注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅうご
side by セイバー
夢を見た。
夢の中で彼は初めて自分から自発的にやりたい事を見つけた。
その後、彼は生涯を従者として過ごす。
死後もただ主に仕え、数多の世界を渡り歩く。
出会いと別れを繰り返し、なおも進み続ける。
そんな彼を眩しいと思った。
side by 士郎
今日も平和な朝が――
「何じゃこりゃーーーーーー!?」
――訂正、慌しい朝が来た。
「ちょっとバトラーさん!
なんなのよこのロリっ子とメイドっぽい生物×2は!?
まさか昨日の夕食にいなかったのはコレの捕獲のため!?」
何でオレに聞かずにバトラーに聞くかな?
しかも初対面の方々にそれはないだろ。
「大河様、落ち着いて下さい。
こちらは切嗣氏のご息女のイリヤスフィール・フォン・アインツベルン様です。
そちらの二人は世話係のセラとリーズリットです」
流石は兄貴、兄貴に任せればオレの苦労がちょっと減って嬉しいぞ。
「むむ、切嗣さんのご息女ってことは切嗣さんの子供ってことで……あれ?
…………切嗣さんって結婚してたんかーーーーー!?」
毎度毎度よくもまー朝から大声を出せるな藤ねえ。
今回はオレがイリヤに耳栓をして、
近くにいた桜がリーズリットさんを、ライダーがセラさんの耳を押さえてる。
遠坂の叫びで慣れてるからな〜。
side by 凛
は〜、朝から騒がしかったわね。
何かここ最近は恒例になってるけど。
「藤村先生も学校に行ったことだしさっさと金ピカ対策をするわよ」
「ちょっと待って、リンはアイツに勝てると思ってるの?
ヘラクレスでさえやられちゃったのよ……」
元気の無いイリヤ。
当然だろう。
ヘラクレスと二ヶ月も一緒に居たらしいのだから。
そんな彼女をセラとリズが元気付けようとしている。
彼女達はバトラーが城から抜け出す時に連れてきた。
しかも見つけた理由が、
「メイドの気配がした」
だ。メイドの気配って何?
一度アイツの頭の中を本気で覗いて見たい。
「まあ、取り敢えずは戦力をどうにかしないとね。
サーヴァントが三人居て戦えるのが一人じゃ話にならないわ」
ところで、何時まで士郎にくっついてるのよこのロリっ子!
確かにアンタのことはちょっとかわいそうかなとか思ったけど、
コレとソレとは話が別よ!
離れなさいよね!
ソレは私のよ!
ってコラ桜! ちゃっかり反対側に座ってるな!
ぬぬ、主のピンチよバトラー!
ってアンタはアンタで何茶坊主に納まってるのよ!?
セイバーもライダーも茶の飲み合いをしてるんじゃないわよ!
……このメンバーで金ピカに勝てるのかしら?
side by 金ピカ
「随分手酷くやられたなギルガメッシュ」
我のマスターである言峰がマーボーを食べながら言ってくる。
やめろ、近づけるな! 食わんと何時も言ってるだろうが!
「五月蝿い。それでこの腕はどうにかなるのか?」
「ふむ……ナインライブズにやられたと言ったな?
アレは再生を繰り返すヒドラを倒したとされる武具だ。
もしかしたら回復を妨げる概念武装がされているのかもな」
そう言えばそんな伝説だったか?
忌々しい、消えた後も我の邪魔をするなど。
「そんなことはどうだって良いだろ!?
ほら! とっとと衛宮をやりに行くぞ!」
……ふー。
「言峰……」
「ああ、まさか間桐の倅がこれほど使えんとは予想外だった。
無駄な時間を使わせたなギルガメッシュ、好きにしろ」
ふむ、流石はマーボー好きとはいえ我のマスターだな。
話が早くていい。
「失せろ下郎、貴様の聖杯戦争ゴッコに付き合う気はなくなった」
「なっ!? どう言うことだよ!?
僕はお前のマスターになったんじゃないのか!?」
「馬鹿め。令呪の兆しさえ現れぬ輩に参加資格があるわけ無いだろう?
貴様が勝手にそう思い、勝手に浮かれていたにすぎん。
解ったらさっさと失せろ。貴様は……殺す価値も無い虫けらだ」
「う、うわぁーーーーーー!!!!」
ほんの少し我が殺気を出しただけで恥も外聞もなく無様に逃げていく。
「優しいじゃないかギルガメッシュ。
私は教会が多少汚れることを覚悟していたのだがな」
「アレの為に我の財宝を使うなど恥にしかならん」
アレのことなどもうどうでもいい。
今はあのフェイカーをどう我の前に跪かせるかだ。
くくっ、想像しただけでも快感だ。
実際にそうさせた時どれだけのモノを味わえるか今から楽しみだ。
side by 慎二
僕は何だ?
何でこんな扱いを受けなきゃならない?
くそっ! くそっ! くそーーー!!!
僕は間桐慎二だ!
間桐の後継になる筈だったんだ!
それなのに何でだよ!
「はー、はー……ぐっ! げほっ! げほっ!」
畜生! こんな時に胸が!
治まれ! 治まれよ!
痛い! 痛い! イタイイタイイタイイタイ!!
心臓の中を何かが動いてる!?
くそっ!
まだ、まだ僕は何も手に入れて……。
胸に走る激痛に耐えかねて僕はそこで意識を手放した。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
今回は後半から先にできた問題作です。
しかも例によって例の如く進んでいない……すみませんです。
次回にはキャス子さん登場です。期待せずにお待ち下さい。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。
注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅうろく
side by 士郎
「バトラー、オレの投影魔術を見てくれないか?」
朝食の後のお茶を片付けている執事に話しかける、
それにしても台所がどんどんバトラーに侵食されてる気がするぞ。
オレの最後の砦なのに……。
「お前の?……ふむ、そうだな。
未熟な投影でもないよりはマシか」
えらい言われ様だが反論できない。
オレが未熟なのは事実だ。
だからイリヤに捕まり、ヘラクレスとの戦いの時も見てるだけだった。
「凛のところに行かず私のところにきたのは賢明だったな。
彼女ではお前の投影について深くは言えないだろうし、
何よりソレについて感情面で区切りがまだついていないかもしれない」
区切り?
「何のだよ?」
「自覚していないようだな……。
当然と言えば当然なのかもしれんが、やはり自分では理解しずらいと言うことか。
……凛にも言われただろう?
お前の投影魔術は普通の魔術師の用いるものとは違うと」
ぬ、確かオレの投影したのを見せた時にそんなことを言われたな。
「彼女は魔術師としては破格の待遇をお前にしてくれている。
凛以外の魔術師ならお前は既に殺されているか、
実験の道具とされているかもしれない」
おいおい、物騒だな。
「信じられないといった顔だな。
まあ、自分の才能がどれ程の物か解っていないのだからそんなものか」
オレの才能?
そんなもの何処にあるって言うんだよ。
自分で言うのもなんだけど、オレって凡人だぞ?
「……まあ、おいおい理解していくことか。
それで、投影についてだったな?
助言をしよう、お前は戦う者ではなく生み出す物だ。
常に最強の自分をイメージしろ。
外敵は必要なく、お前の戦うべきは常に己がイメージだ」
そう言って、また後片付けに戻るバトラー。
何時になく直接的でない言い方だな。
自分で考えて理解しろと言うことか?
side by ???
「――――よもや、蛇蝎魔蝎の類とはな」
「カカッ、まだ生きておるか? 存外にしぶといの……」
「――ぐっ!?」
ほう、完全な状態で出てくるか。
苗床としてはいまいちかと思うたが……。
「……アナタが私のマスターか?」
アサシンの腹より這い出てきた、
白い骸骨の如き面をしたサーヴァントがワシに問いかけてきおった。
外見に似ず以外に丁寧な口調。
「いかにも、もっともこの身体は孫のものじゃがな」
本体の方は何者かに消されてしもうたが……。
カカカ、ワシはまだ終わりはせんよ。
我が悲願、不老不死まであと少しなのじゃからな。
side by キャスター
これは……アサシンがやられた?
信じられない、アレは正規のサーヴァントではないとは言え、
その力は他の英霊と比べてもさほど劣るものでもなかったのに。
「キャスター、サーヴァントか?」
「ええ、おそらく」
宗一郎様、私が何を先においても守ろうと決めた主。
「マスターは下がっていてください。ここは私が何とかします」
マスターは私の言葉に無言で頷く。
寺に予め用意しておいた結界を張り外に出る。
そこには、
「カカカ、今宵は良い月夜じゃと思わんか?」
酷く禍々しい気を発する、老人のような口調の少年が月を眺めていた。
なんだというのか、アレは?
魔力は余り感じない、サーヴァントの気配もしない。
だというのにどういうわけか危機感を感じる。
「そうね、良い月夜だと思うわ。
なのに貴方の様な輩が来たせいでそれも台無しよ」
「カカッ! 言ってくれるわ、魔女如きが……」
魔女ですって!?
「残念ね、そう言った輩を生かしておく気はないのよ」
右手に魔力を集めながら怒気を含んだ声で言ってやる。
相手の得体が知れないが、流石に私の魔術が効かないということはないだろう。
「それじゃあ、さよなら」
「ああ、お主がな」
その声と同時に私の背後から影が迫る。
魔力の気配がしなかった!?
驚きながらもなんとかその影を避け、寺の方を見ると……。
そこには短刀のようなものによって血を流した男が跪いている。
「そ、宗一郎様!」
なんで!? 結界が張ってあったはずなのに!?
私はマスターの元へと走り出した。
「余所見とはいかんのお」
どこか揶揄するような声と共に背後より再び影が迫る。
ドン!
そんな音と共に私はマスターに押され。
半身を影に食い取られた。
ぐっ!
どうやら魔力も大半を持っていかれたようだ……。
だが、そんなことはどうでもいい。
マスターは、宗一郎様はどうなった?
私が霞んだ目で辺りを見渡し、
「そんな……宗一郎様」
我がマスターは私を突き飛ばした体制で、右半身を失っていた。
なのに、
「ふむ……体が、勝手に動くとは……こういう、ことか」
何時も通りの抑揚のない声で呟く。
「逃げろキャスター……お前だ、けなら……逃げ切れる」
「バカを言わないで! 私だけ生き延びてどうしろと言うのよ!?」
そうだ、聖杯とて既に必要などないのだ。
私は彼と共にいられるならそれでいい。
「カカ、麗しき夫婦愛と言ったところかの?
じゃがそれにも飽いた。
せめてもの情け、共に闇に沈むがいい……」
そう、アレが言い。
先程よりも巨大な闇が迫る。
「これが、私の……終焉か……さらばだメディア」
「はい、また何時かお会いしましょう宗一郎様……」
さようなら宗一郎様。
愛して、いま、し……た。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
皆さん、掃除のためでもなんでも床にPCを置くのは止めときましょう。
蹴飛ばします……と言うか蹴飛ばしたり。
おかげでHDDを買い替えるはめに……。
しかし、幾らガタがきていたとはいえ蹴り一つで壊れるとは思いませんでした。
しかも初心者故に何がどうなってるか解らず時間だけかなりかかって大変です。
まーそんな話はさて置き、
掲示板の方で色々書いてあったので今回から一つのスレに纏めるようにします。
今回の話のキャス子さんと葛木先生ですがここで退場となりました。
キャス子さんが葛木先生と出会っている時点で他に目が行かないので。
中の人についてはアレです、セイバーのようなセリフを言わせたかったので
色々と弄らせてもらいました、ソレだけではないですけど。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。
注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅうなな
side by 士郎
くそっ! 何だって言うんだ!?
衛宮士郎、現在ライブでピンチです。
「し、士郎。そっちは大丈夫なの?」
「いや、もう駄目っぽい」
「ふ、不覚でしたね先輩。
まさかこんな結果になるなんて……」
遠坂と桜もそろそろヤバイな。
イリヤとセラさんは既に戦線離脱している。
何故かリズさんは何時も通りの顔で未だに戦い続けている。
そして何より、
「どうした衛宮士郎、まさかこの程度で根をあげるきか?」
あの執事は化物か!?
絶対におかしい、断言できる。
何で……何でバトラーはセイバーとライダーの料理を食べて平然としているんだ!?
「ふむ、味はともかく破壊力に欠けるな……。
これでは幻想種を倒すには至らないだろう」
なにを平然と評価してるんだよ!?
しかもコレで威力が少ないとはどういうことさ!?
と言うよりも、幻想種を倒す料理って何だよ!?
は〜、何か色々と世の中の不条理について一晩中語りたい気分だ。
「士郎、ゴメンネ……私、先に逝ってるわ」
そう言って倒れる遠坂。
ちょっと待てい! オレを置いて逝くな!
って! 薄っすら目が開いてるし! タヌキ寝入りかよ!?
「先輩、私幸せでしたよ……ガク」
桜ーー!! お前さんもなんば言いよっと!!
ガク、って口で言ってるじゃないか!?
「全く、人の作った物を食べて倒れるなんて失礼な」
セイバーさん、味見をしましたか?
甘いお味噌汁とか無味無臭のシャケの塩焼きはある意味拷問です。
「珍しく気が合いますねセイバー、その通りです。
サクラもリンもだらしない、幾ら私たちの初料理だからといって、
倒れるほど不味いはずがないじゃないですか」
ライダー、肉じゃがに"まな板"は普通入らないぞ?
うっ! オレもそろそろ限界が近いようだ……。
親父、もうすぐそっちに逝くよ。
「む、大丈夫か衛宮士郎?
修行が足りないようだな……良し、このオルト○リエスをやろう。
なんかご飯が不味くなるという、四天王の銘のひとつだ」
そう言いながら剣を渡してくるバトラー。
四天王ってなにさ?
って! ぬおっ!?
剣を受け取った瞬間から唯一まともだった白米まで不味くなったぞ!?
おのれ執事め〜、兄貴だと尊敬していたのにこんなところで落とすとは……。
薄れ行く意識の中で妙に清清しい笑顔のバトラーが印象的だった。
side by 凛
えらい目にあったわね……。
まさかセイバーもライダーもあそこまで料理が駄目だとは思わなかったわ。
それを食べきったバトラーもアレだけど……。
「それで? セイバーとライダーのことだけどアンタに案でもあるの?」
「戦力の充実のことか……一番てっとり早いのはイリヤスフィールとの契約だな。
彼女の魔力量は桁外れだ、彼女なら英霊二人分ぐらいの魔力を供給できるだろう」
それは私も考えたのだが、
「問題は納得してくれるかよね……」
セイバーは堅物だし、ライダーも意外と融通がきかない。
それにイリヤが承服しなければ意味がない。
「もう一つは私と契約することだが……面倒だしな」
そうね、バトラーと契約すれば……すれば?
は? けいやく? 誰が? バトラーが?
「……どう言うことよバトラー?」
事と次第によっては、私の音速の右がテンプルを打ち抜くわよ?
「主従の誓い、バトラーの能力ではなく私自身のスキルだな。
コレを用いれば私の魔力量が一気に増加する。
英霊の一人分ぐらいなら賄えるだろう」
なっ!?
「ちょっとアンタ! 何そんな便利な能力を黙ってるのよ!?」
ん? 一発と言わず五、六発逝っとく?
「しょうがないだろう、これはリスクが大きすぎる。
君の人生の幾分かが制限されるのだからな」
私の人生が制限される?
「どう言うことよ?」
「つまり――――――
――――――と言うわけだ」
むむ、それって全然悪いことじゃないじゃない。
と言うか寧ろドンと来い?
そんなことなら最初っから言いなさいよ!
「いいわよ、それでいきましょう」
「は〜、私の苦労だけが鰻登りしている気がするな……」
なに溜息なんてついてんのよ、幸せが逃げるわよ?
何かブツブツ呟いていたが決心がついたようだ。
「汝、我が主となり我と共に歩みたもうか?」
バトラーがそう言った瞬間私の令呪が光だす。
「ええ、私がアンタの主人だし。バンバン命令してやるわ」
私の物言いに対し彼は苦笑するだけで。
その間にも令呪から出た光が私の周りを飛び交う。
「契約はここに完了した。凛、君が我が主だ」
光が治まり、私と彼を繋ぐラインが明らかに変化する。
そんなこんなで私たちは二度目の契約をすることになった。
……ところでセイバーとライダーを説得できなかったらこれって意味なし?
唐突にそう思ってしまった。
side by ???
「この後はどうするのだ、魔術師殿?」
ハサンがそう聞いてきおった。
こやつにアサシンと言うと拗ねて答えてこんのが玉に瑕じゃが、
中々に役に立つので不問としておる。
「そうじゃな、そろそろ慎二が目を覚ます。
ワシも聖杯からの力を制御する為に少々眠らねばならん」
力は大きいが御するのに意外と大変であることこの上ない。
これが桜ならこれほど苦労はしなかったじゃろうが、
カカ、その分馴染みは慎二の方が上。
全く難儀なものじゃな。
「では魔術師殿が寝ている間は少年を何処かに監禁でもしていればよろしいか?」
「ああ、それでよい。
まあ、食事だけだしてやってくれ。
ワシの方に対する栄養補給にもなるからの」
「御意」
カカッ! 起きた後は順々サーヴァントに喰ろうて行けばいいだけ。
今はしばしの眠りにつくとするか……。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
セイバーさんとライダーさんが料理が下手かは存じません。
そして、はしょる説明……いやこれは別に無くても問題ないかと。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。
ネタ
>オルト○リエス
オー○ェンより
注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅうはち
side by エミヤ
屋根で一人、空を見上げる。
如何なる世界においても空は美しい。
時に赤く、時に厚い雲に覆われようとも。
また、粉塵が舞い上がり空が見えずともその空を想像することで補える。
だから、ただ空を見上げる。
今まで見てきた空を思い出しながら、
同時に出会ってきた人などを思い出しながら、空を見上げていた。
「空を見るのが好きなのですか?」
side by セイバー
「空を見るのが好きなのですか?」
意を決して屋根に登り、彼に声を掛ける。
今ライダーはサクラと話しているためいない。
邪魔は入らないだろう。
そう思いながら彼の隣に腰掛ける。
「ああ、空は美しい。たとえどんな空だろうとな」
彼の静かな声、
「貴方は私とライダーのどちらをサーヴァントとして選ぶのですか?」
今日リンとバトラーに言われたこと。
そのせいでライダーと言い争いになったことは忘れたい。
「……選ぶつもりはないのだがな。
今なら私一人でも別段問題なく戦える」
それは本当のことだろう、今のバトラーには何の制約も無い。
何も気にすることなく宝具だろうとなんだろうと使用できるだろう。
しかし……、
サーヴァントとしての縛りが無くなっただけでここまで変わるものだろうか?
「貴方一人でこの戦いを終わらせると?」
「出来ればその方が良いだろうな。
だが、何事にもイレギュラーは存在するものだ。
私が思わぬところで不覚を取ることもあるだろう」
だから、それを助けるために私を選んで欲しい。
そう、声を高くして言いたい。
「だが、私との契約は普通のものとは違うのでな。
これ以上誰かを縛り付けたいとも思わんのだよ」
それも説明された。
彼と繋がったならキャスターの宝具であるらしい、
破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)でも破戒できないと。
故に彼が消えるまでこの世界に縛られることになる。
「まあ、私を消せば良いだけの話なんだが……」
……そんなことは私にはできない。
それはライダーとて同じことだろう。
寧ろ彼女なら、私と違い柵の無い彼女なら、
彼と共にいれることを喜び縛られることをよしとするだろう。
「セイバー、君は聖杯を求めているのだろう?」
その通りだ。
私にはどうしても聖杯が必要なのだ。
「ええ、貴方は知っているでしょうが聖杯が私には必要だ」
「そうだろうか?」
……彼は何が言いたい?
私の目的を知り間違っているとでも言いたいのか?
「……いや、私がどうこう言える話ではなかったな。
すまないセイバー。私では君を救うことが出来ない」
な、何故彼は謝っている?
私を一体何から救おうというのだ?
「バト……」
「……君を救うのは衛宮士郎だろう」
シロウが?
「アレはそういう存在だ。愚直故に出来ることもある」
私にはさっぱり意味が解らない。
だから今は、彼の隣に腰掛けながら彼と同じ空を見よう。
「……セイバー、君の目に映る空は何か変わっているか?」
「えっ?」
突然の問いかけに驚き声を上げてしまう。
「君の本来の時代の空と今の空、美しいということに変わりはあるか?」
「いえ、たとえ時代が変わろうとも空は変わらず美しい」
「そうだな……。
アルトリア、私のサーヴァントになってくれないか?」
……えっ?
あ、あの。その……い、一体どういう流れでそうなったのでしょうか?
しかも私の、王になる前の名前で呼ばれたため顔が必要以上に赤くなる。
「嫌ならそうと言ってくれ、君の意見を尊重しよう」
「い、嫌じゃありません!
で、ですが……先程も言ったように私には聖杯が必要です。
だから……」
聖杯を手にしたら貴方をどうにかしなけらばならない……。
「……すまない。私が考えなしだったな。
だから泣かないでくれアルトリア」
泣いている? 私が?
王になってから一度たりとも泣くことが無かった私が……?
「今ここで聖杯を手にした後のことを議論するのは止めよう。
君の考えが変わるかもしれないだろう?」
「……解りました。先のことは誰にも知ることはできませんからね」
そう、実際どうなるかなど誰にも解りはしないのだ。
現に私は今、彼を愛している。
こんなことはこの聖杯戦争に呼ばれた時は思いもしなかったことだ。
「ではアルトリア、契約を」
「ええ、私はシロウと、貴方の剣になることを誓います」
そう、私は彼だけの剣であることは出来ない。
それは許して欲しいところだ。
「……二股か?
まあ、王族だったら構わんと言うことか……それに私も似たようなものだしな」
「ば、馬鹿なことを言わな――」
私が意見を言い終えるまえに唇を塞がれた。
何で? 何で彼の顔がこんなに近い……?
せ、接吻をされている!?
私の思考が遠回りをしつつ結論に達した時。
プシュウーっと音をたてたかのように私の思考回路は停止した。
side by 慎二
ううっ……こ、ここは何処だ?
暗闇のせいで今一自身が置かれた状況が理解できない。
確か教会から走り出た所までは覚えている。
僕を馬鹿にしたあの神父と金色のサーヴァント。
……思い出しただけで腹が、腹が立たない?
何でだ?
今まで似たようなことの後は相手を呪い殺したい程の狂気が渦巻いていたのに。
おかしい、おかしすぎる。
自分はそこまで上等な人間じゃない。
少なくともあのような扱いを受けたのに怒りを覚えないなど有り得ない。
そんな事を考えていると次第に目が慣れてきた。
ここは……家の地下のアノ部屋か……。
そうなるとますます解らない。
どうしてこんな所に居るんだよ?
「どうやら起きたようだな少年」
その声に驚いて即座に声の方を向く。
そこには白い仮面をつけた人でない何かがいた。
直感した、コイツはサーヴァントだと。
「どうした? 急なことで事態が掴めないか?」
「いや、少なくともここが僕の家の地下でお前がサーヴァントだってことは解る」
「それは僥倖、ではオマエの祖父の言いつけ通り大人しくしていて貰おうか」
祖父? ということはアノ爺も聖杯戦争に参加してるってことか?
それは解る、間桐とて聖杯を欲してアインツベルンや遠坂に協力したのだから。
「それで? 爺さんは他に何か言っていたか?」
「……聞いていた人物像と違うな。
少年、オマエは私が恐ろしくないのか?」
何言ってるんだコイツ?
「だってお前は爺さんのサーヴァントだろ?
だったら僕がお前を恐れる理由がないじゃないか」
そう言ってやると何か考え始めるサーヴァント。
「魔術師殿には取り合えず暫くは家から出ないようにと言付けられている。
聖杯戦争中に出歩くなと言うことだ。
おそらく孫であるお前を心配してのことではないか?」
アノ爺さんが僕を心配して?
はんっ! 絶対に有り得ないね。
「ふーん、まあそれは良いよ。
僕だって好んで死にたい訳じゃないからね。
で? お前は何のサーヴァントで何て言うんだ?」
「……私の名はハサン・サッパーハ、クラスはアサシンだ。
出来れば名で呼んでもらおうか」
ハサン、確か間桐の蔵書の中で出てきたな……。
「確か山の老翁だっけ?
アサシンのクラスとして本来呼び出される存在。
だから呼び出される全員がハサンって呼ばれる、あってるだろ?」
「……少年、どうやらオマエのことを誤解していたようだな。
魔術回路は無いらしいがその知識には感服した」
ズバッと人の気にしてることを言ってくる奴だな。
何処か衛宮のようだ、裏表が無いってところが。
「それじゃあ、よろしく頼むよハサン」
「心得た、時に少年。腹は減っているか?
減っているなら私が料理を作るが」
は? アサシンが料理?
外見も合わせて全く似合ってない。
そしてそう言われて空腹に気づいた。
「ああ、頼むよ。
それにしてもハサンが料理って似合わないな……」
「そ、そうだろうか?
……私が山の老翁となってからの唯一の趣味なのだが」
明らかに落ち込んでますと言った感じのハサン。
コイツをからかうのは面白いかもしれない。
「どうせ作るならその格好をどうにかしてくれよ?
その黒づく目の上にエプロンなんてつけられたら夢に出そうだから」
そう言ってやるとまたもや考え込み。
「……善処しよう」
と、言い残して地下から出て行く。
どうやらライダーとは違ってこいつは僕と相性がいいらしい。
……それにしても、身体がおかしい気がする。
まるで、僕の身体が何かの炉心になっているようだ。
一体どうなってるのか疑問は尽きないが、
今は空腹を満たす方が先だろう。
出来れば食べれるレベルの料理が出てきてくれることを祈りながら地下から出る。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
慎二パート長っ! セイバーさんに負けてないっす。
調子にのって書いてたら私にしては長くなってますよ奥さん!
アレか? ヤム○ャSSを書いていた反動でしょうか?
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。
注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅうきゅう
side by エミヤ
「……これはどう言うことですかバトラー?」
ふっ、セイバー。
ライダーに「私を捨てるのですか……?」と涙目で言われてみろ?
たとえ執事と言えど抗えるものではないぞ?
アレはある意味漆黒の魔狼の精神支配より抗いがたい。
だから抜き身の聖剣を向けるのは止めてもらいたいな。
「何か問題でもあるのですかセイバー?」
ライダー、セイバーを挑発するのは止めてくれ。
ついでに言うなら胸を押し付けるのも止めてもらいたい。
セイバーの視線に殺気がこもるじゃないか。
「……そう言えば貴女の真名はメドゥーサでしたね?
だとしたら貴女の行いも頷けると言うものです。
この、泥棒猫! 女版ランスロット!!」
……ランスロット卿ってそうなのか?
「何を言いますか!? 私が正妻で貴女が側室でしょう!!」
ふむ、茶がうまいな。
そう思わんか? 衛宮士郎?
「バ、バカ! こっちに話を振るな!
オレにまで被害が及ぶじゃないか!!」
ぬ、以前の料理の時の事を根に持っているのか?
心の狭い奴だ。
そんなことでは遠坂を落とせないぞ?
「バトラー、アンタ実はタラシじゃないの?」
「そうですよバトラーさん。ライダーとセイバーさんの両方だなんて……」
失礼だな遠坂、オレは執事だぞ?
執事がタラシなわけ無いだろう。
それにタラシは既に死語ではないのか?
そして桜、いずれ衛宮士郎がそうなるぞ?
いや、この時点で遠坂と桜にイリヤで三人じゃないか。
「バトラー、タラシ」
リーズリット、このSS内で初めての発言がソレとは如何なものかな?
「それで、バトラー様はどうしてこのようなことをなされたのですか?」
セラ、君は真面目に聞いてくるな。
「私としては二人のどちらかを選ぶという行為が納得できなかった。
だから二人に聞いてみて決めたのだよ。
それに……私は欲張りでね」
たとえ二人を縛ることになったとしても失いたくないのだ。
これがオレの我侭でしかなく彼女達をもしかしたら傷つけてしまうとしても……。
「でも、結局これって二股よね?」
イリヤ、何時からそんなことを言う娘になったかな?
お兄ちゃんは悲しいぞ。
side by 士郎
ブンッ! ドカッ!
「痛ぅ……!」
脳天直撃セガサ○ーンと言った具合にセイバーの面を食らった。
痛い、正直メチャクチャ痛い!
今日は何時もに増して厳しいぞ!?
やっぱさっきのライダーとのアレのせいか?
だとしたらバトラーのせいだな。
「セ、セイバー。できればもう少し手加減を……」
「何を言っているのです!
短期間で出来るだけ強くなりたいと言ったのは貴方の方でしょう!?
さあ、次を始めますよ!」
ふっ、遠坂、桜、イリヤ……ついでに藤ねえ。
オレもう駄目かも……。
「もう諦めるのか? 衛宮士郎」
などと考えていたら元凶がきやがったよ……。
「この野郎! お前のせいだろうが!?」
「そうか? 私は特に何もしていないはずだが……」
コ、コイツはーー!!
「セイバー、少し休んでいたまえ。
衛宮士郎の面倒は私が見よう」
……は? なんでさ?
「む、私なら疲れていないので大丈夫です!」
そうだ、もっと言ってやれセイバー。
正直バトラーと戦うのはちょっと怖い。
「セイバー、ここに何故かお茶セットがあるのだが」
「任せましたよバトラー。やはり私も少し疲れているようだ」
…………マジですか?
それで良いんですかセイバーさん!?
「さて衛宮士郎。私は人にものを教えるのは苦手でね。
セイバーよりも厳しい実戦形式で逝くぞ?」
苦手なら止めとけよ!
って何真剣を持ってるんだ!?
「言っただろ? 実戦形式だと」
「実戦にも程があるわ!?」
コイツ、ここでオレを殺す気じゃないだろうな?
「お前が使うものは投影で出すがいい。
魔術の訓練にもなるし両得だろう?」
いいえ、死ねます。
投影しつつ戦うなんて本気で死ねますよ!?
「では逝くぞ」
「って! マジか!?」
まだ剣を用意してないぞ!?
「大マジだ」
こうなったら意地だ!
絶対に執事に一泡吹かせてやる!!
side by ハサン
「少年……シンジ殿。食事の準備が出来たぞ」
久方ぶりの料理に知らず知らず熱が篭ってしまった。
「……お前……ハサンか?」
「……そうだが、何か至らぬことがあるだろうか?」
あの黒尽くめの服装はダメだと言われたため、
少々窮屈だがシンジ殿の妹の服を無断で借りたのだが……。
「……メチャクチャ怖いぞ。
って言うか、何で桜の服を着てるのさ?」
「料理をするものは女性、と昔は決められていたので」
「……じょ、冗談にしては笑えないよハサン」
「私は至って真面目なんだが……」
やはり変だったか?
身体にフィットした黒服の上から通常の服を着るのは?
「そもそもその白い面が怖いんだよ。
それにその全身タイツ見たいなのは脱げよ?
そうしないと怖さ倍増だ」
むむ、そうすると素顔を見られるし、
下着を着けない派の私としては心もとないのだが……。
「善処しよう。
……着替えてくるが、料理が冷めてしまう。
先に食べていてくれ」
「ああ、解ったよ」
そう言って階下に降りていくシンジ殿。
さて、着替えるか。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
前回真面目っぽかった反動が来ました。
fateもしで解っていたことですが……シリアスで続けられる訳無いです。
ところで、ハサンってこんなんでしたっけ?
どうも脳内でこんな感じに設定されております。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。