に跪き、志貴の広げた脚の間に入った。
ベルトを黙って外し、ズボンのジッパーを下ろす。
「こんなに……」
目と手とで、下着越しの志貴のペニスに触れ、シエルは溜息をつく。
鼻を鳴らし、そのまましゃぶりつきさそうな様子。
「ふふ、待ちきれない? でもちゃんと脱がせてからだよ、がっつくのはお行儀が悪
いな」
「はい、すみません、遠野くん」
手早くシエルは志貴のズボンと、パンツとを脱がした。
その辺に放っておくのではなく、簡単に畳んで邪魔にならないように脇に置
くのがシエルの性格を覗わせた。
「遠野くん」
「うん?」
「おしゃぶりさせて貰ってもいいですか?」
「ああ、でも最初は先輩の中で出したいから、あんまり激しくしないで」
「はい」
《つづく》
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