幼い頃火災によって両親を失い、孤児になった衛宮士郎は自らを魔術師と名乗る人物に引き取られる。
その養父の反対を押し切って魔術を習い始める士郎だったが、才能を持たない彼が何年とかけて身につけた魔術は、結局ただの一つだった。
そうして現在。
養父も今は亡く、魔術師としても半人前のまま成長した士郎は偶然にも『仮面ライダー』と呼ばれる鏡面戦士の戦いに巻き込まれてしまう。
望まぬままに十三の『モンスター』の一人『ドラグセイバー』のマスターとなった士郎は、聖杯を巡る戦いに身を投じる事になるのだが――。
「少なくとも、俺は――誰かを守るために変身する!」
「シロウ、お腹が空きました」
――衛宮士郎、仮面ライダー龍騎。
最強のモンスター『ドラグセイバー』と契約し、ライダー同士の戦いを止めようとする、近距離戦闘型の仮面ライダー。
「……龍騎、か。今の内に潰しておいた方が良さそうね!」
「へっ! そうこなくっちゃな、嬢ちゃん!」
――遠坂凛、仮面ライダーナイト。
敏捷性に優れたモンスター『ダークランサー』と契約する、遠坂一族の魔術師。一族の使命に則って、彼女は聖杯戦争に身を投じた。
「右斜め四十五度。これ、私の角度です」
「では桜、と。ああ、この響きは――」
――間桐桜、仮面ライダーゾルダ。
重武装型モンスター『マグナアーチャー』と契約する、遠距離射撃型のライダー。不治の病に犯された彼女は、永遠の命を求めて聖杯を求める。
「イライラするのよ……こんな所に居ると……!」
「■■■■ーーーーーーー!!」
――イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、仮面ライダー王蛇。
三体のモンスター『べノバーサーカー』、『メタルリーゼリット』、『エビルセラ』と契約する、最凶最悪の仮面ライダー。
「ぼ、僕は最後まで生き延びて……うわぁっ!」
「…………(むしゃむしゃ)」
――間桐慎二、仮面ライダーシザース。
防御能力に長けた『ボルライダー』と契約する、小悪党の仮面ライダー。正規のライダーではないために、その能力は極めて貧弱。
「人間は、みんなライダーなんじゃよ!!」
「魔術師殿……!」
――間桐臓硯、仮面ライダーベルデ。
永遠の命を追い求め、聖杯戦争に身を投じた老魔術師。隠密性に特化したモンスター『バイオアサシン』と契約し、卑劣な罠で勝利を狙う。
「……………………」
「宗一郎様、ここは私にお任せください」
――葛木宗一郎、仮面ライダーインペラー。
竜牙兵軍団を従える『ギガキャスター』と契約する、殺人武術の体得者。あらゆる戦局に対応する主従の組み合わせは、その汎用性で他の追随を許さない。
「タイガーって言うな、このーーっ!」
「秘剣――クリスタル・ブレイク」
――藤村大河、仮面ライダータイガ。
何の因果か名前繋がりでタイガのカードデッキを手に入れた、問答無用の理不尽ライダー。侍型モンスター『デストコジロー』と契約し、冬木の虎が暴れ回る!
「さて、これも仕事だ。悪く思うなよ、君?」
「聖杯戦争に下品な男は必要無い!」
――バゼット・フラガ・マクミレッツ、仮面ライダーファム。
征服王の二つ名を誇る『ブランイスカンダル』と契約する、魔術師協会の送り込んだ仮面ライダー。緑の肌色が気持ち悪いぞ、イスカンダル!
――彼等の運命を巻き込んで、聖杯を巡る戦いは激化する。
「戦え――生き残りたければ、勝って最強を証明しろ――」
「衛宮くん。ちゃんと返してね、十万円」
「……綺麗事で戦ってる人は、自分の手が汚れると脆いですよ」
――この戦いに正義はない。そこにあるのは純粋な願いだけである。
「ここね……祭りの場所は……」
「人を守るためにライダーになったんだから、ライダーを守ったっていい!!」
「……時間が無い。オーディンと決着をつけさせてやる、最後の仮面ライダーとして」
情熱ごと身を投げて、守るべきものがある。
揺るぎの無い気高さを心に抱く限り、希望が果てる事は無い。
誰かじゃない自分だけが、悪夢を変える!
ためらわない勇気だけが、悪夢を壊す!
仮面ライダーFate――
戦わなければ、生き残れない!!
あとがき
誰もが一度は考える、龍騎+Fate企画。今回は予告編ですが、本編を書くのかは未定。
ちなみにFate本編とマスター・サーヴァントの組み合わせが違うペアも少なくはありませんが、それは龍騎的な設定に準拠させてあるからです。具体的に言うならば、ナイトとゾルダ。タイガとファムは、ぶっちゃけ余り物ですかね。