fate もし35 (傾:ほのぼの 


メッセージ一覧

1: 久遠 (2004/04/17 00:19:44)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:fateもしは電波製なのです。

 注意2:一部のキャラが原作とは性格が異なる場合があります。

 注意3:今回前振りは日本より哀を込めてです。
 
 注意4:今回修羅場はございません。

  以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。
















 









 「サクラ、お腹がすきました」


 もう限界です。
 

 「はい、コレをどうぞ」


 手渡されたカップ麺。

 …………はっ!?  


 「サ、サクラ! コレはあんまりじゃないですか!?」


 「え〜、だって先輩いないし〜」


 そう言ってゴロゴロとダンゴ虫の如く転がるサクラ。

 むむ、コレはピンチです。

 シロウ達の料理で舌の肥えてしまった私に再びインスタント食品を食べれるか?

 答えは否、あの至極の料理の味を知ったからにはとてもとても。


 「ランサー、貴方はどうなのですか?

  貴方だってまともなものを食べたいでしょう?」


 「んにゃ別に、オレって基本的に何でも食べるから。

  あっ! あのウメボシとかってのは別だぞ、アレは無理だ」


 くっ! 役に立ちませんね。

 って!


 「ギルガメッシュ! 貴方は何を一人で食べているんです!?」


 独り占めは王としてどうかと思いますよ!?


 「ん? これは雑種が作りおきしてた物をレンジでチンしたのだ。

  味は作りたてに比べると落ちるが耐えられないレベルでもなかろう」


 そう言って最後の一口を食べる英雄王、

 あ、あああ〜!

 も、もう完全に限界です! 貴方を料理です!


 「お、おいセイバー! 貴様何を武装しているんだ!?
 
  飯が食べたければ自分で用意すればよかろう、って何だその目は!?

  我は食材では……ぐああーーーー!!!」

 
 うう、お腹すきました……。

 そして私は泣く泣くカップ麺に手を伸ばし、


 「ぷは〜〜、満腹満腹。

  も〜はいんなーーーい」
 
 
 プチッ!

 
 「タイガーーーーーー!!!」


 「私を虎って言うなーーーー!!!」












       fate/stay night もし35


 
 ……何故だ? 日本に帰ったら偉いことになる気がする。


 「どうしたの士郎? もしかして昨日の疲れが残ってる?」


 遠坂、心配そうに聞くぐらいならお仕置きは止めてくれ。

 
 「どうでもいいけど、アンタさっきから全然進展してないわよ。

  いい加減諦めたら?」


 五月蝿い! オレは、オレは絶対にプラ犬にお手をさせるんだ!


 「プライミッツ、お手!」

 
 即座に顎を乗せてくるプラ犬……なんでさ?

 そのまま顎を撫でると気持ちよさそうなので良いんだけどね。


 「ふーん、私もやってみようかしら?

  プライミッツ、お手よ!」


 ……遠坂をチラリと見てまたオレの手に顎を乗せるプラ犬。

 あっ! 遠坂さんがプルプル震えてるよ。

 
 「良い度胸じゃない! この白犬!」


 いや、相手にならんから止めとけって。


 「ふふ、やはりお犬さんにもミス・トオサカが強暴だと伝わるようですね」


 「何ですって!? だったらアンタもやってみたら!?」


 「それでは庶民と貴族の違いをお見せしましょう」


 そう言って自信満々にプラ犬の前に"骨付き肉"を持って座るルヴィア。


 「お手を、プライミッツ」


 カプ、


 …………あ、噛んだ。


 「い、いやーーーーー!!!!」


 「ほーほっほっほっ! ミス・エーデルフェルト。
 
  庶民とお貴族様の違い、しっかり拝見させてもらいましたわ」


 泣き叫ぶルヴィアに勝ち誇る遠坂、大人気ないな〜。


 「ほらプラ犬、からかうのもそれ位にしとけ。

  ルヴィア、大丈夫だからさ、泣き止めって」


 オレはルヴィアの豪奢な金の髪の毛を撫でながらあやす。

 何ていうか妹がいたらこんな感じかな?

 時々ロリ姉とかアルトでも感じるけど。

 
 「う〜〜〜、士郎、私も」


 遠坂まで幼児退行してるし。

 そのまましばらく二人の髪を撫でる。


 「あれ、何やってるのよ士郎?」


 破壊の権化青子さんが来ましたよ。

 オレが此処であったことを説明すると、


 「おもしろそうね、プライミッツ、お手!」


 その言葉に反応して後ろ足を乗っけるプラ犬……。


 「へー、やってくれるわね。犬畜生が……!」


 滅茶苦茶怖いっす!

 今まででベスト3に入るぐらい怖いっす!

 明日のTOPニュースは「原因不明 地図から消えた倫敦」で決まりか?

 ……シャレになってないよ。

 
 「ん? 何を遊んでいるんだ?」

 
 おお! ご都合主義的だがナイスタイミングだ赤いの!


 「アンタもお手をやらせて見なさい」

 
 据わった目で"命令"する青子さん

 
 「お手?……まさかガイアの怪物に対してか?

  まあ、やれと言うならやるが……お手」  


 ワン、とばかりに赤いのの手に前足を乗っけるプラ犬。


 「ふむ、ガイアの怪物とは言ってもかわいいものだな」


 ……悔しくなんてきっとない、プラ犬と戯れる赤いのが霞んで見えるけど。


 「くくっ、ははは、あーはっはっはっ!」


 突然三段高笑いをしてくる青子さん、壊れたか?

 
 「私も軽んじられたモノね、いいわプライミッツ。

  今日のところは士郎と赤いのに免じて見逃してあげる!」


 そう言って走り去るマジックガンナー。

 あっ! 人跳ねた!


 よく解らんが赤いのの一人勝ちか?
 


 続く・・・のか?





 あとがき

 どうも久遠です。

 プラ犬で遊ぼう……もといプラ犬で遊ばれたです。
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。

2: 久遠 (2004/04/20 23:43:10)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:fateもしは電波製なのです。

 注意2:一部のキャラが原作とは性格が異なる場合があります。

 注意3:前振りで使われている英語については突っ込み不用です。
 
     翻訳サイトで翻訳しただけなので。
 

     傾:ほのぼの M:フィナ?


  以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。























 出会いは何時だったのだろうか?


 たしか切嗣に連れて行かれた倫敦でのことだ。


 おそらくオレは切嗣が夜遊びに出かけたため暇だったのだろう。


 部屋を出て夜の街に散歩に出かけた。


 街を歩く。


 家々には明りがともり談笑が聞こえてくる。


 刻限はたしか深夜に届かなかったと思う


 なのに誰一人として外にはいなかった。


 子供だったオレはそんなことを疑問にも思わず昼間見つけた公園に向かう、


 そこには、



 ――黒き女神が月を眺める一枚の絵画が存在した――



 オレは見惚れていたのだろう。


 その絵画に自分が踏み入ったことにすら気づいていなかったのだから。


 「Don't you think that the moon is a beautiful night?」

 (月の綺麗な夜だと思わないかしら?)


 黒き女神が流暢な英語で話しかけてくる。


 見た目アジア系のオレに対して……英語圏だったからか?


 オレはいきなりのことに思考が停止して呆けていた。


 「You will be a wizard.

 (あなたは魔術師なのでしょう。)
  
  If it is it,Does my thing know?」

 (それなら、私のことは知っているのではないですか?)

 
 この時オレはまだ英語をしゃべることが出来なかったため、


 その問いに答えることが出来なかった。


 ……スペイン語ならいけたのだが。

















       fate/stay night もし36

 

 ん、昔の懐かしい夢を見た。

 アルトと初めて会ったときの夢。

 あの後何を話したかも覚えていないが青子とは違った意味で衝撃的な出会いだった。

 
 「起きたか、シロウ」


 その声に導かれ、左を見れば……おっきなアルトさん。しかも裸。

 はっはー! どうやら未だに夢の中らしい。

 オレは衣服の乱れがないか確かめながらソレから目をそらす為に右を見る。


 「しっろう君、今日も朝から愛しているよ!」


 そんな変態に寝ながらにして必殺の右をお見舞いして黙らせる。

 何か天国と地獄を同時に味わった気分だ。


 「は〜、おはようアルトルージュ」


 「うむ、中々に良い朝だぞ」


 吸血鬼が良い朝ってどういうことだよ?

 それにしてもライダーが朝から来てないって珍しいな。


 「ん? あの石化の魔眼の女か?

  アレならシロウに朝食を作りたいからと、

  アーチャーとやらに弟子入りしていたぞ」
 

 へー、ライダーがねー。

 赤いのが教えているなら大丈夫かな?


 「それにしても、久方ぶりに夢を見たぞ。
 
  まだシロウが小さな頃の、私と初めて会ったときの夢だ」


 むむ、オレと同じ夢を見ていたのか。


 「ふふ、僕もさしっろう君! 君と初めて夜を共にした時の夢を見たよ!」


 「よし、忘れろ!」


 オレは即座にフィナの顎の先を掠めるようにジャブを撃ち、脳を揺さぶる。

 ついでに、頭の上に百トンハンマーを投影して打ち下ろす。

 よし! アホが消えた。


 「ふ〜、フィナも普段は真面目なのだが。

  どうもシロウと会うと羽目を外すな」


 何!? コイツが真面目だと!?

 そんなのセイバーがご飯の御代わりをしないぐらいありえないぞ!!


 「さて、何時までも温もりの内に居るわけにもいくまい。

  起きて朝食を食べるとしよう」


 んー、やっぱり大きいとお姉さんって感じがするな。

 ハンマーの下で潰れたフィナを置いて食堂に向かう。

 ん?

 
 「ちょっ! アルト! 服着てけよ!」


 そのまま食堂に行かれたら、オレの血で食卓が彩られてしまうじゃないか!
 

 「減るものでもないだろう?」


 「いや、確実にオレの命とか色んなのが減ってくから」


 うう、何でこんなに非常識かなこのお姫様は……。

 もしくは王族って皆こうか?

 そういえばセイバーもギルッチも非常識だな。
 

 ははっ……笑えねー。

 
 「大丈夫だよしっろう君! アルトルージュ様の裸体が減ろうとも、

  僕の美しい裸体がまだ残っているじゃないかーーー!!!」


 そう叫びながらビキニパンツ一丁でオレに飛び掛ってくる変態(フィナ)。

 
 「I am the bone of my sword(我が骨子は捻じれ狂う)」


 「逝ってこい! 似非・螺旋剣(エセ・カラドボルグ)!」

 
 「しっろう君! また来週ーーーーー!!!」

 
 ドリルの如き一撃で錐揉みしながら窓の外へ吹っ飛んでいく。
 
 オレ式の改造を施した螺旋剣は一味違うのだよ。 
 
 とりあえず来週どころかもう来るな。


 「う〜、朝から五月蝿いわね。もう少し静かに出来ないの?」

 
 「言うことはそれだけなのか、遠坂?」

  
 何時もの朝の不機嫌モードの遠坂に言ってやる。
 
 お前も大概神経が太いな。

  
 「ん〜、もう慣れた?」


 何で疑問系なのさ。


 「は〜、家に早く帰りたいような帰りたくないような」


 帰ったら帰ったで大変そうだけど。


 「まだ良いんじゃない? あっちには桜だっているし大丈夫でしょ」
 

 それもそうか、セイバーもお腹一杯食べれてるかな?


 (シロウ、お願いですから早く帰ってきてください!)
 
  
 ん、幻聴だな。


 食堂にさっさと行きますか。
 
 ライダーが作ってくれるらしいから多少ドキドキしながら歩き始めた。

 いやはや、フィナの一件を抜かせば良い朝だね。




 続く・・・のか?





 あとがき

 どうも久遠です。

 前振りを書いていたら短編が出来たアホです。

 その為一から書き直し、ちょとしんどいです。

 そして、何時になったら帰国するのか士郎君達。

 それは作者にも解らなかったり。
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。

3: 久遠 (2004/04/23 23:06:00)[kuon_kurotuki at hotmail.com]

  
 注意1:fateもしは電波製なのです。

 注意2:一部のキャラが原作とは性格が異なる場合があります。

 注意3:前振りのあの人ですけど……イメージと違ったらGOばっくです。
 
 
  以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。






























 前振り異召喚列伝 (三枝さん)
 

 「え、えと……衛宮君? あ、あれ?」

 青の槍兵の死の一撃からオレを守ってくれたのは、

 「さ、三枝……? へ? どうなってるんだ?」
 
 「あ、あの……私にもよく解らないんだけど。

  私がせいばーで衛宮君がご主人様って事みたいだけど……」

 オレの学校の癒し系の女の子でした。


 「え? さ、三枝さん!?」

 「あっ! と、遠坂さん。こ、こんばんわ!」

 「こ、こんばんわ、ってちょっ、ちょっと衛宮君! どう言うことよ!?」

 いや、オレに聞かれても解らんぞ?


 「あわわ〜」

 ドテッ、と言う効果音を立てて三枝が転ぶ。

 明らかに身体に合わないサイズの剣なんか使うからだぞ?

 そして飛んでいった剣は……バーサーカーの股間に突き刺さっている……。

 思わず腰を引きながら両手で大事な部分を守る。

 「よ、よもやただの一度で私を殺しつくすとは……見事だ」

 そう言いながら消えていくバーサーカー。

 後には呆然としたイリヤと転んで涙ぐむ三枝だけが残っている。


 「衛宮ーーー!!! 頼むからサーヴァントを交換してくれーーー!!!」

 「俺は天才だ〜! ア○バ流北斗神拳をくらえ〜!」

 「アホか!? お前なんかが勝てるわけないだろ!!」

 変な奴と戯れる慎二。桜が心配していたぞ?
 
 三枝、見ちゃダメだ。アホが移る。
 

 「あうあう、ど、どうしよう衛宮君……?」

 金ピカを前に何も出来ずうろたえる三枝。

 何気に涙目&上目使いである……萌えだ。

 「……おい、雑種。この娘をどうにかしろ。正直戦う気にならん」
 
 おおっ! 三枝のポヤヤンアタックが効いたか!?

 「くっ! ア、アメでも舐めるか?」

 何処からか出したペロペロキャンディを三枝に渡す金ピカ。

 どうやら思っていたよりもいい奴のようだ。


 「三枝、責務を果たして……すまん、金ピカ。

  変わりにやってくれ」

 「ふん、いいだろう。――天地乖離す開闘の星(エヌマ・エリシュ)――!!」

 今回は回りに余り被害が及んでいないようだ……今回?


 「よ、よく解らなかったけど終わったね」
  
 「ああ、三枝のおかげで被害が少なかった。ありがとう」

 「そ、そんなお礼なんて……」

 「……おい娘、英霊の座に本気で戻る気なのか?」

 「うん、ここにはここの私がいるから。

  それじゃあ衛宮君、金ピカさんお疲れ様でした」
 
 そう言ってペコリと頭を下げて三枝は朝焼けの中、


 「あ、あれ? どうやってえーれーの座に戻るの?」

  
 まだいた。

















       fate/stay night もし37

 

 「ちょっと待てい、三枝! 

  お前は何をもって英霊になりやがりましたか!?」

 
 何でやねーん! といった具合に突っ込みを入れつつ起きる。

 最近こんなのばっかりな気がするがスルーの方向で。

 いやね、本気で訳解らんしさ。

 
 「……シロウ、私という良妻が居るのに他の女の夢を見るなんて……」
  

 へ? ラ、ライダーさん!?

 今日も朝から騎乗スキル全開ですか?

 それよりその手に持った鎖つきの尖ったのは、

 尖ってるので、尖った所が痛いと思うのですがどうでしょう?

 しかも何気に鎖で手が縛られてますし……SMですか?

 これは朝からピンチか!? 
 
 
 「ちょ、ちょっと待ってくれ! そ、そうだライダー!

  何でも言うこと聞くからこの場は穏便にすまそうじゃないか!」

 
 先端は止めてくれ、色々と怖いから。

 先端から逃れる為なら悪魔に魂でも売りますよ?

 
 「え……何でもですか?

  ……ふふ、何をしてもらいましょう?

  やっぱり結婚式はしっかりとしておくべきでしょうか?

  それとも、ここは子作りに励んでもらった方が……」


 はっはっはっ、何か桜見たいだぞライダー?

 しかもかなーりやば目な発言をしていらっしゃるじゃないですか。

 逝っちゃってるライダーをそっとして置いて、

 脱出をしたいと思われます。
 
 
 「士郎ー。今日は青子ちゃんとデートに行くわよ」


 ……何をどうしたらそうなるのかね?

 しかも自分で自分を青子ちゃんとか言うなよ……。


 「む、ちょっと待ってくださいアオコ。

  シロウと私は今からラブラブゲッチュなご関係になるのです」


 ラブラブゲッチュなご関係って何ですか?

 ……いや答えなくていいです、聞くと後戻りできそうにないんで。


 「あらあら、士郎よりも背が高いライダーは……引っ込んでなさい」


 そう言い捨てて謎のファイティングポーズをとる。

 イヤッハー! それはライダーに禁句だよ青子しゃん。


 「……どうやら貴女とは一度きっちり話をつけとかなければならないようですね」


 殺る気ですか? 殺る気なんですね!?

 眼鏡を外しこれまた謎の、獣が這い蹲るような姿勢をとるライダー。

 その姿勢故に見えた胸の谷間にズームイン!

 ってそんなアホなことしてる場合でナッシング!

 頼むからオレから数十キロ単位で離れてやって下さい。

 セイバー! マスターがライブでピンチだぞー! 助けろー!

 オレの必死の呼びかけに令呪はピクリとも反応しない。

 まあ、流石に日本から倫敦までは令呪でも無理か……。

 その時脳裏に空腹で倒れたセイバーと全壊したオレの家が霞める……。

 今のビジョンは何でしょうか?
 
 ぬぬ、ちょっと日本の方が心配になってきたぞ。

 ここは赤いのに任せて帰国するべきか?

 よし! そうしよう! おーい赤いの! 任せたぞー!

 
 「断る」


 一刀両断! と言った感じで断られた……なんでさ?

 
 「どうしてだよ赤いの!? オレとお前の仲だろ!?

  粉骨砕身な具合にオレをヘルプミー!」


 「どこから突っ込むべきか迷うな……。

  とりあえず飯ができたぞ、あの二人を連れてさっさと来い」


 そう言い残して颯爽と赤い外套を翻して食堂に去っていく赤いの。

 その背中からは『お残しは許しまへんで!』と言った気迫がにじみ出ている。

 むむ、ご飯を残すのは主夫としてダメだな。


 「おーい、飯が出来たらしいから食堂に行くぞー!」


 二人に一応声を掛ける。
 
 ……返事が無い。どうやら、ただの屍……じゃなく馬の耳に念仏らしい。

 よし、後が怖いけど二人を置いて逝こう!
 
 食堂に行けば皆の衆も居ることだしいざと言う時に安全であるはずだ。
 
 無能変態ホモバリアー、フィナもあることだし一撃ぐらいなら耐えられる。
 
 まあ、対策については飯食ってから考えるか。

 食堂からはいい匂いが漂ってくる。

 今日は何かな〜。
 



 続く・・・のか?





 あとがき

 どうも久遠です。

 三枝さんについては投稿掲示板に素晴らしい作品がありますので、

 このSSの三枝さんでダメージを受けた方はそちらで回復してください。

 今回も朝から進みませんな、未だに倫敦ですし……。

 朝起きて〜修羅場になあって〜、また朝になって、修羅場になあって〜。

 いい加減このスタイルを変えたいですね。
 
 次回かその次ぐらいには日本に戻りたいです。

 電波よ! いい感じで来てくれ!
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。

 ネタ
 >「俺は天才だ〜! ア○バ流北斗神拳をくらえ〜!」
 北斗○拳に置いてその発言はお笑い系の最高峰と言えますよ。

4: 久遠 (2004/04/27 01:03:06)[kuon_kurotuki at hotmail.com]

  
 注意1:fateもしは電波製なのです。

 注意2:一部のキャラが原作とは性格が異なる場合があります。

 注意3:前振りのあの人はきっとこうなるのです。

 
 
  以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。






























 前振り異召喚列伝 (遠坂さん)
 

 「あら? もしかして……士郎?」 

 へ? 何で俺の名前をこの眼鏡の美人さんは知っているとですか?

 「やっばー……もしかしなくてもこれって聖杯戦争じゃない……」

 えっと……何がなにやら?

 「まあ、こうなっちゃったもんはしょうがないって事で。

  サーヴァント、ゼルレッチ。召喚に応じ参上したわよ」
 
 はあ、どうも衛宮士郎です、よろしくお願いします。


 「ちょっと貴女!? 何で宝石剣を持ってるのよ!?」

 と、遠坂さん? 何をそげに怒っているとばい?

 「別に? 私が第二に到達したってだけのことじゃない。

  ねえ? "アーチャー"?」

 そう遠坂の赤い弓兵に対して凍りつくような笑みを向けるゼルレッチ。

 「そ、そうだな……。(な、何故に彼女が聖杯戦争に居るんだ!?)
 
  (と言うよりもオレの今の状況はライブでピンチか!?)」

 汗をダラダラと流しながら乾いた笑みを浮かべる赤いの。

 大丈夫か?


 「衛宮ーーー!!! 頼むからサーヴァントを交換してくれーーー!!!」
 
 「カカッ! 何を言うておるか慎二。ところで飯はまだかのお?」
 
 そう言う英霊ゾウゲン。

 「そうじゃぞ、英霊のワシの言う通りじゃ。

  ワシらが二人もいれば怖いもの無しじゃぞ?

  ところで桜はどうした? そろそろ飯の時間ではないかのお?」

 そう言う間桐臓硯。

 「くっそー! このボケ老人コンビめ! 老人は老人らしく縁側で茶でも啜ってろ!」

 慎二、別に老人じゃなくても縁側で茶は啜るぞ? 


 「ふん、雑種どもよ我の財宝を見れること光栄に思うがいい。

  ――――王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)――――!」

 英雄王ギルガメッシュがその宝具を使用する。

 「今よ! 士郎! アーチャー!

  中にあるものありったけ盗って来なさい!」

 「なっ! 門が勝手に!? 女! 貴様一体何をした!?」

 うろたえる英雄王、当然だな。

 「良いからアンタは黙ってなさい!

  犬に噛まれたと思っておけばちょっと楽よ!」

 「な、何がだ!? ん? おい雑種ども!?

  王の財宝を暴くとは何事だ!?

  ま、まさか全部持っていく気か!? エアぐらい残していけ!」

 そうもいかないんのだよ英雄王。 

 ゼルレッチに逆らうと後が怖いんだ……。

 「ああ……。我が集めさせた財宝が……」

 後には一人黄昏る人類最古の英雄王だけが残っていた。


 「それじゃあ聖杯を壊すわよ」
 
 厳かに告げるゼルレッチ……いや英霊トオサカ。

 「あっそれとアーチャー……いえシロウ?

  英霊の座に戻ったら……覚悟しときなさいよ?」

 その発言によってガクガクブルブルしだす赤い……未来のオレ。

 「ああ……時が見えるよセイバー……」

 絶対にコイツ見たいにはならんぞ!!

 絶対だ!!

 「んじゃね士郎。私をよろしくね」

 「さらばだ衛宮士郎……強く生きろよ」

 そう言って赤い悪魔と赤い騎士は朝焼けの中に消えていった。

 ああ、ゼルレッチ。

 絶対に遠坂をお前みたいにはしないぞ!
 
 「よっし金ピカ! アンタ私のサーヴァントになって一生働きなさい!」

 「何を言いだす!?

  我が何故貴様のような小娘に……ぬ、宝石剣は止めてくれるがよかろう」

 後ろで何か言っているが……もしかして手遅れだったのだろうか?

 頬を冷たい何かが濡らしたがきっと朝焼けのせいだろう。












       fate/stay night もし38

 

 え、英霊トオサカ……そんでもって英霊エミヤ。

 まさかね……?

 オレが将来ああなると?
 
 否、断じて否!

 オレは素敵に無敵にダラケタ一生を終えたいんだ!

 ……もしかしてオレの状況の方があの赤いのよりやばいか?

 そう、飛行機の窓際の席で思ったりしました。

 ちなみに隣には……何故かプラ犬が乗っている。

 スッチーのお姉さんも普通に対応していた……恐るべしガイアの怪物!

 んでもって他の連中も適当に座っている。
 
 だが爺さんは自分で好きな時に行けるからいいと乗っていない。

 バゼットはまだお仕事中。

 遠坂とルヴィアは爺さんに渡された宝石剣のことで爺さんのとこにいる。

 フィナは当然荷物扱いだ。

 しかし結構長いこと向こうにいたなー。

 ……進級は大丈夫なのだろうか?

 …………まあ、いざとなったらこのメンバーの誰かに何とかしてもらおう。

 ん、ちょと眠くなってきたな。

 日本につくまでまだ時間があるし、寝るか。



 ………………はっ!?
 
 いかんいかん現実逃避でちょっと今日の飛行機内でのことを思い出してしまった。

 今オレの前には元衛宮邸がある。

 元というのは伊達ではない。

 それは家であったもののなれの果てだ。

 かろうじて門は残っていた。

 だが意味は無い。

 塀の所々に人型の穴が開いているからだ。

 ……ギャグか? もしくはなんかのドッキリとかじゃないのか?

 オレは愕然としていた。

 
 「……衛宮士郎。呆けている場合ではあるまい。

  あそこに見える道場の吹き飛び具合からしておそらくセイバーの聖剣によるものだ」


 おう、赤いの。夢ではちょと情けなかったが今は輝いているぜ!

 あれか? 英霊トオサカがいないからか?


 「……英霊トオサカ……」 


 ボソッと言ってみる。

 すると。


 「……い、嫌だ。これ以上は無理だよ遠坂!

  オレにだって色々とやることが……ぬはっ!

  と、遠坂さん? その宝石剣で何をするのですかーーー!?」

 
 そう叫んでバタリと倒れる赤いの……すまん。

 まさかそこまで磨耗していたとは……。

 お前の死は無駄にはしないぞ。

 
 「シロウ、とりあえず中に入りましょう。

  状況判断をするための判断材料が不足していますから」


 おおっ! ライダーが久しぶりに真面目だよ!


 「全く、私とシロウの愛の巣を壊すなんて……。

  犯人は解り次第……滅殺です」


 ……桜はいるよ、ここにもいるよ。

 ……日に日に桜化してるなライダー。

  
 「ふふふ、ここが僕としっろう君のスイートでアバンチュールでボンジョビな

  新居を建てる敷地だね?

  ちょっと散らかってるけど僕としっろう君の愛があればどうってことないよ!」


 ……パチン!

 とおもむろに指を鳴らす。


 「なっ! ちょっとリィゾ! 何をするんだ!?」


 「しばらく黙っていろ。話が進まない」


 フィナを縛り始めるリィゾ。

 何気にマニアックな縛り方だ。
 

 「くっ! これは僕が美しいこととしっろう君とラブラブなことに対する嫉妬だね!?

  横暴だぞ! そう思いますよねアルトルージュ様?」


 「リィゾ……。萌えないゴミは今日だせるみたいだよ?」
 

 可愛い顔で意外と怖いことを言うチミっ子アルト。

 
 「そ、そんな!? し、しっろう君!
  
  君の愛する僕のピンチだよ! 助けてメルシー!」


 いや、お前の語学能力と脳みそを真剣に心配したいぞ?

 
 「じゃあなフィナ。お前のことは三秒以内に忘れるから心配するな」


 そう飛び切りの笑顔で言ってやる。


 「……えへへ〜、しっろう君が僕に笑ってくれたよ!」


 ダメだコイツ……。

 オレはフィナのことをリィゾにまかせて家の中に入っていく。

 こ、これは壊れすぎだろ?
 
 オレが全部強化したんだぞ?

 念入りに……あっ! 土蔵は残ってる。

 ちょっと安心だ。

 ついでに見えた道場は赤いのが言ってたように破壊され尽くしている。

 セイバー、君に一体何があったんだ?

 庭を見れば……未だに彫像の如く佇むバーサーカー……漢だ。

 とりあえずバーサーカーのことはほっとくとして、

 問題はセイバー達だ。

 ロリ姉は自分の城があるって言ってたし、

 藤村組をのっとっていたので大丈夫だろう。

 藤ねえも同じく家に戻っているはずだ。

 ギルッチも何だかんだで無事だろう。

 桜は……アンリ・マユちゃんがいるから大丈夫だな。

 青いのはアサシンと仲が良くなった様なので柳洞寺の方だろう。

 セイバーは……どうなってる?

 他のメンバーにくっ付いているならいいのだが……。
 
 
 するとガラッと瓦礫が崩れる音がする。

 そこには、


 「シロウ?

  ……これは夢でしょうか?

  シロウが私の前にいる……」

 
 憔悴しきった騎士王がいた。
 

 「セイバー! お前どうして!?」


 セイバーに走りより倒れかけたところを抱きとめる。


 「ああ、本物のシロウだ……。

  シロウ……お腹がすきました」


 うん、セイバーだ。

 コイツはそれ以外の何者でもない。
 

 「ああ、直にご飯を作ってやるからな」


 「はい、シロウのご飯はとても美味しいです……」


 そう言ってセイバーは、


 グギュルウー!


 微妙な腹の音を立ててくれました。


 「あ、あのですねシロウ、

  これはここ数日まともなご飯を食べていないからで……」

 
 顔を真っ赤にして必死に弁解を始めるセイバー。


 「ああ、解ってるって。

  さっきも言ったけど直ご飯を作ってやるからちょっと待ってろ。

  それと、ただいまセイバー」


 「はい、おかえりなさいシロウ。

  お腹がすきました」


 感動の場面だろうに、

 やっぱりセイバーはセイバーだった。






 続く・・・のか?





 あとがき

 どうも久遠です。

 何故かセイバーさんが最後に美味しい所を持ってったり。

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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