夢さりし後 ― 逢瀬 #4 ―



 ――なんてこと、考えているんでしょうね。
 秋葉は薄く笑う。
 暇つぶしの空想といっても、それは淫らな夢想。

 しかもこんな夢想するなんて――。

 その後は兄さんがわたしを押し倒して、逞しいそれで幾度もわたしを貫き、責め立てて――。
 何度果てたのか解らない。
 何度上り詰めたのか解らない。
 兄さんのいうがままに痴態をさらして――。
 夜が明けるまで肌を重ね、お互いを貪りあって――。

 ――欲求不満、かしら?

 秋葉は布団から起きあがるとその夢想を追い払うためかぶりをふる。そして髪の毛をかるく手櫛で梳き始める。

 でも兄さんはわたしが髪を梳いている姿がとても色っぽいって言ってくれる。

白無垢の襦袢一枚で布団の横で髪を梳くその姿をみて――ふと、もらした志貴の言葉。
 その細いうなじや後れ毛に、そしていつもとは違うたおやかな感じに志貴はそう言葉をかけた。まぁそれだけではなく、また押し倒してしまうのは――さすが志貴というべきか。

 髪を梳かし終わると、秋葉は立ち上がる。

 ――アンニュイなんて、わたしらしくない。

 背伸びをして、軽く欠伸をする。
 それだけでこの気だるい憂鬱感は消え去る。

 ――さぁ戻って仕事を片づけなくちゃ。

 無理矢理作った空いた時間。

そんな貴重な時間にこんな夢想だなんて――。
 でも
 それはとても心地よい時間。
 夢、幻だけれども、確かに二人の逢瀬で――。

 このくらい兄さんが自分のことを思ってくれているといいな――いいえ思っているはずね、なんて思う秋葉であった。


あとがき

 お待たせしました(誰を?)。
 秋葉の18禁です。
 実は書くのに苦労しました。
 えぇえぇ神様はちょっと降りてきてくれたのですが。
 実は今回先に1と4だけはすでに書け上げていて。
 中身に関しては神様がくるのをまっていたのですよ。
 TAMAKIさんの書き込みで、秋葉は? と書かれたとたん、
 縁側で座っていて、後ろへ倒れ込む秋葉さん。
 そして一言――「なんて退屈」
といっているシーンがビビビと浮かびました。
 やったね神様、でしたが……問題はその間の中身。
 重要なあんこ。えっちしーんでした。
 神様はなかなか降臨してくれず、どうしようかと思ってしまいました(笑)
 でも。
 とうとう自分のパターンがつかめましたよ。
 それは
 主題
 です。
 テーマ、ともいいます。

 今までの瑞香のSS――18禁もそうでないのも含めて見てください。
 とある事柄についてたんたんと述べていき、それだけに終始しまう。
 それが、どうやら瑞香の書き方のようです。
 場面と場面が繋がらない、というべきなのいでしょうか――。
 そのことばかりを書いて、それが終わると終了という――。
 よいのか悪いのかよくわからない、書き方――あるいは癖――なのでしょうねぇ。
 そういう意味では、わたしは長編は書けないのかもしれません。
 長編は場面場面を繋げていくのですが――ひとつの主題をもって書けばなんとかなるのかも――いえいえ、試しても見ないことに対して希望的観測をもつのは、とても辛いことなので(笑)

 さて、今回のテーマ、それは―― 口淫 です(爆)

 だから秋葉の口ばかり使っていますねぇ……えぇえぇそれはもぅ丹念に(笑)
 それに瑞香の18禁、読み返して貰えばわかると思いますけど、本番はないといって過言ではないんですよ。

 調べてみてびっくりさんです。
 「目覚める」はどちらかというと手淫な朱い月様であって――。
 「溺れる」は――ですし(未公開のため伏せておきますね)。
 「未来視」は、ギャクのためのシーンですし。
 「Please, kiss me ,more...」は前戯というかあれですし。
 「鉄の処女」は、ただの変態さん(笑)だし。
 今回の「逢瀬」は――口淫ですし(笑)

 そういう意味では、きちんと本番は一つも書いていないんですね。

 これは本当にびっくりさんでして。
 もしかしたら、今後の課題、なのかもしれません。

 ――まぁともかく。
18禁というものがかけるようになってきて、汚れてしまった気がします(笑)が、まぁその汚れも心地よくて――。
 色々書けるようになっていく様はとてもうれしいものです。

それでは別のSSで会いましょうね。

12nd. April. 2002
#015

追伸
 書き方などの関係からか、1と4は3人称で、2と3――えっちしーんは秋葉の一人称という構成になっています。
 つっこみどころ――ころころ人称、視点が変わっていて読みづらいなど――満載の話ですが、きついつっこみは耐えられない(笑)で、柔らかくお願いしますね。

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