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「どうしたの?」
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何で・・・・・
「・・・・・・何で・・・・・ナンデ・・・・・」
小さく呟く
「え?」
彼女が誰なのかは知らない。わからない。
だけど、
「ナンデ裸エプロン?」
ある世界に居る男 第一部 "part3"
1、現状把握
「え?だって男の人はこんな格好が好きなんでしょ・・・・・・」
いや、まぁ確かにそうなんだが・・・・
「ぁ、ぁあそうだけど・・・・・・」
「ならいいじゃない、こんな綺麗なお姉さんがこんな格好してくれるなんて普通の人生じゃありえないわよ?」
こんな格好・・・・・
こんな格好でしろう君が待っていてくれたら・・・・・・・そんでもって『お兄ちゃんお帰り♪』
「グハァ!」
「?!どうしたのマスター?!急に鼻血出して?!」
彼女が走りよって来る。
それを僕は手で制して
「大丈夫だ!!僕はまだ大丈夫だ!!」
「どうしたのよ急にぃ?」
「・・・・・・すまん、落ち着いたから・・・・・・」
と、とても当たり前でもっと大事な事を忘れていた。
「ねぇ君、誰?それに君は何で僕のことをマスターって言うの?」
「え?何言ってるの?あなたは私のマスターじゃな・・・・・・・あぁそうだったわね、まだ自己紹介してなかったわ」
そして彼女がひざまつく、
まるで王の前にいる騎士のように。
どうでもいいけどその格好でひざまついたら胸の谷間が・・・・・・・
「私・・・・・某はサーヴァント・アサシン。主の命により参上いたした」
サーヴァント?
「サーヴァントって・・・・<奴隷>のこと?」
「ん〜・・・まぁそんな感じでいいんじゃない?とにかくあなたは私のマスターよ、証拠はその右腕にある令呪」
右腕を見る。
右腕の・・・・・ちょうどBCGの痕が残る場所に・・・・・これは・・・・・
「・・・・・これは・・・・・何?」
「?あなたもしかして聖杯戦争って知らないの?」
知らないはずが無い。
それは戦争
魔術師が起こした魔術師による魔術師だけの戦争
七人の魔術師が七人の英霊を・・・・・サーヴァント<奴隷>として呼び
誰か一人になるまで殺しあう
そして勝者は聖杯<願望機>を手に入れることを許される
「この」世界じゃかなり有名な「ゲーム」
まぁ・・・・ベットは命なんだけど
?あぁ、ってことは、
「これは強制権か」
「そ、まぁ三回だけなんだけどね・・・・どぉ納得した?」
「あぁ、納得した・・・・・これって何でもできるの?」
彼女はんーと考えて
「まぁ・・・・・人類の出来る限りの事は出来ると思うわ」
「んじゃこれを捨てるってのも?」
瞬間、
彼女の顔が強張る。
「あなた、その意味分かってる?・・・・・死ぬわよ?」
「ん、そんなことは知ってるよ。君が殺すんだろ?」
「なら何で・・・・「僕は人を縛るってのが嫌いなんだ」・・・・・・変わった人ね」
彼女が僕の隣に座ってため息をつく。
・・・・・そんな変わってるかな僕?
「・・・・・本当にやめるの?」
「ん?だって君も縛られてるのはいやだろう?・・・・・もしかしてM?」
ドゴン
顔がマンガみたいにめり込む
「バカなことは言わないで!私は別にMじゃない!」
「そ、そんなに怒らなくても・・・・・」
「五月蝿い!・・・・・あ〜あ私何か馬鹿みたい」
急に静かになる。
・・・・・何か空気が重い
このままじゃやばいよな・・・・・・よし!
「ねぇ?」
「・・・・・何?」
ぶすっとしたままこっちを向く
意外にカワイイ・・・・・
「何で聖杯を求めるんだい?」
そう、英霊達が理由も無くサーヴァントになるはずがない。
彼らも求めているのだ。
<願望機>を・・・・・・・
「ん?私はそんな物に興味ないわよ?」
え?
「え?何で?英霊も聖杯を求めているんじゃないの?」
「まぁ・・・・普通はそうなんだろうけど・・・・私はそんなキチ○イな物欲しくないわよ」
そう言うと彼女が暗い顔をする。
・・・・イイねぇ、こんな顔も・・・・・
「・・・・いえ、違うわね・・・・・私ほどそれを持てめているものはいないのかもしれない・・・・・・・」
「・・・・・・必要なの?」
「・・・・・うん・・・・・」
カワイイ・・・・・
と、じゃなくて、
「なら僕はこれを捨てない「え?」そして聖杯<願望機>を手に入れる」
沈黙・・・・・
「えぇーーーー??!!!」
ミミガイタイ・・・・
こんな近くで叫ぶなんて・・・・・
「何で?!あなたは要らないんでしょ?!なら、何で・・・・・・」
「君が必要なんだろ?僕は‍君のために手に入れるんだ。それに君はこの令呪が無くなったら君は現界できないでしょ?」
「――――――!!!」
ぼっと音が鳴るかと思うほど赤くなる。
・・・・・案外扱いやすいかも
「・・・・なんで・・・・・なんで・・・・」
「君が必要だと言ったから」
「・・・・・・死ぬかもしれないのよ?」
そんなことは知っている。だけど、
「人が困っているのを見捨てるほど僕はひどい男じゃない」
「・・・・・・今まで言わなかったけど・・・・・あなた馬鹿ね」
「あぁ、よく言われるよ。それより――――――
立ち上がる
もうそろそろ限界だ
―――――お腹がぺこぺこなんだ。それに裸のまんまじゃちょっと恥ずかしいし・・・・・てか何で僕は裸なの?」
忘れてた
「服がもうぼろぼろだったし、それに血がベッタベタよ?あんなの着てたらどう見たって怪しいじゃない」
「・・・・なら着替えぐらい準備してくれても・・・・・・・」
と、
彼女がこちらを睨めてくる。
「あんたねぇ・・・・半裸のまんまのあんたをここまで運んだのよ?それだけでも視線が痛かったのに・・・・・
それにライン繋がってるのに魔力が全然流れてこないし・・・・・」
それは・・・・・・
「すみません・・・・・」
と、急に顔を赤くしてそっぽを向いて
「・・・・・・・分かったらいいのよ。分かったらね」
でも、
「・・・・服どうしよう・・・・あの服特注だったんだよなぁ・・・・・しかも今着る服もないし・・・・」
「そういえば、あの服なに?とんでもない対魔力よ?私あれ持ってるだけで弱ってきたのよ?あんなぼろぼろなのに」
そりゃそうだ。
あれは、
「僕と同じ封印指定の人が作ったんだもの。しかもその人「この」世界でもかなり有名な人なんだぞ」
「・・・・・あんたが封印指定ってのも驚いたけど、こんなものを作れる人間がいるなんて・・・・・」
何気にひどいこと言われた感じしたけどそんなことは気にしない。
と、
「まぁいいわ・・・・・・今はラインから魔力もきてるし・・・・・服買いに行ってくるわ。
ご飯はキッチンにあるから勝手に食べてて、じゃぁ」
彼女がドアに向かって歩いていく
・・・・・・?!!
「バッ?!待て!!」
「何よ急に?」
「お前・・・・・・その格好で行く気か?」
「あ、」
彼女は今の格好で行こうとしたのに気づいたのか真っ赤になった
・・・・・ドジッ子?
2、彼女の本音
そのあと僕は彼女の作ったご飯を食べた。
和食だった。
キリツグからよく聞いていたがどんなものかは見たことはなかったからちょっとワクワク
パクッ
「・・・・・うまい」
ホントにおいしかった。
・・・・・・よくよく考えれば誰かの手料理を食べるのも久しぶりだ。
それから20分ぐらいしてから彼女が帰ってきた。
着替えているとき料理の事を聞いてみると、
「それぐらい簡単よ。また食べたかったら作ってあげる♪」
・・・・・・・赤面してしまった自分が恥ずかしい。
そして現在に至る。
今僕と彼女はテーブルを挟んで会議をしている。
「で、マスター・・・って今更言うのもなんだし、あんた名前は?」
名前・・・・・か。
「今は・・・・クレイジーブーステッド<壊れた強化人間>と呼ばれてる」
「?呼ばれてる?本当の名前は?」
「それは・・・・・・」
言えない。
それはあの町を出るときに決めた一つの契約<ゲッシュ>
これを名乗ってしまったら僕は僕じゃなくなる。
「無い、捨てたんだ。昔色々あってね」
「・・・・・そう、ならバースでいいでしょ?よろしくバース!」
彼女が笑顔で手を差し伸べる。
無理をしているのが分かってしまう。
「・・・・・・ごめん」
「え?」
「いや、気にしないで。うん、よろしく!」
で、
「君の名前は?」
「ん〜・・・・・あなた日本人じゃないわよね?」
「確かに僕は日本人じゃない。けど、それが?」
彼女は何か悩んでいる。
と、
「私ね。日本の英霊・・・・・いえ、英霊じゃなくて準英霊なのよね」
え?何だって?
「んじゃ君はあまり有名じゃないの?」
これは意外に大事なことだ
有名か有名じゃないか。
人は知っているか知らないか。
伝承はあるかないか。
それにより英霊は存在し、
そしてそれにより強さが決まるのだから
と、
「いえ、私は有名人よ。この日本ではかなりの知名度のはず。
だからこの日本にいる限りは純正の英霊と同格・・・・・いや、それ以上に力を出せるはずよ」
ん〜そんなに有名なのか
なら、
「結局名前は?」
彼女がまた悩む。
そして決心したのか俺に教えてくれた。
「私の名前は服部半蔵。伊賀流の元頭領で、徳川家康様に仕えた忍者の一人よ」
・・・・・・・・え?
「君、女の子だよ?」
「知ってるわよ!でも私以外の兄弟はみんな忍者として全然駄目だったの!それなのに私だけ忍者の中でずば抜けて強くて!だから父上が私に
『お前が私の代わりになってくれないか』
て言ってきたの!そりゃ反対もあったわ!?でも誰として頭領となろうとしなかったわ!何故か?!私が怖いからよ!!
私はすんごく強いから反発すると殺されると言われてたのよ!わかる?!皆から「鬼」と!兄弟からは「化物」と!
友達からは・・・・・「頭領」と・・・・・・」
泣いていた。泣き崩れる。
彼女を優しく抱いてあげた。
「そうか・・・・・いやだったんだな・・・・・・」
「うっ・・・・・えぐっ・・・・私は・・・・・私だって・・・・・普通に生きたかった・・・・・でも・・・・・でもぉ!!」
嘆く
「皆と同じように生きたかった!でも私を見る目は・・・・皆、皆皆皆皆怖いモノを見る目で見るんだもの!」
呟く
「誰も・・・・・・私のことを・・・・・見てくれなかった・・・・・皆私じゃなくて私の「戦う姿」しか見なかった」
嗚咽
そうか。彼女は、ただそれだけを願っていたのか。
「・・・・・・僕の話を聞いてくれないかな?」
「・・・・・・・?」
「僕は昔自分の町を出たんだ」
「・・・・・・・・何で?」
「人を探したんだ。僕にとってとっても大切な人・・・・・・僕に世界を教えてくれた人」
「・・・・・・・・・・・」
彼女が泣き止む
静、
「その人を探すために町を出たんだ。その時に僕は全てを捨てたんだ。名前もね」
「それで魔術の修行をするためにロンドンに行ったんだ。
その時分かったんだよ。自分がなんなのかってね。
その後が大変だった。いろんな人に狙われてね、色んな人と殺しあった。たくさん、たくさん殺しあった。」
まぁその倍の数ぐらいいろんな人と知り合ったんだけど
「そして、いつの間にか誰も来なくなった。多分勝てないし何もしないから放って置こうとしたんだろう。
そうすると暇になる。
今まで自分がどれほどの人とやりあったのか考えた。
分からなかった。どれほどの人を殺してきたのか。
そう、僕はもう人を殺すのに慣れてしまっていたんだ。人が息をする同じぐらい慣れてしまったんだ。
悲しかった。
でも、
それだけだ。何故か?簡単さ。
戦場とは命を賭ける賭博場<カジノ>
それが弱かろうが強かろうが
そこで武器を取ったのなら誰であろうと殺さなきゃならない
そして勝った者が生き残る。
それが・・・・・世界によって創り上げた全ての生物に与えられる平等な権利なんだよ」
と、
彼女がこっちを向く
「いやじゃなかったの?」
「いやさ、でもそれだけが僕に残った唯一の真理なんだ」
そして彼の残したもの
「僕には君のことは分からない。
でも、
同じぐらい苦しい事をしてきたと思うよ?」
「・・・・・・」
「まぁ・・・・・さっきのは受け売りなんだけど」
3、やっとこさ会議
落ち着いたのか離れていく。
と、
「・・・・・ご、すみません。マスター」
と頭を下げてきた
「ぁ、いいよ。気にしてないから」
「・・・・・・・・」
ふぅ
「さ、今は目の前のことを考えよう?過ぎてしまった時はもう戻らないし、ね?」
「・・・・・・はい」
そして
「ありがとう」
と呟いた
「・・・・・・僕はそんな言葉を言われるようなことはしてないよ」
「・・・・いいの、私の独り言だから」
「そう、か・・・・・・」
と、
「んじゃ早速話し合いましょうか!」
がくっ
「?どうしたの?」
切り替え早いな・・・・・・・
「いや、何でもない」
で、
「結局強いの?」
というと彼女は自慢するかのように
「うん!バースからの魔力は十分過ぎるぐらいきてるからほぼ完璧な状態ね!」
「そうか・・・・・・なぁ」
「ん?」
「お前「その名」になる前の名前は?」
「・・・・・・・・・」
んーと悩んでいる。
自分の名前で悩むってのも・・・・・・
「光<ヒカリ>・・・・・だったはずよ」
「そうか。よろしく光」
ぼっと彼女の顔が紅くなる。
「ま、まぁよろしく。それよりバースはどんな魔術を使えるの?」
「僕は全般的に使えるようにしたけど・・・・一番は強化かな?あと怪我を治すのに治癒魔術<ヒーリング>かな?」
彼女は口を開けたまま驚いてる。
「何て効率の悪い・・・・・」
「いいんだよ、僕はこれで生きてきたんだから」
「・・・・・・・あなた、何で封印指定受けたの?」
あぁそうか彼女は知らないんだ僕のこと
「僕の体は普通と違うらしいんだ。
よく分からないけど・・・・・
あとは魔眼かな?」
「魔眼?・・・・・・別に普通じゃない」
「魔力を通さないと見れないんだ」
「・・・・・ほんっと効率悪いわね」
・・・・・五月蝿いなぁ
「で、魔眼の名前は?」
「さぁ」
「はぁ?知らないの?」
「当たり前だ、聞く前に封印されそうになったんだぞ?聞く前に封印されるだろうが」
聞く前に僕の人生が終わっちゃうよ
「まぁ、確かにね。んじゃ能力は?」
「流れが見えるんだ」
「?流れ?」
「そう、風の流れやら水の流れやら魔力の流れやら流れなら何でも見える」
「・・・・・」
「だから敵が攻撃してきても風の流れでどこにどう行くかわかるんだ」
「・・・・・」
「魔術とかも魔力の流れで避けれるし」
「・・・・・・・案外理にかなってるってのね」
その通りだ。
何せ足を強化すればほとんどの攻撃は避けれるんだから
「・・・・・・・だから敵が強かったら逃げることもできるし」
うんうんと彼女が頷いている
と、
「んじゃ私たち意外と強いほうかもね」
ちがう
「ちがう」
「え?」
「意外と、じゃない。強いんだ」
・・・・・・・・沈黙
と、
クスッと彼女が笑いこっちを見る
・・・・・やばい・・・・カワイイ
「そうね。確かに「強い」わ」
彼女は歩きながら窓を見る。
「んじゃどうする?魔力の流れが見えるならそれを追いかけていけば確実に魔術関連の「こと」にぶつかるわよ?」
そうだ。
それに
キリツグとも
会えるかもしれない。
・・・・・・・また闘うかもしれない・・・・・
でも、
また会えるなら・・・・・
立ち上がって、
「そうだな。んじゃドンドン当たってくか!」
月を見上げる
綺麗な満月だ・・・・・
だが
彼らは知らない
今宵の月は
紅く
そして
それを同じく見上げる者がいることを
「今日は綺麗な満月か・・・・・
おもしろいことがありそうだ」
つづくよ
あとがき
よく書けたなぁとおもう4個目。
何か・・・・・展開早い・・・・・
とにかく死にそうです。
そしてGUN○LINGERGIRLいいね。ほんと(かんけぇねぇ
では期待しないで待っててください
では