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 気がすむまで泣いたところで、行為は再開された。


 「志貴……」
 「シオン……」


 熱く蕩けるようなベーゼを交わしてから志貴は体を起こす。目指すは誰も触
れたことのないシオンの秘密の花園。


 スカートを捲り上げて下着を露出させる。飾り気のないシンプルなショーツ
だった。だが、だからこそ中心部の変色した部分に目が引き寄せられる。


 「もう、トロトロだったんだ」
 「し、仕方ないでしょう! 大体志貴が巧すぎるのがいけないんです」
 「初めてでも感じられるかどうかはやっぱりその人の才能だと俺は思うけど
な」
 「くっ……そんなに私を恥ずかしがらせたいんですか貴方は……!」


 口で幾ら言ったところでこうなってしまっては志貴のほうが圧倒的に有利な
事をシオンは分かっていない。そんなところに志貴は愛おしさを感じるのだ。
 だが、可愛さとこれとは別問題である。事実志貴もシオンを恥ずかしがらせ
たいのだから徹底して責め抜こうと無駄な決心をする。


 「そんなこと言うなら……こうだ!」
 「何を企もうと、って! イヤッ! ヤだぁ!」


 抵抗する隙を与えず、玄人顔負けの早業で一気に最後の防壁である薄布を撤
去する。


 白日の下に晒されたシオンの秘所。
 髪の色と同じ薄紫の恥毛はデルタ状に生えそろい、微かに恥丘を覆ってる。
肉裂は無毛で小さく殆ど正対象。だが、上半身への愛撫のみでとけて緩んでい
る。その隙間からはうねうねうねる肉襞が見え隠れする。シオンの色素の薄さ
に比例して、秘密の部分の色も薄い。


 そのバランスのよさ、美しさに志貴は圧倒される。


 だが、堪ったものではないのはシオンの方だ。今まで強く意識する事すらな
かったオンナを好きな異性に間近で観察されている事実は混乱を招くだけでは
お釣りがくる。


 「な、なんで……まじまじと見るなんて変態ですか、貴方は!」
 「綺麗なものをまじまじと見てなんで変態になるんだよ。おかしいぞ、今の
シオンは」
 「綺麗って……そんな……」


 指摘通りに今のシオンはおかしい。子供を宥めるのより容易いことである志
貴の論破が出来ない。どころかいい様に言い包められている。
 そんなシオンを余所に、志貴の手が迫る。人差し指で上端に触れ、そのまま
肉淵に沿って滑らして下までいって一周する。


 「ああっ……」


 喘ぎを確認してから傷つけないようにゆっくりと指を差し込む。爪が全て埋
没した辺りで横に動かし縦に揺すり、円を描いてはゆっくりと固い蛤のような
秘所をほぐしていく。
 秘所は小さい見た目に比例するように、狭くてきつかった。初めて侵入する
異物を拒んできゅっと締まって気を使わないと傷つけてしまいそう。
 それでも動かすたびにあっ、あっ、と言う声。シオンには大分快感を受諾す
る素質があったようである。
 指を回しながら少しずつ奥へと進む。しかしシオンは痛がる様子も苦しがる
様子もない。それどころか膣が加速度的に湿り気が増し、くちゅくちゅという
音が幻聴でなく現聴になって聞こえてくる。


 「聞こえる?」
 「……………………聞こえてます」
 「アソコが立ててるいやらしい音だよ?」
 「…………………………………………はい」


 消え入りそうな声で首肯する。そこで第二間接近くまで沈んだ指を一端引き
抜くと今度は人差し指と中指の二本の指を入り口に納めてじわりじわりと蜜壷
を裂いていく。
 慎重な力の入れ具合では中々押し広げる事が出来ない。それは締りのいいこ
とを暗に示し、奥のほうのにちゃっという音は否応なしに感じている事を意味
する。

 「う、ううっ…………」


 少しづつ指の力を強くして掻き分ける。内側は緋色に近い色あいをしていて
腔壁の動きと相まって淫靡なグロテスクさを与える。
 開いた指を上下させ、感触を確かめながら羞恥心を煽る一言を。


 「もう完全に開いちゃってるよ」
 「う、嘘です……そんなことはありません……」
 「それこそ嘘だろ。ホントはシオンも秘所が真っ二つにわかれてること分か
ってるんだろ?」
 「そんなの…………分かりません」
 「なら、確かめるしかないな」
 「確かめる、ってどうやって?」
 「こうするんだよ」
 「? ……ッッッッツ!」


 中が明らかになったところへ志貴は思い切り息を吹きかけた。感じやすい体
質のシオンにはそれだけでも大きなダメージになる。駆け巡る快感がブルッと
全身を総毛立たせる。
 ガクッと崩れても志貴は攻撃の手を緩めなかった。


 志貴の股裂きのせいでぷっくらとした宝石が芽を出していた。そう、快感を
受け止めるだけにある器官クリトリスである。
 とっくにシオンが分泌した粘り気のある透明な液体まみれになっている指を
近づけて塗りたくる。脆いカクテルグラスに触れるように。


 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁあああ」
 「大丈夫…………じゃなさそうだな」


 薄い桃色の淫核は志貴が指を動かすたびに固くしこって大きく張って外気に
晒される。快楽を司る神経のみが凝り固まった豆はそれだけでシオンへ断続的
な刺激を与え、裂け目からとめどなく愛液が染み出してくる。輝く液が光を反
射して、まるでこの世界に二つとない宝石のように煌めく。
 人差し指に加えて親指でちょっとづつ刺激を大きくしていく。


 「ううっ、くぅっ、ああ、ああああぁぁぁぁぁぁ……ど、どうして…一体…
…どうして…」
 「そんなの他でもなくシオンが変態だからに決まってるだろ」
 「そんな……イグッ! や、や、強く……されたらぁ」
 「イっちゃうんだろ」
 「き……キャアアアアアアアアアアアア!!!!」


 クリトリスを水風船を潰すように強く握ると腰が大きく跳ねて、悲鳴があが
って一度大きく震える。
 シオンにとって初めての絶頂だった。
 すぐに糸繰り人形のように脱力しきってベッドに沈んで荒い息を吐く。


 「っくはっ、っくはっ、っくはっ……」
 「初めてなのにイくなんてやっぱりシオンはスケベだな」
 「う、うう……志貴…」


 雨に打たれて帰る所を失った子犬のように涙を湛えて見つめてくるシオンは
ひどく保護欲を掻き立てる。
 肌に舌を這わせながら後ろから抱いて耳元で囁く。


 「悪い。シオンは変態なんかじゃないよ。ただ他人より少し感じやすいだけ
の女の子だから、ほら、泣き止んで」
 「はい…………」
 「可愛いよ、シオン。もう全部ドロドロになって何も分からなくなるくらい
可愛がってあげるよ」


 魅入られたように固さのほぐれた美体を撫で回す。ニーソックス越しの右手
に適度に引き締まった太腿の柔らかさを感じ、左手で腹部をあやすように往復
させる。舌で肩甲骨を舐め上げると甘ったるい声があがる。


 「ああ…………あふぁ……あぁん、やだ、こんなに…………」
 「くすぐったいだろ? それともこれだけで感じてる?」
 「ふぅ、ふぅ、ふぅ、はあぁぁぁ……」


 ぬるま湯に浸かっているような浮遊感。シオンにとって責められつづけられ
た直後の休息で、熱くなっていた全身がゆっくりと冷めていく。
 上手く愛撫を続けて、ある一定のラインから快感が引かないように調整しな
がらシオンに束の間の安らぎを与える。時折ピクピク痙攣するシオンの火照っ
て桃色に染まった体が艶かしい。


 シオンが息を整えて余裕が出てきたのを確認してからもう一度シオンを昇り
つめさせるために指の動きを再開させる。
 右手で股間を覆って指を埋没させて出し入れ。不規則に掻き回して単調な刺
激に慣れさせない。膣を刺激するだけでは本当に最後のラインを超えきれない
ことを知っている志貴は左腕を回して腕に双丘を支えながら胸を揉みほぐす。


 乳房が形を様々に変えるたび、秘所がくちゃくちゃといやらしい水音を立て
るたびにシオンは憚ることなく喘いで感じる。
 二点を責められる事で休憩で出来た余裕はあっという間に使い切られ、切な
げに腿が擦りあわされる。それが更に快感を生むことを知らずに。


 「ひうっ……あうぅ、ダメ、そんな、はうっ! ……はぁはぁはぁ…………
よすぎて……おかしくなるぅ…」
 「へぇ、もう切羽詰ってきたんだ。いいぜ。思いっきりイかせて昇天させて
やるよ」


 そう宣言すると志貴は膣の責める場所を変える。指を前に持っていって膣壁
の前部をかさぶたでも毟るように爪を立てて引っかいた。


 「ひきいいいいいいいい!」


 快感を強く感じる場所、所謂Gスポットを釣り針をかけるように扱われ、刺
激が脊髄を駆け上がって脳の機能を一瞬停止させ、シオンは高みへ達した。
 崩れて息つく暇もなくピンと立った乳首を摘み潰されて生まれた第二波が全
身を刹那に洗い流す。


 「あうああああああああ!!」


 急所への攻撃もどんどん強く力を増して、そこに二点目を責められて達した
時の最高点を迎える途中だったシオンはもう一段階高い絶頂へと導かれる。
 スポットを更に二、三度掻いてから即座にクリトリスを摘んで乱暴に引っ張
る。第三段階へ誘うための一撃だった。


 「うぐあああああああっっっっ!!!! も、も、も、もお……」
 「これで、止めだよ」


 普段の白さからは想像も出来ないくらい紅くなったうなじの傷痕に歯をたて
て吸い上げる。
 志貴の宣言どおり、それが必殺の一撃になった。


 全身が硬直して口からは理知とは正反対の獣の叫び声があがって限界まで引
き出された快感が最後の箍をパアンと決壊させた。
 断続的に全体が癪にかかったように痙攣する。そして股座を隠すようにして
秘部を覆っていた掌に勢いよくひっかかる熱く粘り気のある液体。


 「これって……」


 翡翠とするときなどはつい調子にのって限界以上に感じさせて失禁させたこ
とが何度かあるが、シオンのコレは明らかに感覚が違っていた。


 シオンにとって初めての潮吹きである。


 ゼヒュー、ゼヒューと空気が抜けるようなおかしい呼吸をするシオンを志貴
は優しく抱きしめた。




















 潮を吹いてしまうほど感じてしまったシオンと真正面から向き合って、一線
を越える最後の準備を行う。
 秘密の部分を手で開いて舌を這わせて蜜を舐め取る。


 「は、あぁ…………はぁん!」


 最高に達してからシオンは声をかけても殆ど反応せず、快感神経を刺激され
た時だけ感じて喘ぐだけになっていた。本格的に思考が止まってしまっている
のかもしれない。
 恥ずかしいところを舐められて、嫌がったり抵抗したりしても初めてなのだ
からなんらおかしくないのだが腰をもぞもぞさせる程度でしかない。


 「しき……そこは、…………きたないです。…………ほんとうにこんなこと、
するなんて…」
 「そんなことあるわけないだろ。きれいだし、美味しいよ。シオンの愛液」


 志貴はズズズッとわざと音を立てて啜る。男を一度も受け入れていない処女
の蜜の味はどこか別な感じがしてならない。
 これっきりもう味わえないのはいくら残念な気もするが、止めてしまったら
それこそ真性の変態さんである。それに、シオンを余裕綽々に苛めていたが、
志貴の一物は今にも暴発しそうなほどに猛っているのだ。


 「シオン……いくよ?」
 「はい……」


 お決まりのセリフをかわしてから志貴は天井に向けてそそり立つ平均よりも
ずっと長く太い息子を掴んでシオンの女にあてがった。
 恐怖で体を強張らせるシオン。彼女も当然”初めてはひどい苦痛を伴う”と
いう知識を持っている。逆にそれが知識偏重型の彼女を過度に怯えさせていた。
 その恐怖を敏感に感じ取った志貴は亀頭を挿入した所で動きを止めて、三つ
編みを手に取りじゃれながら笑いかける。


 「しき……怖い、です」
 「やってみない事にはわからないだろう? シオンは知識ばっかりで失敗し
た事たくさんあるじゃないか」
 「そうですけど……」
 「感じやすいシオンなら初めてでも大丈夫だって。それに出来るだけ優しく
するよ」


 シオンは安心したように体をあずける。
 初めての相手にも容赦しなかい鬼畜がそんなことを言っても説得力の欠片も
ないのだが、虚言であっても効果は抜群だった。


 志貴のモノがシオンの女を開拓していく。しっかりと濡らしていたはずなの
にこちらが痛みを感じるくらいに中は締まって男を拒もうとする。
 とても一度で奥まで貫けるものではないのでシャフトの1/4ぐらいを埋め
てからゆっくりと引き抜く。膣の浅いところを往復してほぐしていく。ぎちぎ
ちと結合部が軋むがシオンの素質と志貴のテクニックが功をなして愛液と先走
りの液が混ざって少しずつ楽に注挿できるようになってくる。
 浅い部分から深い部分へ、確実に掘り下げていく。


 「はぁ……は……ぁ、はぁ……アッ、クッ! ……うあぁぁぁ」
 「……ッ…シオン」


 気持ちよさを感じつつもそれ以上の苦しげな声があがる。指などとは太さも
固さも桁違いのものだから快感よりも苦痛の方が大きいのは間違いない。


 ミシ…ミシ……メキッ…メキッ…

 きつい穴を押し広げていって最後にシオンの純潔を守る膜にまで到達して、
そこで一度動きを止めてから一気に貫いた。


 「…………ぁぁぁぁああああああっっっっ!!!」


 魂切るような悲鳴が迸り、背が海老反りになって手足を突っ張って痛みから
逃れようとする。そこを腰を掴んで更に奥にペニスを突き立てる。


 「うぐあああぁぁああぁぁああぁああ!!」


 逃げて変に抜いた方が一気に貫かれるのよりずっと激痛を伴うもの。最奥ま
で至った所で停止してシオンの痛みが薄くなるのを待つ。
 結合部からは処女膜を突き破ったせいで血が愛液よりもずっと多く流れてシー
ツに垂れ落ちる。


 志貴があまりに痛々しげなシオンの様子に心配そうな視線を送る。先ほどま
でいいように感じていた様子とのギャップに困惑していた。


 「……大…丈夫です。少し痛いですが、このくらいなら、志貴と闘っていた
時の方が……っく! 余程…は、ぁ……痛かったです」


 直接の肉体的な痛みは確かに大きくはないが、精神的な痛みがその小さな痛
みを何倍にも増幅してシオンを苛んでいる。
 痩せ我慢に当然志貴も気づくが必死に耐えるシオンを見て早く終わらせるよ、
と声をかけて動かし始めた。


 処女膜の残滓をプチプチと引き裂いて、まだまだ固い経路から引き抜く。シ
オンを内壁が引き摺り出される感覚が与えられ、慣れぬ刺激に思わず喘ぐ。


 「あああぁんっ!?」


 入り口近くまで引き抜いてゆっくりと襞を掻き分けながら奥に進む。きつい
抵抗は初めてだからという以上にシオンの性質なのだろう。
 膣はその熱く融けた内部も小さく、志貴の弩張をはめ込んだだけで裂けて傷
だらけになってしまいそう。出し入れするのを諦め、奥に繋がったまま腰を揺
らして細かく前後し、小さな局所を慣れさせようと試みる。


 にゅるにゅると中が収束して男根を締め上げ志貴の茎に痛みが走る。今まで
体験してきた誰の中よりもシオンの中は狭く激しく志貴自身を責め立てる。
 同時に志貴の動きが襞を摩擦して剥かれて肉壁の神経が集中している部分を
擦って二人共に性感神経を針で刺されたような刺激が疾る。
 柳眉を歪めて下腹部の灼熱感を堪えるシオンにもそれが伝わり泉から粘りが
増して処女の出血以外の理由で濁った体液が湧き出てくる。


 「…すごくキツイ……シオン、もう少し力抜いた方が痛みも少なくてすむぜ」
 「む、むりです……さっきより、どんどん体中が熱くなって…………タタリ
の血が全身を駆け巡った時よりも熱くて…………このままじゃ、このままじゃ
…」


 局部はまだまだ頑なに抗っているが肝心要の自身が痛みすらも快感に換えて
行為を受け入れかけていた。全身を二つに裂くような痛みが疼きになって理性
が断絶していく。
 掌に少し余る大きさの胸を揉んでボルテージを上げていく。痛みと快感の比
率が逆転してシオンが堪えきれずに悶える。
 ただ締め上げるだけだったシオンの中が開拓されるたびに受け入れる状態に
変わっていって男を悦ばせようと蠢動する。全体に満遍なく絡みつき、奥へと
誘い外へと吐き出す矛盾した動きで男の快感を引き出していく。


 「ああっ……ツ、うっ! ……くはぁ…………あん……あん……いつッ、っ
あん…………んっ、はあんっ」
 「シオンっ……凄く、いいよ」


 捲り上げていた白いプリーツミニは一瞬ごとにうねる女体のせいで元に戻っ
て愛液と腺液と血を吸って斑模様ができてしまう。
 志貴が円を描いて中を抉る。シオンの背中が淫靡に反ったところでもう一撃。
声をあげまいとほんの前に結ばれた口がだらしなく開いて嬌声があがり端に唾
液が光る。


 愛撫がただ純粋な快感を呼ぶだけなのに対して繋がっての行為は満たされて
侵食されて全てが相手のものになってしまうような一体感を伴う快感―――。
 痛みが引いた後に残るのは身を引き裂き、溺れさせ、毟り取り、狂わせる統
一感といかなるものをもってしても防ぐ事も耐える事も敵わない絶対の歓喜の
境地。


 「う、んぅっ……ふぁっ! あ、ああ…………ああっ! い、いいっ、気持
ちが……いいっ!」


 歓声をあげたシオンが爆発しそうな心をぶちまける。そこに屈服させられた
屈辱はつゆほどもなく、ただ何物にも代えがたい快楽と悦びを知らせたいため。
 いつしか志貴の首に腕を回して足をしっかりと腰に絡めて自分から体を起こ
し正常位から対面座位に体位を変えて腰を振り、悦楽を享受するようになって
いった。
 労わるような動きはもはや無用のものになり、激しいピストン運動が何度も
シオンを軽い絶頂へと導いていく。


 「志貴っ! イイッ! お、おかしくなるっ! ああ、アアーーーッ!」
 「もう……いきそうなんだな…ッ!」
 「はくっ! あああっ! …い、いきそう…です……」


 ぎゅっとしがみついて大きな傷のある志貴の胸に顔をうずめガタガタと震え
て最高の絶頂を訴えるシオン。背中にゾクゾクと慄いて自分がどんどん堕ちて
いく。この身を蝕む吸血衝動も、今全てを焦がす爛れた快楽の前には塵芥も同
然。
 髪の毛の一本までもが蜂蜜漬けにされたような甘さに支配され、体中の細胞
が融解して絶頂の汁を垂れ流す。雌の本能が雄の終わりを敏感に感じ取り、男
根に灼熱の泥を吹きかける。


 「い、くぞ……」


 限界を迎えた志貴の体が引き攣って、背中に回された腕に力が入る。強張り
がそれまで以上に大きくなって精を放とうとビクビク震える。


 「あ、はぁっ、きて! きてぇぇぇぇぇ!!!」


 高いところに在り続ける快下げることがとっくに出来なくなっているシオン
が奥へ放出されるのを強請って最高に悶える。


 ビュクッ! ビュルビュルッ!


 現実と楽園の狭間で聞こえるはずのない音が耳朶を打つ。奥の奥を探られて
自分よりもずっと温度の高い激しい奔流に揺籃の器官が満たされる。喜びの泡
沫が弾けて今までで一番の世界が拓けた。


 「! ッ! ッ!」
 「あ、ァッ! ァッ!」


 本能の命じるままに獣のように昇りつめ、官能の炎に二人は焼き尽くされた。




















 それから数分、シオンは一度気づいたもののすぐに志貴の腕を枕にして眠っ
てしまった。初めてのセックスに精根尽き果てたのだろう。


 シオンの寝顔は穏やかだ。安心して、満足しきって安らかに眠っている。


 ほつれた三つ編みを優しく梳きながら志貴は濡れて光る紅唇をそっと奪った。


 アトラスの箱入り学者さんの呟きが、僅かに志貴の苦笑を誘った。




                     END……




後書き

 はじめまして。黒騎士です。
 初めての投稿ってことでとりあえず真っ向勝負、ど真ん中のストレートで攻
めてみました。ひねりも何にもなしでオチもなく、しかもえち薄め(いいとこ
なしだな、我ながら)。書いてる途中物凄く恥ずかしかったです。2ラウンド
目は流石に書けませんでした(笑)

 …………けどへっぼい文だなぁ。酒のオプションが生かしきれてないし。

 攻めも受けも似合うシオンだけどそれ以上に初々しいのって似合いませんか?
 そりゃあもう翡翠と同じくらいに。
 経験不足で一人きりだったって設定は色々使えますよね……え? その前に
エーテライトを使いこなせって? ごもっとも(苦笑)
 まぁそっちの方は実力派の方々が書き下ろしてくれるでしょう。私なんか及
びもつかない濃ゆ〜〜いのを。

 最後にシオンのプロフィールを予想したいと思います。

 身長:161cm 体重:48kg B:77 W:53 H:78
 背は高めだが普通の人より鍛えられてスレンダー。秋葉と大差ないのに体重
が重いのは筋肉がついているため。

 それではまた。縁があったらお会いしましょう。




                                      《つづく》