fate もし32 (傾:シリアス?


メッセージ一覧

1: 久遠 (2004/04/11 00:47:24)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:fateもしは電波製なのです。

 注意2:一部のキャラが原作とは性格が異なる場合があります。

 注意3:今回前振りが凛嬢の視点です。

 注意4:不快に感じるかもしれない文章があります。
   
     そう感じがなら即座にブラウザの戻るで脱出して下さい。
 
  以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。
























 「アーチャー、いえ……。英霊エミヤって呼んだ方が良いかしら?」

 
 士郎が逃げ出している間に聞いておく。
 
 
 「そうだな、アーチャーで構わないよ遠坂」


 士郎と同じ口調でそう言ってくる。


 「それで、英霊にまでなっちゃって『衛宮君』は何がしたいのかしら?」

 
 「そのことについてははっきりと言っておこう。ここの世界の衛宮士郎とオレは別物だ。

  オレは聖杯戦争時に奴ほど力がなかった」
  

 ほんの少し悔しげに呟く。

 つまり、


 「アンタにとってここは平行世界って訳?」


 「そうなるな。……オレの世界ではセイバーは本来の時に帰った。
 
  こことは違いサーヴァントも全て消え、死者もでていた」


 そうか、コイツにとってセイバーはコイツの世界のセイバーなんだ。

 だからアノ食欲魔人とかした騎士王に不満があったのだろう。


 「で? 結局聖杯もなくなってアンタはどうするのよ」
 
 
 「どうもしないさ、オレの今の目的は奴がどうなるのかを見ることだ」


 「何それ?」


 「奴はオレとは違う道を既に歩いている。オレの違った可能性。

  その結果を知ることでオレの何かが変わるかもしれないだろ?」


 ああ、コイツは英霊になったことを後悔しているんだ。


 「ま、好きにしたら。アイツがアンタ見たいになるなんて絶対にないんだから!」


 そう、アイツが何時でも幸せだって思えるぐらいにしてやるわ!


 「ふっ、ここのオレは幸せなことだ。

  ん? どうやら戻ってきたようだな」


 そう言って入り口のある方を見るアーチャー。


 その顔はどこか楽しんでいるようだった。










       fate/stay night もし32


 延々30km、

 襟首掴まれて引きずられました。
 
 死ぬってマジで。

 ズボンも強化しなきゃ穴が開いて偉いことになっとったよ。


 会議場の前には皆さんおそろいで、って赤いのと遠坂がいない。

 と思ったら直に現れた、迷子にでもなってたのか?


 「シロウ、気になっていたのですがその女性は誰なのですか?

  まさかとは思いますが……既に二号さんを作っていたのですか?」


 ライダー、日に日に君が壊れていくようだよ。


 「あら、そう言うアナタは『私』の士郎の何なのかしら?」


 おい、何時からオレはアンタのモノになったんだ。


 「妄想が過ぎる方々は黙っていたらどうですか?

  シロウはエーデルフェルトの婿になる男性ですよ」

 
 ブルータス、お前もか?


 「お盛んなことだなシロウ・エミヤ」


 バゼットさん、笑っているのに目はマジですよ。


 「アンタ本気で見境無いわね」


 遠坂、何のことだ?


 「それよりも、会議が始まるのだろう?

  さっさと済まして帰りたいのだがね」


 流石だ赤いの、事態の収拾をしてくれるとはな。

 赤いのの一言でこの話し合いは持ち越された……救われてない気がする。

 


 

 「解っているのかね!? 

  君達は下手をしなくても戦犯として扱われてもおかしくはないのだよ!」
 

 会議の進行役のおっさんが唾を飛ばしながら叫ぶ、汚いって。

 現在会議とは名ばかりで、始まってから怒鳴られてばかりだ。

 ふあ〜。

 っといけないいけない、欠伸がでてしまった。

 ん?

 青子が席の後ろの方で手を振ってるよ……手を振り返さなきゃ後で怖い。

 
 「ずいぶん余裕じゃない、士郎」


 「そう言う遠坂はどうなんだ?」


 「私? 私もそこまで切羽詰ってはいないわね。

  今の私たちの戦力でも逃げるだけなら十分だもの」


 それは魔女とバゼット。

 それにルヴィアが敵にまわらなかったらだけどな。

 
 「凛、それはいささか楽観視しすぎだ。

  この会議場には結界が張られているし、

  奴等は私たちを捕縛できるだけの戦力を用意しているだろう」


 そういうことですよ。


 「――だが我々もそこまで鬼ではない」


 ん? まだ話が続いていたのか?


 「お前達が使い終わった道具をこちらに渡すというのなら、

  今回の件は不問としよう」


 使い終わった道具だと?


 「一応聞いておくけど、その道具って何のことだ?」


 「お前は馬鹿か? サーヴァントに決まっているだろう。

  アレは研究材料としても破格なのでね、

  なんならその分の料金を払ってもいいぐらいだ」


 はっはっはっ。

 アイツ駄目だ。

 それこそ救いようが無い。

 セイバーやライダーを道具だと?

 赤いのや青いのを研究材料だと?

 バーサーカーやアンリ・マユちゃんに金額をつけるだと?

 葛木先生の婚約者のキャスターやオレの戦友のギルッチを?

 一度しか会っていないが面白い奴だったアサシンコンビを?


 左手が疼く……視界が赤く点滅する。

 
 ん、それが時計塔の総意だと言うのなら。


 ……今日が時計塔の最後になるね。

 
 『俺』という剣が鞘から抜き放たれそうになる。

 
 「落ち着け衛宮士郎。

  この場で奴を殺すのはかまわんが後々面倒だ」


 赤いのがその瞳に絶対零度の炎を灯らせてオレを止めてくる。


 「そうですシロウ、あの程度の輩の為にシロウが手を汚す必要はありません」

 
 自分達のことを言われているのにオレを心配してくれるライダー。

 おそらくセイバーがこの場にいたなら既に聖剣を無理矢理発動させているだろう。


 「士郎、こんな茶番は終わりにしましょ。

  日本に戻って徹底抗戦よ!」


 遠坂も既に沸点ギリギリまできているようだ。


 「どうした? まさか使い捨ての道具の為に戦犯として処理されたいのか?」


 はい、これで限界(リミット)だね。


 「死ね」


 オレの呟きと共に、

 結界を無視して一本のただの錆びた剣をアホ発言をした奴に放つ。

 奴に宝具や名のある剣はもったない。

 剣が奴に届く――


 「シロウ、そのへんにしておけ」


 ――寸前に空間の揺らぎに消えてゆく。

 こんなことをするとしたら、


 「う、うそ……大師父」


 やっぱり宝石の爺さんかよ。


 「ふぃー……。久しぶりはっちゃけ爺さん」


 「うむ、久しぶりだな馬鹿孫」
 

 オレと爺さんの挨拶に青子以外の全員が唖然とする。


 「さて、今回の件の我が孫と弟子の不始末は私の責任でもある。

  こやつ等の罪状及び英霊達のことを不問とするならば、

  そうだな、5人まで弟子をとることにしよう」


 その言葉を聞いた瞬間、蜂の巣を突付いたように会議場が騒がしくなる。

 まー当然といえば当然なんだが。

 一部の奴等以外の連中は英霊を抑えきれるとは思っていなかったのだろう。

 なのでそんなことよりも魔法使いに弟子入り出来ることの方が重要なのだろう。

 それにしてもオレが剣を出したことにほとんど気づいてないし、そこんとこどうよ?


 「ありがと大元帥殿、アナタが会議を纏めてくれて助かったわ。

  私じゃ『破壊』することしかできなかったからね」


 青子がオレ達の方に歩きながら言ってくる。


 「それにしても、お主の影響ではないのか?

  初めて会った頃はシロウもここまで短気ではなかった筈だが」


 「あら、私のせいにするつもり?

  私だって昔の様なかわいい士郎もいいかなとか思っていたわよ。

  まあ、今の士郎もこれはこれでいいんだけど」


 おい、これはあんた等全員の影響だっつーの。

 なおも「やっぱり志貴と士郎の両手に花で逝こうかしら?」などと呟いている。

 はっきり言おう、アンタ駄目人間です。


 「大事にならなくて良かったですわねシロウ。

  私、何時シロウが怒るのかハラハラしてましたわ」

 
 「へー、つまりアンタは士郎のことを信用しきれなかったってことよね」


 「なんですって!? そんなことわありません!

  私の愛は空よりも高く、聖典トライテンを守る迷宮よりも深いのです!

  それだけの愛を持った私がシロウを信用しないなんてことはありません!」


 ああ、ルヴィア。なんで遠坂相手だと猫被りしなんだろう。

 その後も赤の魔王と金の獣の言い争いは続く。


 「さて、それでは久方振りにあった孫と無礼講といくとするか」


 「ん? 宴会か? んじゃ適当なとこで厨房借りて料理でも作るかな」


 「いいわねー、久しぶりに士郎の料理が食べれるなんて。

  後で姉貴に自慢してやろ」

 
 やめてくれ、そんな事したらあの街がなくなるぞ。

 ついでにその後でオレの身が危なくなるじゃないか。


 「ふん、お前の場合なんだかんだで良い方向に収まるのだな」


 赤いのが眩しいものを見るように目を細めて言う。

 オレは断じてハゲていなんだが。


 「さあシロウ、他の方々の注意がそれている今のうちです。

  私達の新婚旅行を続けましょう」
 

 そう言ってオレの腕をそのふくよかな胸に抱いて引っ張っていくライダーさん。

 いやはや経過はともかく終わりよければなんとやらだね。

 

 続く・・・のか?





 あとがき

 どうも久遠です。

 途中にアホが出現、最後は力押しで解決です。

 士郎君のネタバレはどうしたとか、そのような発言は左の耳から右の耳です。

 最初はあったんだけどな〜、何処にいったんでしょう?

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


記事一覧へ戻る(I)