ある世界に居る男 第一部 "part5" 


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1: (2004/04/16 21:49:19)[abarennjaa at yahoo.co.jp]

バースとヒカリが少女を家に送っていた数時間前
山の中腹にある穂郡原学園。
その学園にある弓道場の近くの雑木林。
そこで一つの戦いが終わりを告げていた。

そこには2つの影立っている。
そして、その影が見下ろしている先にはまた2つの肉塊がある。

肉塊の片方の名はアル・ハザード・エルハザード。
「死者の書」と呼ばれ、世界でも有数の世界最強の魔道書である『あの世の書』<ネクロノミコン>を書き上げた狂った詩人。
しかし、今は首も無く消えかけている。

もう片方の肉塊の名は遠阪。
日本でも有数の霊地である冬木市を管理し、極東に住みながらも「時計塔」から認められた魔術師の一人。
だが、今は胸を打ち抜かれ唯の肉塊に成れ果てている。

朝日が昇る。
そこにいるのは鎧を着た少女と銃を握り締めながらかつて遠阪と呼ばれた肉塊を睨みつける男。
静、
そこには動くものがいないのかと感じる程の静けさ。
と、

「・・・・・・・キリツグ、一つだけ質問をしていいでしょうか?」

少女・・・・「セイバー」が銃を握る男に問う。

「・・・・・いいよ」

男・・・・・「切嗣」は肉塊を睨みつけたまま答える。

「何故、何故自分から魔術師<メイガス>を殺そうとしたんですか?いつものあなたなら私に殺らせるのに・・・・・」

切嗣は表情を凍らせたままで微動だにしない。

「・・・・・答えてください。今のあなたは非効率すぎます」

セイバーは憤怒の顔で切嗣を睨めつける。
と、
切嗣が朝日に向かって歩き出す。
眩しそうに目を細めながら切嗣は答える。

「僕は唯「正義の味方」を目指しているだけなんだ。僕は・・・・・・「殺し屋」なんかじゃない」

答えになっていない。
しかし、セイバーは問えなかった。
なぜか?
それは
彼の顔が
あまりにも
悲しそうだったから





ある世界に居る男 第一部 "part5"







「で、何でこんなとこに来るのよ?」

「何でって・・・・・・言われてもなぁ」

今、僕らはキリツグの家の前にいる。










1-1、「キリツグ」と「少年」


あの子を家に送った後そのまま真っ直ぐ歩いていたら着いた。
ただそれだけ、
別に魔術やらなんやらで来たわけでも無く、
自分の意思で来たわけじゃない。
・・・・しかしさっきのあの子名門処なのかなぁ?

「ねぇどうする?」

「ん?何が?」

と、彼女がハァ?と顔を歪める

「あんた本当に魔術師?」

・・・・・・ちょっと傷つくよ。今のは・・・・・

「そこまで言わなくてもいいんじゃないか?」

これでも魔術師として生きている事を誇りに思ってるのに・・・・・

「ここは敵陣よ?もう少し警戒心とかないの?」

「・・・・・ん〜あんま意識しないかな?それに今は真昼だし」

こんな時間に襲うなんて事はそう無い。
一般人に気づかれたらそれぞ聖杯戦争どころじゃなくなる。
それに魔術師は基本的に夜行性だし・・・・・・

「だから今の内にやっとくんじゃない」

「・・・・・不法侵入しろと?」

「まぁそうなるんじゃない?」

ハァとため息を吐いてしまう。
確かに英霊ってのはその時代に必要なだけの情報しかとれない、もしくは与えられないってのは聞いたことはある。
しかしここまで常識が無いとは思わなかった。

「あんた今かなり失礼なこと考えたでしょ?」

またため息を吐く。

「あぁ、かなり失礼な事考えた」

瞬間、
顔にコブシがめりこむ。
痛い。こりゃ痛い。

「痛いじゃないか!正直に答えたのに!」

「普通正直に答える?!・・・・・・馬鹿」

正直ものは・・・・・足元をすくわれるってか
・・・・ん?

「ねぇ」

「何よ?」

彼女はそっぽを向いたまま答える。

「あれ、何だと思う?」

「あれ」を指す。
あれは何だ?
彼女も振り向いて、目を細める。

「あれは・・・・・ノート・・・・手帳じゃない?」

「手帳・・・・?」

気になる。すごく気になる。
・・・・・・・・・

「何?気になるの?」

彼女が何故かニヤニヤしながら顔を見てくる。
何かむかつくなぁ。

しかし、
手帳はキリツグの家の庭にある。
・・・・やばい。すごく見たい。

「行く?行くの?」



くっ、背に腹は代えられない。

「わかったよ。行くよ。行きますよ」





1-2、

お邪魔しま〜す。
一歩二歩三歩
・・・・・あぁ忍び足になっちゃうのは何でだろう?

「もっと早く歩けないの?」

いつの間にか彼女が庭に立っている。
早い、

「アサシンってのは伊達じゃないな」

「私は暗殺稼業に生きてきたのよ?音を出さないで歩く事くらい出来なきゃ」

え?

「のわぁ?!」

いつの間に?!
この距離を?!
一瞬でか?!
ムガッ?!
彼女に口を塞がれる。

「バカッ!気づかれたらどうするのよ!サツがきちゃうじゃない!!」

こいつは犯罪者か?
彼女の手をどける。

「悪かった悪かった。俺が悪かった」

一応謝っておく。

「分かればいいのよ。わかれば」

彼女は頷きながら歩く。
やっぱりすごい。
僕も歩きながら頷く。




僕の足の下には手帳がある。手帳には『衛宮 切嗣』と書かれている。
取れたい。しかし・・・・

「取ればいいじゃない?」

悪魔の囁きが聞こえる。
そうだ。取ってしまえばこっちのものだ。いや、しかし、

「何で拾わないのよ?早くしないとその・・・・・キリツグって奴に見つかっちゃうじゃない」

確かに。早く行動を起こさないと見つかってしまう。
しかしこれにはキリツグのプライベートが・・・・・・

「・・・・・・・・・・・」

僕はどうすればいいんだ?ここは一旦引く・・・・いやそれは駄目だ。キリツグが取りに来るかもしれない。
ならば取ればいいじゃないか。・・・・・駄目だ。僕はプライベートを見る権利は無い。いや、しかし・・・・・

「じれったいわねぇ〜。わたしが取るわよ?」

いや、僕には・・・・・・
って、

「何取ってるんだよ!」

と大声で叫んでしまう。
と、
彼女の顔が固まっている。

「・・・・・・・・これは・・・・」

彼女の顔に表情が無くなる。
そして僕に差し出す。
僕はそれを開いた。
そこにはキリツグの「日常」が書かれていた









11月25日

七人殺害
襲って来た。

11月26日

零人殺害
今日は何もしていない

11月27日

弐人殺害
「依頼」通りに殺した

11月28日

壱人殺害
「依頼」通りに殺した。

11月29日

伍人殺害
襲って来た。

11月30日

参人殺害
「依頼」通り殺した。
帰りに襲われた。







etc、etc、etc







何も言えなくなった。
延々と書かれ続ける「日常」
これが「日常」
彼にとってはこれが「日常」
唯殺し、唯殺し。
それはまるで感情の無い人形。





○月□日

参人殺害
少年と出会う。
敵で無い確立が高い





それは僕とキリツグが出会った日。
僕にとって第二の誕生日みたいなもの。
しかし、彼にとっては「これ」以外に書く事は無い。
と、


○月×日

零人殺害
少年が魔術の素質がある確立が高い。
魔術師になって欲しくない。
なって欲しくない。
なって欲しくない。
なって欲しくない。
なって欲しくない。







なって欲しくない。
だが、危険だ。少年は狙われる危険性がある。
しかし、なってしまったらこの少年も僕みたいになってしまう。
駄目だ。
駄目だ。
駄目だ。
駄目だ。
駄目だ。







駄目だ。
しかし、少年はなりたいと言った。
悲しい。
悲しい。
悲しい。
悲しい。
悲しい。






悲しい。
僕はこの少年が「好き」だ。
初めて「僕」を見てくれたから。






手帳いっぱいに書かれた初めて見たキリツグの「気持ち」。
涙が浮かんできた。キリツグの「気持ち」がわかったから。





×月△日

弐人殺害。
少年が見てしまった。
もう終わりだ。
僕はまた「あの」日常に戻る。




そこからはまた「あの」日常に戻っている。
手帳を閉じる。
前が見えなかった。
僕は泣いていた。
同情して悲しいのかもしれないし、キリツグの気持ちが分かって嬉しいのかもしれない。
唯泣いていた。








「感動の所悪いんだが死んでもらうぜ?」

え?

「危ない!!」





2-1、獣人と魔女


体が引っ張られる。
浮いた感覚

ドン!
       ドン!
   ドン!

銃声。
僕の居た場所に穴が開く。
周りを見る。
塀の上に二つの影。

「へぇ・・・・・強いじゃねぇか」

「彼らも唯の人間じゃないと言う事よ」

一人は金髪を後ろに束ねた青い目の男。

「こりゃめんどくさい事になりそうだなぁ」

金髪の男は心底めんどくさそうに嘆く。

「頑張ってね」

答えるは涼しい顔をして笑っている女の人。ここまで感じるほどの魔力・・・・・・僕と同じ封印指定か?

「頑張ってねって、手伝わないのかよ!」

「・・・・・・貴方、今英霊よ?その前に私の使い魔よ?わかる?」

男はウッっとあとずさる。
彼女は勝ち誇ったように、

「貴方が死んだあ後「彼」の要望で貴方を「召還」したのよ?別に私はよかったんだけど・・・・・それに今は私に「召還」されたんだから私の命令は絶対よ?」

・・・・・・最近英霊になったってことか?
でも最近そんな人出てきたなんて聞いたこと無いし・・・・・・

「わかったよ、わかった。OK,OK。俺が殺るよ」

男は観念したのかこちらにやってくる。

「ってことだ。悪いが死んでもらうぞ」

男はそう言って背中にある銃を取る。
男の持つ銃はSPUS12。
魔力の感じない唯の銃。
いや、魔力を感じなくとも英霊の持つ武器、確実に何かある。

 マジック   スタート  フルバースト        ■■■   オープニング
「魔術   開始   &    超特化   or     魔眼    解放」

彼女も戦闘態勢に入る。

 マジック  フィニッシュ
「魔術   終了」

彼はほぉと、おもしろそうなモノを見たような顔をしている。

「こりゃめんどくさそうになりそうだ」

と笑いながら言う。

「一つ聞いていいかい?」

気になる。この男は何の英雄なのか。

「あ?何だ?」

「あなたは何の英雄?」

男は頭を傾ける。

「英雄?オレは何もしてないぜ?」

え?

「ならあなたは何者?」

それを聞いた瞬間男は笑う。
そして男は答える。

「オレの名はジャン・ジャックモンド。スプ・・・・・・いや、今は英霊か」




















つづくぅ

2: ん? (2004/04/16 21:49:54)[abarennjaa at yahoo.co.jp]

あとがき

読んでくれた皆さんども、ん?です。
久しぶりの更新は気持ちいいですねぇ〜ホンット。
今回は初クロスです。
ネタがじぇんじぇん無かったんですが・・・・・友達の家に行ってある本を借りたら

ズキュ―――――(。Д。)――――――ン

と来ましてねぇ。早速使ってみました。ネタ分かる人いるかなぁ?
と、今回はステェタスと言うものも書いてみました。
どうぞ見て来て触ってください(ぇ?


     ランサー

マスター ???
真名   原田 佐之助
属性   秩序・善
筋力   A
耐久   C
俊敏   C
魔力   D
幸運   C
宝具   B
クラス別能力 対魔力D
       単独行動B
技能     矢避けの加護C
       直感C
       必殺A
宝具     鬼壊し
       



はーいまずは一回も出ずに死んだランサー
ちゃっかりオリジナルとか入ってたり
必殺
一発で殺すことが可能
Aの場合はほぼ即死

鬼殺し
宝蔵流最強の裏奥義
槍で可能な攻撃全てを一瞬で叩き込む
当たった瞬間にコンボが続くため当たったらよける事はほぼ不可能
実際に使えたのは3人しかいない


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