注意１：fateもしは電波製なのです。
注意２：一部のキャラが原作とは性格が異なる場合があります。
注意３：今回前振りが本編に関わりありです。
いつものギャグではございません。
以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。
「士郎！ 急ぎなさいよ！」
前を走る遠坂が恐ろしく理不尽な事を言ってくる。
「お、お前なー！
誰のせいで急いでると思ってんだ！？」
走りながら必死に言い返す。
現在空港、オレと遠坂は走っております。
バゼットはアーチャーを連れて一足早く昨日倫敦に向かった。
そしてオレ達は今日の朝早くに行くというのに遠坂がやってくれたのだ。
ここ一番での大ポカ、つまり寝坊を。
「な、なんとか間に合いそうね」
オレの言葉を誤魔化すようにそう言う。
まあ、どうにか間に合ったようだ。
余裕が出来たため周りを見渡すとこの時期に珍しい集団がいた。
女子高生だ、あの人数だと修学旅行だろうがえらく季節外れだ。
しかも、
「ごきげんよう」
などと時代錯誤な挨拶をしている。
「士郎、私たちの番がきたわよ」
そう遠坂に声を掛けられたのでそのままついていく。
もう一度振り返って女子高生の集団を見ると、
タヌキ顔の女の子と目が合った気がした。
fate/stay night もし２９
「おっ！ 遠坂！
ホントに傾いてるぞ！」
「ええ、そうね衛宮君。
斜塔って言うぐらいだもの傾いてて当然よ」
「なんだよ遠坂？ 楽しくないのか？」
「ねえ衛宮君、私たちは何処に行くんだっけ？」
「イギリスの倫敦だろ」
「それでここは何処」
「何言ってるんだよ、イタリアのピサだろ？」
「なんでやねん！？」
ん、良いノリ突っ込みだ。
「ところで遠坂、お土産はローマ饅頭とフィレンツェ煎餅にしよう」
「は？ 何それ？
ホントにあるの？」
「空港で女子高生が居ただろ？
その子達がお土産がどうのと話してるときに聞こえてきたんだよ」
オレもイタリアは何度か来たが初めて聞く名だったので覚えている。
「へー、目的地を間違えたって言うのに女子高生に見惚れてたんだー」
おい遠坂、周りの人達が引くような笑顔をするな。
それに間違えたのはお前だ。
まさか一日に二度も大ポカをするとはおそれいりやの鬼子母神だ。
ピサの斜塔を見ながら歩いていると又女子高生の集団に出くわす。
そして、あっあの子転びそうだ、と思った瞬間に体が動いていた。
ポス、
っという音をたててオレの腕の中にその子が納まる。
カシャッ！ カシャッ！
とカメラの音が聞こえたがピサの斜塔か何かを撮影しているのだろう。
「大丈夫だったかな？」
今も何が起こったかよく解ってない女の子に聞いてみる。
おっ、よく見たら空港で見かけたタヌキさんだ。
「だ、だ、大丈夫です！
そ、そ、その離してもらっていいでしゅか！？」
ん、微妙に最後どもったな、なんていうか癒し系？
オレはそう思いながら彼女を離す。
「あ、ありがとうございました」
「いや、気にしなくていいよ。
あ、オレは衛宮士郎、高校二年。ここへは観光に来てるんだ」
「わ、私は福沢祐巳っていいます。
……そういえば今日は平日ですけど、もしかしてサボリですか？」
「うん、そうだよ。
でもこっちに用事もあるから完璧なサボリって訳でもないかな」
「そうなんですか、あっ！
もう行かなくちゃ、衛宮さんごきげんよう」
「うい、ごきげんよう」
そう言って他の子と一緒に歩いて行く祐巳ちゃん。
なんか他の子に囲まれてるけど楽しそうだからいいか。
いやー、いい出会いもあるもんだね。
「……随分ごきげんね、衛宮君」
後ろからはアカイマオウの声がする。
「そうですね、私と言う新妻がいるのにもう浮気ですか士郎」
今まで霊体になってたのに実体化して凄いことを言うライダー。
「ちょっとライダー！ 何よ新妻って！？」
「本当のことです、リンこそ何なんですか？
私と士郎の新婚旅行に憑いてくるなんて」
我が背後はすごいことになっております。
振り返るなオレ、
まっすぐ進むんだオレ、
とりあえずバゼットに連絡しとかなきゃ後で怖いぞ！
続く・・・のか？
あとがき
どうも久遠です。
全てマリ○ての新刊がいかんのですよ。
アレのせいで舞台がイタリアに……まー感想掲示板で先に謝っておいたので、
ここはよしとして下さい。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。
ネタ
＞チャオ ソレッラ！