「なぁ、燈子」
「どうした式?」
「もうちょっとまともな宿はなかったのか?」
「なかった」
私達は、沢村権作さん80歳自営業の家に好意でお邪魔している。
「さぁさぁ、昼ご飯は芋の煮っ転がしですよ〜」
沢村藤さん、78歳がご飯を運んでくる。
「最近娘もめったに顔だしてくれんからねぇ〜
若い人が来ると活気があってあたしゃ嬉しいよ」
「この漬物は絶品だな、藤さん」
アーチャーはなんだか溶け込んでいる。
漬物の良し悪し判断するなんてどんな英霊だよ
「私は町を見てくる・・」
こんなアホ達と一緒にいるのは気が滅入るのでフラフラと町を歩くことにした
聖杯戦争 もう一杯 まる11
「リン、ネロ・カオスと言う吸血鬼の事なら御飯を食べた後にすべきです」
セイバーの一言で俺は昼食を用意する羽目になった。
今回は当番制ではなく一方的に俺が支度するらしい、理不尽だ。
その意見に簡単に屈服するのは男としてどうよ?ってことで異議を申し立てたが・
「サーヴァントいないあんたなんて、全自動料理作成機みたいなもんじゃない」
と、遠坂に一蹴された。
・・・・・
最初、投影魔術とか頑張ったんだけどな・・
「何もしないで御飯が出てくるっていうのは素晴らしいわね」
マスターが何やら感慨深げに呟く
「私は一人暮らしした事ないから分かんないかな」
「私も自分で料理する事なんてほとんどありませんでしたから」
「あんたら二人は苦労してないのか苦労しすぎなのか分かんないわね」
はぁ、とマスターはため息をこぼした
「まぁ、いいわ。ネロ・カオスの事だったわね」
「マスターそれって御飯の後に話すんじゃ?」
「馬鹿ね、言ったら士郎の馬鹿まで首突っ込んでくるからあいつに料理させてるんじゃない」
呆れた、という心情なんだろう。
目から感情がひしひしと伝わってくる
「確かにシロウが知ったら放って置かないでしょうね」
「そ、あいつサーヴァントから逃げたという実績が有るけど
流石にネロ・カオスなんて化け物が相手じゃ逃げようがないでしょ」
マスターは結構警戒しているみたい
「結局どんな奴なんですか?ネロ・カオスって」
「どうでもいいけど、吸血鬼の癖にネロ・カオスを知らないなんて
馬鹿も良いとこよ?ほんとなら吸血鬼である貴方の方に説明してほしいくらいなんだから」
知らない物はしょうがないでしょうマスター
ていうか吸血鬼になってすぐ死んじゃったし、私
「リンとりあえず話しましょう、喋っていると空腹が紛れます」
台所から香る御飯の匂いに感化されたのかセイバーさんはなんだかソワソワしている
すでにこの家のお茶請けは尽きたらしい。
「動機が不純なようだけど、気にしないでおいてあげる。
そうね、じゃあ27祖の事は二人とも知ってる?」
しらなーい、と声を揃える私とセイバーさん
一際大きいため息を吐くマスター、苦労性だなぁ。
「はっちゃけて言うわね、
吸血鬼のすごく強いのが27祖で、それの10位がネロ・カオスなの」
「マスター、はっちゃけすぎて分け判んないよー」
「そうですリン、特徴が分からないのでは説明の意味がありません」
その説明じゃ分かったのは凄く強いって事くらいだし。
「混沌と呼ばれている吸血鬼で、体の全部が使い魔で出来ているらしいわ
最近日本でやられたらしいけど」
「ふーん、じゃあ私はその27祖の中に入ったとしたら何位くらいなのかな?」
「・・・バーサーカー。
なんだかあなた27祖を誤解してないかしら?
あなたなんかじゃかすりもしないと思う」
「ネロ・カオスの身体的特徴等はないんですか?
全く一般人と変わらないようなら探しようがありません」
セイバーさんはそれっぽい意見を出す
私もそういうことを言えばマスターにアホを見るような目で見られないですむのかな?
それはそうと、なんか強そうな人っぽい。ネロ・カオス。強敵?
「聞いた話だと、全裸にコートらしいわ」
うわぁ、いきなり強敵からただの変態さんにイメージ変わっちゃったよ、ネロ・カオス
「な、なによ!二人して馬鹿を見るような目で見ないでよ!
私だってこんな胡散臭い情報信じたわけじゃないんだから!」
「すまん遠坂、台所に丸聞こえだったぞ」
昼食を運びながら、とりあえず俺の第一声。
しまったぁ!という表情でフリーズする遠坂。
「まぁ、衛宮さんもいないよりマシなんじゃない?」
さっちん、それフォローになってない。
「そのネロ・カオスと言うのが来ても、私が護衛についていれば関係ないでしょう」
セイバー、それもあんまりフォローっぽくないよ。
「・・・・まぁ私達と一緒に行動する分には問題ないか」
誰もフォローしてくれない。
俺ってそんなに戦力外?
「なぁ、アルクェイド」
「どうしたの志貴?」
「酔いつぶれたサーヴァントってどう扱えばいいんだ?」
「ほっとけばその内帰ってくるんじゃない?」
「・・・・犬みたいなもんか?」
「そうよ」
とりあえずカラオケを後にし、適当なお食事所へと向かった
―――
繋ぎ的話でお茶を濁させていただきました
その内ホームページでも作ってそっちに移転するかもしれませぬ
大分時間がたって忘れられた頃に_l ̄l〇