『秋葉Aの野棒』

                    クラザメ


端から想像するよりも案外地味な浅上女学院、その寮内の一室。

外部よりも早くに設定されている起床時間に、
蒼香と羽居、そして秋葉がそれぞれのベットから抜け出て顔を合わせた。

気心が知れた仲とは言え、朝の挨拶を交すのは当然の礼儀。
特に合図はなくとも三人が一緒に’おはよう’と言うのは、習慣になって久しい。

秋葉は幾分気怠い感じであるが、今朝もそうなる筈。

しかし、妙に不機嫌な声が、本日の第一声となってしまった。

『羽居、胸が大きいからって、自慢気に透け透けのナイティを着るのは犯罪ね。
そもそもバストが七十センチ台を超えたの時点で、きっちり終身刑なのよ』

朝の空気が、ぎしりと軋む。
それはもう、音を立てて割れないのが不思議な位。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

三人が顔を見合わせる。

「遠野、夢見が悪かったのか?
朝から一体何なんだ?」
「し、知らないわよっ!」
「秋葉ちゃん、熱でもあるの?」
「だ、だから私は何も言って‥‥‥『パタパタ近付かない!胸が揺れて不愉快なのよっ!』

秋葉を遮るように被さる、もう一つの声。
それも秋葉とまるで変わらぬ声。

「秋葉ちゃん、腹話術の練習?
隠し芸大会でもするの?」
「ち、違うわ」
「いや待て、今の声は確かにここから聞えた」
「は?
‥‥‥‥ちょ、ちょっと蒼香、見てるのよ?!」

構わずに蒼香、秋葉の寝間着を大きく捲り上げる。

どこか中性的な白く細い足、折れそうな腰、そして薄さが魅力の胸、
ここまでは何時もと同じ秋葉の身体。

しかし股間では、有り得ない突起物が下着からはみ出していた。

赤黒いグロテスクな傘を張り出す物体は、
鈴口があり、野太い血管が脈打ち、どう見ても見事な男性器のそれ。

秋葉は、恐る恐るショーツの中を覗き込む。
謎の物体が紛れ込んでいるだけだと信じて。

だが非情にも、それは秋葉自身から生えていた。
あたかも生まれつき在りましたと言わんばかりに―――。

『いきなり捲らないでよ、寒いと縮んじゃうでしょ?』

ひくひくと一物の先端が上下する。

当然、発声器官など見当たらない。
だが御令嬢の音源は正にそれ。

「わあ、秋葉ちゃんの声だ」

何故だか嬉しそうな羽居。
秋葉と蒼香は言葉を失っている。

「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」

世にも珍しい喋る陰茎であった。



科学的、宗教的、原因、原理、その一切が不明の一物。
何だか、背後に立ったら問答無用で手刀を叩き込まれそうだけど、
ぜんぜん別次元の物体。

取り敢えず羽居により、秋葉Aと命名された。

「なんでAなのよ!
普通は本体の私がAで、こっちはBでしょ?!」

秋葉は猛烈に抗議したが、
どちらが本体だか不明なので却下された。

「ま、まあ、良いわ。
兎に角これからどうするかね」
『どうするって、目的を果たすに決まってるじゃない』

答えたのは秋葉A。

滔々と語り始めるそのビジョンは、要約すれば秋葉帝国の建設であった。
秋葉と志貴、そして二人の子で形成される楽園国家。
どばどば出して近親相姦なんのその、愛する者以外は単なる奴隷。

更にバストが八十五センチ以上は極刑とするらしい。

「え、ええ〜私、極刑なの?!」
『まあ羽居は罪一等を減じて、兄さんと私の子供の乳母にしてあげるわ。
その無駄に大きな胸を精々有効活用して、秋葉帝国の礎となりなさい』
「でも、なんだか電気製品とか玩具とかで溢れてる帝国になりそうだね」
『な、何ですって?!
私の崇高な野望を、どこぞの電気街と一緒にしないでちょうだいっ!
ええ、ええ、名前が似ていようがいまいが、不愉快だわ。
羽居、貴方はやっぱり極刑ねっ!!』
「そ、そんな〜楽しそうだと思っただけなのに」

内容はどうしようもないのに、割りと楽しげな羽居と秋葉A。

「蒼香は極刑を免れるけれど、これは何とかしないと不味いわ」
「お前さんが基準なくせして、偉そうに言わないでくれ。
こっちは親切で付き合ってるんだから」

上では秋葉と蒼香が話し、
下では秋葉Aと羽居が話す頭痛が感じる異常な光景。

あまりにも五月蝿いので、
三人の誰が持っていたかは国家機密のゴム製品を使用し秋葉Aを鎮め、
善後策を講ずる事とした。

「え〜、面白いからこのままで良いよ」
「羽居、自分に生えてもそう言える?」
「う〜‥‥‥‥‥‥じゃあ、カッターで切れば?」

―――ボカッ!

「あ、秋葉ちゃん、痛いよ〜」
「馬鹿な事言うからよ!」

秋葉、とってもお冠。
しかし蒼香は、かなり賛成。

「いや、お前さんならば平気だ」
「って、真面目な顔で断定しないでよ!」
「少し多めな月の客だと思えば、出血しても何でもないさ」
「あ、貴方ね〜〜!!」



数刻後、部屋には新たな人影。

「だ、大体の事情は解りましたけど、
な、なんで私が呼ばれたんですか?」

半泣きのアキラ。
仁王立ちした秋葉に見下ろされ、しかも裸で縛られ床に転がされているからだ。

「ええ、色々と考えてみたんだけど、物理的な方法で除去すると私に被害が及ぶのよ。
だから、ここに精神的な衝撃を与えて、消滅させるのが一番だと結論したの」
「は、はあ」
「手軽な方法として、瀬尾のお尻にこれを挿入する事にしたの。
何しろお尻よ?
普通は入りたいなんて思わないでしょうから、精神的な打撃は計り知れないわ」
「そ、そんな〜〜〜!」

脱衣し、ゴムに覆われた秋葉Aを突き出し、
本人以外は楽しくなりそうにない顔で笑う秋葉。

無茶苦茶な論理と行動に、飽和寸前のアキラへ、
見せ付けられる秋葉A。

「瀬尾、お尻を貸しなさい」
「はわわ〜〜〜」

はなからの臨戦態勢を眼前に、アキラは滂沱した。

「ゆ、ゆるしてくださ〜〜ぃ」
「瀬尾、後ろなんだから大丈夫よ。
乙女のまま、綺麗な躰に変わりはないわ」
「お尻だって綺麗なままでいたいです〜〜!」
「ふふ、ついでに本当に綺麗なのか確かめてあげる」
「ひ、ひやあぁぁぁ〜〜!!」

アキラ、絶体絶命。

味方になってくれそうな蒼香も、横を向いて頭を掻いているだけだし、
羽居は寧ろ積極的に秋葉と一緒に拉致してくれた。

完全に孤立無援である。

「私の勘だけど、瀬尾はお尻の才能があるわ。
初めはちょっと痛いかもしれないけど、すぐに良くなるから安心して任せるのよ」
「そんなの嘘です。
か、仮に本当だとしても、遠野先輩はわざと痛くするんですぅ〜」

じたばたするアキラ。

可愛い顔は恐怖に引き引き攣っていた。
何となく傷付いたバンビを連想させる。

逃げられるくせに逃げない、嫌がっているくせにもっと苛めて欲しい。
それは、むらむらと嗜虐心を煽られる自然の媚態だった。

最初から誘惑されていたと錯覚させられる秋葉。

「瀬尾‥‥‥」
「遠――ん、んんぅっ!」

秋葉は有無を言わせずアキラの唇を奪う。
同時に両手を幼さが残るアキラの肢体へと滑らせる。

「は、はぁん!」

緩やかな胸の膨らみ、その曖昧な裾野から搾り上げて歪に盛り上げられる。
硬い芯がまだ残っているのも構わない力で、アキラは痛みに嗚咽する。

単なる筋と見紛うばかりの秘裂は、
指が肉芽の方から彫りを入れる強引さで抉じ開ける。

怯える躰には、どちらも愛撫と言うにはきつ過ぎた。

しかし、アキラが本気で辛さを訴えようとする直前、
秋葉の指は、一転して慈しみすら感じさせる繊細な動きに変わった。

「ふ、ふぁっ‥‥あ、と、遠野先輩」

鬱血したように思えた胸と秘部、それがほぐれて行く。
すると、じりじりとした疼きが両方に生まれ、やがてそれは甘い快感になった。

胸は堆くされる前よりも自然に張り詰め、
縦筋だった秘裂は鮮紅色に色づき、中身を見せ、奥からは透明な雫が溢れる。
胸と股間で密かに息衝く蕾は、弾けんばかりに充血する。

思わず浸り始めるアキラ。
甘い啜り泣きが自然に出ていた。

「ひきぃん!」

また痛くされた。

最初よりも強いのに、
しかしアキラは痛みでなく多くの悦びを得てしまう。

肌が火照り、粘った汗が浮かんで、
腰の奥深くが蕩けるような心地になる。

「瀬尾、やっぱり貴方は痛いのとか苛められるのが好きなのね?」
「い、いや、違います」
「だったら濡れてるここは、どう釈明するの?」
「だ、だって、それは遠野先輩が‥‥ふ、ひゃあ!」

このまま果てる、そんなアキラへの愛撫がまた優しく変化した。

「きゃうぅっ‥‥‥遠野先輩、こんな、こんなの―――」

極端な強弱を付けた秋葉の行為に、
アキラの官能は否応なく昂められてしまった。

四つん這いにされ、掲げさせられたヒップを割られても、
最早アキラは切な気な吐息を漏らすだけであった。

それどころか、秋葉が反り返った強張りの潤滑剤だと、
アキラの腺液を刮げ取ると、期待に胸が熱くなる。

「ふふ、こっちにも塗らないといけないわね」

秋葉の舌がアキラの窄まりをねぶった。

「ひ、ひはぁっ‥‥‥だ、だめ、舐めないでください!
遠野‥んっ‥せんぱいぃぃ〜!!」
「嘘、嬉しそうに開いているわよ‥‥はむぅん」
「あ、ああ、遠野先輩の舌が‥お、お尻に‥‥入ってる」

嫌々とアキラは羞恥に身悶える。
しかし、その顔は欣喜に染まっていた。

やがて―――――。

「さあ、覚悟なさいな」
「は、はぅうんっ?!」

可憐なアキラのお尻の蕾を、ゴムを被った秋葉Aが襲った。
薄いピンクの皺は、たちまち伸び切り内側へと捲くり込まれてしまう。

「い、いた‥‥っ」
「息を吐いて、力を抜くのよ」
「は、はひぃ」

グチュリ――――卑猥な水音を立てて完全に埋没する秋葉。

「あ、あぅ、と、遠野先輩‥‥‥‥‥‥」
「うふふ、瀬尾の中はキツキツね。
どうかしら、お尻を奪われた感想は?」
「お、お尻、一杯ではちきれそう、です‥‥‥あ、あん?!
と、遠野先輩っ‥‥さ、裂けちゃう、う、動かないでぇ〜〜!」
「あらあら、そんな声出したら余計に動きたくなるじゃない。
やっぱり誘ってるのね?」

強張る細身の躰に、妖しく昂ぶる秋葉。

玉の汗を浮かべて悶えるアキラの苦痛も、
秋葉にとっては快楽のエッセンスだった。

アキラの腰を鷲掴み、秋葉は遠慮なく抽送を開始する。

「きひぃんっ?!」
「ん、せ、瀬尾」

アキラのアヌスは当然の反応を示し、
殆ど痙攣する具合で収縮し、長大な秋葉へと絡み付いた

激しい抵抗感、それでも動く秋葉。

アキラの内粘膜が盛大に擦られ、
また秋葉自身も千切られそうに締め付けられる。

「なんて柔らかいアヌスなの‥‥ああ、腰が止まらない」
「やあぁ〜、お尻がひろがっちゃう」

段々と秋葉のストロークが長くなり、
アキラのアヌスが立てる音も大きくなる。

ヌチュリ、ヌチュリ‥‥‥。

秋葉の出っ張りは逞しく、抽送の度にアキラは大きく内へ、外へと捲られている。
色素が沈着してない菊花は摩擦され、腫れて膨らみ赤くなる。

そのうちにアヌスの粘膜まで熱を帯び、
肛孔を中心にアキラのお尻はどんどんいやらしく爛れてしまう。

「やはっ‥‥お、お尻がぁ〜〜」

秋葉の舌で嬲られ、下準備が出来ていたからか、
アキラはついに穿られているアヌスからの感覚に甘く喘いだ。

眉間に皺を寄せたアキラは、童顔に似合わぬ程の妖艶な色をみせる。

「瀬尾、素敵よ‥‥‥‥」

(To Be Continued....)