もうすっかりと太陽の光も落ち、まさに暗闇の世界というに相応しい中で血だらけの男女とほとんど無傷の男女の2人組みの姿が真導の眼に映った。
傍から見ているとそれはとても直視できるほどのものでは無かったであろうが、その男女合計4人に何の躊躇いも無く近づいていけるのが真導という男の性格なのである。
正体のほとんど分かりもしない4人の居る場所にあと数mという所で真導は足を止め何を思ったのか突然4人に向かって話しかけた。
「そこの人達?一体どうしたの?」
真導の突然の言葉にその場に居合わせた男女が一斉に真導の方へと振り向いた。
その真導の言葉にまず反応を示したのがツインテールの女の子、一応真導が遠坂だろうと思っている子だった。
「いえ、何でもありませんのでお気になさらずに」
なるべく言葉を選びながら喋っているのだろうが、誰が傍から見てもその表情は真導に対して警戒心を放っていた。
「そんなに邪険に扱わないで欲しいなぁ、あっそれともそこで今にも死にそうな男の子は遠坂さんの彼氏かな?」
真導がそういって軽口を叩くと相手は目を見開いて文字通り驚き真導に遠坂と呼ばれた女の子の傍らには白髪の威圧的な男がどこからか双剣を取り出して構えを取っていた、金色の髪をした少女は家の塀に背中を預けながらも真導を牽制していた。
と唐突にツインテールの女の子が真導に話しかけてきた。
「初対面の人には失礼かも知れませんけど何個か質問に答えてくれますか?」
「あぁ、別にいいよ」
真導がそう言うとツインテールの女の子は何か考えがあったのか少しだけ顔をしかめそして真導を睨むようにして一つ目の質問をぶつけてきた。
「じゃあはまず最初に何故あなたは私の名前をしってたの?」
「遠坂さんの名前は裏の方じゃ有名になるからね、だからさ」
裏の方という真導の答えに驚きつつも表情としてはやっぱりそうだったか、と少し納得した表情だった。
「そう、じゃあ2つ目の質問あなたマスターでしょ?しかもこの辺りのことを調べてない?」
「そうだね、俺はマスターだよでもこの辺りを嗅ぎまわった覚えはまったく無いね」
「あなた今この状況、理解してる?もう聖杯戦争は始まってるのよ?なのに自分の正体を明かすなんてどういうこと?」
先ほどと同じように真導を睨むような視線で質問してきた、そんな殺気だっている周りを知ってかしらずか真導はひょうひょうと質問に答えた。
「このくだらない戦争が始まってるって事はしってるよ?それに状況も理解してるつもりだ、まずそこで瀕死の重傷を負いながらも生きているのが恐らく衛宮さんだろ?でそこにの塀に寄りかかっているのが姿、在り方、魔力量からさっするにセイバーで君の隣にいる怖そうな男は・・・消去法からいってアーチャーだろ、どうだ遠坂さん?間違ってる?」
真導がそういって遠坂に話しかけると遠坂は信じられない、といった表情で真導を視ていたそしてしばらくすると
「そうじゃあ、あなたは私達を潰しに来たわけ?」
「いいや、違うよ」
「???じゃあ何しに来たの?挨拶ってわけでもなさそうだし」
「簡単に言うと俺と同盟結びませんか?ってところかな」
「はい?」
今度は、本当に何しに来たのこいつ?といわんばかりの顔で俺を思いっきり睨んできた。
「いや、だから俺も一人じゃきついかもしれないからな味方が欲しいと思って・・・駄目?」
「駄目に決まってるでしょ!!!」
まるで拡声器を使用したかのような声量に真導は思わず耳を塞いだ。
「声、大きいよ?近所迷惑じゃん」
「うっさい!あんたが言わせたのよ」
「まぁ、それは置いておくとしてだなどうして駄目なんだ?」
「普通考えたら分かるでしょ?こんな夜遅くに見知らぬ男が来てしかも私の名前までならまだしも、サーヴァントのクラスも言い当てた異常な奴にいきなり仲間にならないか?なんて言われて、はいそうですね!とでもいくわけないじゃない!!」
一気に捲し上げられた真導は取り乱す様子もなく静かに遠坂の言葉を聞いていた。
「それに衛宮君の事まで知ってるし、その魔力の量もう人外のものよ?あんた一体何者?」
「教えられない俺は用心深いんでね、まぁ俺と同盟を結べば俺の事も教えるし俺のサーバントも紹介するよ?それにセイバーをそこまで傷付けられるのはとても強力なサーヴァントじゃないの?2体でかかって倒せなかったみたいだしそれなら俺のサーヴァントも加えて3人でしかければいいんじゃないの?」
真導の言ってるいる事は確かに正論なのだが如何せん登場の仕方が悪かったのかアーチャーは少し考える余地のある顔をしているが遠坂の方はまったく変わっていないようであった。
「そうね、確かに仲間でもないのにそんな事を聞いたのは私が悪かったと思う、それにあんたの提案も魅力的よでもねあなたのサーヴァントの実力も分からないし第一あなた別に魔術師じゃないみたいだからいくら魔力が高くてもしょうがないでしょ?」
「んなもんはサーヴァントの真名が分かれば大体は想像がつくだろ?」
「当たり前でしょ!じゃあ何?あなたのサーバントのクラスと真名を教えてくれるっていうの?まぁそこまでしてくれればまだ交渉の余地はあるわね」
遠坂は真導がサーヴァントの真名なんか絶対に教えるわけ無いと高をくくってそういったが真導はそのセリフを待ってましたとばかりに笑みをこぼした。
「俺のサーヴァントのクラスはアサシンで真名は・・・おい、小次郎もう出てきてもいいぞ」
「ちょっとあんた何言ってんの?そんな嘘で私が騙される訳無いじゃない」
遠坂が呆れかえった口調で真導にそう告げると隣にいたアーチャーの顔が変わっていた。
「ちょっとアーチャーどうしたの?」
「凛、どうやらあの男の言った事は本当らしいぞあの男の後ろをじっと見てみろ」
アーチャーの言葉に凛は即座に反応し絶句した。
「嘘?じゃあ、あんたのサーヴァントって本当にあの佐々木小次郎なの?嘘でしょ?」
「残念ながら本当なんだよな、しかもあいつを手に入れるのにあいつと闘ってかなり疲れたんだよな〜、まぁ手加減してくれてたみたいだけど」
真導の何気なく言った一言は遠坂をまたもや絶句させた。
「あんた生身でサーヴァントと闘ったっていうの?しかもその言い方だと勝ったの?」
「あぁ、一応勝ったなまぁ辛勝だったけどな」
「嘘?信じられない・・・」
「ところで、クラスも真名も教えたんだけどどうなの?駄目かな?」
「駄目」
「なんでさ?」
「それはだって・・・」
遠坂自身としてははっきり言ってサーヴァントの実力も完璧、しかもマスター自身もかなりの者よって普通ならばすぐさま手を結ぶべきなのだが今、目の前にいる男の異常さを考えると背中を預けられない心情なのだそして背中を預けられないパートナーなどはパートナーつまり仲間とは言えないのである。
そして重い沈黙を破ったのは真導だった。
「わかった、じゃあここは俺が歩み寄ってこうしようか」
「何をするつもり?」
遠坂がそう口にするよりも早く真導は令呪のある右手に魔力を込め自分のサーヴァントに令呪を使用した、その内容を聞いたとたん今まで静観していたセイバー、アーチャーまでもが驚きに自分の耳を疑っていた。
―小次郎、もし俺がここに居る4人を裏切ったならば俺を切れ―
真導がいった言葉はそれだった。
「ちょっとあんた何してんのよ?」
「何って、これでも信用してくれないわけ?」
そう言われた遠坂は諦めたように肩を落とし
「信用も何もあんたここまでする必要あったの?」
「それは遠坂さんが信用してくれないからだろう?俺だってなるべくなら使いたくは無かったし・・・」
「はいはい、ごめんね信用しなくてまぁ取りあえずその”さん”付け止めてくれる?これからもそんなのだとやりにくいでしょ?」
「え?遠坂それって・・・」
「だ〜か〜ら、そのさん付け止めてっていってるでしょ」
「あぁ、すまない・・・えっと・・・遠・・坂・・その・・・よろしく」
真導が少し恥ずかしそうにそう言うと遠坂はおもちゃを見つけたこどものような顔をして笑い
「そう、じゃあ握手しましょうか」
といって右手を差し出してきた。
その行動に真導は微妙に同様しながらもほぼ自然な態度で握手に応じたそして遠坂は満足そうな笑みを見せ手を離した
「じゃあ、夜も遅いから今日はこの家に泊まっていきなさいよ。え〜と・・・」
「失礼、、まだ名乗ってなかったな俺は七夜真導って名前だよろしく」
「そう、真導ね。でここに泊っていくんでしょ?」
「あぁ、宿もないしそうさせてもらおうか」
そういって家の方に視線を向けると今だ警戒中のサーヴァント達が眼に止まった、しかしそんな視線を無視し何となく地面をなぞる様に見ていくと死に掛けの衛宮くんがそこのいた。
「なぁ、遠坂」
「ん、何?」
「いや、あそこで倒れてる衛宮くん助けなくていいのか?かなりの重症っぽいぞ」
「あぁ、別にいいみたい確かに重症なんだけど何故かもう血はだいぶ止まってるしあとは
ちょっと手当てするだけみたいだから」
「そうか、ところでこの家は誰の何だ?遠坂の家か?」
「いいえ、これはそこで倒れてる人の家よちなみに今のところは無人」
「そうか・・・っていいのか?勝手に俺なんかを泊らせて?」
「いいのよ、それは今日助けてあげた支払いみたいなもんだし」
「??わからないがとにかく泊ってもいいと?」
「そういうこと」
「そうかならいいのかな?」
遠坂とも話おえて少しすると俺達は衛宮くんの家にあがらせてもらう事になり
家に上がると俺の想像していた家の内装とは違いかなり落ち着いた感じをもった。
「意外だなかなり綺麗だ・・・」
俺がポツリと驚嘆の声を漏らすと
「でしょうね、男の一人暮らしとしては異常ね」
等と言っていたちなみに俺はそこまで酷いことはいってないのだが・・・
それからしばらくすると遠坂は衛宮くんの治療をする為に部屋を出て行ったので今、遠坂に通された今には俺と小次郎、セイバーにアーチャーというなんともやりにくいメンバーが残ってしまった。
俺がやることも無いので机に肘を付いてだらだらしていると突然アーチャーが俺に言葉を投げかけてきた。
「おい、真導お前に聞きたいことがある」
「ん?何だアーチャー」
「お前、何者だ?」
「いたって普通の”人間”だよ」
というと隣にいた小次郎は微笑を浮かべていた、何がおかしいんだよ!といいたかったが突然セイバーが口火を切った。あとで小次郎とは決着をつけねばならない
「いいえ、そんなはずはありません何故ならリンもいっていましたがあなたの魔力量は人のそれを超えている」
「そうだ、そんな魔力をもっているのは真祖くらいだ。しかもお前は自分のサーヴァントにする為にそこの小次郎に勝ったんだろうが、それのどこが普通だ」
「ん〜」
と俺がいい渋っていると衛宮くんの治療が終わったのか遠坂が居間に入ってきた。
「何?このいやな感じの空気?アーチャー何かあった?」
と遠坂がアーチャーに聞くとアーチャーは包み隠さず喋った、ちょっとは隠せよな・・・
「ふ〜ん、やっぱり異常よね。それはしっかりと聞く必要があるわそれにあなたの魔力回路は眼の比率が多いみたいだし・・・もしかして魔眼?」
「さすがにばれたか・・・まぁ魔眼については明日衛宮くんが来てからにするよ、説明も長くなるし体で分かってもらったほうが速い」
「じゃあ、それは明日でいいわ。であなたは何者なの?」
「わかった、降参だ・・・」
遠坂の睨むような視線に陥落した俺は全てを話した。
そのあとの反応といったら外で叫ばれたときの軽く10倍はいっていた
「鼓膜が破れるだろう!やめろ!!」
「うっ、ごめんでもあんまりにもびっくりしたから・・・じゃあ真導ってさ常時そんな魔力量なの?」
「そうだぞ、これが平均だ全力出せばそこにいるセイバーの4〜5倍はいくな」
「セイバーの4〜5倍!!!嘘?ありえない」
「すまないな、ありえなくて」
「あぁ、そういう意味で言ったんじゃないのごめん」
「あぁ、別にいいぞ気にしてないからな。所で説明は明日の朝にしないか俺もう眠たくってしょうがないんだよ」
俺がそういうと遠坂は慌てて時計を見て絶句した。
「げ、もうすぐ4時じゃない。じゃあ魔導の説明は明日衛宮くんが起きてからにしましょうでは今日はこれでお開きね」
「おう、所で俺はどこで寝ればいいんだ?」
「あぁ〜布団もって来るからここで寝ちゃって」
「了解」
そうしてしばらくすると遠坂が一組布団を持ってきてくれた一組だけだったので小次郎には悪いが霊体になってもらう事にした。
ちなみに他のメンバーはというと遠坂とセイバーが衛宮くんの隣の部屋で就寝する事に決まりアーチャーは霊体になっていた。少し男サーヴァントが不憫に思えた一瞬であった、本当に一瞬なんだけどな〜♪
そんなこんなでそれぞれの夜は更けていった。
次の日の朝は地獄だということを魔導は知らなかった・・・
そして魔導は最大(?)のピンチへ
It continues to next time.
作者の感想
まず始めにすみませんでした^^;
いや、決してネタが尽きたわけではありませんでしたがちょっと前に話した
魔導君のSSを友人と煮詰めておりましておかげでもうすぐ序章が完成です(ぇ
とにかく長いので苦労してます。その分面白いと思うので楽しみにしていてください近日UP予定です。
そしてこちらのSSもほぼ同時に書いていくのでよろしくです^^
最後に感想、指摘してくださった方ありがとうがざいます。今回も気をつけ
たのですがメチャメチャだと思います。次から頑張りたいと思います
こんな至らないSSですが最終話まで続けるつもりですのでよろしくお願いします。
なお、質問なども受け付けております。
そういえば、小次郎、セイバー、アーチャーのセリフが極端に少ない(汗
次からはセイバーは多くなる予定です^^;