朝のご奉仕 |
春夏冬
古守久万
「ん……」 遠くから優しく現世に引き戻される感覚。朝の目覚めとしてはこの上ない心地だ。 ああ、気持ちいい…… ちゅっ、くちゅっ…… 「んー。おはよう、翡翠」 俺は目を覚まし、軽くのびをしてから翡翠を見る。 「んっ……ふっ……」 翡翠は夢中でそれをしていたが、俺の呼びかけににっこりと微笑んで居住まいを正す。 「おはようございます、志貴様」 そう言うと、我慢できないと言う感じでそれを続ける。 「うん、おはよう」 俺はそんな翡翠の頭を軽く撫でてあげながら、眼鏡を取って半分寝ぼけたままの顔にかける。 じゅっ……ぢゅるる…… 撫でられて嬉しくなったのか、翡翠はより激しくそれを続けていた。 「ああ……志貴様、おいしいです……」 ぽーっとして翡翠が見上げるその瞳はとても可愛らしく…… 同時に、いやらしかった。 カーテンが開けられ、朝日の取り込まれてすがすがしい朝の部屋。 そんなまぶしく白さが映えるベッドでは、俺がいて。その股間には翡翠がいて。 翡翠は、丹念に俺の股間を愛撫してくれている。 まるで夜の内に溜まってしまった膿を吸い出そうとするかのように、俺のペニスを銜えて熱心に刺激を加えていた。 「気持ちいいよ、翡翠。もっと……」 俺が催促すると、翡翠は亀頭を口全体で覆い、吸い込むようにして喉の奥に導く。そしてゆっくりと引き抜きながら、傘のエラの部分に舌を当て、そこをこそげ取るかのようにして俺自身を味わう。 「翡翠、上手くなったね」 俺が笑顔で言うと、翡翠は嬉しそうに顔を上げて微笑む。 「これも、志貴様のお陰です」 そうしながらも翡翠の右手は俺をしっかりと掴み、絶妙の力加減でくにゅくにゅと揉みしだき、更に上下させてシャフトをしごく。 「翡翠が勉強熱心だからだよ」 謙遜する翡翠が可愛らしく、頬を撫でて、口の端から垂れる唾液を指ですくって舐めてあげる。 「ああ志貴様、恥ずかしい……」 翡翠は自分の淫らなそれを舐められ赤面しながら、それを隠すかのように俺に反撃する。 腕の動きに加え、先端を口でくにゅくにゅと優しく刺激してきた。同時に舌を突き出して鈴口を舐め、そこからにじみ出る先走りをおいしそうに吸っていた。 「うっ、いいなそこ……」 その刺激に俺が好意を示したので、翡翠は重点的にそこを攻め続けた。 まるで襞のように翡翠の口腔が亀頭を包み刺激して、更にビクリとモノを弾かせてしまう。 にこりと笑って翡翠が激しくシャフトを擦り、軽く亀頭に歯を立てるとゾクリとした。 「出すよ翡翠……飲んで」 俺は限界を悟り、翡翠の頭に手を添える。 「んっ……んんっ」 翡翠は早くも待ちきれず、それを絞り出そうと激しく頭を上下しだした。 「くっ……いくよ、ほらっ!」 俺が軽く我慢して、それから叫んだ。 同時に、一瞬遅れて俺の先端から朝一番の濃厚な液が迸る。 びゅっ、びゅっ それが翡翠の喉奥に打ち付けられ、翡翠は恍惚の表情で受け止める。 吸い取るように口を窄めて更に沢山受け入れようとする仕草に応えて、俺も翡翠の口に大量の精液を放出した。 こくん それがおさまり翡翠は顔を上げると、それを当たり前のように嚥下した。 そして残恍も惜しむかのように舐め取ると、ベッドから降りた。 「お目覚めでしょうか、志貴様」 ベッドの脇に立ち、いかにも使用人らしい控えめな表情に戻った翡翠に対して俺は満面の笑みを浮かべる。 「ああ、今日も気持ちいい朝だね、翡翠」 「お着替えはこちらにあります、終わりましたら食堂の方へお越し下さい」 「うん、ありがとう」 そこまで言うと俺は翡翠にちょいちょいと手招きをした。 不思議がる翡翠だが、すぐに微笑むとベッドの俺の目の高さまで顔を近づける。 チュッ 日課となっているおはようのキスをしてあげると、翡翠は顔を紅潮させながら軽く一礼して部屋を出ていた。 |