料理帝王決定戦?


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1: 666番目の破滅 (2004/03/30 21:29:56)[ferunesu at yahoo.co.jp]

「………なぁアーチャー、何で俺たちこんなところにいるんだ?」
「知らん」

 ここは異次元。はっきり言ってどこだかよくわからない。あえて言うなら投稿掲示……ゲフンゲフン。
 士郎とアーチャー、二人が座っている席には「審査員件景品」の文字。頭上の看板には「料理帝王決定戦」。もう言わなくても解るだろう。
 ――そう、これは、本編何ぞ完全に無視して行われる料理大会なのだ!!


料理帝王決定戦?

「ルールの説明をしま〜す。っと、ごめんごめん。司会は私、藤村大河が行いま〜す」
「って言うか藤ねぇはオチ担当じゃないのか?」
「この時点で結末が見えたとも言うな」
「じゃあ説明するよ〜」
 聞こえていないのか、タイガーは司会を続ける。
「料理を士郎とアーチャーさんに食べてもらって10点満点で採点してもらいま〜す」
「まて藤ねぇ。何だそのいい加減な――」
「一番点の高かった人が優勝で、商品はなんと!!士郎一年分+アーチャー命令行使権!!くぅう!おねぇちゃんはうらやましいよ!!」
 無茶苦茶である。というか一年分てなんだ。
 すでに聞かされていたのか、特に二人とも慌てた様子はない。
「これ……にげらんないかなぁ」
「無理だ」
 あきらめていただけらしい。

「じゃあ〜まずはエントリーナンバー一番!!私の同級生ねこ、入場〜!!」
 よりにもよって名前だけキャラ登場。
「やっほー。エミヤんげんきぃ?」
「……ネコさん……なにしてんですか……」
「なにってエミヤんほしいし。ほら、この間一人やめたじゃない?ここらで一人正従業員入れとかないとシフトとか大変よ〜」
「……すさまじく普通な理由だな。どうボケろというのだ」
「そうだな……」
「ところで衛宮士郎」
「なんだよ」
「彼女は誰だ?」
 ……忘れてはいけない。英霊エミヤは過去の記憶などほとんど磨耗している。文書量にして100にも満たないような脇役のことなど覚えているはずがないのだ!!
「……ボケ担当はアーチャーかよ」
「景品うるさい!!とっととねこの料理食べる!!ねこ、説明どうぞ!!」
「はい、ハンバーガーです」
「……」
「……」
「……どしたの?」
「いや、見た目普通なのはどういうことかな、と」
「とにかく食うぞ。話が先に進まないらしい」
 アーチャーありがとう。とりあえず二人は食べながら、ねこの説明を聞く。
「このハンバーガーの肉は、巷で噂されていた都市伝説を元になんと猫の……」
 ぶっ と。二人同時に噴いた。きたない。
「ななななななななななななななななな」
「待て!!それ以上言うな!!採点だ!!採点するからそれ以上言うなぁぁぁぁぁぁ!!!」

ただいまの採点

ねこ
お品 ■ばーがー
士郎    1点
アーチャー 0点
合計    1点

「はい、オチが弱いのでさくさくいきましょう。エントリーナンバー2、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、入場!!」
 オチが弱くて悪かったな。
 コールと共にルヴィア嬢登場。呆然と士郎がその姿を眺める
「こんにちわシロウ。あとなんか赤いの」
「……あれか、作者は自爆する気か」
「また使いにくい人を……」
「とりあえず説明をどうぞ〜」
「ええ、それでは説明させていただきますわ。牛フィレ肉の(略)」
 長いので割愛。とにかく士郎とアーチャーの前に豪勢な料理が並べられる。……が、士郎が気づいた。
「なぁ……ルヴィアさん」
「なんですのシロウ」
「ルヴィアさんって、料理できなかったよね?」
「……」
「……」
「……」
「……まさか、これ……」
「お嬢様!!バレました!!ここはお退きください!!」
 突然どこからともかく執事登場。どこからどう見てもその老紳士は執事だった。
「――セバスチャン!?」
 ……名前まで執事だったらしい。
「――く、今日のところはこれで帰らせていただきますわ。でもねシロウ、次は絶対に貴方一年分、いただくわよ!!」
 おーっほっほとか笑ったらすっごく似合いそうな感じで会場から去っていくルヴィアゼッタ嬢。意味が解らない。
「――で。彼女は結局なにをしたんだ?」
「たぶん、料理はあの執事さんが作ったんじゃないかな」
「で、ばれたから逃げたと。下らん」
「今日は意見がよく合うな、アーチャー」

ただいまの採点

ルヴィア
不正発覚により失格

「やっぱりオチが弱かったですけど無視して次行きます!!エントリーナンバー3、言峰神父、入!場!!」
「なにぃ!?」
「もう終わりか!?」
 言峰の登場に速攻でこの話の終わりを予知する二人。それを見ながら言峰は不適に笑った。
「これで終わりなのか知らんが衛宮士郎、そしてアーチャーよ、知っているとは思うが私は」
「他人の不幸は蜜の味、生まれてくるならなんでもOK 。本編でもいまいち黒幕なのか違うのかいまいち微妙な立場だったマーボー言峰だろ」
「……人に一昔前のお笑い芸人のようなあだ名を付けるのはやめてもらおうか」
「でも〜言峰神父のSSってだいたいマーボーですよねぇ」
 タイガー、無理やり話に割り込む。
「……ふん。今日はな、そういう諸君の認識を払拭するために来たといっても過言ではない」
「そうなんだ」
「気にしてた、というのはそれはそれで一つの発見だな」
「で、言峰、何を作ってきたんだ」
 士郎が聞くと、言峰は勝ち誇った笑みを浮かべ「ソレ」を……士郎たちの前へ置いた。
「これはだな、私がわざわざ美咲町に住むある女性を尋ねてまで作った至高の一品。その名もマーボーカレーだっ!!」
「……」
「……」
「この演出もしつこいな」
 言うな。
「な、なんだって〜!!」
「ふふん。どうだ驚いたか衛宮士郎。これぞ夢のコラボレーション。どこぞの有名ゲームすら元ネタにした言峰苦心の逸品だ」
「そんな……そんな言峰……」
 声が震えている。まさに絶望。その体現のように凍りついた目つきで言峰を見つめ、

「まさかそこまでマーボーだったなんてっ!!」

「まさにマーボー馬鹿といったところか。とりあえず、マーボーしかない言峰綺礼は豆腐におぼれて悶死しろ」

「むぅ、いいから食うがいい。この料理のすばらしさがわかるぞ」
「食うわけないだろうっ。この赤いのと茶色いのが絶望的にミックスされた物体を!?」
「同感だ。これは人間の……いや、こんな物神でも食えんと思うぞ」
 二人とも言峰マーボーの恐怖は知っているので必死だ。……が、ここはフェイトSS。不条理の世界。主人公とその裏の意思など、ないに等しい。
「だめよ〜士郎。そこに座った時点で出されたものは消化可能な限り何でも食べなきゃなんないんだから」
「ふ、ふじねぇ!?あ、手が!!手がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ぬ、くっ……これは……いかん……」
「く、食いたくない。ああああああああああもう、契約しろ!!俺の死後とか預けるからその報酬にこの危機の回避をぉぉぉぉぉ」
 士郎、暴走。よりにもよって世界とこんなことのために契約するつもりか。
「だから食べなきゃダメなんだって〜。早く食べないとおねぇちゃんが全部口に流し込むよ?」
 そして、ついに衛宮士郎とアーチャーの口に、マーボーカレーが放り込まれた。
「!??????!!!!!!?!!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!???」
 ふっと、言峰が爽やかに笑う。
「どうだ二人とも。あまりのうまさに声も出ないか?」
 聞かれるも、二人とも声も出せない。
 ようやっと水を飲んで、落ち着いたところでタイガーが感想を聞いてくる。
「も、もう辛いって言うか完全に痛いだけだってアレ」
「……ノーコメントだ」


ただ今の採点

言峰綺麗
お品 マーボーカレー
士郎    0点
アーチャー 0点
合計0点

 この後も、黒桜の人体ステーキやらセイバーの超絶ワイルド料理、ライダーの血と○液のスープなど、もはや描写するのも恐ろしい料理の数々が二人を襲い、悶絶させた。
 いまや士郎の髪の毛もアーチャーのごとく真っ白だ。
「え〜いい加減士郎たちも限界っぽいので最後の方です。エントリーナンバー85(そんなにいない)。泰山店主!!」
「アイ!!マーボウ豆腐、お待たせしたアル」

「って2段でマーボウオチかよ!!」


 結局、最後の泰山店主の元祖地獄マーボウ豆腐に審査員二人が倒れ、この大会はノーカウントとなった。
「というわけで士郎もアーチャーさんも私がもらうからね〜らっきぃ♪」
「らっきぃ♪……じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
 ……とりあえず、誰もこの結末に納得がいかなかったとさ。

おしまい


あとがき
 ごめんなさい。最初は普通に料理対決やるつもりだったんですが暴走しました。
 ま〜マーボーカレーはアレですよ。月姫のほうにカレー好きがいるとなれば、もはややらずにはいられなかったというか。
 月姫やったことありませんが(オイオイ)。

 とりあえずギャグで作ってみたつもりですが史上最悪の出来というか・・・おとなしくリロード書いてたほうがまだマシかな……

 最後に、ライダーの料理。食ったのかとか何液やねんとかそう言うツッコミは不可とさせて頂きます。世の中には知らないほうが幸せなこともあるのですよ……フフフ


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