「式・・・僕はもう駄目かもしれない」
暗い部屋でグッタリしながら何も居ない空間に呟く男
黒い縁取りの眼鏡と黒いパジャマ来ているうえに髪の毛も真っ黒
片目は傷を負ったのか、無い
「今日で水道も止まる・・」
電気とガスは既に止まっている
「手持ちは500円・・」
黒桐幹也に、給料は支払われていない
「闇金融・・・か」
最後の手段に迫りつつある黒桐幹也
とりあえずお腹一杯御飯が食べたい、それしか頭に浮かんでこなかった
聖杯戦争 もう一杯 まる18
「そういえばさっちん、何故魔術を習おうと思ったのですか?」
バイト帰りの道でセイバーさんが唐突に切り出した
「んー、何となくかなー」
「私の剣術の方がさっちんには合ってると思いますが」
もしかしてセイバーさん拗ねてる?
「剣術もいいんだけど、
のどまで出掛かってる言葉が出てこない感じがするから
魔術習えばそれが解るかなー、なんて思ったんだよね」
「その説明だとよく解りませんね」
うん、私もさっぱりわかんない
「何となくライダーさんと戦った辺りから
なんかあるんだけど出てこない感じがするんだけど」
「ふむふむ」
「魔術の本を読んでたらなんだか出てきそうだったんだよねー」
「・・・・まぁ、とりあえず家に帰ってシロウの御飯を食べましょう
働いたおかげでお腹が空きましたから、お腹一杯ならいい考えも浮かぶでしょう」
・・・休憩時間に大量のケーキ食べてたのに、まだお腹空いてるのかな?
甘いものは別腹って言うけど、セイバーさんの場合は胃袋が複数あるとしか思えないかも
「アーチャー、式、行って来い」
私の一声でアーチャーは軽く歩き出す
「燈子はどうする?」
「私は見物してるよ」
「いい身分だな」
最後に文句を言って、式もアーチャーについていく
「さて、どうなる事やら」
新しいタバコに火を点ける
「セイバーさん、昼間のサーヴァントが来たみたい」
玄関に着いた時、道の向こうからサーヴァントの気配がした
「まだ日が落ちてない・・・ネロ・カオスではなさそうですね」
「私もまだまるっきし戦えないんだけど」
「私が相手をします、さっちんは家に居てください」
セイバーさんの手に不可視の剣が握られる
「ごめんね、何も出来なくて」
「気にしないで下さいさっちん、私だってあなたの役に立ちたい」
他には何も出来ませんけどね、と付け加え笑う
「おかしいな、あいつはサーヴァントじゃないのか?」
向かう途中に異常に気付いた
「だったらもう一人の奴がサーヴァントなんだろ」
式は事も無げに言う
確かにセイバーがサーヴァントじゃないとすればもう一人がサーヴァントなのは道理だ
「だが変な話だ」
アーサー王が英霊でなくてなんだと言うのだ
「どうでもいい、お前はサーヴァントの方と戦えばいいだろ
私はサーヴァントじゃない方をやる」
考えてみればセイバーがここに居ることがまずおかしいのだ
今更悩む事もないか
「分かった、だが足止めだけで十分だからな」
「前の化け物に比べたら可愛いもんだろ!」
それだけ言って、屋敷へ走り出す式
セイバーならサーヴァントでもマスターでもない人間を殺したりはしないだろう
「私がさっさとサーヴァントを倒せば済む事か」
式に習って走り出す
衛宮さんとマスターは呑気にドラマを見ていた
「おかえりバーサーカー」
「御飯なら仕込が終わってるからすぐ作れるぞ」
気の抜けた顔で言ってくれる
「サーヴァントが来てるんだよ!?もっとシャンとしてよマスター!」
「・・・・参ったわね、今いい所なのに」
「斧剣、投影するか?」
「お願い」
「セイバーさんが玄関で迎え撃つって、
私はとりあえず日が落ちるまでは家に隠れてろって言ってた」
「なるほど、
士郎今回は私達も戦うわよ」
「分かってるよ、ほら斧剣できたぞ」
相変わらず無骨な剣だ、どうせならもうちょっと可愛いのが欲しい
結構便利だから文句は口に出さないけど
「ありがと」
剣と言うには余りにいかついそれを受け取る
「あんまり家の中で戦いたくないんだけどなぁ・・」
衛宮さんの疲れた呟きが聞こえた
「ちっ!」
私の刀が簡単に防がれる
こいつがサーヴァントじゃないってのは本当なのか?
「大体、見えない武器なんてのがイカサマなんだよ」
毒付きながら日本刀を打ち込む
敵の武器は視認できない不可視の武器
直死の魔眼に写る死の線がそこに何かがあると言う事だけを伝えてくれる
技量は私以上で一撃一撃の重さは女のソレじゃない
攻めて攻めて、相手に反撃の隙を与えない
少しでも隙を見せてくれれば、線をなぞって私の勝ちだ
アーチャーの馬鹿がどっちがサーヴァントか間違ったんだろう
(これが人間だなんてあり得ない!強すぎるだろコイツ!)
目の前の和服の女は妙な相手だった
剣士としては一流だが、
サーヴァントにしてはおかしい、魔力が殆ど無いのだから
(だが油断する気にならないのは前に戦ったアサシンのせいか?)
さっさと片を付けて屋敷の様子を見たいところだが
直感がこの女を侮ってはいけないと伝えてくる
アヴァロンがある今なら多少の傷など気にしなくてもいいはずだ
だが
―――ギィン
女の打ち込みを風王結界で打ち払う
この女の一撃を受けてはいけない、
という勘が告げた警告を頭より早く体が受け止める
(まどろっこしい・・!)
急いで勝負を付けよう
ネロ・カオスが何時来るかも分からない
それにこの女がサーヴァントでないとしたら
本命のサーヴァントに狙われるのはシロウ達だ
夕暮れの屋敷
(懐かしい、なんて感傷に浸っている場合でもない)
サーヴァントの気配を探るとすぐに見つかった
(居間にいる、隠れるつもりは無いのか?)
庭から見てみれば、窓からこちらを覗いているサーヴァントと目が合った
作戦でもあるのか?
「真正面から言ってやる事も無い」
呪文を呟き
弓と矢を投影する、カラドボルグ
「挨拶代わりに受け取ってもらおう」
居間に向けて矢を放つ
居間から気配を確認するべく
窓を覗くと
「マ、マスター!どうしよう目が合っちゃった!」
「馬鹿!ここに居るってばれるじゃない!」
「サーヴァント同士なら気配で分かるんだろ?
で、どんな奴だった?」
「男前だった」
正直に言った
「なんて役に立たないサーヴァントなのかしら・・」
「男前って言われてもな・・」
なんだか失望の眼差しで私を見る二人
緊張感がないなぁ
などと考えていると、窓の向こうで弓を構えるサーヴァントが見えた
あれは、やばそう
「マスター、衛宮さん!離れて!」
二人を蹴っ飛ばして居間の奥へと追いやる
私は剣を振りかぶって―――
飛んできた矢を打ち落とす!
「でえぇぇい!」
バキャ
と、矢が壊れる音が聞こえた後
爆音と炎が炸裂して、居間は火に包まれた
壁が吹っ飛んで、居間の中が良く見える
「・・・・あの剣」
バーサーカーの物だ
あんな女の子がアレを振るうとはなんとも間抜けな光景だ
とはいえ、カラドボルグを打ち落としたのだ
見た目だけで馬鹿にしたものでもない
それにしても
「驚いた、誰も彼もが生きている未来なんてな」
消えたのは俺だけか、と皮肉を込めて笑う
「マスター!マスター!居間が火の海にー!!」
ごうごうと燃える居間
私!私のせいなの!?
「・・・アーチャー・・!」
何やらマスターは呆然としていた
「マスター、あのサーヴァント知ってるの?」
「・・・あいつは前の聖杯戦争で遠坂のサーヴァントだった奴だ」
ぼんやりとその事実を聞いた
何かを警戒している風に受け続けていた不可視の武器を携えた女は
意を決したのか一気に間合いを詰めてくる
(受けに回ったら負ける!)
間合いに入った所で一気に切り伏せる
向こうから来られたらそれしかない
あんな馬鹿みたいに重い攻撃を受けてたら、すぐにまいってしまうだろうから
―――来い!
私の間合いに足を踏み入れる女
一瞬で、刀を打ち込む!
その瞬間
ドォン!
「なっ!?」
屋敷で爆発が起きる
それに気を取られ、一瞬女の不可視の武器が止まる
―――これなら!
女の胸にある点を見る
そこを突くだけで私の勝ち
「―――っ!」
キィン!
「・・・」
「・・・」
「あの体勢で受けれるか普通?」
私の刀は女の持つ剣の腹に止められて空中で静止していた
・・・?
持っている武器が見えている
赤い騎士・アーチャーが私の居る居間に向かって疾走する
―――早い
ヒュッ!
「うわ!」
ゴッツイ剣で剣閃を防ぐ
いつの間にか握られている二対の短刀
「どっからだしたのよ!」
ブン!
と、私も剣を振るうが、ヒラリと避けられた
間合いを詰められれば私が不利である事は解っていたので軽く後ろに飛び間合いを取る
セイバーさんが来るまで逃げ切れればいいんだ、倒す必要なんて無い
剣は振り難いが、居間に来てくれたのは幸いだった
庭から弓を打ち続けられていたら私は逃げるしかなかったから
「アーチャー!止めなさい!」
私と赤い騎士の間に立ちふさがるマスター
「マスター!?」
「遠坂、サーヴァントって記憶を消されるんだろ、だったら・・」
衛宮さんが言い難そうに呟く
それならコイツはマスターの事を覚えていない?
暫く考えた風に口元に手を当てた後、赤い騎士が口を開いた
「悪いが君とは初対面だ
なぜ私の事を知っているのかは知らないが今の私はサーヴァントだ
そこのサーヴァントを殺さないといけない」
「アーチャー・・!」
「ああ、君がそのサーヴァントのマスターだと言うのなら君を殺すのも役目だな」
私の位置からマスターの顔は見えない、けど息を呑む気配は解る
・・・泣いてたりしないよね、マスター
「マスター、下がってて・・」
マスターを衛宮さんに任せて、赤い騎士と対峙する
「もう少し、言い方があるんじゃない?」
自分でもハッキリ分かる位怒ってる
「・・・・・」
赤い騎士は答えない、ただ剣を構えるだけだ
既に日は落ちた、私達吸血鬼の時間になっている
だったら
「少し、反省させてあげる」
和服の女と間合いを取る
「・・・・」
私の剣は既にその本体を晒していた
エクスカリバーを使うつもりなど無く、この剣身を晒すつもりも無かった
「何をしたのか、って顔してるな」
「当然でしょう?私は風王結界を解いた覚えは無い」
風も放たず、忽然と姿を見せてしまった私のエクスカリバー
こんなことはありえる筈が無い
「直死の魔眼、それであんたの剣不可視にしていた何かを殺した
殺せたのは半ば偶然だったけどな」
大した事でもない様に告げる女
だがその事実はとても軽く聞ける事ではない
「直死の魔眼・・!?」
「お前が防いだ場所にたまたま点があって刀が偶然そこに刺さった訳だ
なんだよ、大した偶然だけどそんなに驚くことでもないだろ?」
先程、屋敷で爆発があった
これ以上時間を掛けるわけにも行かない
そろそろ決着を付けないといけない、その前に
「貴方の名前、聞かせて欲しい」
「式だよ」
つまらなそうに言う
「貴方の剣技は素晴らしかった、だがこれ以上時間を掛ける訳にもいかない」
次で決着を付けよう、と目で告げる
力が強く、素早く、度胸もある
「悪くないが技術が0だ」
ドスッ!
大振りの剣を避わし短刀を腹に突き立てる
これでお終い、なんて事は無い相手
ドガッ!
視界が揺れる、蹴られたのか!?
「なっ・・!」
いくらサーヴァントとは言え基本は人間だ
腹に刀を突き立てられたまま蹴りを撃つなんて
「昼間だったら効いただろうけど、夜ならこんなのすぐ治るんだから」
突き立てられた短刀を引き抜き投げ捨てる
傷はあっと言う間に癒えていく
「吸血鬼がサーヴァントとはな・・」
「悪かったわね!吸血鬼で!」
またも大振り
大した事の無い攻撃だが
(肉を切らせて骨を断つ、か)
多分、こっちが攻撃する事を誘っているんだろう
さっきの様に迂闊に攻撃すればそれがそのまま隙になる
―――やり辛い
化け物退治は本職じゃない
流石に干将獏耶では殺しきれないだろう
英霊になるくらいの吸血鬼を殺す方法
頭を吹き飛ばす、ってのが妥当だが
(固有結界を出すか)
最近、切り札のオンパレードだ
まともなサーヴァントと戦ってないのなら仕方が無いか
「真祖と戦って、今度は吸血鬼のサーヴァントと戦うとはな
冒険に恵まれた人生だ」
皮肉を言いながら、笑う
まともに笑う事なんてもう出来ない、
皮肉に口を歪ませる事しかできないとは、なんて皮肉な人生だろう
大振りの攻撃をかわしながら
呪文を唱える
「――――体は剣で出来ている」
「少し反省しなさいよ!」
「血潮は鉄で 心は硝子
幾たびの戦場を越えて不敗」
「なんか人の話聞いてないでしょ!」
「ただの一度も敗走はなく
ただの一度も理解されない」
「っこの!」
「彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う」
「いい加減に―――」
「故に、生涯に意味はなく」
「―――マスターに、謝れ!」
一際大きく振りかぶった強烈な一撃が私を襲う
それを軽いステップで避けた後、最後の一節を呟く
―――――その体は、きっと剣で出来ていた
赤い騎士が何か呪文みたいなのを呟いた後
居間がいつの間にか荒野になっていた
遠くにでっかい歯車が見える
「何コレ?」
「アンリミテッド・ブレイドワークス」
歌う様な赤い騎士の言葉
荒野には無数の剣が突き立てられ
その中心に赤い騎士が佇む
「リアリティ・マーブル・・・固有結界・・!」
マスターが私の知らない言葉を呟いた
不思議なくらいすんなりと心に入ってくる言葉だ
リアリティ・マーブル、固有結界
聖杯戦争 もう一杯 まる19
マスターだった私も知らないアーチャーの力・固有結界
「なんでアーチャーが固有結界なんて使えるのよ!」
・・・・・
「これが使えるからアーチャーなんだ」
アーチャーが大量の剣を放つ
ガガガガガガガッ!
私の目の前に無数の剣が突き刺さる
「な・・!」
信じられない、まるでギルガメッシュみたいな攻撃
こんなの、バーサーカーに防げるわけが無い
「バーサーカー!逃げて!」
「マスター、これって固有結界って言うの?」
当のバーサーカーはまるで呑気な事を言っている
「いいから逃げなさい!こんなのどうしようもないから!」
「・・・あー、なんだか出掛かった言葉が出てきた気がする」
ぼんやりと呟く私のサーヴァント
パズルで無くしてしまった最後のピースが見つかった感じ
一個だけ足りないからソレは完成しなかったんだ
「なんだ、名前が足りなかっただけなんだ」
私のパズルは、もう完成する
怖いものなんてある訳も無い
「悪いな」
赤い騎士がなにか言っている
向こうに剣が沢山浮かんでるけど気にもならない
「どんな名前にしよう」
「遠坂を殺すのは、嫌だからな」
「枯渇庭園。うん、強そうだしコレに決定」
無数の剣がこっちに飛んでくる、ソレを斧剣で薙ぎ払った
飛んできた剣は全部壊したが
「あれ、これも壊れちゃった」
ボロボロと崩れ落ちていく斧剣
「・・・・!?」
赤い騎士がビックリしている
ちょっと気分がいい、少しは反省したかな?
「し、士郎、あんたが投影した剣ってあんなに強力だったっけ・・?」
呆然とした遠坂の言葉
「・・・・絶対、防げる訳無いと思うんだが・・・」
オリジナルより幾分は格落ちしてしまうのが投影魔術だ
いや例えオリジナルと同じ力があったとしても
あんな大量の剣を、弾くならまだしも砕く事なんて出来るはずが無い
「衛宮さん、マスターおねがい」
・・・・もう、何がなんだか・・
「剣が・・・崩れていく・・・!」
アンリミテッド・ブレイドワークス
荒野に突き立てられていた剣は、どれもこれもボロボロと崩れていく
「ふーん、これが私の枯渇庭園なんだ」
私は落ち着いている
これがなんなのか、どうしてこういう事になるのかが分かるから
荒野が庭園へと姿を変えていく
「私の枯渇庭園は、その中にある全ての魔力を枯らしていくみたい」
「・・・・天敵か・・!」
そう、魔力で剣を作り出すこの赤い騎士にしてみれば
私は天敵ともいえる存在だ
作った傍から剣が崩れていくんだから
「魔力を枯らす原因はお前が食っている訳か」
この固有結界の中の魔力は全て私に流れていく
もちろん限界はあるけれど、これ位ならまだまだいける
「戦うんだったら早くしようよ、すぐに貴方も枯れちゃうだろうから」
赤い騎士は拳を握る
唯一の武器である魔術が役に立たないならそれしかないだろう
けど私にはまだ武器がある
この吸血鬼の体と、爪が私の武器
勝負なんてする意味も無い
サーヴァントの体は魔力で出来ているんだから
ここにいるだけで赤い騎士はその身を削がれていく
「シッ!」
赤い騎士の拳、鋭い
だけど
「遅いよ」
なんなく避けれる
「私と素手で戦おうなんて考えが間違ってるんだから」
ヒュッと、拳を突き出す
「っく!」
それを腕で防ごうとする赤い騎士、それを
ドゴッ!
「っはぁ!」
防いだ腕ごと弾き飛ばす
「手加減しているんだよ?
私が本気で殴ったりしたら人間なんて豆腐みたいに崩れちゃうんだから」
フフンと、笑って言う
「諦めてマスターに謝ったらどう?」
「今ので殺すべきだったな」
赤い騎士の呟き
頭にくる、私の話まるで聞いてないみたい
「カラドボルグ、お前も素手なら防げないだろう?」
手には弓と、あのねじれた剣
私が吸い上げても崩れないように大量の魔力で作ったんだろう
この結界の中でもその剣は力を落とす事など無かった
「倒せると思うなら打ってみればいいじゃない?」
「そうさせてもらう!」
―――ヒュン!
飛んできたねじれた剣を
「甘く見すぎだと思う、私と私の固有結界を」
「・・・!?」
素手で押し止める
実際には肘辺りまで殆ど消し飛んでしまっているが
ねじれた剣はそこで力を失い、崩れ落ちる
「全然平気ー」
この結界の中に敵が居る限り、私の魔力は尽きる事など有り得ない
故に
「馬鹿な・・!?」
あっと言う間に治っていく
「サーヴァントの体は魔力で維持しているんでしょ?
だったら魔力があれば復元呪詛が直しちゃうよ
この結界に敵が居る限り、私に魔力の供給が滞る事なんて無い」
つまりはこの結界の中に敵が居る限り、私が死ぬなんて事はまず有り得ない
エクスカリバーとかで完璧に吹き飛ばされたりしたら死んじゃうだろうけども
「もう、あなたにそんな強力な攻撃をする力なんて無い」
悠然と勝ちを告げる私の声
「結局、こうなるのなんて分かってたんだから」
私の勝ちだ、
赤い騎士には戦う力なんて残っていない
「反省したなら許してあげるけど?」
この場に居るので精一杯の赤い騎士
私はもう必要の無い固有結界を閉じる
「まさか、こんな固有結界を持っている奴がいるとは・・」
「御免なさいってマスターに謝ったらとどめは許してあげる」
勝負はあっと言う間だった
ほんの一合で私の日本刀はへし折られていた
まぁ、あんだけ重い攻撃をよくも今迄受けれたもんだ
「屋敷の中が気になるなら早く行けよ」
不機嫌そうにそう呟く
負けた私に何か言う事でもあるのか?
「・・・・貴方は早く逃げた方がいいかもしれない」
分からない事を言う女
「とどめでも刺すのか?」
「違う、ネロ・カオスが近くに居る」
綺麗な顔を険しく歪ませてそう呟くと屋敷の中に向かっていった
確かに嫌な雰囲気だ、
もう使えない日本刀を投げ捨てポケットのナイフを握り締めると
私は燈子の居るビルへと向かった
居間に着くと、さっちんとリン、そしてシロウが皆、無事でいた
「あ、セイバーさん」
「皆無事でしたか」
ふぅ、と胸を撫で下ろす
ふと、すっかり風通しのよくなった壁を見ると
赤い騎士が片膝を付いて苦しそうにしていた
「・・・・なんでアーチャーが?」
「他のマスターに呼ばれたらしい」
「・・・」
リンは目を伏せている、
昔の大切なサーヴァントが他のマスターに呼ばれ、今の自分のサーヴァントと戦う
確かにこれはリンには辛い状況だろう
「アーチャーさん、マスターに何か言う事があるでしょ」
さっちんがアーチャーを問い詰めている
どういう状況なんだろう?
いまいち状況を掴めずに居ると、リンが口を開いた
「アーチャー」
「・・・・・」
「今日は見逃してあげる」
「・・・・・」
「けど、近いうちに無理矢理にでも私のサーヴァントにしてやるわ」
傲然と言い放つリン
「行きなさい、今のマスターが待ってるんでしょう?」
赤い騎士は終始無言のまま屋敷を出て行った
「ところでさっちん」
「うん?」
「ネロ・カオスが近くに居るのは解りますよね」
「うん、サーヴァントと吸血鬼の混ざり物で解り辛いけど、流石に動いてもらえばすぐ解るよ
なんだかこっちじゃなくて別の方向に向かってるみたいだけど」
「ちょっと、ネロ・カオスが近くに居るって本当なの?」
リンが割り込んで聞いて来る
「間違いありません、あれだけ強烈な化け物ならすぐ解ります」
「どうするの?私じゃあいつに勝てないと思う」
さっちんがちょっと不安気に尋ねる
まぁあれだけやられて勝てるとか言われても困ります
「バーサーカーは固有結界があるんだから平気じゃない?」
ふーんと鼻を鳴らしながら言うリン
「お前最初にバーサーカーじゃ勝てないって言ってなかったか?」
「なんだかねー、
小さい頃から真面目に魔術勉強してたのに
皆してポンポン固有結界張られりゃ流石に落ち込むわよ」
ぶー、と不平を漏らす
「って、さっちん!固有結界なんて何時覚えたんですか!?」
「さっき」
「・・・・・」
そんなサラッと言わないで下さいさっちん
一応魔術師の間では禁忌中の禁忌とされてるんですから
「で、どうするんだ?
さっちんの固有結界があると俺って限りなく無能になっちゃうんだが?」
士郎も結構拗ねているみたいだ
幼い頃から鍛錬してきた魔術の数段上をポーンと行かれたら仕方ない気もするが
「戦いましょう
エクスカリバーを受けたんですから、ただで済んでいるとは思えません
好機といえば好機ですから」
「分かった」
力強く頷くシロウ
「あ、シロウはお留守番です」
ガックリ、とうな垂れるシロウ
悪いとは思いますが流石にネロと戦わせるわけにも行きませんし
「それとさっちん、固有結界の能力を教えてくれませんか?」
「えーと、結界内の魔力をガンガン吸い上げて枯らしちゃっうの」
・・・・メチャクチャ強いじゃないですか
「シロウを苛めるためにあるみたいな結界ですね・・」
「サーヴァントも直ぐ干からびちゃうくらい強烈だしね」
あはは〜、と笑うさっちん
「これでリンもお留守番決定ですね」
「はいはい、分かってますよ
結界内じゃ魔術師なんて一般人と変わらないってんでしょ?」
ふてくされて言うリン
「だけどネロには効果期待しない方がいいと思う
半端なダメージじゃ止まらないだろうし、何よりネロが魔術を使った所なんて見たこと無いし
というか犬とか虎とかって魔力あるのかな?」
「一応使い魔ですし、あると思いますが
ネロが魔力を吸い上げるまで大人しくしているとは思えません
エクスカリバーで倒しますから、私がエクスカリバーを使う時は完全に結界を閉じてくださいね」
「あいあいさー」
気楽に返事をするさっちん
おもわずため息を付く
「それにしても、私のエクスカリバーが弱っていたのはさっちんのせいだったんですね
そりゃエクスカリバーの力を吸い上げたんなら傷の治りも早いでしょう」
大方、中途半端に発動していたんだろう
「そうかも、自分でソレが良く解らないから完全には発動しなかったのかな?」
「どーでもいーわよそんな事
私もその内固有結界の一つ二つ使えるようになってやるんだから覚えてなさい」
リンはもうどうでもいい、といった表情でお茶を啜っていた
色々プライドとか崩れたんだろう、とりあえずそっとしておく
「では、行って来ます」
さっちんと連れ立って屋敷を離れる
「ネロの気配」
住宅街は静まり返っている
「こっちに向かってるのか?」
私のサーヴァント・ランサーが見えないままで言う
「大方食事にでも出てきたんじゃないかしら?こっちには向かってないわ」
「だったらこっちから出向いてやろうぜ」
「そうね、あんな化け物がフラフラしているなんて物騒だもの」
殺し切れないかもしれないが
無力化することは出来る空想具現化で完全に封じることが出来れば後はどうにでもなる
「マリアナ海峡にでも沈めてやるわ」
実際、聖杯戦争が終われば消える運命だ
サーヴァントは力の供給が無ければそれでアウトなんだから
栄養補給さえ出来なければ、直ぐに消えてしまうだろう
なんだ、割と簡単に殺せそうだわ
「結局お情けで助かったって訳か?」
ビルの上でタバコの捨てながら言う燈子
「何もしないで見物していた奴の台詞じゃないだろ」
余りのいい草に思わず毒付いてしまう
「ん、なんていうかな
実際お前等二人居れば並大抵のサーヴァントとマスターじゃ
太刀打ちできる筈も無いんだが」
「あそこは戦力が揃い過ぎている
あいつ等を倒したいのなら何処かのマスターと組んだ方がいい
あそこのサーヴァントは全てのサーヴァントの天敵といってもいい相手だ」
アーチャーが言う
「ま、その事だったら後で考えよう
真祖とあそこで相打ちになってくれる事を祈っておくか」
ははは、と笑いながら歩き出す燈子
「ったく、俺はさっさと済ませたいんだけどな?」
「面白いものを見れたし、今日のところはこれでお終いにしよう
家に着いたら何か美味いものでも作ってくれるか、アーチャー」
燈子はどうやら俺の言う事はまるで気にしないらしい
「よく考えたらラーメン作るっていっても
何時帰ってくるかわからないんじゃ仕込しか出来ないじゃないか」
高級ホテルのスイートに運び込まれた台所でぼんやり立ち尽くす俺
こんな所まで来て俺のラーメンが食いたいなんて奇特な奴だよなぁ
「まぁいいや、とりあえず仕込みだけしとこう」
二人前の仕込を開始する
俺はラーメンよりルームサービスの方がいいから俺の分はなしでいい
ルームサービスの食事の方がラーメンより10倍美味しいし
冷蔵庫を開いて、中を見る
と、ふと違和感に気付く
別に変わったところも無い
だが
「誰かに見られてる感じだな、これ」
こういう事には随分鼻が利くようになった
中学校から高校まで時折視線を感じていたせいか
下手な尾行や監視など軽く見抜ける、結局中学、高校と俺を見ていた奴は捕まえる事は出来なかったが
「誰だったんだろうなぁ、あれ」
ふぅ、とため息を付く
多分ドアを開けたら見ている奴はソコに居るんだろう
開けたくないんだけど、このままずーっと居るのは居心地が悪すぎる
(やだなぁ・・)
ポケットのナイフを取り出し、飛び出し式の刃を出す
右手にナイフを構えたまま、ドアの鍵を開ける
(けど、仕方ないか・・!)
ドン!
とドアを蹴り開ける
開けた瞬間、黒い影が部屋に侵入する
ヒュッ!
「!」
紙一重で突き出された何かを避ける
(鉄の鉢・・!?)
一撃、二撃と突き出されるソレを避わし
ナイフを振るう
それを黒い影はあっさり避けながら、絶え間なく鉢を振るう
(確かに強いがそんな事よりも!)
一瞬の隙を突き、飛び退いて距離を置く
(こいつの体術は七つ夜のものだ・・!)
ここに居たのは化け物だったんだが今来て見ればただの人間しか居なかった
別段急いでいるわけでもないので、中の人間の監視を含めて待っていた訳だ
ところが、気配はきっちり消していたはずなのに
俺の気配を感じて中に居る普通の人間がドアを蹴破ってくれた
(挙句に俺の攻撃を防ぐとはなぁ)
俺の目はちょっと特殊だ
それで人を人間か、そうでないものか見分ける事が出来る
(まるっきしただの人間・・)
変な奴だが、障害には変わりは無い
ならばやる事は決まっている
(・・・殺す)
ただそれだけを思って目の前の男に襲い掛かる
注意書き:たまった鬱憤が凄い溢れてます、見ないで下さい
注意書き:書いてから気付きました、これ酷いです
(追加):後、本編はもうちょっとがんばります
聖杯戦争 もう一杯 本音で逝こう編
静まり返った道場に黒い影が忍び寄る
「悪い子はいねがぁ!!」
ななこをかついでカソック姿で現れる有彦
「有彦君!?今聖杯戦争中だからどっかに行ってて!」
首なし死体に跨って颯爽と現れるさっちん
「ああああああああああ!!
もう固有結界とか分かんないんだよ!何でお前そんなもん持ってるんだよ!」
「そんな事言っても出さないとアレだし」
「大体!セイバーと士郎が幸せにくっついて
さっちんが生きてればソレでよかったのになんで真面目に聖杯戦争やってんだよお前は!」
「ええ!聖杯戦争もう一杯とか書いてるじゃない!?」
「知らない知らない!もう知らない!
俺は旅に出る!伊豆の一泊二日の温泉旅行に出る!」
「例えに有彦君がグチャグチャに挽肉になってもストーリーには一言も出てこないから安心して」
「大体アレだよ!
何の計画も立てずに行き当たりバッタリで
すぐに自然消滅するのが運命なのになに未練たらしく続いてんだよこれ!」
「未練たらしい人間だから続いてるんだよ」
「ウルサイ!
なんだか趣味だけでキャラがサーヴァントになるから問題なんだ!
誰も殺せねぇよ!!」
「殺すつもりだったらさっさと死んでるはずのサーヴァントが沢山いるもんね」
「殺したくないから困ってんだろ馬鹿たれ!!」
「有彦君、なんだか別人みたい」
「そうだよ!もうアレだ!
さっちんを適当に殺して話を閉めちゃおうと思った事が何度あったか!」
「ソレはいくらなんでも酷いよ!だって私が死んじゃうじゃない!」
「さあ!終幕に相応しくさっちんの心臓を貫けななこ!!」
「ひぃ!有彦さん私に頭からさっちんの心臓に突っ込めと申しますか!?」
「はあああああああああどすくえあ!」
ずぶうう!
「いたあああああああああああああああああああい!」
「ぎゃあああ!!血が!内臓が口に当たってます有彦さん!」
「あひゃひゃひゃ!
もういい!もういいんだよななこ!もうなんかどうでもいいんだよ!」
「固有結界・枯渇庭園っぽいなにかー!」
「なに!それは本編で1、2を競うほど色々ヤケクソにさせた結界じゃないか!」
「有彦さん!私の頭抜いてください!
なんか治ってます!ヤヴァイです!あああああああああああ!内臓がムキムキ再生してるのが目の前でーーーー!」
「だったら俺も固有結界で戦うしかない!固有結界・漫画喫茶!」
「ああ!それは枯渇庭園と互角に奴を悩ませた悪夢の空間!」
「そうさ、金をガンガン吸い上げる悪魔の結界!!」
「いやああああああああ!!とりあえず抜いてーーー!抜いてええええええええええ!!!」
「大丈夫だよ!私遠野君と結婚するんだから漫画喫茶ごと買い取っちゃうんだから!」
「んなことより!てめーはどうやったら死ぬんだよ!
ロアなんて足首から再生してたんだぞ!?さっちんはどれくらいまでならグチャグチャになって平気なんだよ!!」
「奴がヤケクソに成れば成る程私はボコボコになっていく!
固有結界を使った時は既に開き直っていたが!
ネロさんと最初に会ったときはもうテンパってテンパって酷かったんだから!
あの話だけで5回は書き直してたんだよ!?なんかアルクェイドさんとコンビ組んだり、遠野君と再会したりしてたんだよ!?
それなのになんで色々食べられてるの!?遠野君との再会とカニバリズムになんのつながりが!?」
「お願いします!許して!口の中に内臓が再生されてます!
キショイ!きしょいです!ありひこさあああああああああああああああああんん!」
「俺のどこがキショイってんだこの馬鹿馬がぁ!」
「上から読んでも馬鹿馬、下から読んでも馬鹿馬、やっぱり有彦君はセンスないね」
「ひあああああああああああああ!!ガブリ」
「ぐばぁ!ななこちゃん!噛まないで!痛い!いたいからあああああああああああ!!」
「ククク、これが恐怖の必殺技よ!」
「もういいです!これはニンジンなんです!
さっちんさんは全てニンジンでできているんです!
だから食べても問題ないんですよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「いやぁああああああああ!!食べてる!なんか食べてるよ!!
だけど!私の切り札はまだ残ってるんだから!必殺!変わり身の術!!!」
「な、なにぃ!ななこが突然首なし死体の中に頭を突っ込んでいるだと!?」
「ふふふ、これの恐怖はそれだけじゃ終わらないわ
この首なし死体の真名はジジイ!間桐ぞおおおおおおおおおうけええええええええんん!!!」
「いやああああああああああああ!!私は!ニンジンだと思って虫!?なんか卑猥な虫を食べてたんですか?!」
「イカン!ななこ戻るんだ!18禁だけはまずいのだ!」
「無理矢理引っこ抜くつもり!?危険だよ!そんな事したらおじいちゃんが!」
「今更死体の心配などするわけないだろおおおおおおおがああああああああああ!!」
「うわぁ!ななこちゃんの顔にち○こみたな虫がわらわらついてるぅ!!!」
「いやああああああああああああああ!!
馬みたいな成りでも心は乙女なんですよ!?こんなの有彦さんの尻にねじりこんでやります!!」
「馬鹿よせ!ソレが一体どういう事態を巻き起こすか分かっているのか?!」
「有彦さんがもりも食べられたって何の関係もありません!」
「頑張れななこちゃん!逆レイプだよ!!」
「いやだあああああああああ!!
うんこしたとき便器を見たらち○こ虫がいるなんて絶対いやだああああああああああ!!!」
「下ネタ禁止だっていってるじゃない!この豚共!
そんな頭の悪い有彦君なんておでこに卑猥な虫くっ付けちゃえばいいんだから!」
「そうですね!やっぱり尻にねじりこむよりはおでこに溶接の方がかっこいいですもんね!!」
「しまったあああああああああ!!!
お爺ちゃん死んだの忘れてた!いいか!今からおじいちゃんに追悼!」
「「おじいちゃあああああああああああああああああああああああああんん!!!!!!」」
「追悼終了!お爺ちゃんは名誉の戦死を遂げられた!
では儀式として尻に虫をねじりこむ!さぁ、ななこよためらう事はない!ゴオオオオオオオオオ!!」
「ふぁいやあああああああああ!!」
「下は禁止って言ってるのが分からないのこのド低脳達!」
「馬鹿言え!勢いに任せれば当然虫は尻にねじ込まれるはずだ!
むしろどちらかといえばさっちんにねじりこむ事を望む奇跡の人間も読んでるかもしらん!」
「体は豆腐でできている」
「血潮はソースで心は生姜」
「意味の無いことを言っているんじゃない!ソースを豆腐に入れるな!」
「大体!なんで完結してないのにこんな事書いてるの!!?」
「ヤシはもう限界なんですよさっちんさん・・・・
一度も書いた事が無い人間が書けば、自然と風呂敷は広がっていく」
「馬鹿な!風呂敷を畳む為にこれだというのか!?」
「酷い!これだってとめどなく垂れ流しているだけで終わりそうに無いのに!」
「さっちんもさっちんで微妙に会話がずれているぞ!そろそろ限界か!?」
「そうかもしれません!だけど有彦さん!まだ・・・まだやれ「終了」」
「とかいいながら難なく続くぅ!!俺達有彦3人衆!」
「凄い、めちゃくちゃすぎて何がなんだか分からないよ!助けて遠野君!」
「遠野君は死んだ!我々の心の中で生き続ける!」
「ところでさっちん!今までで一番マシな出来だったと思う話はドレかね?」
「ハイ先生!遠野君が死んだのは悲しいと思います!」
「さっちんさんは既に洗脳終え私の忠実なるソルジャーになったのですよ有彦さん!」
「な、なんだってー!」
「さぁさっちん!有彦さんにねじりこむのですよ」
「下は禁止だって言ってんじゃねええええええええかあああああああ!!!」
「さ、さっちんが!」
「まずいです有彦さん!さっちんが凄い顔になってます!具体的には北斗の拳!」
「私が今までで一番マシな出来だったと思うのはまる3かな?」
「ぐわ!さっちん!その顔でいつもの調子に戻るんじゃあない!」
「さっちんさん・・・カッコイイ!」
「さっき私に凄い顔とか言ってた奴の台詞じゃないよねえええええええええ!!!」
「さっちん!止めるんだ!それ以上ななこにヘッドロックをかます様ならおれもだまっちゃいれねぇぜ!?」
「有彦さん・・・最初に言うべきだったんですけど」
「どうしたななこ?」
「せめてパンツくらい履きましょうよ!さっちんさんもいるのに何考えてるんですか!?」
「え?この店は全裸が基本だって聞いたんだけど?」
「ああ、別に気を使わなくてもいいんだよななこちゃん
日本国憲法で1cm未満のピーは保護指定になっているから」
「有彦さん!?それが地球人類の平均サイズだったんじゃないんですか!?」
「さあああああああああっちんんんんんんんんんん!!俺の秘密をばらしたなあああああああああああ!!!
僕の気持ちを裏切ったなぁあああああああああああああああああああああああ!!!」
「絶叫すれば面白くなるわけじゃないって分かったじゃない!この豚有豚彦豚君!」
「さっちんさん!凄く言い辛い!それはそうとなんでまる3がいいんですヵ?」
「なんで俺のサイズに突っ込んでくれないんだよ!」
「有彦くんのソレはポークビッツにも満たないね
で、まる3が一番しがらみ無く書けたんだよね。やっぱり気楽が一番だったかな」
「だけど「めがぁ〜めがぁ〜」がやりたいだけで秋葉さん参加させたのは不味かったですよね」
「言われてみればアレが無ければもう少し話に無理が無かったよな
悪役の数が絶対的に足りてないもんだから困るんだよ、ネロとか居ても志貴と式がいるし
ついでに言わせて貰えばサーヴァント言峰とマスター士郎ってのもあったんだよ!」
「なるほど、だからあの時の士郎さんの台詞に無理があったんですね」
「ソレを言ったら全体的に矛盾点の嵐だけどな!」
「こらそこ!真面目な話はご法度だって言っているでしょ!
そんなあなた達に素晴らしいニュース
今見た感想掲示板、久遠さん曰く「タイプムーンの過去ログに固有結界の真実が」との事です」
「久遠さんのは楽しいのにねぇ
どうしてこんな訳の分からないものを書いてるんだろう?
真面目に才能分けてください、真剣に!真剣にィ!!」
「ひがんでるんじゃあない!豚馬が!」
「ひぃ!有彦さん酷い!」
「大体ななこちゃん、最初書き出した時は喋らなかったのに・・
こんなだから色々えらい事になるのよ!」
「そうだ!辻褄を合わせるべく!ななこには死んでもらう!」
「ククク、ここまで話をスムーズしてあげた私を殺すんですか?有彦さん、私が居なくなったら話はそこでお終いですよ?」
「殺!」
「ヤヴイ!ヤヴイよ!有彦君!今気付いた!今気付いちゃった!」
「どうしたさっちん!?」
「私いつもは乾君って呼んでたんだよ!?」
「安心しろさっちん!俺とお前が付き合えば不自然ではなくなる!」
「キモイ」
「オーケー!心にぽっかり穴が開いたぜハニー!」
「そういえば乾君、今更訂正しても遅いんだけどさ
めんどくさいから終わりにしない?」
「何言ってんだよさっちん、これじゃ何の意味も無いじゃ「終」」