DARK HERO 第四十三話「変わらぬ日常」(M:苦労人's 傾:ギャグ)


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1: kazu (2004/04/16 10:13:05)[kazuyan at alto.ocn.ne.jp]

DARK HERO 第四十三話「変わらぬ日常」






目が覚めたら朝でしたとさ。

最近こんなパターンばっかりだな・・・・・・。

隣にはあのまま寝たのか、遠坂の頭が布団から出ていた。


「おーい。起きなされー」


とりあえず遠坂の頬を引っ張ってみる。


「ん・・・・なによもう・・・・・へ?キャァァァァァァ!?」


起きた。

起きたのは良いんだが遠坂よ・・・・・。

腹にガンド打ち込むのはやめれ。


「な、何でアンタが―――――」


「ご、ゴロッとキタ―――――――!!!」


慌てて布団を弾き飛ばしてトイレに急ぐ。

遠坂に構ってる暇なんて無い。


「ヒィィィィィ!?漏れる!漏れてしまう!!」


ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ×∞

遠坂の野郎・・・・腹にガンドは凶悪過ぎるわ!!

半泣きで走りトイレのドアを目視!

理想郷発見!!


「トォウ!!」


全力でドアを開けて便座に座る。

安堵の溜息を吐きながら、ふと横を見てみると・・・・・。


「黄脳!紙が無いYO!!」












凛視点



「ったく。あのバカは」


確かに私が勝手に士郎の部屋で寝たのは悪かったが、それにしてもデリカシーってモノが無さ過ぎる。

普段なら何か飲むまでこうもハッキリと目が覚めないんだけど、今朝は士郎のお陰で眠気は無い。


「あれ?何してるのよセイバー」


居間の前の廊下で、士郎を背負ったセイバーとばったり出会った。

何故か士郎はかなりの冷や汗をかいており、尋常な様子ではない。


「ちょ、士郎!?」


「安心してください。一寸した過負荷のようなものらしいです」


と、何処か呆れた様子で士郎を見るセイバー。

過負荷?


「何でそんな事になっての?」


「はぁ、何でもトイレットペーパー投影したらこうなったと・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の苦悩が酷く馬鹿らしく思えてきた。

ったく、このバカは。

思わずその苛立ちを、士郎の空っぽの頭に拳という形にしてぶつけた。


「ジュアッグ!?」


良くわからない悲鳴を上げて力尽きる士郎の姿に、少しだけスッキリしたので牛乳を飲む為に台所に向かった。











アーチャー視点



―――体は紙で出来ている。

血潮はネ○アで、心はT●TO。

幾千の便所を護り不敗。

ただの一度も出血は無く。

ただの一度も補充されない。

彼の者は常に独り トイレの隅で出番を待つ。

故に、生涯に悔いは無く。

その体は、きっと紙で出来ていた。



「――――――っ!?・・・・・ゼェッ・・・・ゼェッ・・・」


な、何だ?今のスペルは。

余りの恐怖に体が震える。

突然怪談話のお経の如く聞こえたスペルに、妙な恐怖を抱き辺りを見回す。

だが、周りには何も存在せず、魔力らしきものも―――――――


「トイレから凄まじい魔力?これは―――――小僧か」


この気配からして相当切羽詰まっているな。

妙に気になったので少し知覚領域を拡大して様子を探ってみるが――――――


―――体は紙で出来ている。


またあのスペルが聞こえた。

奴が実際に言っている訳ではない。

奴の思念が私の知覚を通り、私にとって理解しやすい形に修正されたのがあのスペルなのだろう。

つまり――――――


「奴が原因かァ!!」


プチッと何かが切れた。

広がる不思議な清々しさ。


「答えは得た。この胃痛の原因は貴様か」


胃を押さえながら顔に満面の笑顔を浮かべる。

朝陽が実に清々しい。


「―――――――カラドボルグ」


笑顔のまま弓とカラドボルクを取り出して構える。

多分今の私は、英霊となってからの笑顔の中で、一番の笑顔を浮かべているのだろうう。


「止めなさいアーチャー」


突然現れたライダーが私の前に立ちはだかり、弓の射軸を塞ぐ。


「どいてくれないか、ライダー。オレの邪魔をしないでくれ」


「・・・・・ソレが地ですか。これ以上続けるなら――――――」


「君が相手になるとでも言うのかな?」


「いえ、リンに言いつけます」


ピシリ、と体が固まる。

心では必死に抗おうとしても、体がソレを拒否する。


「ちなみに、有る事無い事適当に報告させてもらいます」


冷や汗がダラダラと流れ出る。

必死で強がりを言おうとしても声が出ない。

嗚呼、こんな状態になると―――――


「うぐっ!?」


案の定胃に激痛が走る。

痛みで集中が途切れた所為か、カラドボルグも弓も崩れ去ってしまった。


「どうぞ」


蹲っていると、ライダーがスッと胃薬と水のペットボトルを私に差し出す。

それをどうにか受け取り、粉薬を水で流し込む。


「何故・・・・?」


私の疑問には答えず、ライダーは何処か遠くを見るように顔を上げる。


「お互い、大変ですね」


その言葉には語り尽くせぬ思いが篭められていた。

ああ、変人の集団の中にも仲間が居た・・・・。

その事実に心が満たされる。


「ああ」


私はそう答えると、ライダーと同じように遠くを見る。

この瞬間、私達の間には確かな友情が産まれた。






















つづいたりする






あとがき

ギャグがイマイチ・・・・


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