それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうきゅう


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1: 久遠 (2004/03/30 19:28:04)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうきゅう



 side by 士郎

 
 「それで、結局どうするのだ凛?」


 バトラーが遠坂に問いかける。
 

 「そうね、魔眼持ちで宝具も破格。

  結界を使って魔力補給もできるライダーは早めに倒しておくべきだと思うわ」


 「……そうか」


 ん? バトラーの奴考え込んでるな。

 やっぱりそうなのか?


 「どうしたのよバトラー?」


 「ん? ああ、衛宮士郎。

  お前の意見を聞きたいのだが」


 なんでそこでオレの名前が出るかな?

 お前のマスターは遠坂だろ!


 「オレはライダーはあんまり悪いやつだと思わない。

  できれば戦わずに話し合いでなんとかしたいな」


 そう、自分でも信じられないことだが何故か気づいてしまったのだ。

 ライダーがバトラーに好意を持っていると。

 そしてバトラーの方もライダーを少なからず意識している。

 もう一つ言うならセイバーもバトラーを意識しているようだ。


 桜や美綴、果ては一成や藤ねえからも鈍感だと言われてきたが、

 これで汚名返上だ!
 
 と言う訳でどうにかならないものかな。


 「シロウ、何を甘いことを言っているのです。

  ライダーが昨日何をしたのか忘れたわけではないでしょう?」


 「忘れてはいないさ。

  でもアレは慎二の命令でだろ?

  それにライダーを倒さなくても慎二の持ってた本を如何にかすればいいし」


 アレは変わっていたよな〜、本に令呪があるんだから。


 「ちょっと士郎。

  本ってどういうことよ?」


 「慎二の令呪が本にあったってことだけど?」


 「……そういうことはもっと早く言いなさいよ、

  このヘッポコーーーー!!!」


 かはっ!

 いきなり大声を出さないでくれ遠坂……。

 薄れ行く意識の中セイバーを見る。

 ……バトラーがしっかりセイバーの耳を塞いでいた。



 side by 凛


 全く士郎ったら肝心なことを話さないんだから。
 
 
 「おい、遠坂。
 
  いい加減機嫌をなおしてくれよ」


 後ろから士郎がそう言ってくるがまだ許したりはしないんだから。

 夜の新都を歩きながらそう思う。

 あの後結局ライダーについては慎二の持った本をどうにかするってことで

 決着がついた。

 そして夜になってからライダーを探しに来ている。

 探し始めてしばらくたつが今だにその成果はでていない。

 今夜は活動しないのかもと思った瞬間、肌を刺す違和感に気づく。


 「凛、どうやらお出ましのようだ」


 霊体になっているバトラーがそう言ってくる。

 魔力の残滓を追ってオフィス街のビルの一つの前に来た時。

 
 ヒュン! ガギン!


 「えっ?」


 突然士郎の頭上から音が聞こえてきた。

 見るとセイバーが武装して上を睨んでいる。

 視線を追うように上を見るとライダーが蜘蛛の如くビルに張り付いていた。


 「ライダーを追います!
  
  バトラー、二人を任せました!」

 
 そう言うなり稲妻の如くビルを駆け上っていく。

 私と士郎は唖然としてそれを見送る。


 「凛、衛宮士郎。

  何を呆けている、屋上に向かうぞ」

 
 バトラーの声にはっとしてすぐさまビルに入り屋上へと向かう。

  
 
 side by ライダー


 ビルの下にシロウとセイバー、それに彼のマスターが来た。

 そして私は滑空していきシロウに攻撃をしようとしてセイバーに阻まれた。

 予想の範囲内だ、今の一撃で決めれるとは思っていない。

 またビルに張り付いた私をセイバーが追ってくる。

 ……良かった、彼はどうやら二人のマスターの護衛についたらしい。

 ならば、彼が来る前にセイバーを倒す。

 そう思いながらセイバーに攻撃を加えつつビルを駆け上っていく。

 
 そして屋上につき、

 剣の英霊、彼と共にいることのできる彼女と対峙する。

 目の前の彼女が憎らしい。

 この感情を私は知っている、これは嫉妬……。

 だからこの戦いは聖杯戦争ではなく、ただの八つ当たり。


 何故彼の隣に居るのが私ではないのか?


 何故シロウの呼び出したサーヴァントが私ではないのか?


 何故、サクラがマスターのままでいてくれないのか?

 サクラがマスターであり彼のマスターと協力したなら私も彼と共にあれたのに。

 
 何故私はサクラにすら不満を持ちながらそれでも彼と共にありたいと望むのか?


 私はそんなことを考えながら愛馬に跨りセイバーに攻撃をする。

 その一撃一撃にセイバーは致命傷を負わないように回避している。

 空からの攻撃に不慣れである筈なのに驚異的な防御だ。

 彼との戦闘を考えないのなら魔眼で足止めしてのベルレフォーンによる一撃で

 けりがつく、しかし下手をしたら魔力が尽き現界できなくなるだろう。

 ならばベルレフォーンだけで決めるか?

 彼女の宝具が未だに解らないが打ち負けるとは思えない。

 私が上空で思案していると、
 
 思っていたよりも早くタイムリミットが来てしまった。


 ならば何も考えまい。

 彼に侮蔑されようとも、今この場で果てるとも。

 全力を持ってセイバーを打ち倒す!



 ふぃん




 あとがき

 どうも久遠です。

 ライダーさんの方が嫉妬マスク化です。

 次回決着編、一体ライダーはどうなるのか? 

 果たして慎二君は生き残ることができるのか?

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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