注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうろく
side by エミヤ
今日は遠坂も学校を休んで衛宮士郎の魔術を見ている。
確か前もそうだったがなんでだろう?
今は土蔵にある以前投影した物についてセイバーと話している。
衛宮士郎に投影のことをあの時点で話す必要はなかったが、
少しでも知っていたなら今後役立つと思う。
そう考えていると衛宮士郎の気配が家を出て行く。
おそらく慎二に呼ばれたのだろう。
だがここで前回とは違った点があった、
オレの時とは違って遠坂が出かけていないのだ。
当然遠坂も衛宮士郎が家を出たことを察知した。
「バトラー、士郎が何処に行ったか解る?」
ここは素直に教えるべきか?
side by 凛
「バトラー、士郎が何処に行ったか解る?」
全く! セイバーも連れずにほいほい出かけるんじゃないわよ!
しかも私に何も言わずに行くなんていい度胸ね。
「……学校だ。
ライダーのマスターに一人で来いとでも言われたのだろう」
バトラーは少し言いよどんだ後にそう言った。
……士郎って本気でバカ?
「それってマジなの?」
「ああ、本気と書いてマジと読むほどだ」
バトラーがそう言った後、
「なら、私たちも直に学校に行くべきです」
今まで黙っていたセイバーがそう言ってくる。
「でもねセイバー、
慎二は多分学校にいる人間全てを人質にしてるわ。
だから士郎も一人で行かざる負えなかったんでしょ」
「……いや、ここは直にでも行くべきだ」
「どうしてよ?
いくら慎二がヘッポコでもライダーの方は違うでしょ?
それなら結界に入った瞬間気づかれるわ」
「あのマスターの行動理念をここ数日で少しは理解した。
おそらく衛宮士郎が校内に入って直に結界を発動させるだろう。
そうなれば人質の意味がなくなる」
ってそれってもしかして。
「アンタは慎二が士郎を殺すかもしれないと思っているの?」
「ああ、そうするだろうな。
……議論は学校に向かいながらにしよう。
セイバーがこれ以上は耐えれまい」
「ええ、懸命な判断ですバトラー。
マスターの危機かもしれないのですから、
のんびりとしている暇はありません」
そう言って駆け出すセイバー。
それに私もついていく。
今回の件は私は余り悲観してはいない
こちらにはあのアーチャーとも互角以上に戦えた二人がいるのだ。
ライダーがどのようなサーヴァントか解らなくても負けないだろう。
私はその時そう考えていた。
そして学校に着く、
しかし入る寸前に結界が発動してしまった。
「くっ! さすが宝具による結界ね。
バトラー、どうにかできないかしら?」
その結界は私の宝石では解呪出来ないほどの代物だ。
「……仕方ないか」
そうバトラーが呟きその手に■■■を持って……何?
ソレが見えているのに理解できない!?
そしてバトラーがソレを結界に振るう。
一瞬光が弾けその後には結界に人が数人通れるぐらいの穴が出来ていた。
私とセイバーは驚愕の瞳をバトラーに向ける。
彼はほんの少し汗を掻いていたが他に変わったところはない。
「……何を呆けている。
急ぐぞ、廊下で衛宮士郎とライダーが対峙している」
バトラーの言葉で意識を戻す。
この距離で、しかも教室を挟んでいるのに彼には廊下が見えるようだ。
校庭を突っ切って行く。
そして半ばまで来た時にセイバーが消えた。
「なっ!?」
私は一瞬士郎が死んでしまったのではないかと思い愕然としてしまった。
「凛、落ち着け。
衛宮士郎が令呪でセイバーを呼んだのだろう。
私たちも急ぐとしよう」
そう言われて少しは落ち着いた。
どうも彼が関わると私の思考はフリーズしがちになるらしい。
むむ、由々しき事態だ。
side by ライダー
シンジの命令で他者封印・鮮血神殿(ブラットフォート・アンドロメダ)
を発動する。
大丈夫であろうが、この結界の内にはサクラもいるというのに……。
しかし偽りとはいえ今のマスターはシンジである。
そして今私はサクラの想い人たるシロウと対峙している。
彼女の願いに従い彼を殺すようなことはしない。
尤も今の私の力では簡単に彼を殺せそうもないが。
その時結界に違和感を感じる。
……結界に穴が開いた!?
信じられない、
確かに結界は弱まってはいるが簡単に穴を開けれる代物でもないというのに。
いや、彼なら。
あのバトラーならこれぐらいやって見せるかもしれない。
彼は色々な意味で規格外だから。
身体はシロウを襲っているのに思考はそんなことを考えている。
その時シンジから彼を殺すよう命令される。
仕方なく彼を窓から蹴落とす。
下手をすれば命はないが彼は令呪を使用して助かるだろう。
そうでなくてもバトラーが来ているのだ助からないわけがない。
そして強大な魔力の流れと共にセイバーが現れ彼を助ける。
「くそっ! 後少しだったのに!
ライダー、あいつらが来たら殺せ! いいな!!」
私はその言葉に答えず廊下の先に神経を集中する。
もう少しすれば彼が来てしまう。
こんなことをする私をどう思うだろうか?
……かつてのように化け物と呼ばれてしまうだろうか?
……?
私は何故こんなことを考えている……?
思考がループする。
巡り巡って思考ができなくなる。
そこへ彼らが来る。
即座にその思考を切り捨てセイバーに対して奇襲を仕掛ける。
くっ! 流石に最優と言われるだけの事はある。
完全な状態の私でもおそらく厳しい相手だろう。
数瞬打ち合った時シンジから命令が下る。
私はその命令に従いブラッドフォートを解除する。
そこへ、
「ふむ、どうやらもう幕らしいな。
遅刻して経過を見ることが出来なかったのが残念か」
あの何時も通りの態度で彼が来る。
鼓動が速くなり、先程以上に思考できなくなる。
もう一度先程よりも完璧に思考を切り捨てる。
彼の登場にセイバーとシロウの注意がそれた。
私の身体はシロウに一瞬で近づきシンジを庇う様に立つ。
結界の維持分の力の戻った私でも二人の英霊を相手は厳しい、
ならば、
「マスター、決して私の前に出ないように」
そう言って私の瞳を封印するための宝具である
自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)を外す。
開放された魔眼・キュベレイによって足止めをした後、
騎英の手綱(ベルレフォーン)で決める。
正直に言えばかなりの無茶になる。
シンジがマスターではキュベレイとベルレフォーンの同時使用は危険だ。
だが、現在これ以上の手段もない。
私はその瞳で彼らを見る。
彼らは私の行動から魔眼だと察知し視線を合わさない様にしている。
しかし視線を合わさずとも私に見られていることで効果は現れる。
そして、ベルレフォーンを使うためペガサスを召喚しようとした時、
彼と目が合った……。
あり得ない、彼は私の瞳を直視している。
なのに石化してもいなければ重圧がかかった様子もない。
私が召喚もしないで困惑していると、
「ふむ、素顔を見たのは初めてだがこれほどの美人だとはな。
それに、とても綺麗な瞳だ」
顔が熱い心臓の鼓動が激しい心がどうにかなる。
彼はなんと言ったのだ?
理解できない。
彼はどんな表情だった?
ダメだ、私はそれを見てはいけない。
こんな化け物の私に彼は何と言ってきたのだろう?
私は理解してはいけない。
だから私は、自分の首を短刀で、切り裂いた。
赤が空間に撒き散らされる。
だから私は気がつかなかった、
自分がその時、赤い涙を流していたことを……。
「……ベルレフォーン!!」
だから
愛馬に跨り
偽りの主を乗せ
脇目も振らず
駆け抜けた
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
アレレ? ドウシテライダーサンガコンナニデバッテイルノダロウ?
なんか想像よりも長くなり遅くなりました。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。