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「やっぱりドキドキするねー」
「あたしもだ」

 横たわらせた羽居の両足首を持って、足を大きく広げた。こうでもしないと
良く分からん。

「えーと、ここらへん、のはず」

 おちんちんの先端を見当をつけて羽居の入り口にくっつける。先端が触れた
だけですごく気持ちよかった。
 つい先程まで執拗にいじくり回していたので、そこはびっしょりと濡れてい
る。大丈夫なはずだ。

「羽居、たぶんすごく痛いぞ」
「わかってる。でもどうしても蒼ちゃんとしたいの」

 覚悟を決めた。

「…行くぞ。力を抜いて」
「うん」

 体重を掛けてグッと腰を押し込んだ。
 ズッズッとあたしのモノが羽居の中へと潜り込んで行く。
 羽居のそこは暖かく柔らかく、ぎゅっと巻きついてきて、くらくらするほど
の快感を与えてくれる。
 対照的に羽居は文字通り身を穿たれる痛みを味わっている。目が堅く閉じら
れ、その端に涙が浮かぶ。手がぎゅっと握られた。
 だというのに、あたしがためらうと羽居は言った。

「だめっ、最後までして。わたし嬉しいんだから。蒼ちゃんと一つになれて、
今までで一番嬉しいんだから。だから」

 これが天然アルファ波発生装置の羽居かと思うほどのはっきりした声。

「だから、ね。お願い、最後まで、して」

 懇願する羽居をじっと見つめる。どうした、覚悟を決めたんじゃなかったの
か。しっかり羽居を受け止めろ月姫蒼香。他の誰かに羽居を任せてしまうつも
りか?
 ギリと唇を噛む。破れて血が溢れるまで噛んだ。
 両手の平を羽居の手に合わせ、指を握り合う。唇を合わせて血の味の口付け
を交わした。
 これは契約だ。羽居はあたしのもので、あたしは羽居のものだという契約。
神などに誓う必要も知らせる必要もない、唯あたしだけが知っていればいい契
約。
 羽居の唇をこじ開けて血を流し込んだ。羽居の咽喉があたしの血を飲み込む。
 唇を離し、言った。

「行くぞ。泣いても最後まで離さない」
「うん、絶対離さないで蒼ちゃん」

 組み合わせた手をギュッと握り合って、そして一気に突き込んだ。

「う、うぅ」

 羽居が呻き声を押し殺すなか、あたしは遮二無二突き進んだ。狭い隙間を無
理やり押し広げ、薄い肉を引き裂きながら進める。それはどのくらいかかった
のか。

「全部入ったぞ羽居」
「あはっ、やったねー」

 ようやく羽居と一つになれたという達成感が押し寄せる。何度夢見て、そし
てあきらめたことか。...こういう形とは思わなかったけど。
 羽居と一つになれたことがただ嬉しくて、あたしは羽居を抱きしめた。羽居
もあたしを抱きしめ、あたしはしばらく感慨に浸る。
 ...浸りたかったのだが。
 あたしについた男のモノは羽居のなかで今までとは比べ物にならない快楽を
得ているというのに、更なる快感を求めて止まなかった。多分それは抜き差し
することで得られるのだろう。だがそれは羽居に更なる苦痛を与える事になる。
 考えた末、ちょっとだけ動いてみた。
 途端に羽居の顔が苦痛に歪む。けれど、

「もっと、して、蒼ちゃん」
「けど…」
「まだ入っただけ。まだ最後じゃないもん」

 ズキリと痛む唇。
 そう、あたしは約束した。

「動くぞ」
「うん」

 抜けるかどうかギリギリのところまで引き抜く。羽居の肉の襞があたしの肉
棒に絡みつく。
 刻み込む様に一気に根元まで押し込む。ぬめりながらも擦れる感じがする。
 苦痛に耐える羽居を気遣いながらも快楽を求めてただただ腰を突き入れた。
 全身の神経が集中し、身体が溶けて全身を突き入れているような気さえする。
感じるのは羽居の中の感覚と、握り合わせた手から伝わる体温のみ。
 そしてどのくらい羽居の中に居ただろうか。あたしの男のモノはもはや限界
に近い。

「もうすぐなの蒼ちゃん?」

問いにコクコクと首を振る。

「私の中に蒼ちゃんの気持ちよかった証拠、いっぱい出してね」
「わかった」

 限界だった。

「も、もう」
「来て、蒼ちゃん」

 まるで溜めに溜めた物が爆発する様な感覚と共にあたしは羽居の中に果てた。
 二度、三度とほとばしりが羽居の中へと流れ込んで行く。

「あー、熱いのがわかるー」

 やり遂げたという達成感とともに心身ともに心地よい疲労感が襲ってくる。
 涙を流しながら微笑んでいる羽居に、もう一度キスをした。

































 ちなみにまたオーバーヒートしていた地縛霊。

『こうして僕達の高校(一年生)生活は終りをつげた。思えば遊んでばかりい
た気がするなあ。これから僕は2年Aクラスに進むことが決まった。そういえば
羽居さんはBクラスへと進むそうだ。クラスは分かれてしまうから心配だけど
不安はない。だって。この木の伝説が永遠に語り継がれる様に、僕達の愛も永
遠だから』
「そこ!勝手なナレーション入れるなあ!」
『では、エンディングテーマを。愛のぉぉはかぁなさぁが身に染みるとぉ』
「違う!それ絶対間違ってるぞ!そもそもエンディングテーマってなんだ!」
『俺はひまわりでぇぇっお前はたいよおぉぉぉっ(熱唱中)』

 存外タフな幽霊である。










 終業式が終わったのだから春休みだ。
 正月と違って寄宿舎を追い出されることも無く、あたしは羽居と怠惰な日々
をすごしていた。羽居とは上手くいってるし、身体も元に戻った。いろいろ間
違っていたが、それでも世界は廻っているといったところか。まあ、めでたし
めでたしだ。
 部屋でのんびりしていると、羽居が大きなダンボール箱を抱えて部屋に戻っ
てきた。箱を床に置くと早速開けにかかる。

「なんだいそりゃ」

 羽居はニンマリと笑うと箱の中に両手を入れた。

「ふっふっふ、ジャーン」

 箱の中から出てきたのは大きな鐘である。
 これを寄宿舎に据え付けるのだー、と羽居は言った。そして得意そうに

「記録は破る為に有るものなのだー。そして伝説は自ら作るものなのだ。これ
を『伝説の鐘』と命名して伝説を作るのだ」

 と言った。
 上手く行ったら、今度は蒼ちゃんの初めてもらったげるねーと言って羽居は
鐘を抱えて出て行った。

「…まあ、寮監かだれか止めるだろ」

 好きにさせる事にして、あたしはベットに寝転んだ。今日はいい天気だ。



 ...いや、この時は本当に成功してしまうとは思わなかったし。やっぱり
間違ってるぞこの世界。

































 『木』からもらったネタで新刊を出した瀬尾晶が記憶を失った上に簀巻きで
発見されるのは一月後のことである。


<了>














<あとがき>
 はじめましての方が多いでしょうか。こんばんは、MoonGazer様初見参にな
ります権兵衛党と申します。得意な作風は反則技という駆け出し外道SS書きで
すがどうぞヨロシク。
 コレもオリキャラ出したり反則の限りを尽くしてますが、お許しいただけま
すでしょうか?...許されなかったら掲載されないだけですな。では掲載さ
れてるものとして。
 いかがでしたでしょうか今作、メモリアル(通称メモ)は。これが私の初月
姫SSにして初の18禁SSになります。それもどうか、と思いましたがなんちゅー
か私らしいな、と言うことで投稿しました。読まれてはずいのはエロじゃなく
てラブラブシーンだしなあ、私。
 えーコレ自分にしては滅茶苦茶直球勝負で書いてます。ええ、自分らしく変
化球勝負と行きたかったんですが、書いてる最中に端香さんとか阿羅本さんと
かが大リーグボール級の魔球を投げられましたので、ちょっとその後で唯のカー
ブは投げられないなあ、と。え、変化してる?...ムービングファストボー
ルということで一つ。野球知ってないと良く分からないかもしれませんがまあ
気にしないということで。
 この企画を立ち上げた阿羅本さんと生暖かく応援してくれた秋月修二さん、
須啓さん、しにをさん、大崎瑞香さんに感謝を捧げます。
 では無闇に長いSSにお付き合いくださりありがとうございました。...感
想いただけると嬉しいので親切な方はぜひ。それでは