おまけ：
「君が佐藤君？」
「そうだけど、何だよおっさん？」
「そーか、そーか、君が大河ちゃんを泣かした悪の大王だね？」
「え？」
「そんな君には正義の味方が裁きを下す！」
「……」
「この世に悪の栄えた試しなし！ この世に悪のある限り、われらがそれを滅ぼそう！ エミヤ戦隊、ここに見参！ エミヤブラック！ キリツグ！！」
「えーと、帰らしてもらっていいっすか？」
「さ、次！」
「…エミヤシルバー！ セイバー！！ くっ、キリツグ、なぜ私がこのようなことをしなくてはいけないのですか、このような…」
「セイバー、これはマスターの命令。問答無用。嫌なんて言ったら令呪使うから。さ、エミヤブルーにエミヤゴールドもポーズを決めなきゃ！ 正義の味方はポーズ決めた後じゃないと戦えないんだから」
「切嗣、俺もお前も正義の味方という柄か？」
「雑種、なぜ我がそのようなことを…」
「一人足りないけど、ま、そこはしょうがないってことで勘弁してもらって……って、ああ、いない！？」
「あの雑種なら、既に去ったぞ、ほらあそこを歩いているではないか」
「くそう、悪の大王め、ポーズのうちは動かないというお約束さえ破るとは。悪の風上にもおけないやつめ。」
「それ以前にヤツは本当に悪なのか？」
「かまわないからエミヤゴールド、卑怯者には遠慮なく必殺技をかましてやるんだ！」
「雑種、我に命令するな。だが、まあそれも一興か。・・・『王の財宝（ゲート・オブ・バビロン）』」
「うわぁああああああああああーーーーーーーーーー、なんじゃ、こりゃーーーーーーーーー」
突然空から武器が湧いて出たかと思うと、それが一斉に自分に降り注いでくるんだから、たまらない。
「よーし、悪の大王はひるんだぞー！」
「そりゃ、驚くだろうな」
「セイバー、じゃなく、エミヤシルバー、行け！」
既にやけくそ気味のセイバー、半べそかきながら、『約束された勝利の剣（エクスカリバー）』。
「あんぎゃあああぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー」
「よーし、綺礼もといエミヤブルー、とどめだ！」
「もはやとどめを刺す必要もないように思うが。……坊主、食うか？」
佐藤君、マーボーを口に入れて悶絶。
「な、なぜマーボー豆腐・・・」
「悪は滅ぶ！」
「・・・キリツグ、なぜそんなに満足気なのですか」
「フッフッフッ、『おしおきだべぇー』」
「切嗣、それは悪役の台詞だ」
「あ、綺礼も見てた？」
「雑種、どうでもよいが、あの雑種、痙攣しておるぞ、いいのか」
「『これでいいのだー』！！」
「『バーカボンボン♪』か？」
その頃、秘密裏に切嗣に依頼を受けた遠坂氏は、愛娘を一緒に連れて、萩原優子を襲撃していたり。
「ほーら、凛、いいからさっき教えたガンドをこのお姉ちゃんに撃ってごらん。習ったら、すぐ練習しておさらいしなきゃね。そう、そう！ よく出来た、よく出来た！ 凛は賢い、いい子だねー」
ちなみに、これが遠坂凛の初ガンド。
めでたしめでたし！