運命はその晩に始まった
それは本当に魔法のように現れた
目映い光の中、それは、俺の背後から現れた。
思考が停止している。
現れたそれが、青年の姿をしていることしか判らない。
蒼き槍兵の槍を打ち弾き、土倉の外へと追いやり、
腰を落としたまま動けなかった俺にこう問い掛けた
「――聞くが、貴様が我のマスターか雑種」
酷く偉そうな口調でそういった
Fate/Gilgamesh night
「我はセイバー。一応貴様のサーバントということになる雑種」
二度目の声。サーバントという言葉とマスターという言葉の意味を考えた瞬間
「―――っ」
左手に痛みが走った。
熱い、焼きごてを押されたような、そんな痛み。
思わず左手を押さえつける
それが合図だったのか、青年は傲慢に、整った顔をにやけさせながらこう言った
「契約は完了した。今から貴様の運命は我が握っていると思え雑種。」
「なっ契約って何の―――――!?」
俺だって魔術師の端くれだ。その言葉がどんなものかは理解できる
だが青年はその問いになど答えず。現れた時と同じ傲慢な表情で顔をそむけた。
――――向いた先は外への扉。
その奥には、未だ槍を構えた男の姿がある。
「取り敢えず、外に居る薄汚い犬を片付けるとするか」
なんだこの男は。。さっきそこに居る坊主に召喚されたようだが。。
しかしおかしい、サーバント召喚に必要な魔方陣や魔力の流などまったくしなかったではないか・・自慢じゃないが俺はルーン魔術の達人だ。すこしでも強い魔力の流があれば判るはずだ
おかしい・・・・。
いやそんな事はどうでもいいか。。この男はさっき俺のことを・・・
「てめぇ…今俺の事を犬と呼びやがったな」
そう、この男は俺のことを『犬』と呼んだ
「犬を犬と呼んで何が悪い?」
またしてもこの男は俺のことを『犬』と呼んだ
許せない・・許せない・・許してたまるか!!!!!
「後悔させてやるぜ!俺を『犬』と呼んだことをな!!1
「なんだ、あいつは…」
響く剣戟
月は雲に隠れ、庭は元の闇に戻っている
その中で火花を散らす鋼と鋼
土倉から出てきた青年に、槍の男は、叫びながら襲い掛かった。
青年は一撃で槍を払いのけ、さらに繰り出される槍を弾き返し、その度、男は後退を余儀なくされる。
「―――」
信じられない、セイバーと名乗った青年は圧倒とはいかないものの槍の男を押し返していた
一瞬にも永遠にも感じる打ち合い
刃と刃の奏でる打撃音
その全てが死を映し出し、人を魅了する
そしてサッと距離をとると青い槍兵はこう言った
「遊びが過ぎたな。。そろそろ決着をつけようぜセイバー」
「貴様の死をもってな。クー・フーリン」
「「なっ」」
な。。なぜこの男は俺のことを知っている!!
確かに俺の名は有名だ。宝具を使えば一発でばれるだろう
しかし今はまだ発動準備さえしていない。。
いったいなぜ・・
クー・フーリンだって!!
あのケルトの大英雄ではないか!!
しかし、あの青年はその彼すら押し返すことのできる実力の持ち主なのか!!!
「ふ。。面白いものをみせてやろう・・」
青年はそう言って、腕を天に掲げこう言った。
「こい、<ゲイボルグ>よ!」
「「なっ!!!」」
そして彼の後ろから現れた槍は彼の持つ槍とまったく同じ物だった
あれは間違いなく、<ゲイボルグ>だ
それは俺が一番よくわかっている。。
だがそれゆえに理解できない、いや、したくない。
「てめぇ、、いったい何者だ。。」
「これから死ぬものに、名乗ることなど、するだけ無駄だ」
危険だ・・あまりに理解不能だ・・
「っち。主義じゃないがイレギュラーが多すぎる。ここは一旦引かせてもらうぜ!!」
「逃げるのか、犬」
「いつかこのカリ必ず返すからな!!」
そう言いおれは、一気に屋敷の外に駆け出した
捨て台詞がいかにも負け犬だったが、今は四の五の言ってる暇はない
後ろを向くと全力でこの屋敷からぬけ出した
あとがき
実際書いてみるとこんな感じかな?
本格的なSSは初めてになるのか。。
うう、、ネタはあっても技術がない