双英雄邂逅伝


メッセージ一覧

1: 残雪 (2004/04/13 00:20:34)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1080199991

 注:このはなしは基本的に凛グッド設定聖杯戦争半年後ですが何か間違いがあったら作者は頭が悪いのでご勘弁ということで。


 話は二週間前それはセイバーの提案によって始まった
 
 「シロウ旅行に行きたいです。」
 「「旅行!?」」
 その場に居合わせた俺も遠坂もおおいに驚いた。
 「いったいどういうこと?」
 遠坂が俺のいいたいことをそのままいってくれた
 「はい、じつはこのチラシをみつけまして...」
 「んー、何々...」

      「三泊四日東京都食い放題味めぐりのたび!!」

 食い放題  その一言で俺も遠坂もすべてを悟った。
 ようは、セイバーは三泊四日うまいものをたらふく食いたいというわけだ。
 なんか○○しんぼで見たことあるような店までのってるよ
 「むっ、シロウなんですかその目は、言っておきますが私は食いしん坊でも大食漢では ありません。」
 必死に反論するがこのチラシを見てしまうと疑わしい。だが、
 「いいわ、セイバーが自分からお願いしてくるなんてめったにないし最近つかれもたまってるし。」
 それを聞くと
 「本当ですかリン!!」
 ものすごい勢いでにじり寄るセイバー
 「ええ、それじゃ二週間後だから荷物まとめておいて、面倒な手続きは私がしておくか ら」
 「ありがとう、遠坂」
 「まぁ、お礼はしっかりいただくって事で。」
 「うっ、あんまり高いものはなしだぞ。」



  そんなこんなで二週間はあっという間に過ぎたその間自分も行きたいといった
 藤ねぇにとんでもない目にあわされたのは言うまでもない。
 東京についたのはもう夕方になっていたのでその日は夕食だけだったがセイバーの恐ろ しい食いっぷりに見てるこちらが胃もたれしてしまった
 しかし、セイバーはそれでも食い足りないのかさっきから料理屋のほうにふらふらとい きそうになっている
 そのたびに俺たちが止めるのだが、そのたびに
 「シロウ、リン、わたしは大食漢ではありません!」
 と強く否定するが二週間前のときより怪しい。だが、そんな時

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 「誰かーー!!!!たすけてくれーーーー!!!!」

     びくっ!
 「シロウ!!」
 「いくぞ、遠坂!セイバー!」
 そのまま裏通りを走っているとしばらくしてさっきの声の聞こえてきたところについた
 しかしそこにいたのはカエルを模した姿した、白い異形と、それに首をつかまれた一人 の男だった。

 「へぇ、獲物が増えたよ」
 そういうとフロッグオルフェノクはつかんでいた男を離す
 しかし男が地面に着いた瞬間、男は灰になり肉片一つのこさなかった
 「シロウ、下がってください!あれは危険です!!」
 「いや、下がるのはおまえだ、セイバー」
 「ちょっと士郎見たでしょう人が瞬時に灰になるなんて魔術師の常識にもありえないの よ!!」 
 確かに遠坂のいうようにあれは普通じゃない、さっきから俺の直感もあれとは戦うべき じゃないといってる。
 でもあれが人に危害を加える以上、戦わなかったら俺はもう正義の味方を目指せない
 だから、たとえ怖くてもかならず戦う
「投影 開始」
 それと同時に敵の懐につっこむそして敵に切りかかる瞬間、急に目の前から消えた
 フロッグオルフェノクは士郎の上を飛び越え士郎の後ろに着地した。
 「ちぃ」
 振り返りざまにきりかかる、しかしフロッグオルフェノクは銃をとりだし液体をふきだ した。
 「こんなもの!!」
 それを干将莫耶の側面でうける。その直後
     ジュッ!
 魔術でできているはずの刀身が融解した。
 「な、そんなばかな!」
 士郎は知らない、かつてこの攻撃がかのカイザブレイガンの刀身をも溶かしたことを
 そして、その隙にフロッグオルフェノクは士郎の懐に潜り回し蹴りをくらわす
 「ぐわっ!!!」
 フロッグオルフェノクのすさまじい脚力により10メートルちかく飛ばされる
    がしっ!!!
 地面にたたきつけられる瞬間セイバーに止められる
 「セイバー、ともかく逃げるわよ!!」
 「な、遠坂ちょっと待て!!」
 士郎の意見は無視されそのまま走り去る
 それを見ていたフロッグオルフェノクは、
 「あーあ、逃げられたかー、でもすぐおいつけるからいいか。」
そういい残して一気に建物の屋上に飛び乗り、そのまま追いかけていった...

2: 残雪 (2004/04/13 21:51:51)[nobukun0126 at ybb.ne.jp]http://www.springroll.net/tmssbbs/read.php?id=1081783234#resform

 「はぁ、はぁ、ねぇセイバー後ろ、来てる?」
 「いえ、どうやらまいたようですが...」
 「そう...たしか少しいくと海にでるわ、ひとまずそこでやすみましょう。士郎の
 具合も見たいし」
 「はい、シロウ、もうすこしですよ。」
 

 そこは照明がなくいつのまにか街からも離れていたので一面真っ暗だったがここなら
 もし見つかっても誰かを巻き込むこともないだろう。
 「シロウ、具合はどうですか?」
 「はぁ...はぁ...む、胸にモロだった上にあいつとんでもない力だったからさ
 骨の2,3本折られたよ。はぁ、はぁ。」
 「まぁ、このくらいならあんたの力ですぐ治るだろうけど、なんて無茶すんのよ!
 危うくやられるところよ!」
 「わるい、遠坂、それでもなんだかやらなきゃいけないような気がして...」
 「だからってあんたが死んだら何にもならないでしょ!」
 「そうですよ、シロウ、あなたの勇気は賞賛しますが、明らかに実力差があるのに挑む のは到底賢いとはいえません。」
 「ごめんごめん、二人とも、この埋め合わせはするからこのくらいで勘弁ってことで」
 とりあえずこの場は謝っとかないと後が怖い。
 「ふぅ、それではホテルに帰りま「み〜つけた。」
      ばっ
その声がした瞬間、剣をだし声の方向を向くセイバー。
 「ねぇ、もう鬼ごっこは終わりなの?」
 明らかにこちらをなめた口調で話しかけてくるフロッグオルフェノク。
 「この場を去りなさい、でなければわが主に害するものとみなし、切捨てられることに なりますよ。」
 「おもしろい、やってみなよ」
 セイバーの気迫をものともせず挑んでくる。
 「隙あり!」
 セイバーの体を死角に勢いよく飛び出しそれ同時に手持ちの宝石を一気に3つ炸裂させ る。
 「なに!?」
 セイバーの後ろより突然きたために反応が遅れる
 (やった!!) 遠坂自身もそう確信した。
 ものすごい魔力のこもった光弾が目標をとらえた!
 しかしその時、フロッグオルフェノクは骨格を完全に無視したかのように上体をひねり
光弾をかわす。
 「そんなばかな!!」 後ろで構えているシロウが驚愕する。
 いまのはサーヴァントでさえよけられないような完璧な攻撃だった...
 それを遠くで見ているじぶんでさえそう確信したのだ。繰り出した遠坂自身も相当驚い たはずだ。
 「ふぅ、今のはあぶなかったよ。」
 「くっ、リン!下がってください。」
 自分の前で半ば放心状態の遠坂を力ずくで下がらせる。
 「楽しかったよ、久しぶりに手ごわい獲物だった、それじゃあ死んでもらうよ。」
 そういってまっすぐ跳躍し驚異的な脚力により生まれるスピードを乗せたキックが繰り 出される
 そのスピードは過去見たどんな相手も凌駕していた
 「危ない!!!」
 そして瞬時のうちに干将莫耶を投影しそれに全力で力をいれとめようと試みる
   バキィィィィィィン
そして高らかな音とともに剣が折れる、そのまま奴の止め切れなかったキックを今日二 度目の胸にもらう。
 止めた一瞬であたる所をずらせた上、だいぶ勢いを殺せたので致命傷にはならなかった ものの、体が浮き後ろへとぶ、
 「シロウ!!!!」
 セイバーが絶叫とともに再びシロウをだき抱える
 「しぶといなぁ。でも、これで終わりだよ。」
まるで本当にゲームをしているように楽しげに死を宣告する。
 だが、フロッグオルフェノクが仕留めようとしたその時!!
   
   ブォォォォォォォォォォン!!!!!!

 突如闇から出現した黒いワゴン車。
 そのままどんどんスピードを上げフロッグオルフェノクに突っ込む
 いきなり現れた物が今度は車では、さすがによけれずそのまま吹き飛ばされる
 ワゴンは士郎たちの前で止まると中から3人の若い男女が下りてきた。
 「ねぇ、大丈夫!?」
 女性がいち早く駆け寄ってくる
 「真理!啓太郎!おれはやつをやる!!」
 もう一人の男は2人にそういうとフロッグオルフェノクに向かっていく
 「ちょっと!なにいってんのよ、あんな化け物に生身で勝てるわけないでしょ!!私た ちはいいから早く逃げなさい!!」
 遠坂はやっと放心状態から戻るとそれまでの鬱憤を晴らすかのごとく近くにいる男に抗 議する。
 「大丈夫だよ、だって、たっくんはファイズなんだから!」
 「ファイズ?」
 ますますわけがわからなくなっていると飛ばされたフロッグオルフェノクが起き上がる
 「はっ、みすみす殺されにくる獲物がいるなんてな。」
 全くダメージを感じさせずただ男をあざ笑うフロッグオルフェノク
 「獲物はそっちだ!」
 そう言い放つと男は携帯を取り出す
 「なっ、あんな物でなにするんだ!?」
 黙って静観していた士郎が叫ぶ、セイバーも遠坂も声こそ出さないものの武器かと思っ たものが携帯電話だったことには驚きを隠せないようだ。
 「そ、それ!まさかお前!?」
 だが、フロッグオルフェノクは何かを恐れるような反応を示す。
 そして男は携帯に何かを入力する、
   
         「READY」
 
 そうすると音声とともに駆動音が鳴り響く。
 そして男は携帯を天高く掲げると、

「変身!!」

 その声とともに腰のベルトに携帯をはめる!

            「COMPLETE」

 そして、声と同時にベルトから赤い光のラインが体を包んだ
 そして、それが全身に回りきった瞬間彼は、言葉どおり変身していた
 「そんな、ありえない...だってあれは...」
 遠坂が驚く...
 「正義の...味方...」
 気絶する直前に見たのは自分が長きに渡り憧れ夢見た正義の味方そのものだった...                    
 
 

3: 残雪 (2004/04/15 21:07:08)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

 遠坂凛は放心していた、よもやこんな事が本当あろうとは...

 正義の味方、それはテレビの中だけの偶像、人々の救いの象徴。

 しかし、それはさっきも言ったとおり存在しないもの、

 本来いるはずがない、にもかかわらずそれは肩書きどおりピンチに駆けつけ、私たちを

 助けてくれようとしている。

 「さぁ、今のうちに、たっくんが何とかしてくれるから。」

 そういうと、啓太郎とよばれた青年が、私とセイバーをワゴンへと運ぼうとする..

 「私たちは大丈夫だから、あっちをお願い。結構やられてるし、女一人じゃ辛いだろう から...」

 そういうと、青年も士郎に駆け寄る。

 「ほら、セイバー、いくわよ。」

 声をかけたが彼女は目の前の光景に釘付けになっていた。

 「リン、あれは、いったい...」

 「そっか、セイバーは知らないわよね。」

 「私たちの中ではね、ああいう正義の味方に敬意を表してこう呼ぶの、」

 「仮面ライダー、ってね。」

 「カメン...ライダー...」

4: 残雪 (2004/04/16 00:15:35)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

 その頃、 

 「ファイズか〜、こりゃいいや、単なる狩りのつもりが、まさかこんなおまけが付くな んて」

 フロッグオルフェノクは、さも面白げに語る。

 「はっ!」

 右腕を軽く振るとともに、敵に一直線に向かう

 「はっ、はっ!、はぁ!!」

 勢いをつけたままボディーにワンツーそして顔面にパンチををたたきこむ。
 
 ドン、ドン、ゴォン!

 「ぐっ!」

 今までの余裕な態度は消え、ファイズが自分と互角以上にやれることを認識する。

 「おらぁ!」

 そう思った瞬間、隙を突いたファイズのキックをもろにもらう。

 「ぐはぁ!」

 よろけながら、3,4歩さがる。

 その間にファイズは腰にあるファイズショットをとりだし、ミッションメモリーを差し 
 込む。

              「READY」
 そして、ベルトにある携帯を操作する。

           「EXCEED CHARGE」

 「おぉぉぉぉ!」

 腕を振り上げ追い打ちをかける。

 「ぐっ!」

 腕をクロスさせ、攻撃を受ける。 

 しかし、その強大なパワーには、単なるガードなど無力!

 ドォォン!!

 威力を殺せず、そのまま飛ばされ、地面を転がる。

 そして、ファイズショットからメモリーを抜き取ると、

 こんどは、ファイズポインターにそれをさす

            「READY」

 そのまま屈み、それをあしに装着する。そして携帯にコードをうちこむ、

          「EXCEED CHARGE」
 
 ベルトから、赤い光が足へと流れていく。

 しかし、その前にフロッグオルフェノクがたちあがる

 「この、なめんじゃねえーーー!!」

 そして、銃を構え、ファイズに溶解液を噴出する。

 しかし、それがあたる寸前、ファイズが跳躍する!!

 「はぁっ!!」
 
 足のポインターから赤き光が飛ぶ!それはオルフェノクの寸前で円錐状に広がる

 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 ファイズはそのまま、光の中に飛び込み、それと同時に急激に加速する!!

 ズドォォォォォォォォォォン!!!!!!! 

 そのまま強引にオルフェノクを突き抜ける!

 「ふんっ!」

 着地と同時にオルフェノクにマークがうかびあがる。

 「あ、ぁぁぁぁぁぁ」

 弱弱しい声とともに、彼が殺してきた人と同じよう体が灰になる。

 
 
 
 そして完全に灰になったのを確認すると再びファイズが携帯を操作する。

 それと同時に変身の時の巻き戻しのように光がベルトにもどるとともに元の青年へと戻 
 ってゆく。

 「すごい...」

 遠くで静観していた遠坂凛が驚嘆の声を上げる。

5: 残雪 (2004/04/16 20:15:21)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

それと同じころ、離れた場所からそれを眺めるものがいた。

 だが、その場所はあまりにも異様だった。

 その部屋、いや、部屋なのかもわからないほど広いところ。

 そこには壁も、天井もなくただすべてが真っ白だった。

 その中で、唯一確認できるのは、五人の人間たち、中央のモニターのようなもののみだっ 
 た。

 「ファイズか、意外に早く出てきたな...」

 全身をマントで覆った、声からして男と思われる者がしゃべる。

 「でも、あのオルフェノクちゃん、せっかく改造してもらったのに3日ともたないなん て、かわいそぉ〜」
 
 その横から、5人の中でもあきらかに浮いた格好のスマートレディが口を挟む。

 その言動が本心なのかはわからないが、フロッグオルフェノクの死を哀れむ。

 「かわいそうか、確かに相手と自分の力量の差がわからないのはかわいそうだな。」

 無様な死に様をさらした仲間を嘲笑するもう一人の男

 「おい芹沢。いまはそんなことを話してる時ではないだろう。」

 マントの男が芹沢と呼ばれた男を咎める。

 そう言われると芹沢も何かを思い出したような素振りを見せると、再び口を開く

 「そうだな、責められるべきなのは、あんな雑魚じゃなくてそれに改造したプロフェッ サー、あんただ。」

 そういうと話しを隅の車椅子の老人に振る

 「やれやれ、あのような失敗作だけで責められるとは心外じゃな。」

 老人は芹沢に不満の声を上げる。

 「大きな力を手にするにはそれなりの資格が要求される。いかに王の因子をもってして
 
 も器があの程度ではどうしようもないて、現に王の力で死の運命を克服した前例もあ

 る。のぅ、ミス冴子。」

 そう言われると今まで黙ってた女性が口を開く

 「プロフェッサー、そんな事より王の復活までどれぐらいかしら?」

 「むぅ、王のダメージは相当深くてな、まだ時間がかかるわ...」

 「へっ、それならおれはすこしあそびにいくかな。」

 「芹沢、遊びもほどほどにしろ、われらの存在を知られるにはまだ早い」

 「ふん、そんなこと言われるまでもねえや。」

 そういうと芹沢はそのまま歩み去っていった...

 

6: 残雪 (2004/04/16 21:46:24)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

  オルフェノクとの戦闘から少し後

 「うっ、うーん。」

 士郎は長い眠りから覚めようとしていた、外からくる光はすでに昼近いことを士郎に告 
 げていた。

 旅行中とはいえ、俺がいないのならばセイバーなんかは意地を張って食事を取らないだ 
 ろう。常日頃から世話になっているし、未熟な俺にできることと言ったら彼女においし 
 いものを食わせることぐらいだ。

 「よっこいしょ、と」

 体にはまだけだるさが残るが彼女を餓えさせるわけにもいかないので、なんとか体を起 こす

 「えっと、着替え、着替え。」

 寝巻きから着替えるため、服を探そうとするが急によろける。

 「いたたたっ」

 まだ昨日の傷が痛む、しかし表面は何とかふさがっている様だ

 「我ながらよく生きてるよな。」

 昨日の夜が思い出される

 「よくあんな化け物相手に助かったなー...んっ!」

 (まてよ、何で俺はここにいるんだ!? そう、あの時遠坂たちをかばって、それか  ら...そうだあの時俺たちの前に確か仮面「シロウ!気が付いたのですか!」

 俺の考えはセイバーの声にかき消された。

 「リン!シロウがおきましたよ!」

 それと同時にもう一人も走ってくる。

  どたどたどた

 足音ともに遠坂が現れる

 「おはよう、遠「こんの大馬鹿ー!!」

 挨拶がてらに右ストレートをもらう

 「ちょっ、ちょっと待て遠坂!」

 「うるさい!あんたみたいな馬鹿弟子には一発かまさないときがすまないのよ!!」

 「まったくです。あれほど無茶をするなといったのにその直後にあんな事をするとは」

 弁明の暇もなく二人の集中攻撃を食らう。

 「大体士郎がもっとねぇー...」

 絶え間なく説教をもらう、しかしこっちにも聞きたいことが山ほどある

 「ストーーープ!!!!」

 大声を上げて二人を止める。

 「な、なによ。」

 気迫に押され黙る遠坂

 「まず、昨日あの後何があった!仮面ライダーはどうなった!?」

 「シロウ、そのはなしをせつめいするにはすこしじかんがかかる」

 その後1時間に及ぶ説教と説明の入り混じった話を聞かされることになった

7: 残雪 (2004/04/17 17:18:20)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

「話は大体わかった、つまりあの後気絶した俺をその人がここまで運んでくれたわけ  か」

 とりあえずこの泥沼化した話に区切りをつける。

 「まぁ、そんなところね。 さて、士郎も起きたことだし、あの人たちに報告しなくち ゃね。」
 
 落ち着いたところで、遠坂が外出を促す

 「会えるのかっ!?」

 正直あれっきりの縁だと思っていたので再び会えるチャンスがあることに驚く。

 「住所は聞いてるからすぐにでも行きましょう。」

 「そうですね、私も彼の力には興味があります。」

 「それじゃぁ、すぐ行こう!、今すぐ行こう!!」

 憧れの存在との対面についつい声が大きくなる。

 「ちょっと衛宮君、あんたまだ寝巻きでしょう!」

 「あっ...」

 自分の格好を見て思わず赤面する。

8: 残雪 (2004/04/17 21:56:56)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

「さて、士郎の準備もできたしそろそろ行きましょう。」

「それで、遠坂、その人たちの住所は?」

今まで聞きそびれていたことを聞く士郎。

「そういえば私も詳しくは聞いていませんでした、リン、そこまでどのくらいかかるのですか?」

「大丈夫よ、そんなに遠くじゃないし、電車で15分くらいね。」

「それなら早く行こう!」

そういうと凛とセイバーの手を引いて走り出す士郎。

「ちょっ、ちょっと士郎!?」



そんなこんなで電車に乗り、地図の住所を探すが、なかなか見つからない。

「遠坂〜、まだ〜?」

さっきから30分もこのへんをうろうろしている。

「おっかしいわねー、この辺で間違いないんだけど...」

遠坂の持っている地図を見る、そこで妙なことに気が付く。

「遠坂、その地図、さかさまじゃないか?」

「えっ!あっ...」

そういうと図星なのか石化する遠坂、固まってることから図星なのが見て取れる

「えー、おほんっ、それでは気を取り直して」

自分のポカを無視し、再び歩き出す遠坂、でもこんな時くらいポカしないでほしいな〜。

そして10分ほど歩くと目的地についた。しかし、

「なあ、遠坂本当にここ?」

「う〜ん、地図では間違いなくここなんだけど...」

その着いた場所は豪邸などではなく意外にもクリーニング店だった...

「世を忍ぶ仮の姿ってゆうけど、これはなぁ〜。」

「ともかく入ってみましょう、リン、シロウ。」

「そうね、ともかく進まないと状況は進展しないし。」

あたって砕けろで店に入る一行。

「いらっしゃいませ〜!  あっ、きみたち昨日の。そっちのこも気がついたんだ!ささ、あがってよ。今たっくんと真理ちゃん呼んでくるから。」

そう一息で言い終えるとそのまま店の奥に消える啓太郎

「どうやら、ここで合っていたようですね。さあ、入りましょう。」

「ちょっとセイバー!」

そのまま入ろうとするセイバーをとめる凛。

「なぜとめるのです?先ほど進まなければ進展しないといったのはリンですよ。」

「そ、それはそうだけど」

「では問題ないでしょう」

そういうと奥に入っていくセイバー

「もう、セイバー! しかたないわね、士郎も行くわよ!」

そういって振り向くと妙に士郎が固まっていることに気が付く

「ほら、さっさとする!」

手を差し伸べられても固まったままの士郎

「わ、悪い遠坂、なんかいざ会うとなると固まっちゃって...」

「まったく、しょうがないわね〜」

そういうと士郎の背中を押して奥へ向かう遠坂。

9: 残雪 (2004/04/18 22:58:38)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

「ほら、そこに座ってよ。いまお茶入れるから。」

そういって無理矢理座らせると台所に消えていく啓太郎

「あ、それじゃぁまず自己紹介しなくちゃ、そっちの人にはまだ名前言ってないし。私は園田真理、であっちにいるのが菊池啓太郎。でそこにいるのが「乾巧だ。」

真理の説明を途中でさえぎる巧。

「私は遠坂凛、でこっちがセイバーで、もう一人は私の弟子の士郎。」

「衛宮士郎です、よろしく。」

そういうと真理に握手を求める士郎。

「怪我はもうだいじょうぶ?」

そういうと士郎の手をとる真理。そうしている間に啓太郎が人数分のお茶を持ってくる啓太郎。

「ところで、昨日俺たちを襲った怪人はいったい何なんですか。」

聞きたくてしょうがなかった疑問をぶつける士郎。

「昨日あなたたちを襲ったのはオルフェノクってゆう、ああいう力に覚醒した人たちなの。」

「オルフェノク!?あれが!?」

口にされた正体に驚く遠坂

「しってるのか!?遠坂!」

遠坂に心当たりがあることに驚く士郎

「えっ、うん。ねぇ衛宮君、少し前までこの町で行方不明者が多発したでしょう。」

遠坂に言われて思い出すと確かにそんなことがあった。聖杯戦争であわただしくしている内にぱったりと事件が起こらなくなったのでとっくに解決されたと思っていたが...

「テレビには出なかったけどその時事件を起こしていたのがオルフェノクってゆう謎の連中だって噂が裏の社会ではもちきりだったの。といってもそんな連中がいるなんて証拠は
まったくなくて、誰かが証拠を隠滅してるって説もあったけど、結局噂は立ち消えになったの。」

「そうなんだ、で、その時オルフェノクたちを倒したのがたっくん。」

「じゃぁ、乾さんってやっぱり正義の味方なんですか!?」

聞かされた事実から巧に憧れの眼差しをむける。

「う〜ん、以前にも聞かれたけど、微妙だな。」

「そんな事ないって、俺はたっくんの事正義の味方だと思ってるよ。」

「おい啓太郎。」

啓太郎の一言に困ったような声をあげる巧

「じゃぁ、やっぱり...」

ぐぃと身を乗り出す

「だから違うって、俺はそんな大層なもんじゃない。 ただ、みんなが幸せになってくれれば、それでいいんだ...」

小さな声で自分のありのままの気持ちを語る巧。その言葉を聞きなんとなく士郎は納得する。

「やっぱり、乾さんは正義の味方ですよ、俺も啓太郎さんがそこまで言う理由、なんとなくわかりました。」

      がたっ!

そういうと急に土下座する士郎、

「おねがいします、俺を、乾さんたちと一緒に戦わせてください!」

10: 残雪 (2004/04/19 22:42:22)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

「ちょっと、士郎君、頭なんて下げないでよ。」

いきなりの土下座に驚きつつも士郎に駆け寄る真理

「そうだよ、そんな事別に許可を取るようなことじゃないし、全然OKだよ、ねっ、たっくん!」

全面的に賛成な啓太郎。しかし

「やめとけ。」

あっさりと断る巧

「たっくん!!」

そんな巧に抗議の声をあげる啓太郎。

「大体お前、昨日殺されかけたばっかりだろう。それに、なんでさっきから俺が正義の味方だの、そんなことをききたがる。」

「そ、それは...」

巧からの質問に沈黙する士郎

それを見かねて士郎をフォローする遠坂

「ふぅ、これじゃぁ話がまるで進展しないわね。まず乾さん、士郎があなたに正義の味方かどうか聞いたのは、こいつが正義の味方になりたいからなんです。そこで士郎のためにもしばらくいっしょに戦わせてもらえませんか?わたしたち、これでも危ないことにはなれてますので。」

「そういわれてもな。」

「もちろんタダとは言いません、幸い私は裏の情報網をいくらか持ってますから、オルフェノクの動向を探ることもできるでしょうし。ここはお互いのためにも手を組んだほうが得策だと思いますが?」

持ち前の口のうまさを発揮する遠坂、そんな遠坂の提案に黙り込む巧

「いいじゃない巧、今回は向こうの司令塔らしきものもわかってないし、なにかと情報は必要だと思うけど。」

「うん、俺もそう思うな。ねぇたっくん。」

そんな二人のプレッシャーに耐え切れなくなった巧。

「わかったわかった。その代わり自分の身くらいは自分で守れよ。」

「はい!よろしくお願いします!」

「それじゃぁ、話もまとまったしお昼にしようよ。あっ、凛ちゃんたちはお昼どうする?」

「そちらがよろしければご一緒させていただきます。」

「わかった、それと、敬語じゃなくていいから。あっ、真理ちゃん人数分の買い物行かなくちゃいけないから手伝ってよ。」

それも聞くとセイバーがここにきてやっと口を開く

「リン、私たちも手伝いましょう。原因は私たちにある。」

「そうね、それじゃぁ士郎、私たちも行くからゆっくり話しでも聞いてなさい。」

「ああ、なにかすぐ連絡してくれ。」

そういうと遠坂たちは去り、そこには士郎と巧だけが残された。


そして、買い物も終わり川原を走っていると

「ごめんね、手伝わせちゃって。」

助手席の真理が後ろのセイバーたちに話しかける

「いえ、気にすることはありません。協力関係にある以上、それほどおかしい事でもありませんし。」

謝る真理に自分の考えを素直に言うセイバー。

「ねぇ、士郎君の傷いったいどうやって治したの?」

聞けずじまいだった疑問を口にする真理

「そ、それは...」

答えづらい質問に口ごもるセイバー、そんなセイバーに助け舟を出す遠坂

「真理、私たちはね、魔術師なの。」

「えっ!魔術師って空を飛んだり炎を出したりするアレ!?」

いきなりの驚くべき返答に取り乱す真理。

「う〜ん、まぁそんなところね。」

「へぇ、魔術師って本当にいるんだ〜。」

運転している啓太郎が口を開く。

「じゃぁ、セイバーちゃんもっ?」

更に質問する真理

「セイバーは私の使い魔なの。」

「へぇ〜、ますます驚き。」

「うん、まさか本当にそういう人がいるなんてさ。」

二人とも驚きを隠せないようだ。その時、

「啓太郎!前!前!!」

「えっ、うわーー!!」

道の真ん中にいたあの男、芹沢を危うく轢きかける。

車を止まる啓太郎が降りる

「ちょっと、あぶないじゃないか!。」

「菊池啓太郎、それに園田真理だな。悪いけど君たちにはファイズを呼び寄せる餌になってもらう。」

そういうとともに芹沢はトータスオルフェノクに変身する。

「オッ!オルフェノク!!」

そういうと腰を抜かしたように座り込む啓太郎。

「啓太郎!」

言うが早いか啓太郎に駆け寄る真理。

「ケイタロウ、マリ、ここは私に任せてください!。」

二人の前に飛び出すセイバー

「やめときな、小娘。死ぬぞ。まー俺はそれでもかまわんけどな。」

「今の言葉、あの世で後悔するがいい。」

そういうとセイバーが風王結界をだす。

「面白い手品だが、相手が悪かったな。」

そういうとトータスオルフェノクがセイバーへと走り出す。

   ブンッ!

一瞬で相手の横へと移動し、剣を振るう。

(とらえたっ!)

セイバーの剣が敵の二の腕を切り落とそうとする瞬間、自らの腕にある手甲でそれを防ぐトータスオルフェノク。

「へぇ、余興にはちょうどいいな。」

そういうと逆の手でセイバーを殴る。

   ゴォォォン

剣をスライドさせ、それをとめるセイバー

「くっ!」

機能の敵など比にならないパワーに顔をゆがめる。

そして相手をけり、再び距離をとるセイバー。

そしてそれを見ていた啓太郎たちは、

「すごい、オルフェノクと互角に渡り合ってる...」

「ちょっと啓太郎!見とれてないで巧を呼ぶ!私は三原君を呼ぶから!急いで!」

「うっ、うん。」

そう言われると急いで携帯を出し巧にかける


11: 残雪 (2004/04/20 22:04:37)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

啓太郎ら襲撃の少し前

「それで、そこでどうなったんですか!?」

子供のようにはしゃぐ士郎、しかし巧のほうはかれこれ20分もしゃべりっぱなしでいい加減うんざりしていた。

「おい!お前いったいいつまで話せば気が済むんだ!?」

先ほどからいらいらしていた巧は士郎に強い口調で言う

「あっ、すいません。さっきから乾さんばっかりしゃべらせちゃって、今お茶入れなおしてきますから。」

そういうと勝手知ったる他人の家とばかりに台所へ向かう士郎、そんな時、巧の携帯がなる。

「はい。」

『たっくん、オルフェノクが!』

「わかった、場所は!?」

『そこの近くの川原!早く来て!』

そしてベルトの入ったケースを持つ巧

「どうかしましたか?」

台所から士郎が戻ってくる。

「オルフェノクだ!」

「おっ、俺も行きます!」

そういうとすぐ近くにあったヘルメットをもって巧を追う士郎。


そのころ、川原では

 ギィィィィン

振り下ろした剣を再び手甲でそれを受け止めるトータスオルフェノク。先ほどから戦いはスピードで勝るセイバーが優勢であった。

セイバーは止められた瞬間更にスピードを上げると、一瞬のうちに3撃を放つ。

 ガンッ!ガンッ!ガキィィィィン!!!3撃目で相手のガードを吹き飛ばすセイバー

そのまま渾身の力を込めて打ち込む!

 ガァァァァン!!

しかし、両断されるはずのトータスオルフェノクの体は両断されるどころか切れてさえいなかった。

セイバーは渾身の力で振った剣が止められたため、ほんの数瞬硬直する。だが、トータスオルフェノクが狙いを定めるには十分だった。

「ふんっ!!」

 バキィィィィィィン!!!

逆にもらったトータスオルフェノクの渾身の一撃をもらい胴体の鎧の一部が砕け散る。

「セイバー!!!」

凛が叫ぶとともに凛たちが駆け寄ってくる。

「残念だったな、なにも剣を受けれるのは手甲だけじゃない。俺の体はすべて同レベルの硬度を持ってるのさ。さて、そっちのお嬢さん方に用はないんでな。」

そういった瞬間

 ドォォォン!!!ドォォォン!!

トータスオルフェノクの足元が爆発する。

「なにっ!!」

 ブォォォォォォン!!

煙を突き抜け、デルタの乗ったジェットスライガーが敵目がけてつっこむ

 「ぐわぁぁぁ!」

咆哮とともに坂を転がり落ちるトータスオルフェノク

デルタはジュットスライガーをとめると飛び降りって敵のほうを向く

「三原君!!」

もう一人の仮面ライダーに真理はそう叫んだ。

12: 残雪 (2004/04/21 21:34:42)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

「真理!」

そういうと遅れてきたやって来た阿部里奈が駆け寄る。

「里奈!」

だが、今はそんな事よりもその場は颯爽と現れたもう一人の仮面ライダーに釘付けであった。

「デルタか、ちょっと予定外、でも予想外ってわけでもないか。」

そしてそのまま坂を駆け上がりデルタへと向かう。一方デルタは逆に坂を飛び降り、空中でデルタフォンにデルタムーバーを装着する。

「ファイヤー」

そして着地と同時にブラスターモードにしたデルタフォンに音声を入力する。

「ちっ!ちょこまかと!」

デルタの行動にペースを握られるトータスオルフェノク。

 ダァァン! ダァァン!

しかしそれもトータスオルフェノクの硬い装甲の前に弾かれる。それを見たデルタは武器をしまうと敵同様突撃する。

「おぉぉぉぉ!」

咆哮とともに突っ込み先手を浴びせるとともに更に連打に持ち込む。

「はぁっ、はぁっ!! やぁぁ!」

締めのキックでもう一度距離を離させる

「この、図に乗るなよ!」

ブンッ!ブンッ!

見た目でもその威力を十分うかがわせるパンチを巧みに避け、自らの攻撃を一方的に当てるデルタ

「たぁぁ!!」

そのままパンチをカウンターで顔面に食らわせる。

「ぐぁぁ!!」

そのままよろけるトータスオルフェノク。その隙に再びデルタフォンを取り出すと今度はポインターモードに切り替える。

「チェック!」

そういうと敵へめがけて光の弾を打ち込むとそれは敵の目の前でファイズの光同様、円錐状に広がる。

「はぁぁぁぁぁ!!!」

そのまま飛ぶと光の中に飛び込む!

13: 残雪 (2004/04/22 20:53:49)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

今まさにデルタの最大の必殺技、ルシファーズハンマーが炸裂するその瞬間!

「ムンッ!」

横からものすごい勢いで何かがデルタに体当たりする。

「うわぁぁ!」

光は消滅し、デルタは地面を転がる。

「てめぇ!余計なことを!」

トータスオルフェノクは突然乱入したマントの男を睨む。

「そうかな、俺にはやられる寸前に見えたぞ。まあいいプロフェッサーからお前を連れ戻すよういわれてな。」

「プロフェッサーが!?」

トータスオルフェノクはその言葉に驚くとともに、すぐに人の姿へと戻る。

「まてっ!」

そのまま去ろうとする所をデルタが立ちふさがる。

「悪いが今は戦う気はないのでな」

そういうと芹沢に肩を貸したままものすごいをスピードで走り去る。

「くっ!」

デルタは追おうとするが、すでに追跡は不可能だった。

それがわかるとデルタも変身を解き三原の姿に戻る。

 ブゥゥゥゥン!!

そこに、バイクに乗った巧と士郎が駆けつける。

「セイバー!!」

倒れているセイバーを見てバイクからすごい勢いでそばに駆け寄る士郎

「大丈夫ですよ、士郎。鎧は砕かれましたが本能的に後ろに飛んだのでそれほど問題はありません。」

「そうか、よかった。」

そう言われて安堵の表情を浮かべる。

「ちょっと衛宮君、私は心配しないの?」

あきらかに面白くない、といった顔を浮かべる遠坂

「あっ、いやっ、そういうわけじゃ...」

そうしている間に三原が近寄ってくる。

「遠坂、この人は?」

さきほどの戦いを見ていない士郎は当然の疑問を口にする。

「三原だ。そっちの娘は大丈夫?」

軽く自己紹介すると倒れているセイバーの様子を伺う

「こっちは大丈夫。それよりありがとう三原君、三原君のほうこそ怪我してない?」

真理が三原を心配して駆け寄っていく。

「おれのほうも大丈夫だ、それよりそっちのほうには知らないやつがずいぶんいるようだけど。」

「おい!こんなところでいつまでも突っ立ってないで、帰るぞ。」

先ほどから無視され続けた巧が拗ねたような口調で言ってくる。

「そうだね、それじゃぁ皆、うちに行こうよ。また話をまとめないといけないし。」

それを聞いた士郎が再び遠坂に話しかける

「話をまとめるって、そんなに色々あったのか?」

それをきいて遠坂は、

「そうね特に士郎はものすごく驚くだろうから覚悟しときなさい。」

疑問符をうかべる士郎を尻目に遠坂は車へと歩いていった

14: 残雪 (2004/04/23 20:27:18)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

そして、それから30分

「で、情報を交換条件にこの人たちも一緒に戦ってる。それでいいかしら?真理」

話しを聞いた里奈が要点をまとめる。

「うん、大体そんなとこ。でも三原君がまだベルトを持っててよかった。オルフェノクもでなくなってたからもう捨てちゃってるかもって思ってたけど」

そう言われると三原も話の輪に入る

「今となったら父さんの遺してくれた物っていってもこれぐらいしかないからさ、お守り代わりに大概の時は持ってるんだ。」

それを聞くと真理はすごい剣幕で反論する

「ちょっと三原君!まだお父さんが死んだって決まったわけじゃ...」

あまりの剣幕に思わずたじろぐ三原

「すまない、無神経だった...」

しばし全員が沈黙する。そんな沈黙を破ったのは、

 くぅ〜〜

それは、セイバーの腹の鳴る音だった。

「セ、セイバ〜。」

糸の切れた人形のように、前にある机にへたれこむ遠坂

「わ、私は悪くありません!第一まだ昼食もとっていないのですからお腹がすくのは当然なのです。」

「あっ、そういえばご飯だった、三原さんたちも食べていってよ。」

そういうと昼食を作りにいく啓太郎

「じゃぁ、俺も手伝いますよ。」

そういって追いかける士郎、そんな彼らを見て遠坂は、

「よかったわね、セイバー。たっぷり食べられそうだし。」

「リン!だからわたしは...」

それをみて

「いい人たちみたいだな、里奈」

「そうね、しばらく楽しくなりそう。」

15: 残雪 (2004/04/24 12:10:56)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

 その頃、あの白き世界では、

「おい、プロフェッサーはまだかよ!?」

さきほどの遊びを中断されて明らかに不機嫌な芹沢。

「やめなさい、芹沢君。まだ帰ってから5分もたってないわ。」

そんな芹沢を諭す冴子。しかし、それでも怒りは収まらない。

「大体、わざわざ呼んでおいて待たせるなんて言語道断だぜ!!」

「言語道断?お前の口からまさかそんな言葉が聞けるとは。」

芹沢の言動を嘲笑するマントの男

「んだとぉ!!元代行者がそんなに偉いってのか!?」

顔に紋様を浮かばせながら詰め寄る芹沢。
その時、

「仲間割れはやめんか、芹沢。」

突如プロフェッサーが現れる。

「へっ、やっときたかよ。それじゃぁ何で俺を呼び戻したか、聞かせてもらおうか!?」

今度はプロフェッサーへと詰め寄る。

「いきがるのは大概にする事じゃ、いかにお前でも、さすがにベルトを二本も相手にすれ
ば負ける事は目に見えておる。」

芹沢に対して現実を突きつけるプロフェッサー

「チッ!」

図星なのかプロフェッサーから目をそらす芹沢。
そんな彼を無視し更に話を進める。

「お前を呼び戻したのは他でもない、王が目覚めたからじゃ。」

それを聞き冴子は急に話に真剣になる。

「そう、ついに目覚めたのね、王が。」

「さよう、しかし完全覚醒にはもっとオルフェノクを喰わなければならんのでな、ひとまず30体ほど食わせてみてはいるがはたしてそれでも足りるかどうか。」

「そんなに、前はそんなにしなくても覚醒したけど。」

「スマートブレインは相当強引に覚醒させたじゃよ。本来はもっと丁寧な下準備が必要だったんじゃ、そのおかげでファイズに倒されたときは本来の力の1割も出せなかった。
しかも中途半端な状態で倒されたばかりに、復活にも時間が余計にかかってしまった。」

「それでは、完全覚醒にはまだかかるのか?」

それまで沈黙していたマントの男がプロフェッサーに歩み寄る。

「いや、あとはより多くのエネルギーの与えればいいだけじゃ。その点では、君には大いに感謝しているよ。君の代行者としての知識のおかげでこれまでこの場所が発見されることはなかったし、魔力などの私の知らない分野が王復活にずいぶん役立った。」

愉快そうな笑みを浮かべながらマントの男に語る。

「それは良かったな、しかし問題は向こうにも魔術師がいたことだ。ひょっとしたらこの場所がそろそろばれるかもしれん。」

その話がでるとなにかを思い出したように芹沢が口を開いた

「そういえば、あの時いた小娘、なんか人間ってゆうより俺たちに近い感じがしたけどあいつ何者だ?」

「お前にしては察しがいいな、おそらくあれはサーヴァントだ。」

「サーヴァント?」

「最近、ちょっとした行事のために過去の英雄の霊が呼び出されたんだ。おそらくあれはその名残だ。」

「へぇ、どうりで手ごわいわけだ。」

いかにも納得したというようなそぶりを見せる芹沢

「そういやぁ、あのスマートブレインの生き残りのいけすかねぇ女はどうしたんだ?」

さきほどから一人いないことに気づく芹沢

「彼女なら王のところじゃよ。まったく、わざわざ食事を見に行くとは、物好きよな。」

そういい残すとプロフェッサーもまたいずこかに消えていった。

16: 残雪 (2004/04/25 22:06:06)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

その頃の士郎達は昼食を終え、食後のお茶を楽しんでいた、

「それで、今後はどうしていくつもりなの?」

遠坂が今後の方針について聞く。

「さあな、とりあえずは地道にオルフェノクを倒していくしかないんじゃないか?」

打開策が見つからずひとまずの方針を提案する巧、それに対して士郎は、

「でも、それじゃぁ何の解決にもならないし、被害者が出るまで静観するって事じゃないですか!」

巧の提案を強く批判する士郎、それに対してセイバーが口を挟む

「士郎、あなたが犠牲者をこれ以上増やしたくないのはわかりますが、敵の実態が何一つつかめていない以上、迂闊に動くのは帰って危険です。」

「でも、ここには5日しか居られないんだ!その間にできるだけの事はしたいし...」

士郎が黙るとともに回りに気まずい雰囲気が漂う。そんな時、

 ピーンポーン

「はーい!」

真理が玄関へと走っていく。

 ピーンポーン

「今開けまーす。」

 ガチャッ

ドアを開けるとスーツを着た男性が立っていた。

「あの、なにか?」

真理がその男に話しかけると、

「園田真理さんですね。ある方から、ここにいらっしゃる方々全員をお連れするよう承っております。お車の準備もできておりますので。」

男の指差したほうを見ると明らかに高そうな車がある。

「ちょ、ちょっと待ってもらえませんか?」

そういうと再び家の奥に入っていく真理

「どうかしたの、真理。」

里奈が走ってきた真理に尋ねる。

「うん、なんかここに居る全員に来て欲しいっていってて、車まで用意してくれてるんだけど。」

「君たちの知り合いか?」

三原が遠坂達に聞く。

「まさか、こっちに居る魔術師には誰一人接触してないし。」

「なんにせよ、ここにじっとしてたって仕方がない。車まで用意してるんだ。何かあるのだけは確かだな。」

そういうと巧はベルトの入ったケースを持って出て行く。

「ちょ、ちょっと、たっくん!」

それを啓太郎が追いかけていく、

「なぁ、遠坂、どうする?」

「ここは彼のいうとおり、いくしかないでしょう。」

そういうと遠坂も出て行く、

「おい、遠坂!」

そして士郎も出て行くとそれに続いて結局皆外へと出て行った

17: 残雪 (2004/04/26 20:36:58)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

車に乗って早15分、車は段々都心から離れてきていた。運転手も、もう一人の男も、口止めされているのか、先ほどから行き先を聞いても、

「それについては、お話できません。」

の一点張りだった。だがここに来て、

 ウィィィィィン

窓にシャッターがかかる。それを見て巧は、

「おい!どうなってるんだ!」

巧が助手席に居る男に食って掛かる。

「ご心配なく、ただ、これから着く所は極秘とされていますので。」

そういうと男は人数分のアイマスクを差し出す。

「これを。着いたらお知らせしますので。」

差し出されたアイマスクをつける一行

それから、また10分ほどの時間が流れる。

その後は、車がトンネルにでも入ったのだろうのか、走る音が反響して聞こえているいる。しばらく音ばかり聞いていると突如車が止まる。

「着きましたよ、アイマスクはとって貰ってかまいません。」

アイマスクを取ると自動でドアが開く。
そのまま車を出ると急に強い光が目に入ってくる。ゆっくり目を開けるとそこはまるで秘密基地のようだった。一行が目を奪われていると、

「どうぞ、こちらです。」

さきほど助手席に乗っていた男が一行をエレベーターへと案内する。

「なぁ、ここはいったい何の施設なんだ?」

士郎が前の男に話しかけると、

「それはこの後会うお方に聞けばすべてわかります。無論私でも答えることはできますがここの全貌を完全に把握しているのはあの御方だけなのです。」

「一つ聞きたいんだけど、さっきから言ってるあの御方っていったい誰なの?」

遠坂が更に質問するが、

「それはもうすぐ会えるので。」

そういうと男は黙り込む。

「着きましたよ。」

そういうとエレベーターが止まり、ドアが開く。

その先には、真っ赤な絨毯がひかれた廊下とその先には厳重に、幾重にもロックのかかった扉があった。
男はそのドアのロックを一つづつ開けていく。それから少しすると、ドアのロックが全て開く。

「どうぞ。」

男は一礼すると道をあける。

そのまま中へと入る一同

中に入るとその部屋はかなり広く、中には机と何かの文献が机の奥のほうにずらりと並んでいた。
やがて一行が入ってきたのを確認すると、椅子に座っていた人物が一行のほうに椅子を動かす。そして、

「ようこそ、みなさん。お待ちしていました。」

椅子に座っていたのは40後半くらいのどこにでもいそうな紳士だった。

「あなたなの?私たちを呼んだのは。」

遠坂が紳士に向かって率直に質問する。

「いかにも。」

紳士はその質問に答えると、

「いったいどんな用があるんだ?」

巧が更に質問をする。

「君たちの力を借りたい、その代わりに君たちの知りたがっていることを教えよう。」

紳士がそういうと三原が、

「あなたはいったい?」

「わたしは樫森。かつてスマートブレインのベルト開発チームの開発部長をしていた者だ。」



18: 残雪 (2004/04/27 21:07:32)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

一方、巧たちが車に乗っていくのを監視していたプロフェッサーは、

「奴が動いたか。」

「奴?」

その場に居合わせた冴子が聞き返す。
それに対してプロフェッサーが答える。

「わしの元上司じゃよ。」

それを聞いて興味を示すマントの男、

「上司?あんたみたいな老人がまだ居るのか?」

それを聞いたプロフェッサーは苦笑しつつも質問に答える。

「あやつはわしよりよっぽど若いよ、ただ、奴はわし以上のマッドじゃがな。」

プロフェッサーの返答に今度はマントの男のほうが苦笑する。

「あ、あんた以上とは相当の変わり者だな。」

「だが、その天才的な頭脳は悔しいがわし以上でな。なにせベルトの出力系統等の基本設計を開発したのは、他ならぬあやつじゃったからな。」

「それほどの人物が、なぜ表社会にまったく出てこないんだ?」

その質問にはプロフェッサーでさえも知らないようで、再び苦笑する。

「さあな、だが、あやつとファイズ達が手を組むのは、少々危険じゃな。王は今繭の状態じゃからな。繭が破れるまでは繭はあらゆる攻撃をうけつけない盾の役割を果たすが、破れる直前の頃になると繭に流れているエネルギーまでもが王に吸収されるので、その間はただの繭にすぎん。」

プロフェッサーの話しを聞くと再び冴子が口を挟む。

「じゃぁ、どうする気なの、プロフェッサー?」

「ここは君に行ってもらうよ。」

プロフェッサーはマントの男を指名する。

それを聞くと今まで黙っていた芹沢が話しに入ってくる。

「おいおい、そういうのは俺の仕事じゃねぇのかよ。」

「貴様は自分勝手に動きすぎるのでな、あやつに逃げられても困るのだよ。」

そう言われると不機嫌そうな態度をとる芹沢。

「は〜あ、それじゃぁいつも威張りくさってる代行者さんに頑張ってもらいますか。」

いかにもな嫌味を言う芹沢。
だが、マントの男は芹沢に対して余裕の態度を見せる。

「ふっ、お前よりはうまくやるさ。」

そのまま立ち去ろうとするマントの男に冴子が近づく。

「期待してるわ、がんばってね。」

だが、マントの男は近づいてきた冴子を振り払う。

「ふん、貴様もあの女同様、たいした女狐だ。」

そこにプロフェッサーが何かを持ってくる。

「もっていくが良い、新たに抽出した王の因子じゃ、使っても副作用は出なくなっておるそれに突入要員を8人用意しておいた。」

「感謝する、必ず期待にこたえよう。」

そういい残し男は戦場になる場所へと向かった。


19: 残雪 (2004/04/28 23:57:32)[nobukun0126ybb.ne.jp]http://www.supringroll/tmssbbs/readphp?id=1081783234

場所は再び変わり、士郎たちに。


「スマートブレイン!?」

巧は目の前の紳士の言葉に耳を疑った。

 スマートブレイン

かつてオルフェノクを統括し、人という種を滅ぼそうとした組織。
しかし、それは3つのベルトの所有者、そして人の味方となったオルフェノク達の手によって完全に滅んだはずだ。

「といっても、私はオルフェノクではないよ。私は途中で抜けた身でね。」

樫森は息を荒げる巧をなだめる。しかし、ほかの者も黙ってはいない。

「いったいどうゆう事なんだ、スマートブレインはとっくに解体されたはずだ。」

今度は三原が口を開く。それに対して樫森は、

「まあまあ、少し落ち着きたまえ。
まず、私がこんな事をしているのは三原君、君の義父、つまり前々社長の花形さんにヘッドハンティングされたのがきっかけさ。」

「義父さんの?」

それを聞いた真理が更に聞き返す。

「花形さんに会う前、私は研究費が欲しくてね。そんな時あの人が私の研究に興味をもってくれたんだよ。その研究は君達のベルトにも組み込まれている。」

「このベルトに?」

「そうだ。まぁそんな事はどうでもいい。
私がスマートブレインでベルトを作っていたとき、花形さんはベルトはオルフェノクを倒し、人を救うための物だといって作らせた。しかしベルトがいよいよ完成という時、彼の本当の目的は人を救うことの真逆だったことを知ってしまった。
それを知ると私はすぐにスマートブレインから脱走した。」

それを聞くと遠坂が何かを疑問に感じる

「なぜ? いくら人を滅ぼすといっても重要な開発者であるあなたをそう簡単に殺すとは思えないわ。」

それを聞くと樫森は淡々と質問に答える。

「私は自分が一番かわいいのでね、世界中の人間がオルフェノクに取って代わるのは大変困るのだよ。私はさっきも言った様にオルフェノクになれんので、そんなことになったらせっかく築いた裏世界での名声も意味を無くすからな。そして私はオルフェノクに肉親、友人を奪われたり、そういった恨みを持つ者を集めて今まで水面下で活動してきた。」

その答えを聞き終えると士郎が話しを進める。

「それで、俺達の力を借りたいってのは?」

そして樫森はやっと本題に入ったとばかりに椅子に座りなおす

「今ある男が眠りについた王を復活させようとしている。」

それを聞くと三原の血の気がひく。

「王だって!? あれは確かに倒したはずだ!」

「ところがそうじゃない、残念ながら完全に消滅させる事は出来なかった。」

「それで、今王はどうなってるの?」

里奈が樫森に聞くと樫森はさらに話を進める。

「今は完全覚醒のために繭になっている。あと推定2日ほどで覚醒するだろう。」

それを聞くと啓太郎がせかすように回答を求める。

「そんな、もう2日しかない。なにか対策はないんですか!?」

「繭は覚醒寸前にもっとも防御力が下がり、その状態なら王は完全に無防備のため倒すことが可能だ。」

それを聞くとセイバーは更に話を進めようとする。

「ですが、敵の場所はわかっているのですか?」

「その点は問題ない。ここからだいぶ離れたところに、この地の霊脈がある。
そこには古寺があったが最近その辺りいったいの土地を誰かが買い取っている。しかし相当広い土地を買い取ったのにそこには何一つ作られていないし、買い取った客も判明しない。
その周辺を調べた結果、ちょうど霊脈に位置する場所に結界で隠された建物を見つけた。さらにそこにいる行き来している人間全員がオルフェノクであることが確認された。」

「なるほど、ですが突入するにしても勝ち目はこちらにあるのですか?」

セイバーが尋ねると樫森は2つのケ−スを巧と三原の前に置く

「これは?」

「開けてみたまえ。」

そういわれて巧と三原がケースを開けると、

「なっ!」

「これは!」

二人共ケースの中身を見て驚愕する。
そう、その中には二人のベルトとまったく同じ物が入っていた。
一方、樫森は二人がそれを見たのを確認すると更に話を進める。

「見かけは同じだが、君達の物よりさらにチューンされている。それを使うと良い。」

しかし、三原はそれを樫森に突き出す。

「すまないが、このベルトは義父さんがくれた物だ。性能が上とはいっても、そう簡単に換えることは出来ない。」

それを聞くと樫森は少し考え込む。そして考えを口にする、

「君の気持ちはよくわかった。では、デルタフォンとファイズフォンはそのまま使うというのでは駄目かね?」

そう聞き今度は三原が考えこむ、そんな時巧が、

「おい真理、ここはお前が決めてくれ。」

そういわれて真理も少し考え込むと、

「私は、それで良いです。義父さんのベルトから換えるのはちょっと抵抗あるけど。携帯はそのままで良いって言うんなら、今後のためにもそれが一番いいと思う。」

それを聞いた三原も、

「真理がそういうなら...」

そして二人とも自分のケースからそれぞれ取り出すと新しいベルトにそれをおさめる。




その頃、一台のトラックがこの場所へと到着した。

警備員一人が近寄り、

「積み荷は何だ?」

そう言われると運転手は、

「贈り物さ。あんたらに、死をね。」

そういうと男は顔に紋様を浮かべるとともに、指を触手のように伸ばし、警備員の体に入り込ませる。

「あ、あぐ、あ。」

指は警備員の心臓に到達すると、心臓を燃焼させる。

 ザー、パサッ。

警備員の体は灰になり、主を失った衣服は地面へと落ちる。
そして運転手はコンテナの鍵を開けると、中の仲間を外に出す。
最後にあのマントの男が出てきた。そして先ほどの運転手が近寄ってくる。

「なぁイレイザー、全員殺して良いのか?」

「あぁ、ただしターゲットは逃がすなよ。」

「OK。そんじゃ、久しぶりに殺しまくるか。」

そういうと8人の人の姿をした者が異形の怪物へと姿を変えた。


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