※タイトルを見てピンと来なかった方は楽しむ事ができない恐れがあります。読むのをお控えください。
『Oh!スーパーセイバーちゃん。』
ここは夢の町、冬木市
「シロウ、昼食はまだですか?」
の衛宮邸。
「もうちょっとで料理ができるから。」
「そうですか、安心しました。今日の昼食は何ですか?」
「うん、それなんだけど。聞いて驚け、見て笑え、」
「シロウ、笑える料理とはどんな物ですか?」
セイバーちゃんの的確なツッコミに動きの止まるシロウ。
「コホンッ。まぁ、それはともかく今日の料理は、」
シロウ、仕切り直し。
「今日の料理は?」
「今日の料理は、ブータン料理だっ!!」
「それは、一体どんな料理なのですか?」
と、その時、セイバーちゃんの楽しい一時を壊すかのように(というか壊すために)、
突如として鳴り響く電話の音↓。
ワハハハハハッ、ワーッハッハッハッハ
「わるい。セイバーちょっと出て。」
「はい。」
ガチャッ
「我だ。」
電話の向こうから聞こえる慇懃無礼、傍若無人な声。
「ギルガメッシュ?」
「そうだ、我だ。最古の英雄王にして、この世の全てを手に入れた最強の英霊、ギルガメッシュだ。この我が、直々に電話などと言う下賎なものを使って話そうというのだ。その喜びを噛み締めるがいい、騎士王よ。」
「黙れ!!ピカピカ光るしか能が無いくせに。」
ギルガメッシュ、赤鼻のトナカイ呼ばわり。
「ガーンッ。ひ、光るしか能が無い……。」
「さっさと用件をいってください、金ぴか。」
頑張れ、ギルガメッシュ。君の打たれ強さに物語の進展はかかっている。
「う、うむ、そうであった。我の所に居る蒼いのが、やたらと女を連れ込んで困っておるのだ。我と寝食を共にできることが如何に素晴らしい事なのかあいつはまったく理解していなくて困る。騎士王よ、何とかしてはくれぬか?」
「タダで、ですか?」
衛宮家の家計は火の車なのだ。
「もちろん、褒美はつかわそう。騎士王よ、我とデートをする事を許そう。」
ギルガメッシュの本音はここにあった模様。
「現金がいいです。」
もう一度言おう、衛宮家の家計は火の車だ。
「喜べ、騎士王。こんな光栄に預かれるのはお前だけだ。」
「現金がいいです。」
「はっはっは。騎士王。恥ずかしがる事はない。己の気持ちに素直になるが良い。」
「現金がいいです。」
「まぁ、そこまで騎士王が我とデートしたと言うのなら、我とデートする事を許すぞ。」
「現金がいいです。」
「……解った。現金を出そう。解った、解ったから。」
「それでは、後ほど。」
「ふはははは、やはり、我と会うのが楽しみであったか。なんなら、褒美とは関係なくデートを」
ガシャンッ
「セイバー、ギルガメッシュは何の用だったの?」
「報酬を出すから、ランサーを懲らしめてくれないかと。」
「ふ−ん。」
「シロウ、出撃です。」
「…昼食は?」
「昼食をとってからでも遅くありませんね。シロウ、早く準備してください。」
セイバーちゃん即答。
セイバーちゃんは三度の飯よりコクコク、フムフムな食事の時間が大好きです。
「わかった。すぐ準備するよ。」
シロウは、そんなセイバーちゃんに萌え萌えです。
食後の休憩も終わり、セイバーちゃんは臨戦態勢です。
「それでは、シロウ。出撃だ。」
「おー!!」
舞台は変わって、ここは教会。
「ギルガメッシュ、約束を果たしに来ました。」
「遅かったな、騎士王。おおかた、我に会うために心の準備をするのに手間取ったのだろう。愛い奴め。」
「それで、ランサーはどこですか。」
セイバーちゃん、ギルガメッシュを完ッ全無視。
「蒼いのなら奥に居る。フンッ、毎日、毎日、飽きもせず振られおって。」
「それではシロウ、参りましょう。」
「ちょっと待て。雑種、貴様を呼んだつもりは無いぞ。」
「何か文句でもあるのですか、ギルガメッシュ。」
眼光一閃、セイバーちゃん。
「い、いや、文句などは無いぞ、騎士王。ただ、ちょっと、ほんのちょこーっと気になったから聞いただけでな。」
ギルガメッシュはエクスカリバーが怖かったり。
その後、セイバーちゃんたちの活躍によりランサーは無事つかまったのであった。
ジャラッ、ジャラッ。鎖と鎖が擦れる音がする。
鎖で吊るされたランサーと、それを見上げるセイバーちゃん達。
「というわけで、ランサー。あなたを地獄の釜で、茹でてさし上げます。」
ランサー、地獄の釜で釜茹で決定。
「なぁ、マジで反省してるからさぁ。勘弁してくれよ。」
ランサーさん、半泣きで命乞い。
「き、騎士王よ。これは……」
彼の英雄王すらも怯ませるそれは、真に地獄の釜であった。
その釜の中は、まるでマグマの様に、いや、釜の中身がマグマに似てるのではなく、マグマが釜の中身に似たのであろう。
そう思わせるほどの禍々しさで煮えたぎり、生きとし生ける者全ての本能に危険を告げる。
そして、過去幾多の罪人を罰してきたであろう釜の中身は―おそらく、血であろうが―真っ赤に染まっている。
鍋の底彼処には、過去それが人の形を取っていたであろうことを想像できない程、粉々となった肉や骨のような物が見える。
そう、その正体は、、、
「ええ、麻婆豆腐プールです。ギルガメッシュ。」
、、、麻婆豆腐プールだった。ちなみに、骨みたいなのは豆腐。
「このプールは、中華料理店『泰山』の提供でお送りします。」
「くそっ、あのアルアル親父。食べ物は粗末に扱っちゃいけません、って教わっただろうがよぉ!!」
ランサーさん、これでもお家の躾は厳しかった模様。
「ランサーよ。これはすでに食べ物ではない。高度な概念武装だ。安心するが良い。」
ガチャンッ、ガラガラガラガラガラ。
セイバーちゃんが手元にあったレバーを引くと同時に鎖が釜の中へと降りて行く。
「のわっ、ちょっ、ちょっと待った。マジで、マジで勘弁してくれよっ、オイッ!!」
ランサーさんマジ泣き。
「貴様のような女たらし。豆腐を抱いて、溺死しろ。」
ここぞとばかりにきめ台詞を吐くシロウ。
「あっ、コノッ。坊主!!上手いこと言ったといわんばかりに微笑んでんじゃねえ!!
お前ら、全員覚えてろよっ!!後で絶っ対、仕返ししてやるからな。
ガシャコンッ。
セイバーちゃんがレバーを倒した事により速度を増して降下していくランサーon鎖
うわっ。無し、今の無し。仕返ししないから助けてっ、たすけて――――――――!!」
ボチャン
麻婆の海へと沈んだランサー。
彼も、もう生きて女はたらしこむことは無いだろう。
今日、ここに一つの悪が滅んだ。だが、これで全ての悪が滅んだわけではない。
いつの日か冬木の悪を一掃するその時が来るまで。頑張れ、セイバーちゃん。負けるなセイバーちゃん。
「それじゃあ、寿司でも食いいくかー。」
次回『Oh!スーパーさくらちゃん。』
刮目して待て!!!!
終
――――――――――――あとがき―――――――――――――――
どうも、はりがねいぬです。
日々を徒然なるままに過ごしていたところ、
ふとタイトルが思い浮かんだので書いてみました。
ちなみに、何で寿司を食いに行くかというと、本物のミルクちゃんのほうで必ずラストにそう言うからです。 お願いだから石を投げないでください。
本当に愚民なさい。