第2.5話 「彼のノゾムモノハ……。」
彼は後をつけている。
彼の望むエモノの後を。
カワク
ヤケル
彼を支配しているのはその二つの思い。
二つとも本能によって命令された指令。
一つは彼の欲求をミタスモノ。
一つは彼を痛めつけているもの。
どこかへと続く坂道を上りながら彼はひたすら耐えつづけた。
二つの指令を同時に満たすために。
ふと、彼は考える。
どうしてこんなにカワイテイルノダロウ?
どうしてこんなに体がヤケルノダロウ?
それは明確な意思。
だがそれも……。
カワク
カワク
処女の血
エモノの血
カワクカワクカワクカワク
カワクカワクカワクカワクカワクカワクカワク
カワクカワクカワクカワクカワクカワクカワクカワクカワクカワクカワク
一つの、彼にとって唯一の強大な奔流に流されてしまい……。
辺りを見渡せば彼はその屋敷に前に立っていた。
中から匂いがする。
エモノのニオイ。
彼は食欲と、そして自らの身を守るため、屋敷の周りを鬱蒼と茂る林の中へ、塀を越えて跳躍した。
彼のモトメルモノは後僅か……。
彼はその期待に身を震わせた……。
第三話 「遠野家居間にて」
「さて、本題に入ろうか。」
志貴さんはそういいながら私の前にコーヒーの入ったカップを勧めてくれた。
うわ。高そうな陶磁器だなぁ。さすがは遠野先輩の家。
そんなことを思っていた私は志貴さんの唐突な話の切り出し方に驚いた。
「えっ……。どういう……。」
「それは晶ちゃんの方がわかってるんじゃないのかな。」
疑問の声を上げようとした私をやんわりと志貴さんがさえぎる。
「今日、大事な話があってきたんだろ?
それも未来に起こる。」
私は志貴さんの言葉に驚き、声も出ないまま首を立てにコクコクと振った。
志貴さんには以前の事件のときに(年末に起こった私と志貴さんがはじめてあったときのことだ。)
私の『目』のことは話してあった。
だってそうしないと遠野先輩になに言われるかわからないんだもん……。
ただでさえあの後は……。
うぅ。思い出したくないよう。
まぁ、それはともかくとしてどうして志貴さんは私がそんな話をするってわかったのだろうか?
今日、何を話すかはもちろん、遠野家に来る事だって誰にも言ってないのに……。
「ははは。晶ちゃん狐につままれたような顔してるよ。どうしてわかったのかってね。」
「え、えっ、私そんな顔してますか?」
私はちょっと顔を赤くしながらそう言った。
うわ〜。そんな顔してたなんて恥ずかしい。
深呼吸。
「でも、どうしてわかったんですか? ……今日、『未来の』話があるって…。」
気を取り直して私がそう尋ねると志貴さんは笑いながら、
「さっき玄関で晶ちゃんに会ったときの顔かな。
驚いた顔はしてたけど、
ちょっと顔がこわばってたし、それに雰囲気がいつもと違ったしね。
そう、『覚悟』を決めていたような雰囲気だった。
そうなるともう、話はそれしかないでしょ。
で、今度は何が見えたのかな。」
正直、驚いた。
今度こそびっくりした。
でも、私のことを見ててくれてるんだとさっきよりもっと強く感じて、
ちょっと…………嬉しかった。
そんな志貴さんのために、私は昨日『見た』ことを話し始めた。
「はい。志貴さんが言うとおりです。
昨日、私は志貴さんの『未来』を見ました。
断片的な映像ですけど、
眼鏡をはずした男の人。
ナイフを手に持って立ち尽している。
普段の軽装。
薄暗い林
足元には・・・
バラバラになった人間の手足らしきもの・・・
その顔。
そんな物が見えたんです。
ナイフを手に持っているのは志貴さんでした。
だから……」
「わかった。つまりは晶ちゃんは俺が人殺しするところを見たわけだ。」
志貴さんは真面目な表情になって私にそう言う。
「わかりません。
志貴さんの足元にバラバラの……ヒト……らしきものがあったのは確かです。
でも、私は志貴さんがそんなことするとは思ってません。
志貴さんがどんな人か、どんなにやさしい人か私は知ってますし、
それに……」
「それに? 」
「志貴さんはナイフを持っていました。
人間はナイフなんかじゃ切断できません。」
私がそう言うと志貴さんは何故かちょっと辛そうな顔をした。
でも、すぐに私に笑いかけてくれた。
「うん……。そうだね。」
「ですから、私が思うに、志貴さんは何かの事件に巻き込まれてしまうんじゃないかと思います。
というか、そうに決まってます。
志貴さんが『そんなこと』するはずないですから。」
私はそう言って話を締めくくった。
「私が見たことはそれが全部です。
ですから志貴さん、しばらくは森とか林の中に近づかないでくださいね。
遠野の屋敷の中だったら大丈夫でしょうけど、危険なことに巻きこまれたら大変ですから。」
志貴さんはなにかを考えるそぶりを見せていたが、すぐに笑顔になって、
「ありがとう、晶ちゃん。
しばらく森や林には近づかないようにするよ。」
そう言ってくれた。
「はい。そうしてくれると助かります。」
そんな笑顔に見とれながら私はこれで大丈夫とホッと胸をなでおろした……。
すると……
く〜。
あやや。
安心したからか私のおなかが盛大に音を立てた。
うわ〜。
わたしは真っ赤になりながら上目遣いに志貴さんを見つめた。
「ははは。おなかがすいたかい?
そう言えばもう、お昼の時間はちょっとすぎちゃったね。
琥珀さんが御昼にって料理を作っていってくれたんだ。
一緒にどう? 」
そう言えばもう、午後の二時ちょっと前だ。いつのまにこんなに話しこんでしまったのか……。
おなかもすくはずだ。
そう思った私は恐縮しつつもご相伴を頂戴することにした。
「は、はい。頂きます。」
琥珀さんの料理って本当においしい。
何回かご馳走になったことがあるがそんじょそこらのレストランじゃ敵わないくらい。
志貴さんと食べたお蕎麦もおいしかったけどね。
「じゃあ、暖めてくるからちょっとくつろぎながら待ってて。」
志貴さんはそう言うと台所(というにはちょっと広いけどね)のほうへ歩いていった。
気がつけばコーヒーはすっかり冷めてしまっていて、それがちょっと残念だった。
……もう一杯頼もうかな。
安心しきっていた私の脳裏にはそんなことが浮かんできた。
第3.5話 「彼の衝動」
昼間でも薄暗い林の中で彼は待つ。
ただ……ひたすら……
時が満ちるまで。
彼の体が自由に動くことの出来る時間を。
彼らの時間を。
自らを焼く忌々しい天の光によって、彼の身は大きな傷を受け、
カワク
その衝動がいかに強くとも、しばしの時間が必要だった。
天には今だヒカリが満ち、しかしそれも徐々に消えていく。
そして時は満ちる。
彼の衝動は解き放たれた。
第四話 「黄昏の世界……」
ちょっと遅目の御昼ご飯を食べた後、私と志貴さんは居間でしばらくお話をした。
大抵は私の学校や寮での生活とか、遠野先輩の学校での様子とか、
そんな他愛もない話だったけど、私は久しぶりにじっくり志貴さんとお話が出来て嬉しかった。
なぜなら今日は遠野先輩がいないから。
って、遠野先輩が嫌いってわけじゃない。
むしろ尊敬しているくらいだ(ちょっと意地悪なところもあるけど)。
ただ、なんと言うか……。
だって遠野先輩がいるときだと、なんて言うか、
……怖い。
志貴さんと楽しくおしゃべりをしているとき、ふと、遠野先輩のほうを見れば……
め、目が血走ってる。
普段あんなに凛々しい遠野先輩なのに……どうしてか志貴さんが絡むと見境がなくなるような……。
はははは。このことは心にしまっておこう。
私は結構ぽろっと何かいらないことを言ってしまう性質だから気をつけなくちゃね。
ただでさえ最近遠野先輩に目をつけられているんだから。
はぁ。遠野先輩にちょっとSの気があるのは間違いないと思う。
間違いなく遠野先輩は『攻め』だと思う。
ふと、そんなことを思う。
……そうすると私(志貴さんでもOK)は『受け』か……。
……はぁ、なんていやな想像をしてるんだろう、私。
因果な性質だ。
そんなこんなで楽しくおしゃべりをしている間にいつのまにか時間が経ってしまった。
もう夜と夕方の境界線の時間。
楽しい時はすぐ流れるって本当だ。
残念だけどもうそろそろ帰らなくちゃ行けない時間。
「あ、もうそろそろ帰らなくちゃいけません。
志貴さん。今日は楽しかったです。ありがとう御座いました。」
「いや、こっちこそ。
晶ちゃんのおかげで助かるよ。
ありがとう。」
志貴さんはそういうとにっこり微笑んでくれた。
私はそんな志貴さんを見るのが恥ずかしくて、ちょっとうつむき加減で早口で言う。
「そ、そんな。
でも、本当に林のみたいなところに言っちゃダメですよ。
約束ですからね。」
多分、私の耳は耳元まで真っ赤になっているだろう。
そんな私を尻目に志貴さんは「わかった」と、軽く頷くと、
「約束だね。」
そういって小指を私に差し出してきた。
……もしかして………………え〜と、も、ゆ、指切りですか?
さっきまで限界までバックンバックンしていたと思っていた私の心臓は更に一段大きく跳ね上がった。
う、嬉しいけど……恥ずかしい……けど……
私はどきどきしながら小指を差し出し……。
ゴンゴン!!!!!ゴン……バキ!!!!!
おずおぞと差し出す私の小指と志貴さんの小指が触れ合おうとしたちょうどその時、
屋敷中に何かを叩き割るような大きな音が響き渡った。
「きゃっ……。」
私はびっくりして思わず悲鳴を上げてしまった。
それにしてもなんだろう……。
玄関の方から聞こえてきたけど……。
不安そうに私は志貴さんを見つめた。
「晶ちゃん。ちょっとここで待っててくれないか。
何があったか見て来るから。」
志貴さんはそういうとちょっと厳しい顔で玄関の方へ歩き出した。
「……志貴さん。気をつけてください。」
「分かった。」
不意に訪れたアクシデント。
何が起きたのかは分からない。
これから何が起きるのかも。
ふと脳裏に浮かんできたのは『あのイメージ』。
私は急に湧きあがってきた不安に耐えながら志貴さんの帰りを待った。
チッチッチッチッチッ………
しんと静まり返った暖かかった居間。
チッチッチッチッチッ………
さっきまでここで私と志貴さんが楽しくおしゃべりしてたのに……。
チッチッチッチッチッ………
いやに時計の秒針がうるさく感じる……。
チッチッチッチッチッ………
そしてそれが私の不安を更にカキタテル………
チッチッチッチッチッ………
チッチッチッチッチッ………
チッチッチッチッチッ………
ガッシャン!!!!!
不意に私の背後にある居間の窓ガラスが砕け散る音がした!
「きゃあっ!!」
私は悲鳴を上げながらそれでも後ろを振り返った。
びっくりしてしゃがみこんでしまわなかった自分を誉めてあげたいくらいだ。
するとそこには…………
あの……これからバラバラに『なる』男の顔があった
赤黒い背広。
血走った目。
そして……なんにも浮かんでこない表情。
全てが、私に恐怖を与えた
「あ、あなたは……ひゃあっ!!」
私は震えながらそれでも、勇気を出して『男』に声をかけようとした。
だけど、『男』はいきなり私に向かって殴りかかってきた。
ガンッ!!
びっくりしてしゃがみこんでしまう私。
だけどそのおかげで相手の拳をかわすことが出来た。
でも、もう出来ない。
何より私はしゃがみこんでしまっているし……
私の身代わりに『男』の拳を受けた高そうなテーブルは……
大小の破片を撒き散らして二つに割れていた。
「あ、あ、あ……」
おかしい。
おかしい。
オカシイ。
人間の力であんなこと出来るはずがない。
そもそも人間の力には脳で抑制がかかっていて、
関節とか筋肉を自分の力で壊さないようにしているはずだ。
それなのに
それなのに
どうして……テーブルを殴った『男』の腕は……おかしな方向に曲がっているのか……
どうして……その『男』の顔にはなんの表情も浮かばないのか……
はははは。
この異常な状況に私はおかしくなりそうだった。
どうにか理知的なことを考えてなんとか現実にとどまっているだけだ。
いっそ狂ってしまえばどんなに楽だろう。
『男』が私に向かって再び拳を振り上げようとしている。
頭では認識している。
あれを避けないと私は『死』ぬ。
だけど脳と体がつながっていない。
私の体はその『死』を迎えるであろう未来にまったく反応しない。
そして……どこかスローモーションのように、滑稽なほどゆっくりと、
私に向かって『死』が、降りそそ……
ドガッ!!!
がなかった。
「大丈夫!?晶ちゃん!!」
「……あ、は、はい……」
とても遠くから声が聞こえる。
私はそれに返事らしきものを返した。
それどころじゃなかった。
後少しで私という『存在』はなくなっていた。
それは今想像するととても怖くて……
私の体はいまさらのようにがくがく震えてきて……
「ふふふふふふ………」
体の奥底から笑いがこみ上げてきて……
「晶ちゃん、ゴメンっ!!」
パンッ!!
不意に走る頬の痛みに私はびっくりした。
「え、あ、な、なに?」
「だいじょうぶかい、晶ちゃん。」
ふと、目の前を見ると志貴さんが私の肩をつかんで私の目をじっと見つめていた。
不意に、私は状況を認識する。
茫然自失とする私を助けてくれたのはやっぱり、志貴さんだった。
どうやら『男』を蹴り飛ばしてくれたらしい(おかしな言い回しだが)。
見ると『男』は床にはいつくばっている。
「晶ちゃん!大丈夫かっ!!」
志貴さんは私の肩を揺さぶりながら強い調子でもう一度、私に声をかけてくれた。
「はい。なんとか、大丈夫です。」
私も今度ははっきりと返事をする。
ちょっと左の頬が、痛かった。
「よしっ。とにかく今は逃げるから。いくよ。」
そういうと志貴さんは私の手を引いて走り出した。
そして、現在、私は志貴さんと共に『男』から逃げているのでした。
だだっ広い遠野家の敷地の中を……。
第5話 「林の中で……」
「晶ちゃん、何かあの『男』にうらまれるようなことしたかい?」
屋敷の庭を走りながら志貴さんは唐突に失礼なことを聞いてきた。
ちょっとひどいですよ、志貴さん。
「そんなあるわけないじゃないですかっ!!」
私はともかく志貴さんはどうなんですか?
そう、切り返そうとしたけれど、次の質問は私に大切なことを思い出させた。
「じゃあ、見覚えは?」
その質問に私は一瞬はっとして足を止める。
「晶ちゃん……?」
志貴さんも私に続いて足を止める。
まだ、『男』の姿は確認できない。
「……あります。今日お話した、林の中でバラバラになっていた男。
それが『彼』です。」
「…………。」
私がそういうと志貴さんは考えるそぶりを見せて、
「そう……か。なるほどね。」
そう呟くと私の手を再び握ってまた走り始めた。
「行くよ。晶ちゃん。」
志貴さんの手に導かれるまま、私は走り出した。
その先に何が待っているのかもわからず。
ただ、志貴さんを信じて……。
志貴さんに導かれてやってきたのは……鬱蒼と茂る林の中だった。
辺りはすっかり闇に包まれ、林の中は異界さながらの様子を呈していた。
「な、なんで……どうしてよりによって林の中なんですか!!」
私は志貴さんに向かってそう言った。
当然だ。
だってここは……あまりにもあのイメージに近かったから……。
「いいんだよ。これでいいんだ。安心していいよ。」
そう言って志貴さんを責める私を見ながら、志貴さんは微笑みながら一言、そう言った。
たった一言。
「安心していいよ。」
その一言と、志貴さんの笑顔が、あっさりと、
さっきまで私の心を覆っていた恐怖という名の闇を払ってしまった。
信じてみよう。
そう、思った。
そう、思えた。
私の足は震えるのをやめ、そして、ついにその時が来た。
「ここでいいかな。」
志貴さんはそう言うと後ろを振り返って闇を睨みつけた。
「出てこいよ。もう、いるんだろ。」
志貴さんの声に誘われるように、闇から『男』が溶け出した。
私は固唾を飲んで志貴さんを見つめていた。
大丈夫。
志貴さんなら大丈夫。
信じよう。
そう心の中で念じながら、それでも、ちょっとだけ不安があったけど、
それでも、志貴さんから目を離さないと、心に決めた。
「ぐ、ギギギ、ガガ……」
『男』はその口から人間とは思えないうめき声をあげながらこちらへと向かってきた。
それを見つめながら志貴さんは、
「お前は憐れだな。
主はもう、この世に存在せず、
自らの意思も持たないそんな姿になって……
なんて……憐れなんだ……」
そういって、いつもしている眼鏡を外し、懐からナイフを取り出した。
前にも見たことがある。
蒼い瞳。
誰も近づけないような孤高な瞳。
でも、
どこか、
人を引きつけてやまない
なんて……綺麗な……瞳
私は志貴さんから目が離せなかった。
そして、男と志貴さんが近づくと、それは当然のように……
銀の光が男を貫き、そして、あっさりと男はバラバラになってしまった……。
そして浮かび上がってくる映像。
眼鏡をはずした男の人。
ナイフを手に持って立ち尽している。
普段の軽装。
薄暗い林
足元には・・・
バラバラになった人間の手足らしきもの・・・。
男の顔。
そして
蒼い瞳。
見るものをひきつけるような、
それでいて全てを拒絶するような、
蒼い、蒼い瞳・・・。
「えっ……?」
あまりのことに声が出ない。
一体何が起きたのか?
志貴さんが『男』を殺した?
どうやって?
志貴さんの手には小振りなナイフしかない。
でも、現実に男はバラバラになった。
混乱する私に志貴さんは声をかけてきた。
今までと変わらない、落ち着いた声で。
手にはナイフ。
そして、
蒼い瞳
「大丈夫かい?晶ちゃん?」
そう、声をかけてきた……。
「は、はい……。」
大丈夫。
志貴さんを信じようと心に決めたんだから。
だから、何か理由があるはず。
でも、そう思えば思うほど、疑問は湧きあがる。
「し、志貴さん……。一体、これは……?」
私は震える声で志貴さんに尋ねる。
私が見ている前で『男」の体が塵に変わっていき、『男』が倒れた場所には何も残っていなかった。
第5.5話 「彼……」
彼はついに追い詰めた。
エモノ。
彼の望むモノ。
彼のカワキを癒すユイイツノモノ。
血
だが、邪魔が入った。
一回目の時と同じ、邪魔が入った。
忌々しい。
イマイマシイ。
湧きあがる意思。
彼はハイジョをケツイした。
そしてこれから起きるであろう肉を叩き潰し、骨を叩き割る感触に狂喜した。
それは自由意思。
だが、
その手がジャマモノをつかもうとしたその時、
蒼い光ととともに
銀の光が、彼の体を駆け巡った。
そして彼はバラバラにされ、
彼の意識は途絶えた。
果たして彼の意思は、『彼』の意思だったのか……。
それは彼にもわからず、
彼の意識は途絶えた。
中書き パート二と二分の一
(本文より)
「そ、そんな。
でも、本当に林のみたいなところに言っちゃダメですよ。
約束ですからね。」
多分、私の耳は耳元まで真っ赤になっているだろう。
そんな私を尻目に志貴さんは「わかった」と、軽く頷くと、
「約束だね。」
そういって小指を私に差し出してきた……
もしかして…………指切りですか?
NONONONONONONONONONONONONONONONONO!!
も、もしや指ちゃぷちゃぷですか!?
NONONONONONONONONONONONONONONONONO!!
…………え〜と、もしかして二本ですか!?
YESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYES!!
今回はこんな感じのSSとなっております(嘘)。
指ちゃぷちゃぷが分からない人は某翡翠の日記帳をみに行きましょう。
わたし、翡翠の日記帳大好きです!!(晶ちゃん談)