さっちんが遠坂凛によって召還された頃、
聖杯戦争に参加しようと企む遠野家の面々が合った
聖杯戦争 もう一杯 まる3
「琥珀、私が召還すれば確実に最強のカードを引き当てるんでしょうね」
遠野家当主、遠野秋葉は闇の中に居るであろう少女に話しかける
「はい、それはもう間違い有りません」
嬉しそうに返事をするのは琥珀、策士として名高い割烹着の悪魔である
「前回の聖杯戦争で最優とされたセイバーは胸囲が73cmです。必ず秋葉様に引き寄せられるでしょう」
「・・・・色々問い詰めたい事があるけれど後にしてあげるわ。翡翠、準備は整っているのかしら?」
表情もなく佇む女性に語りかける
「抜かりは有りません」
「そう」
「セイバーさんなら秋葉様の理想に必ず賛同してくれますよ〜」
相変わらず笑顔の琥珀、しかしその笑顔には焦りが見えた。
遠野家の長男である遠野志貴が一週間前から行方不明なのである、
それだけなら探し出せば済むが、時同じくしてアルクェイドの姿も見えなくなった。
それが焦りの正体。
秋葉は試行錯誤の末、胸が大きくなれば志貴が帰ってくると意味不明な理論に到達し、聖杯戦争への参加を決めた。
琥珀は琥珀で聖杯戦争に含む所が有るらしく、秋葉のお膳立てを整えたわけである。
「秋葉様、ここでサーヴァントが出てくるように強く願ってください」
「それだけでいいの?」
魔方陣の前に立ち憮然とする秋葉
「はい、呪文は自己暗示なので、礼呪があるのならこれで可能なはずです」
「そう、分かったわ」
琥珀がそう言うのなら間違いは無いのだろう。
秋葉はそう信じて魔法陣の前で強く願うサーヴァントを呼び出すために
「来なさい!私のセイバー!!」
その絶叫と共に衝撃が走る。
現れたのは―――――真名メドゥーサ、石化の魔眼を持つライダー。
「ぐわぁぁぁぁ!目がぁ!目がぁぁ!!」
突然苦しみだす秋葉
「マスター!?どうかなさったんですか!?」
呼び出されたと思ったら突然苦しみだした秋葉に状況を掴めずオロオロとするライダー
「翡翠!翡翠!!」
「了解しました!秋葉様!」
懐からメジャーを取り出す翡翠
「え?あ、あの?」
訳が分からないという風なライダー
「あなたのマスターを助けたいならじっとしていて下さい!」
「わ、わかりました!」
ぴたっと動きを止めるライダーの胸囲を慎重に測る翡翠。
「こ、これは・・・!」
「翡翠!いいなさい!」
「85・・・いえ!88cmです!秋葉様!」
「ぎゃああああああああああ!!!」
断末魔を上げ、もんどりうって卒倒する秋葉
何がなんだか分からず右往左往するライダー
悲痛な面持ちで俯く翡翠
荷物を纏め逃げ出す琥珀
こうして遠野家は聖杯戦争に参加する事になった。
「なんで秋葉様のサーヴァントがあんなに胸が大きいのかしらね〜?」
「真名を教えてもらって良いですか?ライダーさん」
「メドゥーサです」
「「なるほど」」
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