指を狭い膣腔にくぐらせて、ごつごつした膣内でくいくいと動かす。ピアノ
の調律をするかのようにわたしは秋葉さまの感じる部分を探し当てていく。秋
葉さまの腰が浮くのを、腕を回し引き寄せて防ぐ。舌は蟻の門渡りへと進ませ
る。ここが感じるのは男性も女性も一緒。わたしの腕のなかで秋葉さまの躯が
跳ねたり痙攣するのがすごく愉しい。
もうそろそろかな。
アナルの窄まりを責めたてて秋葉さまの肩を震えさせていた舌を、再び秘部
へと戻す。でも責めるのは膣腔ではなくてその上の小さな穴、尿道だ。
舌を細く尖らせて、尿道の穴のふちを突つく。こんなちっちゃな穴では当然
舌が入るわけではないけれど、こうやって苛めることはできる。
膣に埋めていた指で尿道を圧迫させるように動かす。ただでさえ指一本でも
きつい膣内の秘肉は、くにくにと押すたびにそれ以上の弾力でもって押かえし
てくる。メンスと淫液で充たされた膣内は、指が動くたびにじゅぷじゅぷと紅
の混じった液を撒き散らし、わたしの顔にも生暖かいそれがかかってくる。
指一本だけしか入らないとはいえ、他の指を遊ばせておくのはもったいない
と気づいたわたしは、一度人差し指を抜いて、今度は親指を突きいれる。
ぐにゅっという弾力で押し返されそうになる親指だったが、人差し指と中指
を使って秋葉さまのびらびらを広げる。気泡の弾けるみたいな音がして、親指
が狭い膣腔をぎゅうぎゅうに広げた。本当にこんな狭いなかに志貴さんのもの
が入ったのかしら、と考えながら、親指の節まで咥えこんだホールを眺める。
動かすのもキツイくらい。
膣内で動かすのも大変だけど、その代わりに秋葉さまの濡れそぼった花弁を
ぐちゃぐちゃにしてあげる。秋葉さまはひくひくと痙攣を繰り返していて、す
ぐにでものぼりつめてしまいそうな雰囲気。
秋葉さまの肩が跳ねあがるたびに、親指が抜けそうになって、それをさせま
いと親指を奥へ奥へと捻じこむ。柔らかな膣肉をえぐるごとに、つぷつぷとい
う抵抗があり、それがいっそう秋葉さまへの苛めへと駆りたてた。
人差し指と中指でクリトリスを挟んで捕らえ、くにくにと押し潰す。濡れそ
ぼった茂みに隠れていたそれは、刺激から護ろうとする皮によって包まれてい
る。その邪魔な皮を指で挟んで、一気に剥きあげる。
「……んふっ…………ふぅっ……っん……」
しゃっくりのような吐息が秋葉さまの口から漏れた。わたしは赤く膨らんだ
秘芯を、鞘から剥いたり戻したりを繰り返したり、こすってあげたり。最初か
ら剥けあがっている女性ではできない戯びだし、男性にしようものなら怒られ
ること確実だから、こうやって悦ばせてあげられる秋葉さまの包茎のクリトリ
スがとても愛らしく、そしてそれ以上にいやらしく思えてくるのだ。
クリトリスの側面を苛めてあげながら、人差し指と中指の谷間に突起の先端
をぐにぐにと押しつける。指を脚に、谷間を女性器に、そして秋葉さまのクリ
トリスを男性器に見たてて、わたしはミニチュアサイズの擬似セックスを愉しむ。
膣内に溜めておけなくなった蜜がねろーっと垂れてきているが、その量が多
くなってきた。すぐに達してしまわないよう、焦らしながら続けていたのだが、
もう秋葉さまの躯は限界みたいだった。
そして、それに合わせるかのように、膣内の親指への圧迫感が強まり、わた
しが責めたてていた尿道からしょっぱいものが溢れてきた。わたしはふふっと
意識的に笑みを作る。
秋葉さまは一日に一度の志貴さまからの吸血行為以外にはなにも口にしてい
ない。だから排出物はほとんどなくて、最初のうちは漏らしてしまわないよう
にオムツをつけてあげていたのだけれど、それが無用だとわかるのに数日の日
にちを要するだけで充分だった。下着にわずかに染みを作る程度で、ほとんど
の水分は汗として発露してしまっているようだった。
でも無理やり水を飲ませてみたらどうか。わたしの行為の意図はそこにあった。
わたしはなるべく勢いがつくように、膣内の親指をぐるりと回転させて、尿
道の方向をぐいぐいと押す。同時に性感帯が凝集された場所を刺激することに
もなるので、秋葉さまの秘部は飛沫をあげるくらい蜜を漏らしていた。
尿道口をのろのろと這わせていた舌をぐいと穴に押しつけて、水気や粘り気
を吸いつくす。じゅぢゅっぢゅっ…っ! 秋葉さまの息の喘ぎは切なさを通り
越し、渇望するかのような激しいものにまで変わっている。
そしてわたしはトドメをさすように、親指を折り曲げて節が柔肉に喰いこむ
ようにして一気に引き抜いた!
「―――あはっ、出しちゃえ」
……ちゅぴゅっ……じょじょろっ!…ちょろちょろちょろ……
秋葉さまの尿道から薄く黄みがかった透明な飛沫が噴き出す。最初は垂れ流
れるくらい弱く、そして間を置かずに堰を切ったかのような奔流。秋葉さまの
おしっこが孤を描いて、わたしの顔へと降りかかる。
「……ふうっ…………ぁふっ……ひくっ……」
漏れ出す秋葉さまの息。そうだまだ秋葉さまったら、いってなかったんだ。
それなら…ちゃんといかせてあげますからね……
勢いを失いつつあるおしっこを受けとめつつ、わたしの歯が秋葉さまの可愛
いクリトリスをこりっと引っ掻いた。
「ひぅっ…………っぁぁ…………ゃハっ……はくぅぅぅぅっ……んっっ!」
今度こそトドメを刺された秋葉さまは、残っていたおしっこを一気に噴きあ
げて、だらしなく開いていた膣口をきゅんっと窄めた。反らした背が反動で大
きくしなる。
秋葉さまの波が収まるのをわたしは眺めながら、おしっこまみれになった顔
を指で拭った。
「あーあ、秋葉さまに汚されちゃった」
わたしは秋葉さまを抱きかかえながら、ゆっくりとマットのうえに横たわら
せる。うつぶせになった秋葉さまは、薄い胸板を大きく上下させて息を喘がせ
ている。まだ余韻が残っているようだ。
秋葉さまに圧し掛かり、ぶるぶる弱々しく震える秋葉さまへと躯を重ね合わ
せた。
わたしの秘部を秋葉さまのものへとなすりつける。勃起したクリトリス同士
がこすれあい、柔らかい陰毛の茂みに絡まりあい、痛いくらいにジンジンと刺
激が伝わってくる。
粘膜同士のこすれあいもまた同様に刺激が強い。割り開かれた割れ目同士が、
互いが戻ろうとするのを邪魔するみたいにくっついたり、襞をかきたてたり。
粘膜のほころびから溢れる蜜はぐちゅぐちゅとかきまぜられて、こねまわされ
た花弁はぬらぬらとした粘液に余すところなく包まれた。
互いに形状の異なる淫裂は、ぐちゅぐちゅとかき混ぜられるたびに愛液を滲
ませ、散らし、その形状そのものが愛撫であるかのように蠢く。
こうやっているうちにわたしの疼きがたまらない切なさを帯びてきた。疼き
を止めようとしているのに、そのためにこうやって秋葉さまと一緒に気持ちよ
くなってそれを抑えようとしているのに、疼きは急カーブを描いて跳ねあがっ
ていく。わたしの自由にならないくらい膨れあがった疼きはわたしのなかで食
い破らんとするかのように増大し、わたしはたまらず秋葉さまを抱きしめた。
「やだ…なんで、こんなこと前に一度もなかったのに……っ。秋葉さまっ……」
秋葉さまは答えてくれない。焦れったくて怖くてどうしようもないというの
に、わたしは疼きを少しでも抑えようと、秋葉さまの舌を貪り、乳首をこすり
あげた。
「秋葉さまっ秋葉さまっ……!」
わたしの切ない呻きが響き、そして同時に尿意が駆けあがってくるのを感じる。
「んふっ……あふぅぅっ……秋葉さ…ま……っ! ふぁぁあああっ!」
勢いよく噴き出したおしっこは、秋葉さまの割れ目の縦筋に沿って流れ落ち、
マットの上で水たまりを作る。わたしは肩を揺らしながら、おしっこが止まる
のを待った。
「……はぁ……はぁんっ……秋葉さまのことも汚しちゃいましたね……んふぅ……」
秋葉さまの秘部から垂れ流れる月経の紅とわたしのおしっこが混ざって渦を
作っているのを眺めて、わたしは躯を巣食っていた疼きが熱を引くのを感じて
いた。
シャワーで秋葉さまの躯を流し終え、洗髪もすると、そこまで済ませてしま
えば愉しかったお風呂タイムもおしまい。
服を着せている途中、そういえば外に志貴さんが耳をそばたてていたんだっ
け、と思い出して、どんな表情をして出ようかとちょっとだけ思案する。
真面目な顔をして出てやろうと決めて、引き戸を開けると、そこには期待し
ていた志貴さんの姿はなくて肩透かしを喰らう。
でも引き戸をよく注意してみれば、なにかを拭き取ったような痕が残ってい
たりする。匂いをかいでみればビンゴ。
車椅子を押しながら、志貴さんが普段使う第二浴場まで足を運ぶと、またも
やビンゴ。志貴さんの服がそこにあったりする。
「志貴さーん、お風呂入っているんですか? それならお洗濯しておきましょうか?」
志貴さんの慌てた声が即座に返ってきて、手にしていた志貴さんの下着をカ
ゴに戻しておく。ちょっと意地悪しすぎたかな。
秋葉さまを離れの和室まで運び、ちょこんと座らせる。
「今日も秋葉さまはわたしを見てくれなかったんですね」
わたしは胸をはだけさせて、外気にさらされた胸を秋葉さまの顔の前に近づ
けるけれど秋葉さまは眉一つ動かすことがない。もう今日はお腹いっぱいだと
いうことみたい。
「また明日、ですね」
わたしは名残惜しさを振りきって離れの和室を後にした。秋葉さまの視線が
わたしの背中に向けられていることを期待して、でもその期待が虚しいもので
あることを知りながら、わたしは館の方へと歩んでいった。
(了)
|