それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうなな


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1: 久遠 (2004/03/27 22:52:59)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうなな



 side by エミヤ


 セイバーが令呪で呼ばれて直にオレと遠坂は校舎に入る。

 どうやらブラットフォートは完璧には作動していないようだ。

 それでも一階を基点としている分一階の者はかなり衰弱している。


 「凛、上には私だけで行く。

  君はここの者達を頼む」


 「ち、ちょっと待ってよ!

  なんでそうなる訳、私も上に行くわ」


 ぬぬ、やはり頑固だ。


 「凛、君が行くとライダーのマスターを刺激しかねない。

  それにいざという時に君を守りながらではな」


 「……解ったわ。

  でも、後からなにがあったかは聞くからね!」


 その声を聞くと同時に上に向かう、

 階段を駆け上がり終えた所で結界が消える。

 そして、廊下では既に決着がついていた。


 オレが現れたことに気を取られたのか、

 その隙を突きライダーが慎二を庇うように立ち、

 黒い封印を外す。

 その素顔は神が創ったのかと思えるほどの美しさだった。

 そして――

 
 ――魔眼、それも宝石クラスの……石化か。

 オレは冷静に対処する。

 どのみちオレには魔眼や精神支配の類は効果が薄い。

 漆黒の魔狼のソレに比べれば抗うことは難しくないのだ。


 そして彼女の瞳を直視した。

 灰色の眼、四角い瞳孔。

 オレは自然と思ったことを言っていた。
 

 「ふむ、素顔を見たのは初めてだがこれほどの美人だとはな。

  それに、とても綺麗な瞳だ」


 そう言ってから後悔した。

 彼女は泣きそうな顔をしたのだ。
 
 まるで自分にはそんなことを言われる資格などないと言ったように。

 そしてオレの時と同様に首を切り裂き、

 あの宝具を使おうとする。

 オレは直に魔眼の影響を受けている衛宮士郎とセイバーを斜線上からどかす。

 ギリギリだがオレも斜線から外れることができるはずだ。
 
 そして、

 彼女が真名を言う直前に赤い涙を流しているのを見てしまった。

 オレは一瞬思考が止まる。
 
 ソレがいけなかった。

 オレは斜線から完全には外れることができずに、

 その衝撃を少しとはいえ受けてしまい弾き飛ばされた。


 「バトラー!」


 吹き飛ばされながらセイバーの声を聞いた。



 side by セイバー

 
 くっ! まさかライダーが魔眼の保持者だとは。

 しかも類を見ないほど強力な魔眼。

 対魔力に優れた私でも重圧をかけられる。

 
 なのに、バトラーは平然としている。

 どう言うことか?

 彼が私よりも対魔力が優れているというのか?

 そんななか彼が、


 「ふむ、素顔を見たのは初めてだがこれほどの美人だとはな。

  それに、とても綺麗な瞳だ」


 などと戦場であるまじきことを言っている。

 何故私ではなく敵であるライダーを褒めるのか?

 確かに彼女のほうが私よりも綺麗だし、

 そ、その胸も大きいですが、

 これは私が確か16歳で成長を止めたからであって、


 ……なんでこんな言い訳がましいことを考えているのか?

 今が危機的状況であるというのに!
 
 
 そしてライダーが自身の首を切り裂いたことに驚愕していると、

 彼にシロウと一緒に開いていた部屋に突き飛ばされる。

 その一瞬後、閃光が走り轟音と共に地震の如く揺れる。

 そして彼が吹き飛んでくのを見てしまった。

 
 「バトラー!」


 口からは叫び声がでる。

 私はシロウの安否を確認し即座に廊下に出て、

 その端に倒れた彼を見た瞬間、心に激痛が走る。


 何故彼が倒れているのか……ライダーの宝具によって弾き飛ばされたから。


 何故彼がソレを避けれなかったのか……私とシロウを助けていたため。

 
 何故私まで助けられたか……私が……弱かったから。


 「……くっ」


 彼が起き上がろうとする。

 私は直に彼に駆け寄り起き上がるのを助ける。


 「……ありがとうセイバー」


 「えっ!?」

 
 彼が何時もとは違った口調で礼を言ってきたため驚いたしまった。


 「……どうかしたのか?」


 先程のアレは幻聴だったのか?

 今の彼の口調は何時も通りだ。


 「……すみませんバトラー。

  私が不甲斐ないばかりに貴方が傷つくことになってしまった」


 今は彼の顔を見ることができない。

 
 「……何を言っている?

  あの場面ではアレが最良の選択だった。

  私が傷を負ったのは自業自得だ。

  君の気にすることではない」


 私はその言葉に驚く。

 
 「しかし……」


 「セイバー、この話はこれで終わりだ。

  それよりも君のマスターは大丈夫だったのか?

  あの傷に加え魔眼の影響まで受けたのだから彼の方を気にするべきだ」

 
 「……解りました。

  マスターを見てきます。

  貴方は無理をせずにその場にいて下さい」


 私はそういい残しシロウの元へ向かう。
 
 確かに彼の言うことは正しい。

 本当ならいずれ敵になる彼よりも自身のマスターを気にするべきなのだ。

 なのに彼の方が気になってしまった。
 
 ……シロウの剣となると誓ったというのに。

 私はいったいどうしてしまったのか。

 心の中でこの感情が大きくなっていく。

 今度リンに相談してみようか?


 そう考えた時、廊下の方から彼女の怒鳴り声が聞こえてきた。

 シロウも怪我は酷いが命に別状はなさそうだ。

 後は家にもどってから彼に詰問するだけだろう。
   
 
 
 ふぃん




 あとがき

 どうも久遠です。

 16話の裏話的な今回の話、つまり進んでない……すみません。

 セイバーさんの一人称……書きにくいことこの上ないです。

 なんか前に書いた文とかぶってしまったりと自分の語彙の少なさに呆れます。

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。

 ネタ
 >漆黒の魔狼
 例によって例の如くオー○ェンからです。
 フェンリルの森に住む大陸で最強の戦士。
 視線を媒体にした精神を支配する暗黒魔術を用いる。
 その効果は生物だけでなく非生物にまで及ぶ。
 まーこれ相手に修行などしてみたり、チャイル○マンの口添えで。


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