それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうはち (傾 ほのぼの


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1: 久遠 (2004/03/29 02:20:47)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうはち



 side by エミヤ

 
 ん、今日も味噌汁がいい味を出しているな。

 今オレは朝食を作りながらのほほんとしている。
 
 昨日、学校から帰宅した後は心底疲れた。
 
 もうなんて言うか質問の嵐?

 遠坂もセイバーもオレに対して容赦なく疑問をぶつけてきた。


 やれ結界はどうやって穴あけただの。

 やれ魔眼はどうして効かなかっただの。


 答えにくいとこばかり突いてくるのだ。

 結局夕食の時間までその質問をのらりくらりと回避していた。

 その夕食には藤ねえも桜もこなかった。
 
 確認したとこと二人とも軽い貧血のような感じだったらしい。

 藤ねえはもうしばらくすれば顔をだしてくるだろう。


 問題は桜の方だ。

 昨日の夜、間桐の家を見に行ったがどうやら慎二もライダーもいないようだった。

 当然と言えば当然か……。

 あの家に立てこもった所で守りきれるものではないからな。

 だとしたら昨日の負けの八つ当たりなどは受けていないだろう。

 
 ピンポーン


 ふむ、どうやら桜については杞憂だったらしい。


 「おはようございますバトラーさん」 


 「おはようございます桜様。

  朝食はもうできますのでもうしばらくお待ち下さい」

 
 どうやら外見上は何も問題はないようだ。

 その後しばらくして遠坂とセイバーが起きてきて、

 最後に衛宮士郎が起きてきた。

 オレの時とは違い傷などは完治しているみたいだ。

 そう思いながら食卓に朝食を並べていると、
 
 
 「みんなー! おっはよー!!」

 
 朝から虎が吼えていた。

 なんでこんなに無意味にハイテンションなのか?

 ……それは徹夜で病院巡りをしたからであります。

 
 「ごっはん! ごっはん!」


 即座に定位置と成りつつあるオレの隣に座る。

 この位置だと御代わりを直にできるかららしい。

 もちろん反対側にはセイバーがいる。

 オレの対面には衛宮士郎を挟んで遠坂と桜が座っている。

 うん、何時もの食事風景だ。


 「バトラー、御代わりを」 


 「あー! わたしもわたしも!

  セイバーちゃんよりも大盛りで!」
 

 「む、では私はタイガの倍でお願いします」


 ……頼むからこんなことで張り合わないでくれ。


 
 side by 凛


 「ライダーと戦うなら宝具を使用される前に倒さなきゃならないってことね。

  尤も私がライダーなら魔眼の後に使うけどね」


 そう、石化の魔眼で足止めした後にランクA以上らしい宝具で攻撃する。


 ……うわっ!

 すっごく卑怯じゃない、それ? 

 それならもしかしたらあのアーチャーにも勝てるかもしれない。

 色々と話し合った末の一つの結論に対して、


 「つまり戦うとしたらバトラーに一任したほうが良いと言うことですか?」

 
 セイバーが意見を言ってくる。
 
 そう、このバトラーにはどう言うわけか宝石クラスの魔眼すら効かないのだ。

 もうなんていうか反則の塊のようなヤツだ。


 「そうとも限らんだろう。

  間桐慎二がマスターではそうそう宝具も魔眼も使えん」


 あっ!?

 そう言えばそうね。

 ライダーのマスターは魔力供給ができない慎二だった。

 
 「それならば十分勝機がありますね。

  シロウ、昨日の今日で悪いのですが夜にライダーを倒しに行きましょう」


 「でもさ、セイバー。

  慎二もライダーもそれを解ってるんだからおいそれと戦いに来ないだろう?

  まー慎二の性格からしてじっとしてるってことはないだろうけど」


 むむ、士郎にしてはまともな意見を言うじゃない。


 「それでいいのか衛宮士郎?

  ライダーに魔力供給する手段は他にもあるのだぞ」

 
 そして我が執事殿はよけいなことを言ってくれるし。
 

 「……? どんな?」


 「……はー、それって前に説明したでしょ。

  サーヴァントに人を襲わせるのよ、他にはあの結界をもう一度張るとか」


 「……それってダメじゃん!?

  セイバー今から行こ――


  ゴチン!

 
  ――遠坂、頭が割れるように痛いんだけど」


 「こんな昼間から人を襲うなんてする訳ないでしょ!?

  それに、宝具とかだって使えないって訳じゃないのよ?

  下手したら貴方達だけじゃ返り討ちにあうわよ」


 「リン、それは私が負けるということですか?」


 その冷たい声に振り向く。

 うわー、美少女が無表情に怒るとすっごい迫力ね。


 「セイバー、落ち着け。

  凛は可能性の話をしていだけだ」


 「ですが……」


 「それならばケーキでも食べるか?」

 
 そういってバトラーはセイバーの前にケーキを置く。


 「む、しょうがないですね。

  今のことについては不問にします」


 そういってケーキをコクコクと頷きながら食べるセイバー。


 ……完全に餌付けされている。

 なんて言うかバトラーの奴かなり手馴れている。

 あしらい方などまさに熟練の技と言えるほどだ。

 私は呆れていると士郎と目が合い、お互い苦笑する。
 
 さて、ライダーについてどうしましょうか。


 
 ふぃん




 あとがき

 どうも久遠です。

 またもや進んでいないです。

 まー前回ちょいとシリアス風味だったので今回はほのぼの系の味付けで。

 やっぱり同じ味ばかりだと飽きますから。

 おそらく次回にライダー遭遇、その次に決着、となる予定です。

 そう言えば何故かこちらでは藤ねえが出張ります、何故でしょう?

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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