聖杯戦争 もう一杯 まる8


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1: 微妙 (2004/03/29 20:13:59)[sevenstar_2 at hotmail.com]







聖杯戦争 もう一杯 まる8








朝焼けとともに大量のリムジンが現れ、遠坂の家に大量の黒服達が殺到する
上から見るとゴキブリみたいに見えるわ、
その黒いのを統率するのは遠野家当主・遠野秋葉、私のマスターである。

「駄目ですね〜、なんだかもぬけの殻みたいです」

「流石ね、私が動いた事を察知したということかしら」

「もう一つ魔術師の家系が有りますが調べておきます?」

「そうね、琥珀は情報の洗い出しを、黒服達の指揮は翡翠に任せます」

「はい、任務を了解です」

変なようで実は普通?みたいな微妙な表現を使う子ね。

「私はホテルで報告を待ちます、何か解ったら即連絡するように」

なんだか凄いマスターに当たった気がする。
霊体になってないと怒られるし、今回は勝手が違いそうだわ。





昨日の襲撃は失敗だった。
見事に返り討ちに遭ってくれると思ったのに・・。
どうして生還できたのかしら?

「クソ!あと一歩のところで目を覚ましやがって!」

ごめんなさい兄さん、サーヴァントを通して見た感じでは
なにやら興奮して変な事をしようとしてたのが丸分かりです。
見ていて辛いからそんないかにも後一歩という演技は止めてください。

「桜!髪型はまだ戻んないのかよ!」

「ごめんなさい兄さん、もう少しで戻るはずだから。それまで我慢してください」

とりあえず自分がロボになったと思って返事を返す

「クソ!クソッ!!衛宮のサーヴァントを後一歩で殺せる所で!」

後一歩でセイバーさんの胸に手が触れてましたね、兄さん・・。

「とりあえず御飯作りますね、なにか食べたい物でもある?兄さん」

「なんだっていいさ、どうせ食わなくったって問題ないんだ」

ああ、なんでセイバーさんがあんなに悲鳴を上げたのか分かったわ。
あんな必死な顔で目を血走らせてモヒカンじゃ、仕方ないわね。
後でセイバーさんに謝らないと、無意味な行動でセイバーさんに恐ろしいトラウマを植えつけてしまったかも知れないから。

と、朝食の支度をしていると黒い服の集団が突然押し入ってきた
「確保!確保!」などとのたまっているがどう見ても警察関係には見えない。
サーヴァントの癖に霊体にも成れない兄さんはあっさり捕まっていた。
兄さんの後ろの黒服さん、顔にモヒカンを押し付けられていて大変そう。




メイド服のすそから携帯電話を取り出す翡翠

「秋葉様、間桐の長男と長女を確保しました」

「よくわやったわ、翡翠
 後の事は琥珀に任せて良いわよ、自白や拷問は琥珀の仕事だから」

「私の意見ですがサーヴァントがいるとは思えません簡単すぎましたし、なにより間桐臓硯が見当たりませんでした」

「ジジイの方が見つからなかった訳か・・、ちょっと厄介になりそうね
それならいいわ、二人を私の所まで連れてきなさい、手荒な真似をしないで済むならそれに越した事は無いわ」

厄介も何もジジイ既に死んでます。凄い回転数で空回る遠野家軍団

「その、連行しようと思うのですが。」

珍しく歯切れの悪い喋り方をする翡翠

「なにか問題でもあるの?」

「長女の方は連行しても問題ないと思いますが、長男の方が非常に見苦しい姿です」








「んー、駄目〜。空席ないかな〜。明日の便なら空席がありますよ〜」

「ふざけるな、我に野宿をしろとでも言うのか?」

空港でギルガメッシュは受付の羽居と口論を続けていた。

「けど席がないのは仕方がないんじゃないかな〜」

「雑種の一匹二匹殺してしまえばよかろう」

「あはは〜、わんちゃん殺しても席は空かないよ〜」

それに動物を殺すなんて、駄目。と続ける受付嬢、羽居
それから10時間。噛み合わない会話を続ける二人、すでに日が傾き始めます

「だから!雑種の席などより我の席を優先しろ!」

「わんちゃんの席よりはお客様の席が優先ですけどね〜。
 あ、乾さん今日はどこへ行くの〜?」

旅行パックの常連、乾有彦登場。
お得意さんを見かけた受付の羽居はギル様放置で話しかける。

「いや、今帰ってきた所。沖縄行って来たんだ
 で、どうかしたんか?この状況」

「金ぴかさんが予約無しで飛行機に乗りに来て〜、席が空いてないので野宿しそうなの〜」

「人の話を聞け!雑種!」

「ん、宿が無いなら家に泊るか?」

「あ、ソレはいいアイディアだね〜。そうしたほうがいいんじゃないかな〜?」

「・・・野宿するよりはマシか。仕方が無い不本意だが貴様の家に泊って行ってやる」

「そうか、じゃ荷物持って付いてきな。姉貴が煩いのは我慢してくれよ」

こうしてギルガメッシュは乾家に一泊していく事になった。




ギルガメッシュが乾家に泊る事を決める10時間前
ホテルでルームサービスの紅茶を飲みながら、優雅な時間を過ごす遠野秋葉。

「秋葉様、間桐のお二人をお連れしました」

「良いわ、入りなさい」

ドアを開けて入ってくる私の家の使用人二人、連れられてきたのは巨乳な女と見苦しい男

「人類の敵ね・・」

ボソっと聞こえない様に一言漏らす。

「早速で悪いけれど貴方達はマスターなのかしら?」

「ふざけんな!人の家に勝手に押し入って何様のつもりだ!このナイムネ!」

ふざけた事を言うモヒカンは軽く略奪した
ヒューヒューと気味の悪い呼吸音を響かせるモヒカンは放置する事にしよう。

「秋葉さん、そういうあなたはマスターなんですか?」

こっちの女は巨乳だけど割りと慎みが有る感じがするわ
まぁ、略奪は許してあげましょう

「実体化していいわ」

私の一言でサーヴァントは実体化をした。

「ラ、ライダー・・」

「一目で解ると言う事はあなたもマスターであると思って良いのかしら?」


「取 り 替 え て く だ さ い !!!」


突然慎みの有ると思った巨乳は錯乱して掴みかかってきた。

「あ、あなた何を!」

「取り替えてください!ソレは私のです!代わりにモヒカンをあげますから!!」

「い、要りませんこんな無礼なモヒカンなんて貰っても役に立つ訳無いでしょう!」

「いいから!取り替えて!取り替えてくださいぃぃぃ!!」

「人の話を聞きなさい!」

「もう嫌なのよ!こんなキ○ガイな兄なんてもう要らないのよおおおおおおおお!!!」

「あ、あなた頭大丈夫なんですか!?」

「要らない!要らない!兄さんなんかもういらなあああああああああああああい!!」

結局、事情聴取はとても不可能だったので昏倒させて椅子に縛り付けて置いた。
・・・・ちょっと怖かったわ、狂気ってこういうのを言うのね。
後、あまりにモヒカンは見苦しかったので琥珀に坊主狩りにさせておいた。

「ところでライダー」

「なんでしょうか秋葉?」

「礼呪で貴方の胸を小さく出来ないかしら?」

「・・・・多分、無理だと思います」

腹いせに間桐の長男の眉毛を剃り尽くした







藤ねぇを送り出した後、
4人で紅茶を飲みながら居間でゆっくりする事にした

「昨夜未明、裏路地にて大量の血痕と猛獣と思われる歯形が発見されました」

テレビからニュースが流れる

「物騒だねー、まさか昨日のモヒカンさんって人食いだったりしないよね?」

「どうかしら?流石に前回のサーヴァントで人をそのまま食うような奴はいなかったわね。
 人の形しているんだったら、人間なんてそうそう食べれないでしょう。顎が壊れるだろうし」

「けどコレもサーヴァントの仕業だろ?猛獣が町の中にいたらすぐ気付くはずだ」

「・・・・・・」

セイバーは昨日からやけに無口だ、
きっとあのサーヴァントの事が気になっているんだろう、俺も気合入れないとな。

「大丈夫だセイバー、次にあのサーヴァントが来たら全員で戦おう。それならまず負けたりはしない」

「え、あ―――そ、そうですね。まず負けたりしないでしょうね」

挙動不審だが、目を覚ましたらそこにサーヴァントが居たのならしかたないだろう。

「全く、ギルガメッシュはいないし変なアサシンはいるし、人食いサーヴァントはいるし。
 今回の聖杯戦争はどうなってんのかしら?」

「そういえば聞いてなかったんだけど。
 別に聖杯なくても使い魔としてこの世界に残る事ってできるの?」

みかんの皮を剥きながら喋るバーサーカー。
このバーサーカーもかなり異常な気がする。

「まぁ、よっぽど実力の有る魔術師なら可能でしょうねー」

「ふーん、なら別に優勝しなくてもいいや、
 マスター、この戦いが終わったら三咲町って所にいっていいかな?」

みかんの筋をいちいち取っている姿はとてもバーサーカーに見えない。
ふと、前回のバーサーカー・ヘラクレスがみかんの筋を取っている姿を想像した。
・・・・忘れよう

「ま、生き残れたら好きにしていいんじゃない?
 そういえば、私も聞きたい事があるんだけど良いかしら?」

「私の事?」

「そうね、結構強力な吸血鬼みたいだけど、
 弓塚さつきなんて吸血鬼聞いた事も無いわ。あなたどこの吸血鬼なの?」

「三咲町」

「どこよソレ」

呆れた、という表情をする遠坂。

「なんか歩いていたら突然裏路地に引っ張り込まれて、
 起きたら吸血鬼になってて、代行者に追い掛け回された挙句、遠野君に止め刺されちゃった」

「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」 

聞かなきゃよかった、というのが俺達3人の共通の気持ちだった。
なんでそんなに不幸なのさ。

「さっちん、強く生きて下さい。きっとこれから良い事があるはずです」

セイバーが励ます

「あはは〜、強く生きるも何ももう死んじゃってるけどね〜」

・・・・・・・・・・
言葉も出ませんでした。





「燈子、どこに向かってるんだ?」

「ん?お前の歌声を披露して欲しくてな、カラオケに行こうかと思う」

にやにやと笑いながら言う燈子
この顔は絶対に俺をからかっている顔だ

「ふざけてるのか・・俺の歌声なんてどうでもいいから、聖杯戦争なんてさっさと済ませて帰るぞ」

「まぁ、そう言うな。アーチャーはなにか歌える物あるのか?」

「この時代の歌なら知っている物あるはずだ」

ぬけぬけと答える

「お前さ、少しはカラオケ行くのに反論しろよ。そんなんでよくサーヴァントだなんて言えるもんだな」

「安心しろ、どこで敵が襲ってきても問題なく撃退してやるさ」

自信を持った表情で答える赤い騎士
なんとも癇に障る。コイツの事は白髪と呼んでやる事にする。
こんな事している間に幹也が餓死していたら燈子の奴殺してやる。

「そんなに黒桐が心配なら秋隆にでも連絡したらいいだろう?」

「だ、誰が幹也を心配してるなんて言ったんだよ!」

「心配じゃないならさっさと行くぞ。時間が惜しい」

「こんな朝っぱらからカラオケ行くのもどうかと思うがな」

一々皮肉を言うなこの白髪。

「・・・・待て、秋隆に電話してくる・・」

そう言うと白髪と燈子はそろってニヤニヤと口元を歪める。
性格の悪い二人を尻目に私は手近な公衆電話に向かった。


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