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「なんか、電気が走るみたいに、あああーーっ」



 太股の内側にゆっくりと手を滑らせる。

「イッたばかりで、ずいぶんと敏感になってるんだな」
 そう言いながら、なるべくそーっと優しく手を太股の合わせ目に潜り込ませる。
 口を胸に寄せてまだ尖ったままのピンク色の乳首を唇で軽く噛む。

「ひぃっ、やだ、志貴も何するの。まさか……」
「あんな可愛い処見せられて我慢できないよ。今度は俺が……」

 悲鳴を洩らすアルクェイドの口を唇で塞ぐ。
 さすがに最初から全開で飛ばす真似はせず、ぎゅっと身を寄せて濡れた秘裂
の周辺で指を動かすに止める。
 ゆっくりとアルクェイドを落ち着かせて、それから埋もれ火を高く燃え上が
らせれば良い。

 果たして、しばらくそうやってなるべく優しく腕の中に抱いて、じらすよう
な軽い愛撫を重ねるとアルクェイドは俺を求めてきた。
 アルクェイドの方からも腕が背に回り、ぎゅっと抱き締めてくる。
 何度も啄ばむようなくちづけを交わす。
 目には懇願の色。

 頷くとゆっくりゆっくりとアルクェイドの中へと、驚くほど熱くなった秘裂
の奥へと、挿入を開始した……。


 
§   §   §


 二人とも一度自分の手で絶頂を迎えたばかりなのに、いざ始めると飢えたか
のようなアルクェイドと俺の行為は激しくなった。 
 いつもよりずっと高まり、そしてあっという間に最後を迎えてしまった。
 その反動で今は二人でぐったりと横たわっている。

「うー、酷いよ。さっきは私の体だけが目当てじゃないとか志貴言ってたのに……」
「言ったけどさ。アルクェイド、お前可愛すぎ。あんなの見て我慢できる訳がない。
 それに本気で嫌がってなかったじゃないか。嫌がってたらさすがに止めたけど」
「えー、嘘だよ。志貴ったら、ああなったら私が泣いて頼んでも絶対に止めて
くれないよ」
「……そうかな。うーん、反省する。無理矢理はいけないよな。ごめん、今も
嫌だったか、もしかして?」
「えへへ。嫌じゃない。……何よ、頭叩かないでよ。正確に言うとね、志貴が
私の事望んでくれるんなら、いつでも何処でもOKになるんだよ」

 天然でこうも可愛い事言うから怖いな、このお姫様は。
 ちょっとくらっとしてしまう。
 でも口に出してはあえて素っ気無く答える。

「そんなのべつまくなしはこっちがごめんだ」
「でも、凄いね。私、自分一人であんなになるなんて思ってもみなかったよ」

 凄い、凄いと心底感心したように言う。
 うーん、変な事教えちゃったかなあ。

「でもさ、志貴」
「うん?」
「私の事を見て、今興奮したんだよね。他人が一人でしているのを見ててそん
なになる訳? そんなので楽しいの?」
「まあな。アルクェイド、凄く可愛い顔してたぞ、えっちくさくて。それにお
まえだってさっき人のを見てただろ」
「うーん、あれは何しているのかわからなかったし。そうだ、今度は志貴がし
ているのを最初から最後まで全部見せてよ」
「何を言い出す、馬鹿」
「馬鹿? 人がしてるのを見たんなら、自分もお返ししないと不公平だよ。ね
えねえ、ずるいよ。私も見たい、ねえってば」
「……わかったよ。でもアルクェイドいるんなら、そんな真似する必要ないん
だけどな」

 約束した以上、いつか実行させられるんだろうなあ。
 
「そう言えば私がしてる時に、志貴の事考えてろって言われたでしょ。それで
ずっと志貴の事とか志貴にして貰った事を思い出してたんだ。そうすると自分
の指が志貴のに変わったみたいで、全然感触が変わっちゃった。あれも凄いね」

 あらためてアルクェイドが自分の指を、開いたり閉じたりしながら見つめる。
 うーん、これが今さっき……。
 
「志貴も自分でする時って、いろいろ頭の中で思い描いてする訳でしょ」
「そうだな」
「じゃあね、さっきは私の事考えながらしてくれてたんだよね。何を思い出し
てしていたの?」
「えっ……」

 思わず絶句した。
 何の気なしの質問であったようだが、背筋が凍りついた。
 そんな不意打ちを喰らって慌てている俺を、無邪気な顔でアルクェイドは見ている。

 言えない、言えないよな。
 まさかシエル先輩がオカズだったとは死んでも云えないな。
 休み時間に体育の授業が終わった後とかで体操服姿だった先輩。
 体の線が浮き出て、ほつれ毛が少し汗ばんでいたりして、実に反則気味に色っ
ぽくて。
 そして放課後会った時には、そんな様子は微塵も無い清楚な制服姿で、それ
もまた妙にそそられて。
 夜になってそのブルマー姿やら何やらを思い浮かべたらたまらなくなって、
悪い悪いと思いつつもついつい手が……。
 その罪悪感がまた逆にアクセントになって……

 ってな事は、アルクェイドにだけはばれてはいけない。
 いや先輩本人にばれたら、もっとまずいだろうけど。

「……私じゃないんだ、相手は。と言う事は浮気?」
 口ごもる俺をじいーっと見てアルクェイドがまたとんでもない事を言い出す。

 え、浮気なのか、これ。
 一人でいる時にこんな事するのまで、浮気になるのか?
 ちょっと待ってくれ。
 でもアルクェイドから見たら、やっぱり不純だよなあ。
 ある意味、成り行きで本当に誰かと浮気しちゃったという場合よりも……、
いやいや待て待て。

「別に、ホントに私以外の子に手を出したんじゃないから、いいけど」 
 混乱している俺を見て、悪戯っぽくアルクェイドが笑う。
 ちょっとほっとする。

「でも……」
 そして何か言いかけ、アルクェイドは口ごもる。
 ちょっともじもじしている。

「でも、何?」
「あのね、私でしてくれたら、嬉しいかなって……」
 
 それだけ言うと視線を逸らし完全にそっぽを向いてしまう。
 頬をまっ赤にしている。

 アルクェイド。
 おまえ、それは……。
 それは、反則だ。
 そんな防御不能な事頬を染めながら言われたら。
 ・
 ・
 ・
 
 こうなっては本能のままに動くしかない。

「え、何、志貴、ああ、また……。うんん……」

 我が身が招いた事態だぞ。
 アルクェイド、お前凶悪に可愛すぎ。

 と言うわけで、第二ラウンド開始!


 《FIN》




あとがき

 規定競技のアルクェイドSSですが、やっぱり苦手というか正攻法なお話は
思いつかなくて、こんな、お馬鹿さんなお話になりました。 殺愛とかも似合
いそうなんだけど。
 頭の中であれこれ思案してる時は難儀しましたが、書き出すと驚くほど楽で
した。前回のシエル先輩とは大違い。何でだろう?
 
 どうも志貴のキャラ貶めているお話ばかり書いてて、自分でもどうかなと思
わなくもないですが。
 他所様の二次創作など拝見すると唖然とするほど格好良い志貴が登場したり
するのに。まあ、幅が広い御仁だけに良いかなと。

 お読みいただきありがとうございます。

   by しにを  (2002/2/5)