『構想一撃! おもむろにバトルシーンを書きたくなった。使うかどうかは気分しだい。……ああっ、ごめんなさい。連載の続きはまたこんどぉぉぉぉ石投げないで〜!><』
(↑タイトル)
がりがりと削れていく世界。
黒い影が縦横無尽に世界を削る。
「くそっ!」
影が形を成して、こちらに喰らい付こうとするのを志貴が七夜の全力を尽くして止めていた。殺された影は混沌に戻り、再び主のもとへと帰っていく。
「きりが無いっ! どうにかならないのかアルクェイド!」
「ならぬ。この身は『奴』の動きを止めることで精一杯だ」
『奴』はくつくつと笑いながら赤い目を光らせている。
真祖であり。
英霊であり。
666の混沌の主であり。
馬鹿みたいな魔力を魔術として行使する。
最悪のタタリ。
「どうした、人間どもよ」
士郎は唇をかみ締めながら8本目になる陰陽剣を投影する。
前進しても前進しても届かない。
目の前にある敵に届かない。
666の暗黒を叩き潰して。
空想具現化を押し留め。
同じモノに繋がっているイリヤと遠坂達の魔術でなんとか拮抗。
それ以上には到達できない。
「人間である限りはいつかは倒れるのだろう。いやはや、残念だ。私は耐えるだけでこのゲームは終わってしまう」
ああ、残念だ、と呟きながら『奴』は片手を振り上げた。
「――虚ろは現へ。我が右手は神の鉄槌――」
“古き爪”
空想具現化された暴虐の嵐がこちらに向かってきて、それを直視する長い髪の、『朱い月のアルクェイド』が同じく片手を振り上げる。
“――満月の盾――”
真円の世界が生まれて敵の攻撃を押し留めた。
面白そうににやにや笑い、時々からかうように手を出してくる。
『奴』に勝つ方法を探している。
「志貴! この混沌を殺すことはできないのか!?」
士郎が出来る限りの声で叫んだ。
「無理です。奴自身が一つにならないとその死は限定されないんです!」
士郎は歯を食いしばってスピードを更に上げた。
何百体と言う獣の群れを切り伏せてきているのに目の前にあるのは変わらぬ混沌の壁。
不意に、がくん、と足場が崩れるのが分かった。
理由も分からずそこを見ると、とかげのような何かが足元に穴を掘っていた。
凶悪な牙がこちらを捉えようとしている。
ああ、駄目だ。
こりゃ駄目だ。
このままオレは全部食べられて。
終わる。
なんて思った瞬間に
「ふん、よく耐えていた雑種共。褒めてやる」
なんて高慢な声と、指を高らかに鳴らす音が響いた。
がおん、と音がして竜を殺す剣が足元のトカゲを殺す。
がおん、と音がして鬼を叩き伏せる剣が目の前の猛獣達を貫く。
無数の剣。千の財宝が世界を貫いていって。
「くっ!」
『奴』に初めての攻撃が届いた。
「後掃除ばかりでつまらぬと思っていたところだ。人の生きる街を見るのは久方ぶりだな。大儀であったぞ。雑種共……と魔王よ」
「魔王じゃないわ」
アルクェイドがつまらなそうに呟く。
「どうでもいい。素直に受け取れ」
がちゃり、と黄金の甲冑が音を立てる。
その背後に無数の剣群。
「では戦おうか世界の敵。この英雄王が相手になってやる。ありがたく思え」
→つづかない。