Sword Strike2


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1: NAO (2004/04/17 00:16:57)[naosan at isis.ocn.ne.jp]

遠野2

「よし、準備完了」

と言っても、もっていくものなんて殆ど無いけど

着替えは申し訳ないが翡翠と琥珀さんに任せてるし、俺はといえばナイフと中身の少ない財布くらいのもんだ

先に居間で待つことにしよう

「準備は終わったよ」

居間に戻ると秋葉とシオンがいた

この二人もお任せのため、あまり用意するものが無いらしい


玄関の方から翡翠が走ってくる

「どうした、翡翠そんなにあわてて?」

はぁはぁ、と息を荒げる翡翠に問いかける

「いえ、アルクェイド様たちが到着したのですが・・・・・・」

そこで言いよどんでしまう

「どうしたの、翡翠」

秋葉が不思議そうにこちらを見てくる

「いえ、一人増えてます」

「はい!?」

なんですか、それは

「兄さん、まだどこぞの女の子を誑かしたんじゃないでしょうね!」

何かあればすぐそれか!

お兄さんは涙がちょちょぎれるぞ

「おはよう、志貴。元気そうで何よりね」

勝手に家に上がり、声をかけてきた女性。

それは数年前にほんの少しだけ話をした女性

俺の先生

俺の恩人だった

「先生!」

「んーとりあえず積もる話もあるけど、とりあえず長くなるから座って話しましょ」

後ろをついてきたシエル先輩とアルクェイド

二人とも畏怖と憎悪の表情がありありと浮かんでいた

更には俺に剣呑な視線が向けられて誠に緊張した空間になってる




退魔師 1

「さて、それでは出かけましょうか」

誠にそう言って、私は玄関に向かう

此処から他の土地に行くのは久しぶりの事だ

年に数回しか外出を許されない私は心躍っていた



「・・・・・久しぶりだな少女よ」

黒いコート、身長は二メートルもあろうかという男が私の正面に立っている

「あら、久しぶりですね」

目の前の男性をみて多少の動揺はあったけど、それを隠して普段どおりに答える

「実は話があってな。良ければ話を聞いてもらいたい」

どうでも良いとばかりの話し方

私、この人苦手なのよね。いろんなものが集まってるせいでいまひとつ心を読みきれないから

「そうですね。これから出かけますが、ご一緒していただけるなら話し相手にはなりますよ」

私の答えに可笑しそうにコートの男・・・・ネロ・カオスが笑う

「良かろう、目的地は同じなのだ。話し合い手になってもらうとしよう」


「紗那様、此方も準備が終わりました」

奥から二人の人影が歩いてくる

一人は祁答院 黒良(けどういん こくら」

瞑ったような目、大きな眼鏡。物腰は柔らかく、優等生と言った人物だ

結構身長がある割には優男で女装させたら凄い美人になりそうに見える


「まったく、黒良が遅いから悪いんだよ。私は悪くないからね」

「だから、月読様に敬語くらいは使ってくれって!」

もう一人、黒良くんの隣にいる女性

彼女の名前は祁答院 朱加(けどういん しゅか)

同じ苗字と言うことは、黒良とは兄弟ということ

ちなみに彼女が姉である

それにしても、似ても似つかないこの二人が双子だと言うのだから

神様は気まぐれと言うのが良くわかる



身長は黒良くんとは対照的に小さくて、身長は百五十あるのか?と言う程度

そのわりに出るところは出ていて、胸なんかは私よりもありそうだ

秋葉辺りが見たら卒倒するか、髪を赤くするかのどちらかだろう

赤茶けた長髪をポニーテールに結び、その表情には強情さが伺える


今日から戻ってくる間、誠と共に私の警護と世話をしてくれる人たちだ

「紗那様、その方は・・・・・」

ああ、そうか、朱加たちはこの人?に会うのは初めてでしたね

「私と誠の旧友です、今回の旅行に同行していただきますからよろしくお願いしますね」

黒良と朱加は怪訝そうな顔をして此方を見てくる

それもそうだろう、二人とも此処にいると言うことは退魔師

ならばネロさんの素性も自ずと察知していることだろう

でも、私たちは魔に組するから消すと言うような事はしない

人であろうとも、魔であろうとも、鬼であろうとも”人に害をもたらす”モノでないならば敵対しないのだ

それが私たちのあり方・・・・・・・・・・


衛宮 2

「ただいま」

家には誰もいない。

まぁ、そのうち桜とか藤ねぇとかイリヤとか遠坂とかが襲撃してくるだろうし

一成に付き合うついでに自分の買い物もしてきて良かったな

と、プルルと帰ってきたタイミングを計るように電話が鳴る

「もしもし」

「士郎!いるのね。いまからそっちに行くから」

ガチャリ

なんなんだ

いきなりその一言を言って電話が切れた

いつもは飯を食いたくなったら勝手に来るくせに

「来たわよ」

「早!」

こいつ、魔術でも使ってきたんじゃないだろうか?

もしくは近くの公衆電話からかけたとか!?

「どうしたんだよ、いったい」

「どうもこうも無いわよ、家に帰ったら結界が吹き飛んでるし・・・・

こんな手紙が来てたし」

ピラと三通の手紙を渡される

なになに

「以前よりお慕いしていました、本日の放課後体育館の裏・・・・・」

「だー、それじゃない!」

その手紙を俺からひったくる

どうやら混ざっていた恋文まで俺に渡したらしい

コイツの抜けてるところは変ってないみたいだ

気を取り直して、残った手紙を見てみよう

「元気かな?本日の昼食が終わった頃に”衛宮邸”に行くから茶菓子を用意しておいてくれ

宝石の大師父より」

なんだこれ?



もう一通は

「始めまして、冬木の管理者殿。挨拶は喜んで頂けたかな?

此方としては話し合いを行ないたい。戦力差はわかっただろうから大人しくしている事。

何処かに逃げてもすぐに見つけてやるからな      人形師より」


これまたわけわからん

「これって、なに?」

「なにじゃないでしょーが!」

ガーッと火を吐く怪獣遠坂ザウルス

「大師父って言ったら、魔法使いで・・・その・・・とんでもない人なんだから!

ついでにうちの結界を吹き飛ばせるような人形師は封印指定のあの人だけだし。

とにかく、なんかわかんないけどとんでもない事になってるのよ」

そりゃそうだろ

夢に見てた人と会えるってだけでも凄いのに、聞いた話だと封印指定とか言うとんでもない人にも追っかけられてる

とにかくそんな事よりも何故俺の家がその中心にされなくちゃならないのか、それが最大の疑問だ

「とりあえず、桜たちを巻き込めない。何とかならないのか?」

「んー、とにかく争いたくないみたいだからそれとなく大人しくして皆が帰った頃に戦闘開始する事にしましょう」



それまでは、大人しく話し合いに応じると・・・まぁ、その辺で妥協するしかなさそうだ

「解った、とりあえずそれで行こう」

俺はそう言って晩飯の用意に取り掛かることにした











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