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そして――――
あたし達は高校へ進学した。
当然、羽居と遠野も同じだ。
遠野は完全無欠の主席合格だったが、羽居は勉強面ではかなりきつかったら
しい。
とはいえ、エレベーターなのだから進学は大して難しくは無い。
あたし達は、また一緒の三人部屋に入った。
あたしと羽居の関係はと言うと、もちろん今も続いている。
ただ、ちょっと頻度は下がったかもしれない。
不安を解消するためだけに求めていたあの頃と違って、今はすごく自然な形
で付き合えているからなのだろう。
「あたしはあたし」その事に気づいた今となっては、生き急ぐような事をす
る必要が無い。
ゆっくりと、これから二人で幸せになっていけば良いのだから。
遠野は、何か良く分からないが兄貴が帰ってくるとかどうとかで、一人で大
騒ぎしている。
難しそうに悩んだかと思うと、次の瞬間には顔を紅潮させたり、鏡の前で何
時間も自分の顔を見つめてニヤニヤしたりと、随分忙しくしている。
自分の胸にも多大な興味を持ち始めたらしく、しきりに羽居に胸を大きくす
る方法を――実に遠まわしに――聞いている。
といっても、お嬢様流の回りくどい言い方では羽居が理解できるわけもなく、
なんだかいつも空回りしてるけど。
あの冷静な遠野がこんな風になるなんて、なんだかすごく意外だが、それも
また面白い。
敵わない事に変わりは無いけど、からかってイヂメてやるくらいは大丈夫だ
ろう。
三人は今でも一緒だ。
あたしの大好きな人。
ちょっとお馬鹿で、天然で、間が抜けてて、憎めなくって、可愛くて、大好
きで大好きでたまらない羽居。
あたしの大切な親友。
ヒネクレ者で、手厳しくて、何気にヒステリックで、だけど信頼できて、真
剣に尊敬できる遠野。
そして――――あたし。
校庭に佇むマリア像。
一応、ここはカトリック系の学校なんだなぁ……と、再認識する。
いや、日曜日の礼拝などがあるのだから、再認識する時間はいくらでもある
のだけど……。
それでもカトリック教徒ではないあたしなんかには、良く分からない礼拝な
んかよりもよっぽど、この像の方が実感しやすかった。
マリア様の笑顔は本当に綺麗だった。
さすがは聖母様。
……ま、あたしはもっと綺麗な笑顔を知っているんだけどね。
彼女の笑顔を思い出して、自然と笑みが浮かぶ。
こんなとこ、知らない人に見られたら、とんでもなくヤバイな。
さて、これから先、あたし達の前にはどれだけ沢山の障害が立ち塞がるのだ
ろうか。
きっと、とんでもなく沢山なんだろう。
もうウンザリするくらい。
だけど、どんな障害だって、乗り越えてみせる。
こうやって生きるって決めたのは、あたしだから。
男みたいな女ではなく、もちろん女みたいな男でもない。
女らしく生きてる女じゃない。
男らしく生きてる男でもない。
女とか、男とか、そんな何処の誰とも知れない他人なんかじゃない。
月姫蒼香というたった一つの個性。
「あたしは『あたし』だ! 文句あっか、バカヤローーーーーーっ!!!」
神様のルールになんて、ストレートパンチだっ!!
―了―
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あとがき。
ほとんどの方、初めまして〜♪
長々と、読んでいただきありがとうございました。……いや、これでも短く
まとめたつもりなんですけどね(汗
突然生えたアレに恥ずかしがりながらも、その快感におぼれていく……、と
いうのが萌えであったはずなのに。主旨、取り違え過ぎ……(汗
当初はエロギャグでいくつもりだったのですがねぇ〜。なんででしょ?
エロに関しても二回目と言う事で四苦八苦、手探り状態でしたが、
こういう恋愛物に関しても、あんまり手を出してないので、苦労しました。
まさにエロとラヴのダブル恥ずかし攻撃……悶死しなかったのは奇跡です
(汗
ところで、分かる人なら分かると思いますが、
このSSは思いっきり漫画『フルーツバスケット』に影響受けてます。
えぇ、なんですか。あえて言いますと、キョウです。
本当の姿を隠しつづけるキョウ……どちらかというとTVアニメ版のラスト
の方をイメージしてたりします。
あ、でも、ちょっとハトリかも? 雪が解けると、春になる……って……。
可能ならばもう一本(対戦表埋める為に)。ムリなら次の機会にでも、参加
させていただきたく思います。
でわでわ〜。
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