ぎるがめっしゅのおっぱい


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1: みゃこ (2004/04/28 20:10:29)[miyako at loveboat.cx]

せいばーのおちんちん いっぽんめ
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2: みゃこ (2004/04/28 20:12:49)[miyako at loveboat.cx]






せいばーのおちんちん
    にほんめ 「ぎるがめっしゅのおっぱい」





 衛宮邸にはふたりの居候がいる。
 ちんちんの生えたセイバーと、
 おっぱいの大きくなったギルガメッシュ。
 ……なんでさ。
 まあ、それで驚かない自分も毒されてるんだなあとか思いつつ、日々過ごしている。
 あのふたりのことだから悶着のひとつやふたつあると覚悟していたが、どうも目の敵にしているのはセイバーだけで、ギルガメッシュは意外に大人の対応だった。
『ギルガメッシュ。シロウが許可したから家に上げているが、あくまで居候だ。我が物顔でうろつくことは、私が許しません。……私の部屋に一歩でも足を踏み入れれば、その命無いものと思え』
 他人に知られたくないエロ空間だしな。
『ふん。居候の分はわきまえている。雑種……いや、大家と呼ばせてもらうぞ。大家、我の部屋はどこにすればいいのだ?』
『いや、大家はちょっと……』
『そうか? それならば、士郎と。この王が名を呼ぶのだ、有り難く思え』
『な、なんて高慢な! シロウを呼び捨てなどと、それで分をわきまえているつもりですか!?』
『ま、まあ落ち着けセイバー。あとの一言が余計だけど、ただ名前で呼ぶだけなんだから』
『しかし……!』
『士郎の言う通りだぞ、騎士王よ。我が直々に淹れてやろう、茶でも飲んで少しは落ち着くがいい』
『キ、サ、マ、が言うかこの金ぴかぁぁぁぁあああ!!』
『セイバーーーーーーーーー!! 落ち着け! おまえバイト始めてから言葉荒くなってないか!? ぐわ、力つええぇぇぇ……!』
『士郎。生活費はどれほど必要だ? 我はくわしいことは知らんからな、とりあえず支度金に百万ほど用意したのだが』
『多っ』
『くっ。お金を持っているからと言っていい気にならないことですね、ギルガメッシュ!』
 げに恐ろしきは金の魔力。
 セイバーはバイトを始めてから、自分がどれほど衛宮家の家計を圧迫していたのかを知ったらしく、お金にはちょっとうるさい。
 目の前にどんと置かれた、帯付きの札束。
 うっ、と眩しいものを見るように手をかざして、それまでの怒りっぷりが嘘のように静まった。……うむ。金の力は偉大だ。
 それが先日のこと。
 いまではお互いの距離を理解したらしく、衝突することは滅多にない。
 しかし……セイバーは気付いていないのだろうか。
 ……気付いてないのかなあ。最近どんどんアホの子になってるし。
 オナニーのしすぎか?
 見れば人を圧倒する、たわわに実った乳房。ギルガメッシュにあるはずのない、女性としての象徴。よく見れば体つきだけではない。表情も男らしさというものが抜けて柔らかくなり、髪も伸ばしっぱなし。一見すると、さっぱりとした中性的な美人だ。
 背があるくせにひょろっとした印象だったギルガメッシュが、モデル顔負けのスタイル。
 ……セイバーのことだから、外見で判断しているんじゃなくて、態度や雰囲気で認識してたりな。『む。その高慢不遜な振る舞い。ギルガメッシュですね』とか。
「士郎。少し出かけてくるが、なにか買ってくるものはあるか?」
 考え事をしていると、くだんの青年……青年でいいのかなあ。おっぱい以外は見てないから、付いてるのか付いてないのかわからないけど。まあ、とりあえず。ギルガメッシュが、薄手のシャツに黒のジーンズという格好で居間に顔を出した。
 ギルガメッシュ、おっぱい大きくなってもそれがなにか理解していない節がある。というか、気にしていないようだった。……大物だよなあ。俺がおっぱい大きくなったらああはいかない。
「んー……。いや、特に必要な物はないかな」
「そうか。では行ってくる」
「ああ、行ってらっしゃい。気を付けてな」
「うむ」
 ぶるん、とひとつ胸を揺らして居間を出てゆく。
 ――なんてわがままなおっぱいだ。
 間近で見ると日本人とは比べものにならないほどの質量感。しかしギルガメッシュの長身と相まって、醜いほど大きいというわけではない。遠目だと均整のとれたほどよいバストサイズで、異国情緒漂うその風貌は、すれ違えば誰もが振り返る。
 なるほど、これが黄金律。
 ……それでどうしてセイバーはそこに突っ込みを入れないのだろう。
 やっぱり気付いてないからなのかなあ。気付いてないからなんだろうなあ。
 言峰は気付いてたからギルガメッシュに優しくなったんだろうし。あれは親父とはまた違うタイプのフェミニスト。
 セイバー……。おまえ、もう少し外に目を向けような。ちんちんばっかじゃなくて。
「む。ギルガメッシュは……」
「ああ、出かけてくるって」
「そうですか」
 ギルガメッシュが家を出て少しすると、セイバーが居間に顔を出した。
 セイバーの部屋着は動きやすいという理由でジャージ。といっても、上下で数万するようなやつだ。
 ……でも、なんだろう。このやるせなさ。
 楚々とした令嬢のようなセイバーはどこにいったんだ……。
 同じ金額でも、ギルガメッシュの着ている服の方が洗練されてるんですけど。
「セイバー、今日はバイト休みか?」
「ええ。ですから今日はゆっくりしたいと思います。積んでいたビデオも消化しなければいけませんし」
 セイバーの言うビデオって……エロビデオのことなんだよな。
 いや、もう慣れたけどさ。昼間からオナニー三昧か、セイバー。
「……それにしても」
 ずず、と俺の淹れたお茶を啜りながら、セイバーは口を開く。
「ギルガメッシュからいい匂いがするのに最近気付いたのですが、なんなのでしょうね。香水とも違うような気もしますし」
「……おしい」
 多分あれはギルガメッシュの体臭なんだろうな。というかそれに気付いてるんなら、ギルガメッシュのおっぱいにも気付くと思うんですけど。
「それに、認めたくないのですが……。時々、ギルガメッシュの何気ない仕草にどきっとしてしまうことがあります。……シロウ、私はどこかおかしいのでしょうか。あんな男、全然趣味じゃないんです。触れるだけで虫酸が走りそうなのに、体が反応してしまう。なんだか凄く気持ちが悪い……」
 ひでえ言われようだな、ギルガメッシュ。なんでそんなに嫌われてるんだ?
 でもセイバーの言い分は俺も分かる。
 最近妙に艶っぽいんだ、ギルガメッシュは。
 匂い立つ年上のエロス。性少年まっさかりのセイバーにはきついだろう。
 まあ、セイバーは無意識に否定しているようだけど。
「セイバー、この頃剣握ってるか?」
「へ? 剣……ですか? いえ。もう剣で生きる時代ではありませんし……」
 誓いはどこにいったセイバー!?
「……精神修行が足りないじゃないか」
「そうですか……。それではしばらく稽古をすることにしましょう。道場を借りても構いませんか?」
「ああ。好きなだけ使ってくれ」
「すまないシロウ。迷惑を掛けます」
 が、立ち上がる気配も見せず、セイバーはごろりと横になってテレビを眺めている。
「……セイバー。稽古するんじゃないのか」
「え? ああ、明日からです、それは。明日から。ちゃんと稽古しますから心配しないで下さい。克己たる心を身につけ、新生セイバーとしてシロウの剣となり盾となろう」
 ケツ掻きながらその台詞を言うなーーーーー!!!
 ……切嗣。こいつもうだめだ。
 あの凛と美しかったセイバーはもう思い出の中にしかいない……。
「さて、シロウ。私は部屋に戻ります。お昼になったら呼んで下さい」
「……わかった」
 開き直るしかないよなあ、もう。
 セイバーが居間から出て行くのを見届け、俺も腰を上げる。
「どっか行こ……」
 財布をポケットにねじ込み、気分転換にと外へ出た。





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