英雄妖精アルトリア M:セイバー? 傾:戦闘妖精 H:なし


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1: F Works++ (2004/04/07 00:28:35)[fworks_plus at hotmai.com]

英雄妖精・アルトリア<改>

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英雄を見るには
英雄の目がいる

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いつの時代のものでもよい,
世界地図を広げたとき,そのどこにも聖杯の存在が示されていない地図など例外中の例外である.
聖杯の出現地点を赤点で示すならば,現在の世界地図も濃淡の変化する薄赤色に染まる.
それほどに聖杯は至るところに出現している.
聖杯の歴史は戦いの記録でもある.
聖杯を求めて,人間同士あるいはサーヴァント同士が闘ってきた.今も昔も変わらない.

しかし複数回聖杯が出現した地点を異なる色で表現するなら,
赤とは異なる色を日本列島の一点に見付けることができる.
ヨーロッパに関連の深い聖杯は
ユーラシアの西ほど濃い赤に染めているため,極東など見落としてしまうかもしれない.
だが,それはある.

日本に所在する中堅都市,冬木市.
いつからそこに聖杯が存在しているかはよくわかっていない.
十年前聖杯が出現したため,市に大規模な火災が発生したことだけは確認されている.
この聖杯は,いまだに多くの謎を秘めている.
いかなる魔術を利用しているのか.魔術の系統すら研究はさほど進んでいない.

あらゆる願いをかなえるとされる聖杯は存在を認めることすら難しい.
しかし聖杯は幻ではない.
聖杯を求め闘いが繰り広げられ,無関係な人間を巻き込み被害が発生した.
聖杯は間隔をおいて出現する.聖杯の脅威は消えたわけではない.

現在,聖杯を求める資格はサーヴァントを召喚することとされている.
召喚した人間はマスターとよばれる.
マスターはサーヴァントとともに,他のマスター,サーヴァントを撃ち滅ぼし,
最後まで生き残った者に聖杯が与えられるという.

サーヴァントはその能力によってクラスに分かれ,
主として,ライダー,キャスター,バーサーカー,アサシン,アーチャー,ランサー
の6つを含む.
加えてもっとも優れているとされるのがセイバーである.
セイバーは能力のバランスに優れ,聖杯に最も近いサーヴァントと呼ばれる.

サーヴァントは過去の英雄を召喚し,使役するものと考えられている.
彼ら英雄は,出身国,また母体とする伝説なども様々だが,
彼らの真の名前,真名は明らかではない.
真名によって英雄が特定されれば,能力,弱点は丸裸になってしまう.
聖杯戦争にとって重要なのは,英雄ではなく
英雄の能力をもった戦闘機械とでもいうべき存在なのだ.

伝説などを読み解けば,英雄の能力はあまりに強力である.
曰く,山を断つ.
曰く,竜を殺す.
曰く,天地を創造する.
これらの能力が一度用いられれば,現代社会に大きな被害をもたらすことは明らかである.
聖杯は現代人にとって脅威である.

近年,聖杯が冬木市以外に姿を現すことは,まずない.
大多数の人間にとって,聖杯戦争の脅威はあまりにも小さく,
聖杯をめぐる闘いは毎日の出来事から遠く隔たっているように感じられ,
聖杯の脅威は忘れられている.

現代人の多くは聖杯戦争を,絵本の中の英雄たちの戦いくらいにしか思っていない.
しかし聖杯は,地球上のいかなる地点にも出現するのだ.
その脅威は消えてはいない.
いまもこうしているうちにも聖杯が出現する条件は整っているかもしれないのだ.

聖杯はいまだ正体不明の魔術存在である.
聖杯がいつどこに出現するかはわからない.
それがわかったときには聖杯戦争は勃発し,もはや手遅れかもしれないのだ.
聖杯を忘れてはならない.
聖杯はなんでも願いをかなえてくれる便利な道具ではない.
全人類に対する現実の脅威である.

<民名書房『聖杯戦争と世界』より抜粋>

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いくたびも戦い,最後に裏切られ,一人で眠った
愛しの息子に裏切られ,彼女は孤独だった
いまや心の支えは剣の誓いそれのみ
翠眼の,決して裏切ることのない可憐なサーヴァント
戦場を翔る妖精,英雄セイバー,アルトリア

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2: F Works++ (2004/04/07 00:34:30)[fworks_plus at hotmai.com]

はじめまして。
セイバーと士郎の関係が、
雪風と深井の関係にちょっと似ているかなと思って書いてみました。
似ているのはむしろグッドラックかもしれませんが。
不信感をもつ二人の関係が、戦いを通じて信頼、最後に愛になるところとか。


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