「そろそろ入って来たらどう。士郎?」
「え―――――?」

がちゃ、とドアの開く音がする。
その向こうで、聞きなれた二人の声。

中から聞こえた声で、大体の想像はついていた。
ついてはいたが、やはり………

「セイバー……遠坂………」

そんなもの、実際に見れば跡形もなく吹き飛んでしまっていた。

目の前には人間二人分の大きさの物体。

部屋中に立ち込める雌の匂い。

荒い吐息、これも二人分。

目に映る姿は扇情的で、蟲惑的で、俺の目を離すまいと釘付けにする。

「―――はぁ……っぁ――――」
「士郎………そんなところに突っ立てないで、こっちに来たら?」
「遠坂、お前………」

何を言うべきかも分からない。
言葉では抗おうとしているにもかかわらず、それに反するように、体は遠坂の
言うとおりに、二人へと近づいていった。

匂いが強くなっていく。
欲望が蘇ってくる。
否応無しに蘇る昨夜の痴情。

近づく。
それにつれて鮮明になってくる二人の、芸術と言ってもいいほどの、美しく、
雄を引き寄せる淫らな半裸体。

「はぁっ………シロウ………んゅ!」

俺のほうに視線を投げつつ、遠坂の指はセイバーを執拗に弄り続ける。
セイバーも、羞恥に頬を染め、その快楽に浸っている。
おそらく気づいていないのであろうが、遠坂の顔も充分なほど赤く染まり、セ
イバーを責める事に没頭し、同時に自身も感じているようだった。

まだ全てが露になっているわけではないが、その隠れているという事が、妄想
を膨らませ、興奮の度合いを高めていく。

半開きの両足……その中心こそが匂いの中心。
はだけた衣服の隙間から見える乳房。

「――――――」
「ほら士郎……見て……セイバーったらこんなになってる………」

そう言って、俺の視線を下げさせる遠坂。
そこには、もう充分に蜜をたたえた、セイバーの秘部が湿った下着越しに浮か
び上がっていた。

更に近づく。
もうそれは目の前にある。

――――ごくっ。

息を呑む。
言葉は先ほどから失われている。
視線はずっと固定されたまま、瞬きさえ忘れてしまいそう。

「セイバー………」
「シロウ……そんなに、見つめ……ふぁっ!」

その言葉を遮るように、遠坂がセイバーの敏感の所に触れる。
赤い、いや桃色といったほうが近いのだろうか?
そんなことを考えながら、その体にそっと右手を這わせた。

―――――柔らかい。

あの時と同じ。
少しだけ沈むと、その弾力で押し返してくる。

「っ――――シ、ロウ……」

逃れるように、身を引こうとするセイバー。
しかしそれはもちろん出来ない、捕らえた獲物を逃すまいと、
そして生贄を差し出すように、俺へとその体に正面を向かせる。

「セイバーの、柔らかい………」
「ふぅっ―――っ、ぁ、んっ、……そ、こ、は……」

拒むように、求めるように、逃げるように、もっと欲するように、その身をく
ねらせるセイバー。
悩ましげな表情を楽しみながら、空いていたもう一方の手を、遠坂が弄り続け
ている秘部へと伸ばし、ゆっくりと下着を剥ぎ取る。

「ふふ……士郎も? ――――セイバー? 士郎もあなたの恥かしいところも
っと見たいって」
「は―――あぁっ!!――――んっ、ふたりと、も……もう……やめ、……」

まだどこかに理性が残っているのか、必死に快楽の沼から逃れようとするセイ
バー。さすが、といったところか?
令呪の縛りにあそこまで耐えたことのあるセイバーだ。
これも当然だろう、しかし、それで引き下がるつもりはないし、それでは面白
くない。
俺は口をセイバーの耳元へ近づけ――――

「濡れてる………ほら、音、聞こえるだろ?」
「んゃあ……いわな、いで……ください……」

わざとらしく音を立ててみせる。
セイバーにも聞こえるように、そして遠坂にも伝わるように。

遠坂と指を絡ませながら、力を少しだけ込めて、蜜の溢れ続ける肉壺を弄り続
ける。音は大きく、吐息は熱く。
責めに回っているはずの遠坂と俺も、いつしか理性を押し流されている事に気
づき始めた。しかし、もう遅い。

俺と一緒に、セイバーを挟み込むように愛撫していた遠坂と目が合う。

目じりに涙を浮かべたその顔。

「士郎……」
「遠坂……」

今までも感じていたが、女の子の可愛い所というのは、笑顔や仕草もそうなの
だが、やはりギャップではないか?
いつもはきつい遠坂、感情を表に出す事の少ないセイバーが、いつもは裏にし
まいこんでいる表情や声をこんなに近くで聞かせてくれる。
いつもと違う所、不意に見せてくれる本当の素顔。
どんな状況であろうと、それが尊い事に変わりはあるまい。

潤んだ瞳。
何かを期待しているかのような表情。
今まで両手でセイバーを愛撫していたが、そんな顔をされて放って置けるわけ
が無い。

右手でセイバーを責めたまま、左手をその奥の遠坂へと伸ばして、その体を引
き寄せた。
そして、

「は、むっ………んむっ……っ、んぁ……」

重ねた唇は熱を送り、そして受け取る。その繰り返し。
口の端から互いの唾液が混ざり、零れ落ちていく。

「んっ、んっ、は――――あ、ぁあぁっ………んむん……はぁ………」

息が続かなくなり、離れる。
繋がり合っていた唾液はその粘りで糸を作り、間に挟まっているセイバーの上
に落ちた。

「はぁ……はぁ………ぁ…………っ?」

ふと目の前、こちらも目を潤ませたセイバーと目が合った。
透き通った碧眼は本物の宝石。
おそらく遠坂の持っている宝石でも、これほどの美しさを持つものはそうそう
無いはずだ。

「………ばかり………るい……す……」

んっ?
一番近くにいるのに良く聞こえない。
思わず触れている手を休めて、それに耳を傾ける。

「凛ばかり……ずるいです……私も…………」
「セイバー…………っんんっ」

強引に、セイバーに唇を奪われた。
技巧などは無く、ただ欲しい。そんな感じの絡み。
そのときセイバーが、大切なものをとられた幼い子供のように見えた。

侵入してくる舌。
再び混ざり合う唾液。
交換される美酒はこの上なく甘く、極上の媚薬となりて、中へと嚥下される。

ごくっ。
セイバーか、俺か、飲み干すように喉が鳴る。

――――甘い。

「駄目……二人だけなんて……させないんだから………」

声がすぐ傍から聞こえた。
そして、

「っ……あはっ………おいしぃ……んっ、ぁ………」

絡み合う第三の舌。
もう誰のを味わっているのかも分からないほど。
同時に、交互に、時間差を置いて、甘美な時を過ごす。

目が合い、少しだけ離れる。

「シロウの――――」
「――――こんなになってる」

そりゃそうだ。
あれだけ見せ付けられて、絡んで、こうならない方がおかしい。

所々粘りつく液体で濡れている俺のズボン、その上から、
屹立した俺をさする二人。

「こんなに………」
「士郎………脱いで………」
「二人で………脱がせてみて………」

鳥肌が立つようなセリフだが、今の二人にはそんな感覚は存在しない。
求めるまま、欲しいまま、ベルトに手をかけ、ジッパーを降ろしていく。
不慣れだが確実に、俺のものを包む物を剥ぎ取っていき、外気に触れる。
そして………

「「―――――!!」」

重なる息を呑む音。
で、硬直する二つの視線。
何かそう真剣に見つめられると、その……照れるんだけど。
そんなこちらの気持ちを知ってか知らずか、

「見て、セイバー……こんなに大きいのが………」
「――――――」

醜悪な俺の分身に手を這わせる遠坂。
しかし、強くは触れない、最初セイバーにしていたように。
じらすつもりか、決してそれ以上行為が進む事は無い。

「ぁ――――おぃ……と、おさか……」
「ふふふ、物足りない?」

こくん、頷きだけで返す。

「あは、士郎ったら……じゃあ………」


―――――気持ち良くしてあげる。


小悪魔。
そう言い表すのが一番自然だっただろう。
笑みを浮かべた顔は、誘惑なんて概念さえ叩き潰すほどの、
まさに魔力を含んだ蟲惑の微笑。

普段なら恐怖さえ覚えそうなその顔は、今、何物にも代え難いほどの可愛さを
有していた。

「士郎の……熱い………」

もう片方の手も使って、両手で俺を包んでくれる。
最初は血管をなぞるように、徐々に力を込めて、根元から亀頭の先まで、その
指がスライドし、音を生む。

”びちゅ………るむ………んはぁ……”

いつの間にか口も使って、遠坂はその行為に没頭していた。
自分ひとりの玩具の様に、滾った肉棒を唾液で染め上げていく。

舌がどこかに触れるたび、俺の体には苦痛にも似た快感が走り抜ける。

どうにかなりそうだ………いや違う、どうにかなんてとっくになっている。
欲望は尽きる事無く、形の具現として現れる。

「あぁ……っん……士郎の、まだ、大きくなって………むっん……」

”ずっ、じゅ………っっ、じゅるっ………”

先走りの液はもうさっきから止まらない。
それが遠坂の唾液と混ざり、飲まれ、俺を濡らす。

音も止まない。
吐息が掛かり、脈動に拍車が掛かっていく。

「っ―――――っあ」
「私の口の、中でっ……士郎……びくびく、って、んっ、いってる……」

シャフトをしごきながら、唇と舌で亀頭を嬲り続ける。
その一つでも暴力的だというのに、全てを同時に………なんて。

”じゅるるっ、んはっ……んんっ、むっ、ずっ、っ……”

淫猥な水音が響く部屋。
快楽に流される視界の中、

「――――――」

無言で近づいてくる白い影。
そして――――

「シロウ………」
「ぇ―――――っ」

もう一つの吐息が、近くで聞こえて、消えた。

「は……ん、むっ……くちゅ…ぁんん………」
「セイ、バー…………んっ」

元々壊れていた防壁が、更に破壊されていく。
肉棒への遠坂の愛撫、それがもう決定的、しかし、今唇を重ねているこれも、

「……ちゅ……っむ……シ、ロウ……ぅ」

上ではセイバーに、下では遠坂に、意識を支配される。
流されていく。
白へと、そしてその向こうへと。

「ぉわ…………っと」

唇を貪っていたセイバーに押し倒される。
遠坂は未だ俺の肉棒を咥えたまま、その顔を上下させて、口の端から垂れる液
体を気にもしない。

セイバーはセイバーで、一心不乱に舌を絡ませてくる。

「んっちゅ……ゅんむ……るっ、んはっぁ……」
「むむっ、ちゃん……ん、は、あぁんっんんんんっ………!!!」

いつの間にか、成す術もなく吐き出していた。
言葉もなく、前置きなどもなく、無意識の内に限界を超えた快楽が、白い欲望
となって、遠坂の口内へと。

一旦、俺を含めた三人の動きが止まる。

俺は吐精の後の気だるさから。
遠坂は俺の吐き出したものを飲み干してくれている。
セイバーは俺と唇で繋がったまま、身動きをしない。
その体は僅かだが痙攣しているようにも見える。

――――遠坂の口が離れる。

同時に、セイバーもやっと唇を離してくれた。
その眼はまだ満足しきってはいないようだったが、恍惚そうな表情である事に
は変わりない。
そして、顔を遠坂の方に向けると――――

「凛………私にも………」

――――シロウのを、ください。

と。
潤んだ瞳で告げた。

「んっ―――――」

白い花と赤い花。

―濡れて―

     ―乱れて―
  
           ―重なって―
 ―絡んで―

      ―繋がって―

            ―また濡れる―

「はぁむ……んっ……シロウの、味………」
「そう、よ……これ、が……士郎の………」

唇を重ね、俺の精液を美味そうに共有する二人。
そんな行為がとても淫らに思えて――――

「あ〜士郎ってば……また大きくして……」

――――再び近寄ってくる二輪の花。

食虫花………薔薇………白百合………

「凛だけなんて……足りません……士郎、私にも………」

白い触手が伸びて、
半ば力を失いかけている俺の分身に届く。
あれほど出した後だというのに、セイバーの指に触れられただけで、

「あ、シロウの………」

すぐに元の固さを取り戻していた。

「今度は私に………っ」

もう前戯などという次元の話ではない。
そんなもの、この状況では脳裏をよぎりもしない。

「いれてください……」

俺にのしかかるように、体を重ねてくるセイバー。
最初の恥じらいはどこへ行ったのか、下手をすれば遠坂よりも積極的に、四肢
を絡めてくる。

短い愛撫が終わり、再びセイバーの指が俺の股間へと伸びる。
包むように握り、自身の花弁へと導いていく。
亀頭が入り口をこじ開け、

「ふああぁっ!!」
「くっ―――――これ、は……」

一気に膣奥まで導かれた俺は、先ほどまでのが本番でなかった事を思い知らさ
れた。

違う。
この……セイバーの中は……世界が違う。
快楽………だけ、それ以外は消えた。

「んあんっ……ん、あ、ああっ、あんっ………」

休む事無く動かされる腰。
嬌声は突き上げるたびにその姿を変え、体の動きさえも変化させていく。

「すご、い……で、すっ………ああっ!、お、奥に………」

動くごとに形を変えるセイバーの膣内。
形を変える襞はそれぞれが極上の快楽となって、俺の体を侵していく。

絡みつく肉。
際限なく溢れ続ける愛液。

欲望が、欲望を呼ぶ。
求める、昨夜の焼き直しのように。
まだだ、まだ足りない。

セイバーが欲しい。
セイバーも求めている………なら、壊れるほどに愛するだけ。

「あんっ、あん、あ、あっ、……んんっ、ああああっ、んんっ……!!」

痛いほどの締め付け。
その痛みさえ、快楽に変えて、動きはさらに複雑さを増していく。

前後へ、上下へ、左右へ。
そのうち脚に力が入らなくなったのか、こちらに体を預けてくるセイバー。
それを受け止めながら、こみ上げる欲望は更に滾る。

「つ、突き上げ、てくる……そ、んな、シロウ……つよ、い……あああっ!」

貫く。
我慢などする必要は無い。
欲するまま、求めるまま。
続けられる限りその体を犯せばいい。

奥に当たる。
そのまま秘部を擦りつけるように押し付ける。
セイバーから吐息が漏れそうになるが、唇で蓋をする。
そして………

「んんむっ……んっ、んっ、んぁっ………んんんんっっ――――!!!!」

最奥、一番深い所に突き入れたとき、
俺の欲望は白く弾けていた。

「んぁっ!――――はっ、ぁ………っ、シロウの、熱い、のが……」

未だ夢見心地なセイバーから、愛液と精液まみれの肉棒を引き抜く。

「はぁ………いっぱい……」

満足した子どものように。
ほぅ、と息を吐くセイバー。
頬を桃に染め、座り込んだまま放心したように宙を見つめている。

「――――はぁ、――――はぁ」

少し………疲れた。
流石に、2回続けてが、限界―――――っっっ!?

「んっ――――っぁ……んむ………」

頬を手で包まれ、唇に何か当たる感触。
突然視界が埋まる。
目に映るのは赤い………小悪魔。

「と、おさか………」

えへっ。
なんて可愛く笑って。

「最初はセイバーをちょっと苛めてあげようとだけ思ってたのに、二人の見て
たら………したくなっちゃった」

もう羞恥は消えているのか、普段ならどんな状況になっても言わない言葉を、
嬉しそうに呟く遠坂。
今度は赤い触手のように手が伸びてくる。

「士郎―――――私にも……い・れ・て?」
「――――――!」

どうしてお前は俺の理性がもう戻れないようになるような言葉を吐く!?
そんな顔されたら、疲れてなどいられない。

「ぁ……遠坂………」
「ぁ――――士郎……」

期待に満ちた瞳。
その体を引き寄せ、背中から抱きしめる。

汗に湿った体、その耳元にそっと息を吹きかけて、

「ふぁぁぁ………ぁん」

スカートから覗く太ももへと手を這わす。
濡れていても弾力は相変わらずで、張り付くように肌は俺の指に答える。

「やん……、はぁ―――っ」

まずはじらしてみる。
あえて局部には触れず、下着の上からゆっくりと脚の付け根をなぞっていく。
空いた左手も休ませる事無く、服の隙間に滑り込み、胸を目指す。

「んっ、ぁ、士郎……どうっ、し、て…………ゃん」

弱い臍の周りを弄る。
既に吐息は荒くなっており、体にも変化が現れ始める。

「――――は、ぁ――、ん――」

途切れ途切れになる呼吸。
時折肩越しにこちらを見つめようとしてくるが、その視線にも力が無い。

まだ触らない。
このままもう少し。

胸も、花弁も、蕾も、どこにも直には触れずに、ただその変化を楽しむ。

「んっ……んん――――っ……ぁ、士郎っ、の……いじわ、る……ひゃんっ」

言葉を、首筋を舐め上げることで封じた。
遠坂の汗の味、何か酸っぱい。
それもお構いなしに、無防備な首にキスを続ける。

「なに、か―――ぞくぞ、く……するよ………ぁぁぁぁ……っ」

腰のあたりに、何かの感触を感じたのか、少しだけ反応が変わる。

「はは………おっきくなってるね………」

その言葉に触発されるかのように、おれは再び力を取り戻した剛直を遠坂の下
半身にグリグリと押し付ける。

「あ、ぁっ……びくびくしてる………っっぁ」

小刻みに震える遠坂。
力が入らなくなってきたのか、こちらに背中を預けて、目をとろんとさせて、
こちらを見上げてくる。

「士郎………」
「分かった………」

頷いて、遠坂の腰に両手を回す。
しかし、下着は脱がさないまま、秘部の部分だけを横にずらした。

すっかり充血したそこは、よどんだ空気を更に濃いものへと変えていく。
ぷっくりと膨れた蕾に一瞬だけ触れて、遠坂を抱き上げるように、ゆっくり後
ろから分身を沈めた。

「ぁぁぁあああっ………はぁ、はぁ……や、やんっ……こ、こんな格好………
恥か、しい……よ……」
「遠坂、可愛い………」
「も、もう……こんな時、まで……何、言ってるのよ………んあんっ……!」

真っ赤に染まった横顔。
だから、そんな顔が可愛いんだって。

下から両足を抱え上げ、結合部がよく見えるように脚を開く。
無論俺からは見えないんだけど………

「セイバー」
「えっ、ちょっ……しろ―――ひゃんっ……んんっ、んはっ、ぁぁんっ!!」

俺の考えている事が分かったのか、遠坂は驚いたような顔をする。
しかしそれを後ろからのキスで押しとどめると、近寄ってくる影に、

「セイバー、遠坂の……濡れてる?」
「はい………どんどん、溢れてます。床にまで垂れて……」
「はっ、ぁ、セイ、バー………何、言って……んんっ、そんなとこ、見な、い
で……ふあっ!」

俺に突き上げられながら、必死に微弱な抵抗を繰り返す遠坂。

「そっか……床に、まで……垂れてるんじゃ、綺麗に……しないとな。じゃあ、
セイバー」
「はい……そうですね」

言わんとしている事が分かったのだろう、頬には笑みすら浮かべ、ゆっくりと
遠坂と俺の結合部に顔を沈めていくセイバー。
その瞬間、

”びちゃ……”

「あああっっぁっ!!………あ、いや……いゃん……だめ、だめだめ……そん
な、とこ、舐めちゃ……セイバー……だめぇ……」

電流を流されたかと思った。
元々快楽に浸っていたにもかかわらず、その刺激は全くの別物。
セイバーと繋がっていた時よりも、今の遠坂と繋がっている状態よりも、それ
は違う快楽だった。

俺が突き上げ、セイバーが舐め上げ、遠坂が締め付ける。

でも、この状態でも一人受けにまわっていない奴が一人。
そうはさせない、全員休ませない。
そう思って、最後の一人に声をかける。

「セイバー………仰向けになって」
「えっ、シロウ………?」

いいから、と一旦動きを止めて言う。
そして、普段隠している部分をさらけ出した格好で、セイバーが天井に正面を
向く。
その姿は本当に白い花のようで、雄を引き寄せる魔物のようにも見えた。
もう少し見ていたい、でも、それよりも………

「遠坂……セイバーのも、濡れてるよな………」
「――――――」

先ほどの刺激で軽くイってしまったのか、頷く顔にも力は無い。
しかし、その瞳は獲物を見つけた獣のように、輝いていた。

「じゃあ、二人とも……綺麗にしないと………」

そう言いつつ、遠坂と繋がったまま、体勢を変える。
抱え上げていた足を降ろし、バックへともっていく。
そのまま、

「私も、セイバーの、舐めてあげる………んっ」
「はあっ、凛、そこはっ、―――んあっ……んむっ……」

俺が遠坂を後ろから犯し、遠坂は俺に貫かれながらセイバーの花弁を貪ってい
る。セイバーも出遅れたものの、69のような形で俺と遠坂の結合部を舐め返
している。

「んはっ……ぁ……はあんっ………ん、んっ、やっ………ぁぁああっ!!!」
「んふ……むっ……ゃああっ!!――――んっんっ、んっ………ああっ!!」
 

――――気持ちいい。


これ以上無いほど、快楽に浸りきっている。
異常とも思えるほど。
しかし、それほどにこの二人の体は俺をおかしくさせる。

止まらない。
肉襞が擦れ、だらしなく液が漏れる。

「あ、あ、ん、んっ、んぁっ、士、郎――――は、げし、い………!!」
「あ、……そんなに……責め、られた、らっぁ………も、もう……!」

肉棒と舌が絡み、血が沸騰する。

”びちゅ……るんむ……は……ちゅる………”

”くちゅ……ちゃ……む……んんっ……ぐちゅ……”

音が響き、舌が肉の壁を掻き分ける。


――――止まらない。


「は、やん……っ!! んっ、んんっ――――も、だ、めぇ……!!」
「と、ぉさか………遠坂っ!!」

「凛……!! シロウ……!! はあっ、あんんむ……っんあ!」
「セイバー………!!」


――――暖かい。


最後に、

「んあああっ!! んあっ、ああっ、んっ、だめ、……ぁぁぁああああ!!」
「イ、きそう……イク、いく……ああんっ、あんっ、あああっっ―――!!」

白く、快楽だけが――――

黒く、闇だけが――――


―――――全ての意識を削ぎ取っていった。








包まれている。
暖かい。

繋がっている。
柔らかい。

触れている。
暖かい。

抱きしめ、抱きしめられている。
柔らかい。


―――――ふと、目を開いた。


見慣れぬ部屋。
体は動かない。
まぁ当然か、あれだけ…………あんなことすりゃあね。

あの後、だるい体を引きずって、風呂場へ。
シャワーで体を洗い流して、さっきの後始末をして、そして体が疲れていて、
動けなくなっている…………

「―――――んっ?」

しかし、体が動かないのはそれだけじゃない。

すぅー   すぅー

   すぅー   すぅー

両の耳元で聞こえる吐息。
少しして、それが二つあることに気づいた。

まず右にを見ると………

「士郎………っん……」

俺の腕枕で体を寄せている遠坂。

そして左に顔を向けると………

「ん………シ、ロウ………」

同じく俺の左腕を枕にして眠るセイバー。


―――――――――――――。


顔が熱い。
つい先ほどまでは当たり前のように近くにあった二人の体。

そう思い返すだけで大変な事をしたような気分になるのだが………まぁ、その
………この状況ではどうしようもないわけで。

「んっ……んんっ!」
「おわっ!?」
「ん………だめ、です……!!」
「へっ!?」

いきなり両側から抱き寄せられる感じ。
いや、だから、つまり二人が更に体を寄せてきているという事。
それを理解しようともしたが、そんなことをしたら脳髄がオーバーヒートして
しまう。

昂ぶる感情を必死に抑える。
と、

「士郎………」
「シロウ………」

同時に、呼びかけられた。


「……………何だ?」


眠りを邪魔しないように、静かに先を促す。
そして、


「「大好き………」」


――――――――――――――え。


聞こえた言葉は一つ、聞こえた声は二つ。

あ、あのこれは………その………


(―――――ああもうっ!! 俺は何をやってるんだ!?)


そうだ!! そんなことより今は…………


「――――――――寝よ」


最後に二人の髪を軽く撫でた。
いい夢を見ているのか、二人とも優しい寝顔をしている。

さて、明日は学校………おれもそろそろ………

ゆっくりと、体を休める事にした。







黒髪の赤い花。

金髪の白き花。


これぞ…………両手に、花?


                        <Fin>











〜〜あとがき〜〜

さて、末丸的セイバーたん企画第一弾です。
どうだったでしょうか。
うむむむむ………自分ではよく分かりません。

修正をかなり繰り返したわりに、あまり大した事無いような?
って、それはいつも通りか。(笑

途中から凛様にセイバーたんが押されているような気が。

やはり凛様のほうが書きやすい気が………はっ!?(失言

で、では……また放浪へと。

末丸。